事業成長を引っ張れるデザインチームへ。営業企画室と駆け抜けた夏の話
この記事は、弁護士ドットコム Advent Calendar 2025 の23日目の記事です。
こんにちは。クラウドサインでコミュニケーションデザイナーをしている、での人です。
事業会社のデザイナーとして働きはじめてそこそこ長くなりました。
事業とともに成長できるのが面白いところですが、
「デザイナーが事業に対して生み出せる価値をもっと上げたい」
「より上流工程から議論に加われるポジションにチームを引き上げたい」
という課題とは常に隣り合わせです。
そんな中、クラウドサイン事業部での営業プレイブック作成という案件が「事業競争力を高めることにデザインで貢献する」今年の大きな成果事例になったので、その記録を書きます。
過渡期のコムデ 〜信頼貯金のつみたて中〜
クラウドサイン事業部は2025年に10周年を迎えました。
現在はディレクター+デザイナー計8名のコミュニケーションデザインチーム(以下コムデ)で、アウター/インナーブランディングから各種販促ツールのデザインまでを担っています。
ここ1〜2年の取り組みとして、顧客タッチポイントごとにコムデを細分化し、社内の各部門担当者と密に連携をとっています。
そうやって各チームが顧客理解・専門性と関係性を深め、より踏み込んだ提案を行いながら、「コムデと一緒にやるといい結果が出るぞ!」と思ってもらえる実績=信頼貯金をつみたてることが狙いです。
施策検討段階のミーティングに呼んでいただいたり、同じ事業部でも今まで関わりのなかったチームから新たにご相談いただいたり、着実にやれることは増えてきています。
そんな中、2025年にまた新たな専門チームをコムデで立ち上げました。その名も「営業支援チーム」。営業企画室と協働するチームです。ここをリーダーとして今期引っ張っていくことに。
もともと、資料をもっと良くしたい、実際に現場で資料を扱う営業さんたちと一緒になにかできないか、という話はコムデ内でもたびたび出ていました。
そこで営業企画室にお声がけし、いったん今期の事業戦略からの打ち手に沿って、コムデが一緒にできることを探すところから動き出しました。

「われわれはこういう者です」
普段直接やりとりする機会は少なかったため、まず顔合わせしつつコムデの紹介。「見た目を整えるだけではなく、組織全体の競争力を高め、持続的な成長を推進することを目的として活動しています」ということをお話しました。
その上で、合同で課題の大発散会を行い、オンボーディングのためにまとまった営業の指針=プレイブックが欲しいという内容が浮上します。
話していくうちに、現場にはナレッジはたくさんあるものの、共通の立ち返る場所がなく、ハイパフォーマーはいても組織としての再現性は不足しているという課題がコムデにも見えてきました。
今期の事業戦略と照らし合わせてもこれが最も協働価値を生むという合意に至り、プレイブック企画がスタート。

「お任せして大丈夫なチームだ」と思ってもらえたとのこと

何をやり、何をやらないか
プレイブックの第一目的は、入社した営業メンバーが目標MRR達成率に到達するために、広義の営業活動を網羅した教科書となること。
新人教育を定型化し、売上に寄与できる人材をスピーディに現場へ送り出すことで、営業組織全体の底上げを目指します。
この時点で7月初旬。
他のオンボーディング施策と足並みを揃え9月入社に間に合わせたい。営業企画室が初回版の掲載内容を精査して原稿を作成するのに1ヶ月は必要。となると正味8月中に制作をガッと行う必要があります。諸々差し引いたら使える時間は10日ほど。ちなみに当初の想定は40ページ程度でした。痺れます。
営業企画室側では、実態把握と現状分析、研修シナリオ設計とそこで利用する原稿作成が怒涛の勢いで進められていきます。
コムデ側は事業優先度が高い案件として許可をいただいた上で、デザイナー実働私含む2名のリソースを集中投下することに。
時間ない!ゴールはしっかり決まってる!さあ想定タスク机の上に全部出して取捨選択するぞ!
という状況、結構好きです。無数のルートから角度低いところをバシバシ切り落とし、行くべき道を浮かび上がらせるような感覚。
さて、コムデでやることとしてはざっくり5つ。
何のツールで作るかの選定
情報整理と構造化
情報フォーマットの策定
デザインフォーマットの策定
デザイン制作
かなり制作期間が短いので、進行上は安全のため「できる範囲で整える」で両チーム合意はしていました。
しかし、「”伝わる”の最適化」をしていなければ正確な成果が出ず、価値が計測できないと思っていたため、デザイン要素と情報整理を最大限まで約分したシンプルさに落とし込む、までを真の最低ラインとしてゴールにセット。わくわくしてきました。
準備は念入りに、あとは最短距離でひた走る
作成ツールはスピード優先で、コンポーネントが使えるFigmaに決定。
常にそばに置いておけること、内容の可変性が低いことから、今回は紙媒体になります。印刷物としてはFigmaはイレギュラーですが、社内印刷のためOKとしました。
原稿が上がってくるまでの期間、今回の内容になる「営業の型」についてどれだけインプットできるかがその後の作業スピードを左右します。とにかく社内にある関連資料をFigJamに貼り付け、片っ端からメモをとりつつ頭に叩き込んでいきました。
さらに、商談に同席させていただき、実際の現場体験も増やしました。これが情報整理判断の迷いを消すことにかなり威力を発揮しました。
さあいよいよ原稿到着、作業開始です。
今回は情報フォーマットもデザインフォーマットも""無""の状態からのスタートだったので、この短期間では私ひとりで情報整理とデザイン設計した方が早いと判断。もう1名には主に作図を担ってもらうことで分担しました。

