テニス上達メモ160.スイングが明らかにおかしい人は、どうすればいい?
▶フォームを矯正したからそうなった
「スイングが明らかにおかしな人であっても、フォーム矯正は必要ないのですか?」というお便りをいただいたことがあります。
「せめてそういう人の場合に限っては、フォーム矯正も必要ではないか?」という論調。
当然のご指摘のように受け取れます。
しかしこれも、やっぱり順序が「逆」なのですね(関連記事「順序が大事」)。
「努力逆転の法則」しかり、「顛倒(てんどう)」しかり、「ナイチンゲールの教え」しかり「アズイフの法則」しかり、常識というのは、驚くほど「逆ばかり」です(関連記事「サーブは『逆算』で上手くなる」)
まるで天動説と地動説。
フォームが明らかにおかしい人というのは、「フォーム矯正をしたからそうなった」までの話です。
▶「へんな振り方」になるほうがおかしい
冷静に顧みてみます。
テニスというのは基本的に、相手から飛んでくるボールを、大きな網の目のついているテニスラケットで打ち返すだけの競技です。
スーパーショットが打てるに越したことはないけれど、単純に1球でも多く相手コートへボールを返すことができれば勝つスポーツ(関連記事「テニスで勝つための『原理原則』は?」)
それでいいのだから、スイングのイメージを何となくでも持っている人であれば、ラケットを初めて握るビギナーであっても、本来ならそこまで「へんな振り方」にはなりません。
大人なら、体育の授業などをつうじてそこそこの運動は経験してきているはずですし。
※たたしイメージがない子どもの場合は、ボールに当てさえすればいいとばかりに、前後上下左右にラケットをパタパタと羽ばたかせることもあります(関連記事「答えは『たった1つ』」)。
なのに、なぜフォームが明らかにおかしくなるのかというと、皮肉にも「フォームを矯正したから」です。
特に常識的なテニス指導では、レッスンの初日からグリップやテイクバックなどのフォームを教わるから、そのスイングは早速、自然体ではなくなるのです(関連記事「常識的なテニス指導だと、テニスを始めた初日からつまずく」)
▶「取ってつける」からおかしくなる
テイクバックはサーキュラーがいいといえば、取ってつけたように上からラケットを引く「形」だけをまねようとする。
フォロースルーも、打ったあとにヨイショとラケットを改めて振り抜くようなプレーヤーがいます(関連記事「打ったあとに『ヨイショ』する人。『取ってつけたような』スイングの正体とは?」)
そういう部分部分の矯正をいくつも加えた結果が、明らかにおかしく見えるフォームを形成してしまったのです。
▶フォームを意識すると「今」から逸脱する
「フォームを矯正してよりきれいなスイングで打ちたい」という思いは、「未来志向」です。
プレー中、理想のフォームを意識するたび、「今」から逸脱します。
つまり、集中力を破壊するのです。
そもそも、「きれいなスイング」の定義は何でしょうか?
それは「形」ではなく、「なめらかさ」だったり「しなやかさ」だったりする「動き」がその本質。
「形」は基本的に止まった姿ですから、意識するたび「なめらかさ」だったり「しなやかさ」だったりといった「動き」は妨げられ、ギクシャク感を招きます。
▶「フォームのリフォーム」は改悪になりやすい
であれば、どうすればいか?
何も、新しいフォームを覚え直したり、さらなる矯正を加えたりする必要はありません。
そのような「フォームのリフォーム」をすればするほど、ますますおかしくなってしまいかねません。
シェークスピアが言うように「さらに良くしようとして、良いものを駄目にしてしまうことが多い」のです(関連記事「下手の横好きで困っている」) 。
テニスコートでは、この例が非常に多く散見されます。
本来のやるべきことは単純です。
ラケットを初めて握った矯正前の、自分らしいフォームを取り戻せばいいのです。
そのためにはどうすればいいか?
フォームについて意識するのを一切やめて、「ボールに集中」する。
注意すべきフォームを何も意識しなくなると、「上手く打てる拠り所」がなくなる気がして、不安になるかもしれません。
フォーム矯正に依存してきたプレーヤーほど……。
だけど、だからこそ、テニスが上手くいかなかったかもしれないのです。
(関連記事「上手く打てる『拠り所』がほしい!?」)
▶「信じ切る」と「振り切れる」
なぜ、ラケットを最後まで振り切るという単純な動作ができないのでしょうか?
もちろん打球タイミングが合わずに詰まるからなのですけれども、そうなる一因は、自分のフォームを「これでいいのか?」「違うんじゃないか?」「もっといい振り方があるんじゃないか?」などと、疑っているからです。
それでは疑心暗鬼になってスイングをためらうから、スパッと振り切れるはずがありません。
振り切るには、どうすればいいか?
自分のフォームを信じ切ると、振り切れるのです(関連記事「フォームをいじったらタイミングが取れなくなり、入れるだけのサービスになっている」)。
▶一心不乱に打てばよい
テニスを始めたころの、自由にボールを打つワクワクした思いのままに、一心不乱に打つのです。
プロテニスプレーヤーもみんな、そうしています。
飛び交うボールに、ただただ没頭。
そうすれば、体は必ず勝手に動きます。
テニスのイメージがある人であれば、飛んでくるボールを、指をくわえて見逃すはずがありません。
一心不乱にボールに没頭すれば、頭で考えるよりも、より自由に、よりより正確に、より素早く動けるようになります。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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