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SOMPO(8630)高配当分析|12期連続増配の底力

2023年、損保ジャパンはビックモーター問題で金融庁から業務改善命令を受けました。にもかかわらず、SOMPOホールディングスの配当は増え続けています。問題の翌年も、その翌年も。なぜ配当を止めなかったのか。その答えが、この会社の稼ぐ力にあります。


SOMPOの配当はなぜ止まらなかったのか

2023年夏、ビックモーター(現BALM)が修理車両に損傷を加え、損保各社へ保険金を水増し請求していた問題が発覚しました。他の損保2社が入庫紹介を停止する中、損保ジャパンだけが再開していたことが明らかになります。

2024年1月、金融庁はSOMPOホールディングスと損保ジャパンに業務改善命令を発令。「ガバナンスの重大な欠陥」と断罪され、グループCEOが退任しました。

しかし、配当は止まりませんでした。2023年3月期(問題が表面化した年)の配当は前年比で増えました。2024年3月期も増配し、12期連続増配は今も続いています。

「不祥事・業務改善命令・CEO交代。それでも配当は12期連続で増え続けている」。


12期連続増配の軌跡

2024年4月に1株→3株の株式分割を実施したため、過去の配当は分割調整後の数値で比較します。

2018年3月期の37円から始まり、2025年3月期は132円、2026年3月期の予想は150円。8年間で4倍以上になった計算です。

配当が止まらなかった理由は業績にあります。経常利益は495億円に急落しました。しかし「修正連結利益」(配当の基礎となる独自指標)は2,910億円を維持していました。本業の損保ビジネスは堅調だったのです。


稼ぐ力|損保×海外×介護の3本柱

2025年3月期の修正連結利益は3,343億円に達し、過去最高を更新しました。ビックモーター問題の傷跡を完全に回復しています。

収益の柱は3つです。

国内損害保険(損保ジャパン): 自動車保険・火災保険が主力。国内損保市場2位の規模を持ち、2025年3月期の純利益は1,797億円。

海外保険(Sompo International): 北米・欧州・アジアで損害保険・再保険を展開。2025年3月期の純利益は1,935億円と国内を上回る規模に成長しています。

介護・ヘルスケア(SOMPOケア): 損保3社の中でSOMPOだけが本格的に介護事業を持っています。現状は赤字が続いていますが、高齢化社会を見据えた長期投資と位置づけています。


株主還元|配当だけで1,259億円・総還元は3,859億円

2024年度(2025年3月期)の総還元額は3,859億円に上ります。配当1,259億円に加え、自社株買いを2,600億円実施しました。

配当方針は「修正連結利益の3か年平均の50%を基礎配当とする」というシンプルな仕組みです。利益が増えれば配当も増える構造になっています。2026年3月期も配当150円・自社株買い最大2,520億円を計画しています。


正直に書くチェックポイント

①利回り約2.5%は高配当とは言い切れない

株価約5,900円に対し150円の配当利回りは約2.5%です。東京海上HDと同水準ですが、他の高配当セクターと比べると突出した数字ではありません。連続増配の継続に価値を見出せるかどうかが判断軸になります。

②介護事業は赤字が続いている

SOMPOケアは2025年3月期も16億円の赤字です。長期的な成長を見込む事業ですが、足元では収益の重荷になっています。

③IFRS移行による指標変化

2026年3月期から会計基準がIFRS(国際財務報告基準)に移行します。「修正連結利益」の定義が変わる可能性があり、過去との単純比較が難しくなります。

④ビックモーター問題の後遺症

ガバナンス改革は進んでいますが、金融庁の監視が続いています。追加的な行政処分のリスクはゼロではありません。


損保3社の中では地味な存在感ですが、12期連続増配という事実がこの会社の安定性を語っています。不祥事があっても増配し続けた理由を確認した上で、ポートフォリオに組み込む価値を判断してみてください。

※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の購入を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身でお願いします。


同じ損保セクターの東京海上HDと比較したい方はこちらの記事も参考にしてください。

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