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上質の赤ワインのごとしホールさばきで、絶品料理がさらにうまし

今日は昭和グルメをご紹介しよう。都内のあちこちにあるからご存知の方も多いだろう。昭和5年創業の『つばめグリル』は、もし行っていない昭和びとがいたら、昭和を語るなかれと言いたいほどの、何から何までグッド昭和テイストな店だ。お気に入りは品川店で、サイトを見るとなるほど基幹店とのことだ。

こんな贅沢があっていいのか?

4人で行くのがいい店で、先日揃ったので出掛けてきた。なぜ4人か。この絶品「アイスバイン」においしくありつくためだ。あまり聞きなれないメニューかもしれないが、ドイツを代表する家庭料理である。長時間にわたり塩漬けにした豚のスネ肉を、野菜や香辛料とで煮込んだ料理で、トロントロンで濃厚な味のすばらしい逸品だ。2人でこれを頼んだら、他にもある絶品料理が食えなくなってしまう。4人でシェアがちょうどよい。

ほとんどの客のお目当てがハンバーグで、いくつかあるバリエーションの中でも「つばめ風ハンブルグステーキ」が断然のトップシェアだ。ファミレスで真似しているところがあるが、昭和49年に『つばめグリル』によって開発された。アルミホイルに包まれて、火傷注意の鉄板に乗せて供される。ホイルをナイフで破けば、湯気と香りにまずノックアウトされる。ハンバーグの下にはビーフシチューがグツグツとしていて、こんな贅沢があっていいのかと神に感謝する。感覚的には客の8割がオーダーしている。

元気をもらえるのは料理だけでない

挽き肉に使われる肉の産地が店頭に表示されていて、さらには肉を挽いた時間までも書き込む。オーダーが来てからパチンパチンと空気を抜く音が聞こえる店はあるが、挽きたてにまでこだわるのに出会したことがない。言わずもがな焼きたての熱々でテーブルに届く。挽きたて、あわせたて、焼きたての三拍子が成立しているのだ。一口いただけば昭和49年から続く伝統のうまさで、天に昇る。

そして最高のスパイスが品川店にはある。いや、いる。名前はわからないがかなりのご高齢の方で、そうは思わせない動きでホールをさばいているベテランさんだ。1階フロアが彼の居場所だから、違うフロアに通されると残念な気になる。だがそんなときも、帰り際にお元気そうな姿を見つけて元気をもらうのだ。今回は1階フロアに通していただいたから、絶品料理と彼の颯爽としたホールさばきに酔いしれた。そうか、スパイスでなく彼は上質のワインなのだ。「お元気そうでなによりです。ファンなんです」と恥ずかしいことを伝えると、うれしそうに礼を返された。こんな過ごし方も、絶品の昭和なのだよ。

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