見出し画像

公共工事に挑戦したい建具工事業の方へ〜経営事項審査(経審)で入札参加を実現する進め方【大阪府河内長野市の実例つき】

行政書士の岡本一希です。大阪府河内長野市で建具工事業を営む皆さまのなかには、「公共工事を受注してみたいけれど、経営事項審査(経審)は手続きが難しそうで、なかなか一歩を踏み出せない」とお感じの方も多いのではないでしょうか。経審は公共工事の入札に参加するために欠かせない審査ですが、正しい順番で準備を進めれば、決して越えられない壁ではありません。私の事務所は建設業許可の「更新」を専門とし、許可取得後に毎年必要となる経審や決算変更届を継続的にサポートしています。今回は、河内長野市の建具工事業を例に、経審の仕組みと入札参加までの流れをわかりやすくお話しします。
■経営事項審査(経審)とは?
経営事項審査(経審)とは、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない審査です。国や大阪府、市町村などが発注する公共工事の入札に参加するには、この経審を受けて「総合評定値(P点)」の通知を受けることが前提となります。P点は、企業の経営規模・経営状況・技術力・その他の要素を数値化した客観的な評価指標で、入札参加資格のランク付けにも用いられます。重要なのは、経審は一度受ければ終わりではなく、毎年決算後に受審し続ける必要があるという点です。総合評定値の有効期間は審査基準日から1年7か月であるため、途切れなく入札に参加するには毎年の計画的な受審が欠かせません。
■河内長野市の建具工事業が入札参加を実現した実例
河内長野市で建具工事業を営むA社(従業員6名)は、これまで民間の住宅・店舗向け建具工事を中心に手がけてきましたが、「公共施設の建具改修工事にも参加したい」というご相談をいただきました。ただ、A社は許可取得後の決算変更届を2期分ためており、そのままでは経審を受けられない状態でした。まず溜まっていた決算変更届2期分を一括で整備し、続いて経営状況分析、経審申請と段階的に進めました。初回のご相談から結果通知まで約3か月。初受審の総合評定値(P点)は約640点となり、その後、市の入札参加資格者名簿に登録することができました。翌年度には市発注の小規模な建具改修工事を1件受注。A社の社長からは「何から手をつければいいか分からなかったが、順番に案内してもらえたので思ったより早く公共工事に参加できた」との声をいただいています。
■経審の2ステップ
経審は大きく2つのステップに分かれます。ステップ①は「経営状況分析」です。これは決算書(財務諸表)をもとに企業の財務健全性を評価するもので、登録経営状況分析機関に申請し「経営状況点数(Y点)」を算出してもらいます。負債の状況や利益、自己資本などが評価対象です。ステップ②は「経営規模等評価および総合評定値の請求」です。こちらは大阪府(知事許可の場合)に申請し、完成工事高・技術職員数・保有する資格・社会性などを評価します。ステップ①のY点と、②で算出される各評点を合算して、最終的な総合評定値(P点)が決まります。順序が決まっているため、まずは経営状況分析を先に済ませておくことがスムーズな受審のポイントです。
■経審の前に必要な決算変更届
意外と見落とされがちですが、経審を受けるには前提として「決算変更届(事業年度終了届)」が毎年提出済みであることが必要です。決算変更届は、事業年度終了後4か月以内に、その期の工事経歴書や財務諸表などを許可行政庁に提出する手続きです。これが未提出のままだと、経審の申請そのものが受け付けられません。前述のA社のように数期分をためてしまっているケースでは、まず決算変更届を整理することが経審への第一歩になります。「毎年の決算変更届 → 経審」という流れをセットで捉えておくと、入札参加の資格を途切れさせずに済みます。
■対象となる方・要件
経審の対象となるのは、建設業許可を受けている業者のうち、国や地方公共団体などが発注する公共工事を元請として直接請け負おうとする方です。逆に、下請専門で公共工事を直接請け負う予定がない場合や、民間工事のみを行う場合には、必ずしも経審は必要ありません。受審にあたっては、有効な建設業許可を保有していること、決算変更届が提出済みであること、経営状況分析を受けていることなどが前提となります。なお、私の事務所は建設業許可の更新を専門としており、新規の許可申請は承っておりませんが、すでに許可をお持ちの建具工事業者さまの経審・更新・決算変更届は継続してサポートいたします。
■費用の目安
経営事項審査のサポート費用は、経営状況分析と経審申請を合わせた一式で66,000円〜(税別)です。これとは別に、登録分析機関へ支払う分析料が約13,000円〜、大阪府へ支払う経審手数料が11,000円〜(審査対象の業種数が増えるごとに加算)必要になります。また、経審の前提となる決算変更届は1期あたり25,000円〜(税別)で、複数期をためている場合もまとめて対応いたします。更新専門だからこそ、毎年発生する費用をできるだけ抑えたいという建設業者さまのお気持ちに寄り添います。
■受審の流れ
1. 決算変更届の提出状況を確認し、未提出分を整備する
2. 決算書をもとに登録機関へ経営状況分析を申請する(Y点の算出)
3. 完成工事高や技術職員などの資料を整え、大阪府へ経審(経営規模等評価・総合評定値請求)を申請する
4. 審査を経て総合評定値(P点)の結果通知を受け取る
5. P点をもとに、参加したい発注機関へ入札参加資格審査申請(指名願い)を行う
■スムーズに受審するためのポイント
経審をスムーズに進めるコツは、なんといっても「前倒しの準備」です。決算が確定したら早めに決算変更届を提出し、そのまま経営状況分析へ進むと、審査基準日から結果通知までの期間を短くできます。また、技術職員の資格や完成工事高はP点に大きく影響するため、日頃から資格取得や工事実績の整理を意識しておくと評価が安定します。書類は年度をまたぐと収集が難しくなることもあるため、契約書・注文書・請求書などは工事ごとにまとめて保管しておくと安心です。毎年のスケジュールをあらかじめ決めておけば、入札参加資格を途切れさせずに済みます。
■よくある質問
Q. 経審は毎年受ける必要がありますか?
A. はい。総合評定値の有効期間は審査基準日から1年7か月です。公共工事の入札参加を継続するには、毎年決算後に受審し続ける必要があります。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 経審一式は66,000円〜(税別)で、別途、分析料約13,000円〜・経審手数料11,000円〜がかかります。審査する業種数が増えると手数料も増えます。
Q. 業種を増やすと費用は変わりますか?
A. 経審手数料は審査対象の業種数に応じて加算されるため、業種が多いほど費用は増えます。事前にお見積りをご提示しますのでご安心ください。
Q. 新規の許可申請もお願いできますか?
A. 私の事務所は建設業許可の更新を専門としており、新規の許可申請は承っておりません。すでに許可をお持ちの方の経審・更新・決算変更届は継続してサポートいたします。
■まとめ
経営事項審査は、毎年の決算変更届と組み合わせて計画的に進めることで、公共工事の入札参加へと着実につながります。「うちも公共工事に挑戦してみたい」「決算変更届がたまっていて経審を受けられるか不安」という建具工事業の皆さまは、ぜひ一度ご相談ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。大阪府堺市・南大阪エリアを中心に、建設業許可・経営事項審査(経審)のご相談を承っている行政書士の岡本です。初回相談は無料でお受けしていますので、お気軽にご連絡ください。
▶ 事務所ウェブサイト:https://gyouseishosi-sakai.com/
 お問い合わせ:https://gyouseishosi-sakai.com/otoiawase/
これからも相続・遺言・補助金・建設業など、日々の実務で感じたことをnoteで発信していきます。よろしければフォローをお願いします。

いいなと思ったら応援しよう!