経審の点数(P点)ってどう決まる?上げ方のポイントを行政書士が解説
行政書士の岡本一希です。
前回(連載第1回)では、経営事項審査(経審)が「公共工事の入札に必要な会社の通信簿」であることをお伝えしました。今回は一歩踏み込んで、経審の点数——総合評定値(P点)がどう決まるのか、どうすれば上げられるのかを、堺・南大阪で経審を専門にサポートする立場から解説します。仕組みが分かると、日頃の経営のどこに気を配ればよいかが見えてきます。
■ 総合評定値(P点)は5つの要素でできている
経審の最終的な点数である総合評定値(P点)は、次の5つの評価項目を、決められた割合で組み合わせて算出されます。
・X1:完成工事高(工事の売上規模)
・X2:自己資本額・利益額(会社の体力)
・Y:経営状況(財務の健全性=経営状況分析の点数)
・Z:技術力(技術職員の数・保有資格、元請完成工事高)
・W:その他の審査項目(社会性等)(社会保険の加入、法令遵守、建設業経理士の在籍など)
これらに、おおまかにX1が約25%、X2が約15%、Yが約20%、Zが約25%、Wが約15%という重み付けをして合算し、P点が決まります。1つの要素だけでなく、規模・財務・技術・社会性をバランスよく高めることが、P点アップのコツです。
■ Y点(経営状況)——財務の健全性
Y点は、経営状況分析機関が財務諸表をもとに算出する「財務の健全性」の点数です。負債の少なさ、利益の出方、資金繰りの安定などが評価されます。決算の内容がそのまま点数に反映されるため、日頃からの健全な経営がここに表れます。急に変えられるものではありませんが、借入と自己資本のバランスを意識するなど、中長期で改善できる項目です。
■ X点(経営規模)——売上と会社の体力
X1は完成工事高(工事の売上)、X2は自己資本額と利益額です。決算変更届で報告する完成工事高が、そのままX1の評価に使われます。ここでも、毎年の決算変更届を正確に積み上げておくことが効いてきます。なお完成工事高は、直前の年だけでなく、2年または3年の平均を選べる仕組みもあり、どう申告するかで点数が変わることがあります。こうした選択は専門家の腕の見せどころです。
■ Z点・W点——技術力と社会性は"今から積み上げられる"
Z点(技術力)は、技術職員の数や保有資格、元請としての完成工事高で決まります。資格取得の奨励や、技術者の適切な配置で伸ばせる項目です。
W点(その他の社会性)は、社会保険への加入、建設業退職金共済(建退共)への加入、建設業経理士の在籍、法令遵守の状況などが評価されます。これらは「取り組めば加点される」項目が多く、比較的短期間でP点アップにつなげやすいのが特徴です。たとえば社会保険にきちんと加入する、経理担当が建設業経理士の資格を取る、といった取り組みが点数に直結します。
■ 受審(経審を受ける)の流れ
決算変更届の提出:その年度の決算変更届を提出します(経審の土台)。
2. 経営状況分析の申請:登録分析機関へ財務分析(Y点)を依頼します。分析結果通知書を受け取ります。
3. 経営規模等評価・総合評定値の申請:大阪府へ申請書と必要書類を提出します。技術職員名簿や工事の資料などを添えます。
4. 審査:書類にもとづき審査が行われます。
5. 総合評定値(P点)の通知:結果通知書が届きます。
6. 入札参加資格申請:受けたい自治体ごとに、このP点をもとに入札参加資格を登録します。
毎年この流れを、有効期間(審査基準日から1年7か月)が切れないように繰り返します。当事務所では、決算変更届から経営状況分析の手配、経審申請、入札参加資格までを一貫してサポートし、毎年の受審スケジュールを管理しますので、うっかり切らしてしまう心配がありません。
■ P点を上げるために日頃からできること
・社会保険・建退共に加入する(W点の加点)
・建設業経理士(2級以上)の在籍(W点の加点)
・技術者の資格取得を支援する(Z点の向上)
・自己資本を厚くし、財務を健全に保つ(X2・Y点の向上)
・毎年の決算変更届を正確に積み上げる(X1の土台)
いずれも一朝一夕ではありませんが、「経審を意識した経営」を続けることが、結果的に受注力の底上げになります。
■ 費用の目安
・経営事項審査 一式(経営状況分析+経審申請):行政書士報酬66,000円〜(税別)
・経営状況分析料:約13,000円〜(分析機関へ)
・経審手数料:11,000円〜(審査する業種数により増加)
・決算変更届(未提出がある場合):1期25,000円〜(税別)
建設業を扱う近隣事務所の相場(中央値)より約2割お手頃な、更新専門ならではの価格です。
■ よくある質問
Q. P点はどのくらいあれば良いのですか?
A. 目指す工事の規模や自治体の格付け基準によります。まずは現状のP点を把握し、目標に向けて加点項目を積み上げるのが現実的です。
Q. 経審の点数はすぐ上げられますか?
A. 社会性(W点)など短期で加点できる項目もあれば、財務や規模のように時間がかかる項目もあります。計画的に取り組むのが効果的です。
Q. 業種数が多いと手数料は増えますか?
A. はい。審査を受ける業種数に応じて経審手数料が加算されます。必要な業種にしぼる判断も大切です。
■ まとめ
経審の総合評定値(P点)は、完成工事高・財務・技術力・社会性のバランスで決まります。特に社会保険加入や建設業経理士の在籍といった社会性の項目は、取り組み次第で着実に加点できます。そして、そのすべての土台になるのが毎年の決算変更届です。堺・南大阪で公共工事の受注力を高めたい建設業の方は、ぜひ無料相談をご活用ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。堺・南大阪エリアを中心に、建設業許可・経営事項審査(経審)のご相談を承っている行政書士の岡本です。初回相談は無料でお受けしていますので、お気軽にご連絡ください。
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