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ヤマモモって個性が強すぎて、いっぺんで気に入りました

6月のふかふかの土の上の、真っ赤に熟したヤマモモに完全に魅せられてしまいました。服を染めるほどのその野生の味から、我が家の「主夫」の幸せ、そしてテニスで鍛えた呼吸筋で目指す「口笛音楽家」の野望まで……!ヤマモモに負けない強烈な個性を放つ、やんちゃな71歳の人生讃歌を綴ります。

読者の皆さん、こんにちは。

突然ですが、皆さんは「ヤマモモ」を食べたことがありますか?実は私、去年あたりから、このヤマモモに完全にハマってしまっているのです。

付き合い自体はもう何年も前からで、ある知り合いが公園にあるヤマモモの木を教えてくれたのが始まりでした。嬉しいことに、その公園の管理事務所も「どうぞ自由に取っていってください」と許可してくれている、ありがたい木なのです。

その友達がその木のヤマモモで作ったお手製のジャムを、プレゼントしてくれたことがありました。すごく美味しかったのですが、やっぱりお砂糖が入っているんですよね。でも、このガツンと癖のあるヤマモモは、お砂糖なんか入れちゃダメ、何も加えずに、そのまま食べるべき物だったんですよね。

そんなヤマモモの本当の魅力を知ったのは、去年の6月25日のことでした。

その木を訪れると、なんとネパールからやってきた20代とおぼしき若者たち3人。そのうちの1人が、まるでおサルのようにスルスルと木に登って、実をつまみ取っては、その場で生のまま美味しそうに食べていたのです。「なるほど、やっぱりこれは生でそのままいくのが一番んだな!」と膝を打ちました。

実はネパールのお国では、このヤマモモは最高のフルーツとしてすこぶる愛されているのだそうです。木の上から、遥か遠くにある故郷の空を眺めていたのでした。きっと、故郷のあの懐かしいヤマモモの味が恋しくて、たまらなくなっていたのでしょう。

彼らは、今は日本語学校に通いながら、日本の車の会社で働いて、20代のうちに早く結婚し、30代になったら故郷のネパールに帰って農業をやるんですと、瞳を輝かせて真っ直ぐな夢を語ってくれたのでした。

その時、私の差し出したビニール袋に、たくさんのヤマモモを収穫して私に手渡してくれました。

私の基本は「土の上に落ちている熟した実を拾うこと」

下が一面アスファルトやコンクリートの場所だと落ちた実が潰れて汚くなってしまいますが、その木がある一角だけは地面がふかふかの土なので、落ちた実がきれいなまま私を待っていてくれます。もう、嬉しくて仕方がありません。

一昨日も大きな袋に2つ分もどっさりと収穫してきて、今は贅沢に冷凍保存して楽しんでいます。あの、口に入れた瞬間に広がる甘酸っぱさ。喉がむせ返るほどに強烈で、エネルギッシュな野生の味。この個性的な味わいが、私のやんちゃな心にぴったりと寄り添ってくれるのです。

ところが、家に帰ってきてびっくりしました。気がつくと、私の茶色のズボンが2箇所、鮮やかな紫色に染まっていたのです。あわてて石鹸でゴシゴシ洗ってみたら、今度はその紫がなんとブルーに変色していきました。そのまま乾かしてみたら、なんだか最初からそういうデザインだったかのような、不思議でおしゃれなズボンに大変身してしまったのです。

仕事から帰ってきた妻にそのズボンを見せると、「本当に個性が強い実なのね。それだけ酸が強いから、服の色まで変えちゃうのよ」と言われました。今回拾ったヤマモモを、妻は食べようとしません。私が「どうして今年はヤマモモを食べないの?」と聞くと、妻はおだやかに微笑みながら「どうしても、好きになれないのよねぇ」と答えます。なるほど、合点がいきました。やっぱりうちの妻もかなりの強者で、個性が強い人なのです。だからこそ、個性の強すぎるヤマモモとはお互いに反発し合ってしまうのでしょうね。今年は孫たちに、たっぷりおすそ分けすることにしましょう。

そんな妻は、ある意味で私の人生の「先生」でもあります。現在、妻は外に出て仕事をしており、私は家を守る「主夫」に専念しています。夫である私が主夫になったとき、妻は私にこんな言葉を贈ってくれました。

「あなた、主夫にならなければ、人生の本当の幸せはわからないわよ。主夫になって、しっかり人生を味わいなさい」

その言葉通り、主夫になって家事をこなす毎日は最高に幸せで、人生の深みを味わうことができています。こうして役割を分担し、お互いを尊重しながら二人三脚で歩む夫婦の人生が、嬉しくてたまりません。

家を守る主夫であり、120歳現役の二刀流壁打ちテニスのエッセイストとして歩んでいく。

実は私、68歳からの3年間、この二刀流壁打ちテニスを毎日2時間、全力で集中して続けてきました。するとどうでしょう。腹筋、背筋、腹斜筋、さらには呼吸筋までもが劇的に鍛え上げられ、なんと最近は、口笛が美しく吹けるようになったのです!

今は、あらゆるクラシック音楽をこの口笛で奏でられるのではないかと、虎視眈々と狙っています。そう、将来は口笛音楽家としても身を立ててゆくぞ、という新たな野望が芽生えているのです。

どうですか、これ以上ないほど個性的でしょう?

実は今日、6月15日から、私たち夫婦はインドネシアのバリ島へ旅立ちます。南国の太陽の下で、きっとたくさんの個性豊かなフルーツを食べてくることでしょう。

しかしですね、日本のあのヤマモモだって負けていません。私もこれから、あの強烈なヤマモモに負けないくらい、もっともっと、どこまでも個性的に生きていきます。

20日に日本へ帰ってきたら、私はまたすぐに、あの土の地面のヤマモモの木の熟した実を拾いに向かうつもりです。


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