【短編小説(短編連作)】辻切区のどこか奇妙なXmas 22 もう何が何だかわからない 1000字
[HL:なんか大変そうですね]
そうして火ぶたは切って落とされた、まま俺の意識はロストした気がする。覚えてられたのは最初の数人ばかりで、あとは何を話していたのかわからない。なんか機械的に同じ言葉を繰り出していた気がする。
今日クリスマスパーティなんでしょう、いいですね~。
そうですね、今年はローポニーのフワフワしたフェミニンなやつが流行ってる気がします。
うちは今日明日にお祝いする余裕はないんですよ~。あはは~。
え、うちのパーティ? お客様用に割引券を配布してるんです。
ツリーの下? プレゼント? あれ? 松ぼっくりが落ちてました? 丸いからか何回かつけても転がっちゃうんですよね。
ツリーの下のはお客様同士が交換されるんですよ。クリスマス気分のちょっとした交流っていうか。
「あれ? 歳末感謝祭?」
「え?」
「あ、いえいえ、なんでもないです~」
それにしても何故クリスマスだとふわふわ系のアレンジが多いのかな。ハーフアップとかサイドとか、もうひたすら髪をくるくる巻くのにつられて目が回る。あれ、今のちゃんと左右対称に巻いたっけ、巻いたよな。持参のリボンやアクセがポイントになるように刺していけば、なんだかクリスマスツリーにオーナメントを飾っているような気がするんだ。ツリーからリボンを引っこ抜いてくくりつけ、松ぼっくりを芯にして髪を巻き上げ、トップスターを頭のてっぺんに植え付けるんだ。
……あれ? ちゃんと持参したオーナメント、じゃなくてアクセを使ってるよな。明日ツリーを見たらただのモミの木に戻ってたりしないよな。
視界がぼやけて吾郷君がもってきてくれたエナドリを一気飲みしてぼんやり自分の指先を眺めているのをつつかれて正気に戻って仕事を再開、そうして気が付けばバックヤードのソファで倒れていた。
「公理さん、生きてますー?」
「ええと、次のお客さん?」
「今日は終わりました、お疲れ様です」
「ともちゃんおつかれさま~」
もう誰の声だかもわからない。
「閉店作業は終わりました。えーと、タクシー呼びます?」
「あれ? いつも誰か送ってくれてるんじゃなかったっけ」
「お客さんは誰も残ってません」
残ってません……? なんか主語が変じゃないか? なんでお客さんが残ってる。みんな帰ってよ。もう腕は動かない。
「……タクシー呼びます?」
体はくたくたで、もう起き上がる気力なんて全然なかった。
「いいや。今日はここで寝て、朝イチで風呂入りに帰る」
「風邪ひかないでくださいね」
「そんな余裕ない」
to be Continued
オーナメント終了だー!
★次の話

#いつきちゃんのアドベントカレンダー
#松ぼっくり(オーナメント)
おじゃましますー。なるべく毎日、智ちゃんが主人公の話を書いてみようかな的な。途切れたらそれまで。
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神津関係ないクリスマスのホラーでございます。
