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1件の依頼から始まる世界



浄水器のパンフレットを何気なく眺めていたとき、

ふと目に入った一文がありました。


「はじまりは1件の依頼」


ああ、やっぱりそうか。

と、妙に納得してしまいました。


どんな会社も、どんな仕事も、

最初は「たったひとつ」から始まっている。


これは当たり前のことなのですが、

改めて文字で見ると、なぜか深く腑に落ちるものがあります。



考えてみれば、


Amazon も、

最初は自宅で本を売るところから始まりましたし、


イオン も、

その前身は「岡田屋」という一軒の八百屋です。


いきなり巨大企業になったわけではなく、

すべては「目の前の一件」から積み重なっていった。



それに対して、ふと思い出したのが、

かつて関わっていた人のことです。


私はその人を、心の中で「深爪」と呼んでいます。



深爪は、

この「順番」をどうしても飛び越えようとしていました。


実力をつけて、

信頼を積み重ねて、

少しずつ広がっていく。


そういう流れではなく、


「いきなり上に行く」


という方向を選び続けていたのです。



たとえば、


・早く一次下請けになりたい

・ゼネコンと肩を並べたい


そのために行っていたのは、


・過剰な接待

・金銭のやり取り

・無理な関係づくり


でした。



もちろん、それで一時的に

上に近い場所へ行くことはできるのかもしれません。


けれど、それはどこか

「土台のない高い場所」に立っているような不安定さを感じました。



一方で、


「1件の依頼から始めた人たち」は違います。


・できることを丁寧にやる

・信頼を一つずつ積む

・自然に次の仕事につながる


この流れは地味ですが、

確実に地面の上を歩いています。



面白いのは、

最終的に長く続くのは、ほとんどの場合こちらだということです。



深爪のやり方は、

言ってしまえば「ショートカット」です。


でも現実は、

ショートカットした分だけ、

どこかで帳尻を合わせるようにできているのかもしれません。



このパンフレットを見ながら、

私は少しだけ安心しました。


やっぱり世界は、

「1件ずつ」

でできているのだな、と。



そして同時に思いました。


急がなくてもいいのだと。



むしろ、


・目の前の一つ

・今できること


これを丁寧にやることの方が、

遠回りのようで一番近いのかもしれません。



「はじまりは1件の依頼」


この言葉は、とても静かですが、

とても強い言葉だと感じました。





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