【展覧会】北斎展・現代陶芸展・居間展
企画趣旨
最近美術展に行く機会がありました。映画みたいに呟きで書こうかと思ったけれど開催日時や場所の情報だけで140字をオーバーするし保管場所に困るのと、僕はメモしておかなければ一瞬で忘れる、というか翌月にはきっと全然覚えていないので、せっかくわけのわからないコーナーを作ったのでここで書いてみることにします。
内容は、下記の3カ所です。見出しは短い方がいい主義なので、雑に短くしてます。
・HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO
・菊池コレクション現代陶芸のすすめ(菊池寛実記念 智美術館)
・リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s(国立新美術館)
我ながら共通性が全然ねぇな。僕は仕様を決めないとおちつかないタチなので、仕様は本雑綱目に準拠します。
↓期間外だったことに気が付いたからせっかくだから宣伝だけ。
定型注意書き。
「Thinking Time」は深夜にだらだら連ねたどうでもいい駄文をまとめたり謎の企画をやってみようなシリーズで、僕の頭に浮かんだことですから根拠とかは有りませんし、おおよそは妄言です。それに多くが結論があるわけでもない投げっぱなしです。また、テーマにかかわらず政治的主張や何かの陣営に与することを意図するものでは全くなく、そう解釈される場合は僕が歴史上の事実(思想ではない)をそのように認識しているだけか、僕の書き方が悪いということです。異論はとてもみとめるし、だいたいはすごく回りくどい。
HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO
概要
日本の文化芸術を世界へ発信する次世代アートエンタテインメント第1弾
日本が誇る文化資源を最新技術で再構築し、世界中の人たちに体験してもらうコンテンツを創生する事業「ANOTHER STORY PROJECT」を立ち上げ、第1弾として2025年2月1日~6月1日の期間、東急プラザにて『HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO』を開催します。
「ANOTHER STORY PROJECT」第1弾のコンテンツは、江戸時代に活躍した浮世絵師・葛飾北斎。世界的芸術家として広く認知され、その魅力的な人生や多彩な作品は多くの西洋のアートシーンにも影響を及ぼしたと言われています。2024年7月から発行が開始された新紙幣千円札の裏面の図柄に代表作“神奈川沖浪裏”が採用されるなど、日本国内外でも改めて注目を集めています。
開催期間:2025年4月23日(木) ~ 2025年6月1日(日)
料金:一般3,500円、高校・専門・大学2,200円、小・中学生1,500円
アクセス:GoogleMap 東急プラザ3F
事前印象
没入型展示というとチームラボが先鞭をつけて久しいが、実のところ行ったことはないのでちょっと期待していた。この記事を思いつく前に行ったので思い出しながら書いているんだけど、5日前なのにすでに忘れかけている。感情とか思考の記憶って書いて視覚に残しとかないと残らないんだよな。視覚・聴覚情報は保管場所が違うのかわりと引き出せるんだけど置いとくとリンクがみつからなくなる。
中身と感想
概要に料金をわざわざ書くことにしたのは、有料コンテンツには全て費用対感動的なものがあるからだ、本展示は美術展示の料金としては見合わないと思ったが、一方でアトラクションとしてはなし寄りのありな価格帯だとは思う。
展示は4メートル四方の部屋の三面の壁と床に映像を投下し体験する部屋2つ(①)と、それをつなぐ廊下(②)と最後に2x10mほどの一面スクリーンの映像1つ(③)で構成されている。
①では富嶽三十六景のうちそれぞれ数枚の映像が投影されるが、次の絵に変わる場面で空や山などの一部が拡大されて視点を移す方法でシームレスに移り変わり(その様子はダイナミックでなかなかよい)、歩くと床に波紋が表示されたり時には天井から風を吹かせて臨場感を持たせている。インタラクティブ感? そして例えば遠江山中では大工がのこで材木を裁断し、江都駿河町三井見世略図では凧が空をふらふらと舞うという感じで最近はやりのAI風味に絵を動かしている。絵の中に入っているような感覚にならなくもないけれど没入という感覚はほど遠く、やはり眺めてる感じだなとは思う。
そもそもの解像度が低い。しかしそれは仕方がない。そもそもの浮世絵自体大きなものではないのでそれを引きのばしてるから元々の解像度の問題ではあるのだが、イメージ的には上等なパラッパラッパー(昔のゲーム)というのが一番近いかもしれない。正直、動画でいい気はする。
