英語の長文を読むということ
一昨日、大学入試の過去問の長文にその大学の卒業生の村上春樹さんが出てきた。
正直なところ、私は、あまり好きではない作家だ。
アメリカに2度目の留学をしていたときに、初めて「ノルウェイの森」を読んだ。その後しばらく書店の「村上春樹コーナー」すら近づけないほどの嫌悪感をもって、何年も彼の本を読むことはなかった。
留学中に知り合ったアメリカ人が、大江健三郎さんの大ファンで、英訳されている大江作品をすべて読んでいた。
そして、日本の作家と作品をたくさん知っていて、語ってきて焦った。笑
その中に、村上作品も入っていた。
私が自分の言葉で語れたのは、大学時代から小説もエッセイもむさぼり読んでいた遠藤周作氏の本の話だけ。
それを日本にいる友人に伝えたら、いろいろな作家の本を見繕ってアメリカまで送ってくれた。高校生向けの文学史の解説本まで添えて。 笑
「ノルウェイの森」はその中に入っていた。
大江健三郎氏については、大学院留学をする少し前にノーベル文学賞をとられたで、読んでおかねばと、短編からチャレンジ!なんて考えて
「死者の奢り・飼育」を買って、読もうとした。

もう一度読んでみようかと思っている
けれども、私には難しくて「飼育」しか読まず(というか読めず?)それもまた、読んだというより字面を追ってみただけというような読み方だったので、そう正直に伝えた。
すると、英語で読んでみたら?
と、彼のおススメだった「個人的な体験」の英語版を貸してもらい、ちょうどそのとき予定していたNY行きの電車の中で読み始めー
ー貨物列車が通るため停車します!
なんていう理由で、8時間ほどでNYに着くはずだったのに、到着まで13時間かかったので、読み切った。

大学院時代にあとから買った英語版と帰国後買った日本語版
確かに、難しいとは感じなかった。それが、書かれた時代や大江氏の環境と心境が違うからなのか、英語だったからなのか、自分の成長なのかわからないけれど読み終えてみて、好きなタイプの作家ではないけれど、面白いと思った。そして、同じように息子さんのことを描いた「静かな生活」も英語版で読んでみた。
その後、帰国して、日本語版も手に入れて読んだ。
英語版でイメージした情景と、日本語版で思い描いた景色がほとんど変わらないことに驚いた。翻訳家ってすごいと思うと同時に、言葉の不思議さ、面白さを改めて感じた。
寺子屋を始めたころ、生徒たちの高校の卒業祝いに、遠藤氏や大江氏など英語版が出ている日本人作家の小説に日本語版を添えてプレゼントしていたのだけれど・・・なかなか続けられていない。
再開させてみたいと思うと同時に
ずっと思っていた英語版と日本語版の読み比べ読書講座なんてものも、そろそろ実現させてみたいと、思ったりもする。
ちなみに、村上春樹さんの小説だけれどー
40代になってから、Facebookに松阪の文化財センターの写真を載せたら、別のアメリカ人の友人に「海辺のカフカ」に出てくる図書館のイメージだと言われ・・・

わからなかったので、「海辺のカフカ」を読んでみた。
もはや嫌悪感はなかったけれど、
あまり好きな作家ではないという感想は変わらなかった。
その後、内田樹さんの本の中で、村上小説の解説があって、なぜ私にはしっくりこないのかが分かった気がした。
そんな話を、生徒にしたら私の好きな内田樹氏についてー
教科書や試験問題に出すぎていて、あまり好きではないと言われた。
何にしても出合い方、紹介のされ方、紹介してくれた人、読む時期、環境、心理などで、文章の印象は大きく変わる。
それでも、人と触れ合って、話に出てきたものに少しだけ興味を持てれば、世界は広がっていくー
私はそう思っている。
教科書に出てくるお話や作家も、世界を広げるきっかけになってほしいけれど、自分の経験からも彼女の意見は、痛いほどわかる気がした。
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