サロン楽屋話084:「鈍感力」より「敏感力」──タフさは感受性から生まれる(連載その1)
「鈍感力」がもてはやされる時代です。でも、本当に強い人は鈍いのでしょうか。感じないから折れないのか。それとも、よく感じ取れるから折れないのか。鈍感=タフ、敏感=弱い。その思い込みを、ここで一度ほどいてみることにします。
▶鈍感でなければ生きづらい、という勘違い
「鈍感力」は、本当に強みなのでしょうか。
言葉の定義が違うのかもしれませんけれども、鈍感とは、感覚が鈍いことでしょう?
感受性は、高くてよい。
よい、というのは、仏道の文脈で言えば、善悪と直結です。
「善=上手い=パフォーマンスが上がる」であり、「悪=下手=パフォーマンスが下がる」相関です(関連記事「『悪」は『下手』を含意する」)。
▶「鈍感力」と「繊細さん」は、こう誤解されてきた
一般に言われるいわゆる「鈍感力」とは、意にそぐわない何かを言われたりされたりしても気にしない、転じて「タフ」という意味なのだと思います。
多孔性金属錯体の開発でノーベル化学賞を受賞、北川進先生のいう「運・鈍・根」の「鈍」とは、こちらでしょう。
一方、「繊細さん」と呼ばれるHSP (Highly Sensitive Person) の敏感は、いわゆる気にしい。
何か言われたりされたりすると、すぐ傷つく、転じて「ガラスのハート」という意味なのだと思います。
▶敏感だからこそ、折れにくい
しかし、いわゆるではなくて、本来の「敏感」が意味するところを言うならば、感受性が高くて気にしないタフさとは、両立するのです。
むしろ、感受性が高いから、タフでいられるのです。
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