【短編小説(短編連作)】辻切区のどこか奇妙なXmas 2 負担のないクリスマスなイベント? 1000字
[HL:深夜まで働いて、そっからパーティなんてやってられっか]
「お茶とか無理です」
「じゃあ送ってくよ」
「ストーカー」
「あんまり断ると気になって夢に出ちゃうかも」
要ちゃんはガチめに嫌そうな顔で俺を睨む。暇だったのもあってちょっと揶揄い過ぎた自覚はある。うん、ごめん。
要ちゃんの家の近くはもともと俺の実家があって、家族ぐるみの付き合いをしてたんだ。だから要ちゃんにとって俺は近所のお兄さんという関係性で間違いなく、駅前から離れて要ちゃんの家に近づけば近づくほど変に勘ぐる人間は減っていき、ナンパと思う人間なんて0になる。それで結局地元の商店街までたどり着き、この辺まで来ると最早知り合いばかりで時間の経過とともに要ちゃんの機嫌もマイナス一直線だから、イートインのあるケーキ屋にログインする。ここも俺の同級生の実家。
「何個でも頼んで」
「女子高生がケーキ何個も食べちゃダメってことくらいわかってください」
要ちゃん細いじゃん、と思ったけれど、何が地雷になるか最近は本当にわからない。俺の頭の中を読んだのか、要ちゃんはため息を吐く。
「バランスとかあるんですよ。まぁ、いいです。公理さんにはたまに助けてもらってるし。それでクリスマスっぽいイベントでしたっけ」
そう呟きつつ、要ちゃんはミルクティーをくるくるとスプーンでかき混ぜながらフルーツタルトに舌鼓を打っていた。
「そうそう。今さ、ケーキもいいなぁと思ったんだけどね、終業後の午前様でケーキはやばいよね。色々。俺は一刻も早く帰って寝たい」
「それなら安易にプレゼントは?」
「悪くはないけど物を渡して終わりも、味気ないかな。餅代とかお年玉と変わんない。欲しいのはむしろ、クリスマスっていうイベント感?」
記念日だってただ渡されても、それどころじゃなく慌ただしい日常に埋もれて忘れてしまうだろう。
「サプライズの方がいいですか?」
「う」
その言葉と共に様々に訪れたトラブルが浮かぶ。髪の毛入ってたりさぁ。でも俺から従業員への方向ならイカレたことはしないと心に誓う。
「あんまり重くないならまぁ、サプライズでもいいけど」
「アドベントって知ってます?」
「カレンダーとかのやつ?」
「そう。一日ずつクリスマスに向けて皆でプレゼントを靴下に詰めるんです。駅前のHANDSに凄い大きいのを売ってるから。それをクリスマスの日に開けてみんなで分けるとか」
それはなんだかクリスマスへの期待が盛り上がっていくような、不吉な予感がチラチラ見えるような。
to be Continued…
★次の話
#いつきちゃんのアドベントカレンダー
#プレゼントを入れる靴下
おじゃましますー。なるべく毎日、智ちゃんが主人公の話を書いてみようかな的な。途切れたらそれまで。

★似た系列の話
おなじ商店街の倉科不動産のお話。
