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トビラを開けて

いぬうた市の、きゅん君と、ぐーちゃんの家
基本、
ふたりが自由に行き来出来るよう、
普段トビラは開けておいています。
しかし、しかしですよ。
何事にも例外はありまして、このシステムも、
冬においては違います。
何故なら冬は寒いからです。
冬はトビラを開けておくと暖房の効きが悪くなるので、
仕方なく閉めたりしています。
これには、きゅん君も、ぐーちゃんも、
不満たらたらであります。
「もう!今はダイニングルームにいたい気分じゃないのにー!こともあろうか、ドアが閉まってるじゃないかー!これじゃあ2階に行けないよー!今、僕が行きたい場所ナンバーワンの寝室のベッドの上にー!」
そう、きゅん君が怒りに燃えていると、
ぐーちゃんもここぞとばかりに続きます。
「これは、ぐーたちのお自由があったもんじゃないわー!ぐーたちのお尊厳が踏みにじられているのよー!これは何とかしないといけないわー!」
などとずいぶんと大きな話になっていったようですが、
おふたりは真剣そのものなので、ここは黙って、
見守っているとしましょうか。
でも何とかするって、一口に言いますが、
そう簡単に何か出来るのですかね?ぐーちゃん。
きゅん君もそれは思ったようで、
「ぐー、何とかするって、一体僕らに何が出来るんだい?言うと悲しくなるが僕らは大変無力な存在だ。どこに行くにもひとりでは行けない。行く場所を選べない、そんなサガの元に生まれついているんだ。そんな僕らに何が出来るというんだ」
と、本当に悲しくなることを言った、きゅん君です。
確かにそうかもしれません。
しれませんが、それを目の当たりにするなんて、
何てかわいそうなんでしょう。きゅん君も、
ぐーちゃんも。
しかし、ぐーちゃんはここでこう訴えるのです。
「だから!だからよ!だからこそ、きゅん!せめておウチの中くらいは、ぐーたちは自由を勝ち取らないといけないのよ!」
およよよよー。およよよよー。
何という魂の訴えなんでしょう!
その通り!その通りですよ!ぐーちゃん。
でも実際どうするおつもりで?
「閉まっているおドアは開けるだけよー!ただ、ぐーたちにはおドアを開けれないから、さすればー!」
さすれば?
「飼い主がおドアを開ける係さんになればいいのよー!」
おおお!飼い主をドアマンにするんですね。
ぐーちゃん。
「それはいいアイデアだ!ぐー。飼い主はどうせ家で何にもしてないから、ドア前でずっと立ってればいい訳だあ!」
と、きゅん君、ぐーちゃんの策を絶賛して、
で、それからはー!
「おい!何をサボっているんだ!飼い主!ボーっと座ってないで、とっとと仕事しろー!」
と、飼い主が椅子に座っていると、
ふたりして「わん!わん!」っと吠えるのでありました。

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