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高配当株・第一生命(8750)を徹底分析|配当3倍超・増配継続の実力

高配当株を探していると、一度は名前が出てくる第一生命ホールディングス(8750)。でも「生命保険会社の株って、難しそう」と感じて素通りしてしまう人も多いのではないでしょうか。この記事では、数字と実際の事業内容を軸に、転勤リーマンの視点で第一生命を徹底解剖します。


第一生命の基本プロフィール

100年超の歴史を持つ国内大手生保

第一生命ホールディングス(以下、第一生命HD)は、1902年創業の第一生命保険を中核とする持株会社です。東証プライム上場(コード:8750)で、総資産は約69.6兆円。国内生保業界では日本生命に次ぐ規模を誇ります。

注目すべきは、2010年に相互会社から株式会社へ転換した点です。これにより、個人投資家でも株主として参加できるようになりました。生命保険の老舗が高配当株として投資対象に加わった、という背景があります。

グループ全体の事業構成

第一生命HDは「保険」だけで稼いでいるわけではありません。グループには複数の事業が存在します。

  • 第一生命保険:国内生保の中核。死亡保障・医療保険が主力

  • 第一フロンティア生命:外貨建て保険など貯蓄性商品

  • ネオファースト生命:ネット販売に特化した医療保険

  • Protective Life(米国):2015年に買収した米国中堅生保

  • TAL Life(オーストラリア):豪州大手生保。就業不能保険に強み

  • Benefit One:2024年完全買収。企業向け福利厚生プラットフォーム

国内の保険一本足打法ではなく、海外・非保険事業へと事業の幅を広げているのが今の第一生命HDです。


配当推移と株主還元の実力

5年間で配当3倍超という増配ペース

第一生命HDの配当推移を見ると、増配の勢いに驚きます。※以下は2025年4月の1:4株式分割後の数値に換算済みです。

2021年3月期(分割調整後)は1株あたり約15.50円でした。それが2026年3月期(予想)では52.00円と、約3.4倍に増加しています。5年間でここまで増配を続けた大型株は、決して多くありません。

直近の配当利回りは約3.59%(2026年3月時点)。メガバンクや商社と並んで、国内高配当株の中でも上位水準です。

配当性向45%以上へ引き上げた本気度

増配の背景には、株主還元方針の強化があります。第一生命HDは段階的に配当性向の目標を引き上げてきました。

  • 2024年3月:中期経営計画で「30%以上→40%以上」へ引き上げ

  • 2025年5月:決算発表に合わせて「40%以上→45%以上」へさらに引き上げ

これに加え、毎年1,000億円規模の自社株買いも継続実施中です。配当と自社株買いの合計で評価する「総還元性向」を指標として管理しており、株主への意識が高まっていることが数字から伝わります。

2024年3月期からは中間配当も導入されました。年2回受け取れる仕組みになったことも、長期保有を続ける上でのメリットです。


業績・財務の実力を読み解く

2025年3月期は過去最高益水準を更新

連結業績を見ると、2025年3月期の経常利益は約7,191億円、純利益は4,296億円と、過去最高水準に達しています。グループ全体の「実力収益」を示す修正利益も4,100億円超と好調です。

2023年3月期が落ち込んで見えるのは、金利上昇による有価証券評価損の影響です。これは一時的な会計上の要因であり、事業の実態が悪化したわけではありません。こういった数字の読み方が、保険株を理解する上で重要なポイントです。

金利上昇という追い風

2024〜2025年度、日銀は利上げを複数回実施しました。これは生命保険会社にとって、運用収益改善という形で追い風になります。

生保は大量の長期債を運用しているため、金利が上昇すると満期後の再投資収益が増加します。第一生命HDの場合、国内金利の上昇は中長期的な利益押し上げ要因として機能します。

一方で、保有債券の評価損が膨らむリスクも同時に存在します。BPS(1株純資産)が金利次第で大きく動く点は、投資家として知っておくべき特性です。


海外事業が第2の成長エンジンに

Protective Life・TALの存在感

国内の生保市場は少子高齢化の影響で数量的な成長が見込みにくい状況です。そこで第一生命HDが力を入れているのが、海外事業の拡大です。

米国のProtective Lifeは2015年に約5,800億円で買収。定期保険・終身保険を中心に安定した収益を上げています。オーストラリアのTAL Lifeは現地生保トップクラスの規模で、団体保険に強みがあります。

現在、第一生命HDは海外顧客基盤を国内(約1,500万名)の3倍超にあたる約4,500万名に拡大することを目標にしています。

中期経営計画の数値目標

2024〜2026年度の中期経営計画では、以下の目標を掲げています。

  • グループ修正利益:2026年度4,000億円(当初)→第3四半期時点で5,000億円超に上方修正

  • 海外生保修正利益:2026年度1,600億円(グループ全体の約40%)

  • 修正ROE:約10%

海外収益の比率を高めながら、ROEを維持するという方向性です。修正利益の上方修正が続いており、目標達成に向けた進捗は良好です。


投資する前に知っておくべきリスク

金利変動に敏感な財務構造

第一生命HDの財務は、金利環境の変化に大きく左右されます。金利上昇は運用収益の改善につながりますが、同時に保有債券の評価損が発生します。

2025年3月期末の実質純資産額は前年比で約▲2兆1,591億円(▲32.6%)と大幅に減少しました。これは金利上昇による評価損の影響です。ソルベンシーマージン比率は852.9%と十分な水準ですが、BPSが大きく上下することは頭に入れておく必要があります。

また2026年には新たな保険規制(経済価値ベースのソルベンシー評価)が導入される予定です。追加的な資本対応が求められる可能性もあります。

国内事業は少子高齢化という構造的な逆風

日本の出生率低下は、長期的に国内生命保険の新規契約数を圧迫します。成長の主役は海外・非保険事業に移っており、国内事業は「維持・効率化」が主軸になっています。

死亡保障から医療・介護へとニーズがシフトしているため、商品構成の対応も継続的に必要です。営業職員(生涯設計デザイナー)中心の対面販売モデルが、デジタル化の波にどう対応するかも注目点です。


まとめ:増配継続と海外成長をセットで評価する銘柄

第一生命HD(8750)は、配当利回り約3.59%・5年で3倍超の増配実績を持つ、国内高配当株の有力候補です。

業績面では過去最高益水準を更新し、海外事業も収益の柱として育ちつつあります。金利上昇が追い風になっている今の局面は、長期投資家にとって評価しやすい環境です。一方で、金利変動によるBPSの変動や、国内事業の構造的な課題も正直に向き合う必要があります。

「保険株は難しそう」という先入観を持つ方こそ、まず基本の数字から読んでみてください。配当を積み重ねながら、企業の成長を一緒に確認していく——それが高配当株投資の醍醐味です。


5年で配当3倍超。生命保険株を「難しい」で終わらせてしまうのは、もったいない。

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