Figmaコンポーネントにするデザインパーツの洗い出し
原稿は3種類の研修に合わせてそれぞれスライド形式になっていたので、これを一冊にまとめ、読み手が理解しPDCAを回しやすい流れに編集していきました。
「座学で理解したことを実践できる指針になる」という役割を念頭に置き、「困った時に開けば知りたいことがパッとわかり、行動できる」ように、語りかけ方と見た目の情報構造ルールを徹底。
1ページあたりの情報量が多すぎないようにしたため、最終的には合計70ページになっていましたが、無事期日までに「”伝わる”の最適化」をした状態でお渡しすることができました。
全員が一つの明確な目的のために、それぞれの役割を徹底して遂行し、お互いの領分を信じて任せ切ったからこその結果です。

協働がもたらしたもの
ありがたいことに、このプレイブックがわかりやすいとご評価をいただきました。もともとクラウドサイン事業部用に作ったものですが、内容は普遍的な営業スキルです。他のチームや部署でも使える内容として、ゆくゆく全社利用する動きも出てきました。
さらに、オンボーディングプロジェクト全体としてではありますが、事業部総会で表彰されるという嬉しい結果も。
達成した実感があるものは3つ。
デザインの力が事業のコアな課題解決に切り込めた
事業部の枠を超え、会社全体の「共通資産」に昇華
協働での相乗効果で、コムデの存在感アップ
「デザイナーが事業に対して生み出せる価値をもっと上げたい」「より上流工程から議論の場に加われるポジションにチームを引き上げたい」課題感に対して、一つのわかりやすい成果となりました。
営業企画室のメンバーが成果物に喜んでくれたことも、とても嬉しかったです。

プロジェクト完遂後、営業企画室と一緒に振り返り会を実施。今回の成功要因を掘り下げ、「再現性のある要素」と「今回限りの特殊要因」に切り分け、次の動きのための「型」として整理しました。
この経験をチームで再現可能にする。このプレイブックの精神とも通じます。
単発では終わらせないぞ
プレイブックは一過性のアウトプットではなく、営業組織全体で統一された行動と議論を可能にする「共通言語」という資産です。
当然、これはこの夏の最適解として走り切った結果でしかありません。
それがどう使われ、どのくらい指標の数値を改善し、どんなフィードバックが生まれるのか。追いながら改善し続けていく必要があります。
また、施策優先度が変われば、取り組む内容も変わります。
営業企画室と定期的にミーティングの場を設けつつ、数ある施策に対して今最もコムデがバリューを発揮できるアクションは何か?を常に自分に問い続け、柔軟にしなやかに提案・対応できるよう動いているところです。
クラウドサインのコムデは、これからも「事業目標を推進できるデザインチーム」としてのポジションを作り上げ、チームの視座を引き上げ続けていきます。
「コミュニケーションデザイナー」という様々な可能性を内包した職種の、価値発揮の一つの参考になれば幸いです。
We are hiring🎉
クラウドサインでは、一緒に働くデザイナーを募集しています。
ぜひ私たちと、まだないやり方で世界を前に動かしていきましょう!
少しでも興味が湧いた方は、ぜひお声がけください。
でも結局のところ、「目の前の人に喜んでもらいたい」というのが核みたいなものかもしれません。
プレイブック作成、めちゃくちゃ楽しかったです。
おわり