②の廊下には竹細工なオブジェクトと名刺サイズの富嶽三十六景(暗くて近寄らないと読めない)が説明書きとともに置かれている。とりあえずフォトスポットとモダンアート的なオブジェを置いてみましたという感じで、北斎にリスペクトが低いなと思うのは、このものすごく繋ぎ感のある廊下部分だ。けれどこの展示の性質を考えれば、これはこれでいい。理由は最後。
③の横長スクリーンは10分か15分刻みの映像を流す試みで、たまに天井から風が吹く。現れる映像は現代と北斎をつなぐというものだけれど、基本的には繋がってないのと、流行をつっこんだような幾何学的な模様を適当に組み合わせたりしたもので、トリに持ってきてはいるが、これを見に訪れるほどのものではない。なので本展示の目玉は比較的新規性のある①かなと思う。③のメインは神奈川沖浪裏なんだろうけれど、波に翻弄される小舟をうまく組み合わせられてない感じがした。たぶん技術的に挫折したのだろう。おそらく立体的に画面を構成しないとあの絵の再現は無理な気がするけれど、きっとデータが足らないんだ、もともとが平面図だから。ここが上手くいけばなかなかの展示だった気はする。
全体として、映像体験アトラクションの題材として北斎を選んだ展示だった。きっとこれは北斎じゃなくてゴッホとかルノアールでも同じ。そういえばなんか他の画家でも広告を見た気がする。だから絵画自体ではなく絵画の世界感を体験する場所で、そもそも北斎の絵を期待して見に行くのは間違いだ。目的が違う。一方で何らかの面白い映像を見に行く(遊園地とかお化け屋敷のように商業的なコンテンツを消費しに行く)とするならば、分量的にも時間を潰したりデートスポットとしては一つの選択肢かなとは思う。その非日常の体験はつきぬけたものではなかったけれど。
当然ながらこれは僕の感想で、他の人にはとても面白かったりよりつまらなく感じる展示だとは思うが、全体を考えると完成度としては中程度と思う。多分だが、この会社は②で書いた通り富嶽三十六景に対するリスペクトがない。そこが不満。
菊池コレクション現代陶芸のすすめ
概要
陶芸といえば日用陶器や茶陶をはじめとした道具としての器を想像されるかもしれません。しかし、現代の陶芸には器の形態を用途や機能ではなく立体造形としてとらえる視点があり、また、素材や技法、伝統など陶芸にまつわる要素を独自の視点でとらえたオブジェ的な造形作品が存在します。個人作家によって展開される多様な制作、その未知なる思考、美意識に当館設立者の菊池智(1923~2016)は魅了され、20世紀後半以降の日本の陶芸作品を精力的に蒐集しました。そして、1983年には自身のコレクションによる展覧会「Japanese Ceramics Today(現代日本陶芸展)」をスミソニアン国立自然史博物館のトーマス・M・エバンスギャラリー(米・ワシントン)で開催します。当時40代から50代であった作家たちの作品を中心に構成し、日米の貿易摩擦が問題となるさなかに日本の同時代の文化を紹介する展覧会が受け入れられた経験は、菊池がその後、文化事業に注力していく契機ともなりました。
本展では、同展出品作をはじめ、1970年代から80年代の作品を中心に日本の現代陶芸の展開をご覧いただきます。
開催期間:2025年1月18日(土) ~ 2025年5月6日(火)
料金:一般1,100円、大学生800円、小・中・高500円
アクセス:GoogleMap 菊池寛実記念 智美術館
事前印象
開催期間ギリギリであまり参考にならないタイミング。何かすみません。行く予定が直前だったので。
現代は多様性の時代と呼ばれるけれど、アートの感動というものも細分化されている。けれどそれはそれで時代の流れなのでよい。例えば僕は印象画は全体として好きなのだけど、好きな画家と全然どこがいいのかわからない画家が両極端だ。だから特別誰かに刺されば芸術だとは思うけれど、それが僕であるとの確信は絶対もてないのが現代美術というものだと思う。特に陶芸というのはもともと僕は縁が遠くて、ガレのランプは綺麗だなとは思うものの他はあまりよくわからない。HPに展示されているものはイマイチピンとこなかったけれど、こういうのは出会いのものなので、見ればまた違うかなと思って期待している。
中身と感想
やっぱり現代陶芸という以前に陶芸の良し悪しがよくわからないけれど、実際見るのと写真でみるのとではだいぶん雰囲気が違ったので、結構面白かった。釉薬の光沢やざわざわした質感ってやっぱり写真では限界があると思う。でもやはり不勉強なのでよくわからない。全体として使用は想定されておらず、オブジェとして掛け軸と同様、空間を作る為の存在感がある。タイトルと中身が一見して繋がらないけど、同じ作者間だなと思うタイトル付けはなんだかおもしろかった。陶芸が好きなら面白いと思う。
