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マドリードと木板の関係

早朝、夫が用事でマドリードに向かった。

一年半ぶりにこの町を出て、一年半ぶりの電車AVEに乗って。

そのため、昨日は支度を手伝っていたら、遠出の準備をするのがいかに久しぶりかということを改めて感じた。日帰りなのでそんなに用意するものはないはずなのに、いざ町の外に出るとなると何を持っていけばよいやらすっかり忘れてしまったようだ。

最終的に、身軽で行きたいからと夫は小さめのバックパック一つで出かけることにした。

夜に荷物の最終確認をしたところ、バックパックの中に木の板が入っていることに気が付いた。

DIYのために購入した木板の切れ端一枚である。

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マドリードと木板の関連がよくわからなかったので、夫に聞いた。

「領事館に提出する書類がぐちゃぐちゃになっては困るでしょう? これを入れておけばまっすぐに保てると思って」


それもそうだと思いそうになったが、すぐにいや違うそうじゃないと思いなおし、クリアファイルに入れるか書類用ケースに入れるなど他に方法はいくらでもあるだろうと木の板をかばんから出した。

夫はすねていたが、ただでさえボカディージョやらチーズやら飲み物やらいろんなものを持っていくのに、書類をまっすぐに保つだけのために木の板をかばんに入れるとは、夫も久しぶりなのだな都会へ行くのが、とちょっとかわいそうになった。



先ほど、無事用事を済ませた夫から、マドリードのMUJIやUNIQLOのお店の前で撮った自撮り写真が送られてきた。何かほしいものはあるかとも書いてあった。

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夫はこの10年で日本のことが大好きになったが、買い物(特に洋服そして実用的でないもの)は大嫌いである。それなのにわざわざ一人で日本のお店の前に行って写真を撮り、お店の中にも入ろうとしている様子を想像したら、一年半町を出ないと人はこうなるのかと夫に同情した。

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私はというと今日は仕事で一日が終わってしまいそうだが、時折視界に入ってくる木板に意識を向けながら、日帰りのマドリードでこうでは日本に行く準備を考えると先が思いやられるなと思った火曜日であった。なんといっても私はパンデミア以来まだこの町を出ていないのであるから!

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自撮りをしたため、微妙な写り具合になっているアルカラ門。



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