テニス上達メモ492.「スリップストリーム」でwin-win!
▶カモの親子が列をなして泳ぐ理由
こちら「回転をかけるには、どうすればいい?」では、回転による弾道変化のメカニズムについて触れましたので、今回はそのスピンオフとなる小ネタです。
NHK総合『チコちゃんに叱られる!』という番組で、「なんでカモの親子は子どもが後ろに並んで泳ぐの?」というテーマが放映されていました。
親ガモの後ろを泳ぐ子ガモたちが、列をなして進みますよね。
親ガモが先を行くことで、子ガモたちへの抵抗を減らすからだとだけ、考えがちです。
人間が行う競輪やマラソン、スピードスケート競技などでも、トップ選手の後ろにつけば、空気抵抗を受けにくくなりますからね。
生物流体力学を研究する望月修名誉教授の解説によると、親ガモが先を行くことで、その後方にできる圧力が低い領域へと周囲の水が流れ込み、その勢いに子ガモが引き起こせられる「スリットストリーム」という効果によるそうです。
▶トップスピンも「スリップストリーム」?
テニスの球種もおそらく同様で、たとえばトップスピンは進行方向に対して順回転をかけると、ボールの上側の圧力が高くなって(アゲンスト)、下側の圧力が低くなる(フォロー)ため、圧力は高い領域から低い領域へ流れ込む「ベルヌーイの定理」に従いボールは下向きに引き寄せられる力が働くから、トップスピンは落ちるというわけです (逆のバックス ピンのスライスは浮く)。
もちろんこのようなメカニズムを頭で知ったからといって、トップスピンやスライスを操れるようになるわけではありません。
とはいえ、小泉今日子が歌ったように「イメージが大切」です。
そのような回転による弾道変化のメカニズムをイメージとして潜在的に備えておけば、体が状況に応じて必要なスイングをしてくれる一助となります。
▶親ガモも「楽」してた!
ちなみに「スリップストリーム効果」によると、子ガモを引き連れる親ガモも、泳ぐのが「楽」になるのだとか!?
この不思議が今回のテーマの肝。
先述したように親ガモの後ろには圧力差が生じて、ベルヌーイの定理により周りの水が流れ込むから、親ガモも後ろへ引き寄せられて「シンドイはず」なのですけれども、後ろに続く子がもたちがその逆流を打ち消す作用により、親ガモも楽をできる「win-win」なのだそうです。
何気なく泳いでいるように映るカモの隊列ですけれども、微笑ましいのみならず、合理的な理由があったのですね。
自然界はやっぱりすごい!
▶「ボーッと生きてんじゃねーよ!」
チコちゃんの決め台詞「ボーッと生きてんじゃねーよ!」は秀逸。
なぜならほとんどの人たちが(私を含め)、毎日をなんとなく、ボーっと生きているだけだからこそ、チコちゃんに戒められます。
ややもすれば現代社会では後述するSNSの影響もあって、周りの人たちがみんなしっかりしていて、自分だけがダメで、ちゃんとしていないような気になります。
だけど実際には、周りの人たちも毎日を平凡に生きているのであり、それがさまざまな事情を抱えた人としての限界です。
ですから、怠けていたり、サボっていたり、ダメでいたりするように(主観的には)見える人も、否定すべき存在ではない。
そしてそれは人としての限界である以上、「自分」にとっても言えること。
自分が完璧ではないのと同様に、周りも完璧ではないし、だから自分だけがダメなわけじゃない。
そうして自分を受け入れられると、自己肯定感が高まります。
▶「幸せアピール」の人といると苦しくなる理由
SNSを見ると、みんな輝いて見えます。
完璧に人生を楽しんでいるように映ります。
だけど、誰の人生もみんな苦しい「一切皆苦」。
相対性の世界(関連記事「集中力は『対人関係』だ! 」)ですから、みんなキラキラ輝いて見えるからこそ、自分の闇が一層深く感じられます。
ですから「幸せアピールの強い人」や「ポジティブシンキングの強い人」と一緒にいると、元気をもらえるどころか、何だか疲れるし、自分が苦しくなったりしかねません。
「それに比べて自分は……」などという受け止め方になって、人の幸せを素直に喜べず、むしろ衝撃を受けるのは人として当然です(関連記事「人の幸せが『不安を煽る』とき」)。
▶「情けは人の為ならず」で自己肯定感アップ
一方、「時間を守らない」「サボってばかりいる」「遠慮がない」など、他人に対してムカつくこともあるだろうけど、それもその人なりに抱えた苦しみの事情ゆえに仕方がなかった人としての限界。
そうやって寛容度が高まれば、「情けは人の為ならず」なのだから、それは自分にも優しくなれる肯定的なイメージを育む力となるのですね(関連記事「『リスペクトは人の為ならず』で自己肯定感アップ!」)。
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