それはそれとして、僕的にはこの建物の立地と作りがとても興味深い。どっちかというと陶芸より建物の方が好き。詳しくないと感想がかけないと思ったやつ。
リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s
概要
本展覧会では、20世紀にはじまった住宅をめぐる革新的な試みを、衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープという、モダン・ハウスを特徴づける7つの観点から再考します。そして、特に力を入れてご紹介する傑作14邸を中心に、20世紀の住まいの実験を、写真や図面、スケッチ、模型、家具、テキスタイル、食器、雑誌やグラフィックなどを通じて多角的に検証します。
開催期間:2025年3月19日(水) ~ 2025年6月30日(月)
料金:一般1,800円、大学生1,000円、高500円
アクセス:GoogleMap(国立新美術館)
事前印象
僕は建築が好きです。なのでこの展示は結構面白いんじゃないかと期待している。でも引っかかっているのが新美術館なところで、ここの展示はなんか平板に並んでいることが多いんだよな。森美術館とかは展示方法がいつも面白くて、同じ建築関係では昔やってたコルビジェ展はとても楽しかった。そんな意味で新美術館でやることに一抹の不安がある……。キュレーターのお仕事って偉大だと思うんですよ。それ一つで一見的な理解度と解像度が全然違うから。他に展示がよいのはオペラシティアートギャラリーとか江戸東京博物館とか。
中身と感想
不安と期待にもぞもぞしながらいってみて、やっぱり新美術館だなって思った奴。いつもただ進行ルートを雑に区切る為だけに置かれている仕切り壁は取っ払われて、広いフロアの各所にブロックが設けられてエリアごとに模型や図像、パネルブースがある。何故分けた。
オープンスペースの難しさって客が自由に移動できるところで、同線が絞り切れない。おそらく想定した流れはパネルで建築の意義を把握したうえで模型、そして各部の写真や図面で全体を把握するというところだけれど、足の流れで場所によっては写真をみてから模型を見て、最後に内容のパネルになる部分が何カ所が発生した。意識的に最初にパネルを探そうにも、オープンスペースの諸所にただ吊り下げられてる(または立てられている)だけだから、わざわざ探さないといけない。
それから模型もあまり効果的に配置されているとは思えない。模型は模型で独立していて(しかも時には別の島にある)、目の前の図面や写真が模型のどの角度からみたどの部屋なのかが一見でわからない。基本的に写真は一方向から見た面把握でしかなく、図面を見てそれを頭の中で立体化させる技能を全ての人間は持っていないので、正直建物として把握するのはなかなかハードルが高いなとは思う。そしてそれぞれのテーマで書いてあるパネルの内容について、ここがそうだとか、ここを見てくれだとかが模型や写真などに示されているわけでもない(ものすごく小さい字で注釈がついていたりはするけれどまったく強調されていない)。
以上から、ある程度建築に詳しい人が自分の頭の中で組み立てながら当時の建築を想像しながら巡る展示であって、あまり詳しくないひとがフラッと来て楽しめるかというと、あまりお勧めはできないかも。建築コンペとかそんな雰囲気か(アピールがあるという点で建築コンペのほうが分かりやすい気はする)。
それを最も実感したのは最後のお土産屋で図録を手に取った時で、模型が用意されていた展示内容よりそれぞれがまとまった図録の方が圧倒的に解像度が高いんだ。だから図録があれば見に行かなくてもいいかなという気がした。せめてコンセプトは写図や模型と同じ島に設置するべきだと思う。
何故だか感想を忘れてたので最後に追記するけれど、フランク・ゲーリーもコルビジェも好きだ。そして藤井厚二もルイス・カーンも面白かった。そしていろんな人に彼らの建築の面白さを知ってもらいたいけれど、普通の人にこの見せ方はハードル高いと思う。
一緒に行った建築詳しくない人は、思ってたんと違うと言ってた。確かにチラシで見るフレンドリーなイメージは違うとは思う。
おまけ
智美術館の開館時間間違えて久しぶりに港区立みなと科学館と気象科学館に行きましたが、相変わらず無料とは思えないクオリティでした。規模はだいぶん小さいけど常設のほうの国立博物館を縮小した感じな触って遊べる博物館なので、小学生以下のお子様と一緒にいくにはとてもいい施設と思う。プラネタリウムも100円で破格に安い(いつもタイミング悪くて観たことはないけど)。
この頁が含まれる好き勝手書いてるマガジン。
