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市場を覆うFOMO(買い遅れの恐怖)!

米金融市場では、株式・債券・貴金属・暗号資産などあらゆる金融資産が買われ、その多くが連日史上最高値を更新するなど、割高感満載の状態になっている。それにもかかわらず、買いが止まらない背景には、FOMO(買い遅れの恐怖)があると考えられる。FOMOの実態を解説する。


1.米金融市場を覆うFOMO(Fear of missing out!)の実態

米国株価は、イールドスプレッドやPERなど、あらゆる指標が割高を示しているが、ファンドマネーの多くは、買いをやめることができない。やめれば、インデックスや他のファンドマネージャーにパフォーマンスが劣後してしまうため、ロングを維持せざるを得ないジレンマに陥っている。

2.あらゆる資産クラスに伝播するFOMO

米国株価を割高と判断するファンドマネージャーは、資産割合を株式から債券にシフトすることになる。しかし、債券市場においても、米国の利下げ観測の高まりもあり、債券価格の上昇が続いている。また、米国債より高利回りを狙って、企業が発行する投資適格社債を購入することも多いが、米国債とのスプレッド(利回り格差)は、1998年以来の低水準まで低下している。信用リスク以上に買われていても、買わないと他のファンドマネーとの競争に敗れるため、追随せざるを得ない実情がある。

3.今年運用パフォーマンスが一番良いのはゴールド

トランプ関税の影響もあり、今年運用パフォーマンスが一番良いのは、安全資産とされるゴールドなどの貴金属であり、年初来50%近い上昇率となっている。しかし、米ファンドマネージャーの中で、運用資産にゴールドを入れている割合は、5%以下と言われており、競争に勝ち抜くためには、ゴールドや暗号資産などボラティリティーの高いハイリスク・ハイリターンの運用資産にまで手を出さざるを得ない状況が発生している。

4.米政府機関閉鎖でも止まらない米国株高

今週に入り、共和・民主両党間での2026年度つなぎ予算に関わる協議が物別れに終わり、政府機関が閉鎖されても、10/2米株式市場は、3指数揃って史上最高値を更新している。過去の閉鎖が米国株式の下落に繋がらなかったことや追加利下げ観測を期待しての株買いが継続している。

5.チキンゲームはいつ終了するのか?

現在の経済実態とかけ離れた運用利回り競争は、チキンゲームと化していて、いずれ相場がクラッシュして、資産価格が暴落するまで続くのかもしれない。AIバブルと言われるように、AI関連の半導体企業による積極的な設備投資計画や今後の高い増益見通しを背景に、米国株式市場の上昇は、今後も続くとの見方が支配的となっているが、「まだはもうなり」でいずれ終焉を迎えることになる。その時になって初めて、多くのファンドマネーは、FOMOから解放される皮肉な結末を迎えることになろう。

(図表 S&P500日次推移チャート 出典:Trading View)

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2025年10月3日執筆 チーフストラテジスト 林 哲久 



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