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本雑綱目 39 谷口幸男・遠藤紀勝 図説 ヨーロッパの祭り

これは乱数メーカーを用いて手元にある約5000冊の本から1冊を選んで読んでみる、ついでに小説に使えるかとか考えてみようという雑な企画です。

今回は谷口幸男・遠藤紀勝著『図説 ヨーロッパの祭り』です。
河出書房新社でISBN-13は978-4309725895。
NDC分類では社会科学>年中行事. 祭礼。

1.読前印象
 ヨーロッパのお祭りも地域色が豊かなのは認識してるが、さほど詳しくはない。有名なのはスペインの牛追いとかトマトとか、ベネチアの仮面の祭りとか、最近流行ったミッドサマーの北欧のお祭りやドルイドのサウィンなどの季節の移り変わりのお祭りとか。もちろんキリスト教由来のクリスマスなんかもあるだろうし。それで図説でカラーだった気がするから、なんとなくカラフルな気分。謂れなどが書いていると面白そう。

2.目次と前書きチェック
 目次は『ヨーロッパの祭』、『冬のはじまり』、『冬至祭とクリスマス』、『冬と夏のたたかい』、『冬の追い出しと夏迎え』、『よみがえる太陽』、『歓喜の5月』、『夏至祭』『夏の終わり』付録のキリスト教年中行事事典へと続く。
 なんとなくケルトの空気を感じるな。ケルトは一年を4つにわけるけれど、本質的には夏と冬をはさんで世界を明と暗、生と死を分けている。サウィンがハロウィンになったとかベルティネにメイポールを立てるといった話はおぼろげに知っているけれど、それの意味合い自体は詳しくは知らないことに気がついた。
 『冬と夏のたたかい』と『夏の終わり』を読んでみよう。

3.中身
『冬と夏のたたかい』について。
 特にケルトというわけでもなく、ヨーロッパ各地の新年のお祭りとして、スイスのクロイセ、オーストリアの公現節、バイキングの火祭りを紹介している。
 基本的には冬から夏に向かうムーブを悪を打ち払うものと位置づけていた、カラーの写真の添えられたいずれも珍しい祭りの紹介で興味深かった。やはりキリスト教の影響が大きいと感じる。
 章タイトルに関連する記載がないじゃんと思ったら、プロローグである『ヨーロッパの祭』詳しく述べられているらしいから、後で追加で読むことにする。

『夏の終わり』について。
 夏の終わり、つまり明から暗に移行するときに収穫を喜ぶ祭りについて。ポルトガルの聖母マリアの巡礼祭、ドイツの聖キリアニ祭、スイスの家畜の追いおろし、アルザスのワイン祭り、ベルギーの収穫祭が紹介されている。

『ヨーロッパの祭(プロローグ)』について。
 ヨーロッパの祭りにはキリスト教行事に由来する祭りと農耕牧畜と結びつく世俗的な祭りがあり、それらが相互に関連し複合した祭りがある。三番目の最たるものがクリスマスであるが、ニカイア公会議によってこの日がキリスト生誕と定めた際にまつりの内容にミトラの冬至祭とサトルナーリアの祭りを取り入れられ、北欧ではユールの夏至祭が取り入れられた。
 キリスト教はもとよりこのように土着の神や祭りを取り入れるある意味文化破壊的な側面がある。そのため現在まで土着そのままの姿で残ってるものはほとんどないとは思うけれど文化の混交と考えれば仕方がないし、現在の祭りの姿から断片的に古代の人々がどのような信仰を持っていたかをうかがい知ることができる。

 本書の構成としては、概括的な説明をプロローグ(のみ)に、そして各章には上記3つの類型に当てはまる個別の祭りの様子が記されているようだ。主眼は多分後者で、お祭り紹介だ。珍しいお祭りは読んでいるだけで興味深い。
 小説に使えるかどうかについてだが、それぞれの土地の祭りについてそれなりに詳細な記載があるので、それぞれの土地の話を書くには有用だと思う。お祭りというのは住民の普段の信仰とか深層心理なんかにもつながるし、お祭りシーンをいれると華やかで差別化もできるだろうし。

4.結び
 お祭り資料としては面白いのだけれど、単独で開くほどの物語性はない、というかこれは図説なので、必要なときに開く資料なのです。
 次回は楠見千鶴子著『ギリシアの古代オリンピック』です。
 ではまた明日! 多分!

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