質問046:「絶対に勝つ」っていう気持ちは大事?
コーチに、「絶対に勝つっていう気持ちが大事だ」と言われます。
そういうのはまずいのでしょうか?
回答
▶「絶対に勝つ」は怒り、怖れ……
「絶対に勝つ」っていうのは、「やっつける」思いです。
「勝つ!」「勝たなきゃ!」「負けられない!」
どこか、悲壮感、切迫感が漂うのです。
つまり広義では「怒り」の感情です。
「怖れている」とも言い換えられます。
▶べストパフォーマンスは「反対の印象」
ゆえに、「絶対に勝つ!」と奮い立つ人の体内では、ストレスホルモンのコルチゾールやノルアドレナリンが過剰分泌。
脳波は、落ち着きのないベータ波支配です。
これでは、ベストパフォーマンスを引き出すのは難しいのです。
ベストパフォーマンスというのは案外、「感謝の気持ち」や「穏やかな心」「対戦相手との仲間意識」「敬う姿勢」「慈しみ」「楽しみ」「充実感」「落ち着き」といった、「戦い」からは関連づけにくい要素から生まれます。
放出されるホルモンは、幸せを司るセロトニンやオキシトシン。
脳波は、集中力の高まるアルファ波支配です。
▶考えるから「不安」がよぎる
この心と脳の、一般的な印象とは反対の働きにより、多くの人々が勘違いをし、ベストパフォーマンスを発揮できずにいます。
「絶対に試験に受かる!」と意気込んだところで、志望校に合格するわけではありません。
むしろ複雑な計算式の問題を解いている最中に、もしもそんな考えが一瞬でもよぎったら、1からやり直しにもなりかねず、かえって受からないのです。
結果について考えると、未来のことは絶対に誰も分からないので不安になります。
そのせいで、セルフトークも多くなります。
▶競い合う「プロセス」を楽しむ
テニスも同じです。
ボールに集中している最中に、一瞬でも「絶対に勝つ!」、そんな思考がよぎったら……。
こちらで話題にしました青山学院大学陸上競技部・原晋監督の「ワクワク大作戦」、そして2023年今夏の甲子園を制した慶應義塾高校野球部・森林貴彦監督による「エンジョイ・ベースボール」。
悲壮感、切迫感が漂うでしょうか?
勝つという「結果」ではなく、競い合う「プロセス」そのものを、心から楽しんでいる印象です。
そして「集中」とペアを組む唯一の例外感情が「楽しい」なのでしたね。
ですから、悲壮感や切迫感で頑張るのではなく、楽しむと、「楽に結果が出る」のです。
▶「楽々上達する」方法
もちろん「楽に」というのは相対性の世界ですから、「絶対に勝つ」と頑張るよりも、という意味で(参考記事:「頑張ってはいけない」理由)。
また常識的なテニス指導が伝える「フォーム改造」「フォーム矯正」よりも「ボールに集中」するほうが、相対的に断然、「楽々上達する結果」が出ます。
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(テニスゼロ)
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