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うつで退職勧奨を受けたとき、残しておいて助かった証拠|記憶より記録が自分を守った


うつ病で体調が悪い時期に、会社から退職の話をされる。

これは、想像していた以上につらい経験でした。

仕事を失うかもしれない。

収入がなくなるかもしれない。

家族にどう説明すればいいのか。

次の仕事なんて、本当に見つかるのか。

頭の中にいろいろな不安が押し寄せてきて、会社の人が何を話しているのか、途中からうまく頭に入らなくなることもありました。

私は後になって思いました。

あのとき、記録を残しておいて本当によかった。

退職勧奨では、時間がたってから、

「そんなことは言っていない」

「退職を強制したわけではない」

「本人が自分から辞めると言った」

と、会社と本人の説明が食い違うことがあります。

うつで精神的に弱っていると、

「自分の記憶が間違っているのではないか」

と、自分自身まで疑ってしまいます。

だからこそ、私は「覚えておく」より「残しておく」ことが大切だと思っています。

一番助かったのは、面談の記録

退職勧奨を受ける面談では、その場で冷静に内容を覚えておくのは難しいです。

誰がいたのか。

何時から何時まで話したのか。

会社から何と言われたのか。

自分はどう答えたのか。

退職届を書くよう求められたのか。

断ったらどうなると言われたのか。

こうしたことは、数日たつだけでも曖昧になります。

私は、面談の内容について、できるだけ記録を残しておくことが大切だと感じました。

音声を残せる状況であれば音声。

難しければ、面談直後にスマートフォンのメモへ、

「○月○日、○時ごろ」

「所長と面談」

「○○と言われた」

「私は○○と答えた」

と書くだけでも違います。

会社と争うためではありません。

将来の自分が、何が起きたのか確認するためです。

メールやメッセージは消さない

退職に至るまでの会社とのやり取りも残しておいた方がよいと思います。

例えば、

  • 面談へ呼び出されたメール

  • 業務指導のメール

  • 配置転換や降格に関する連絡

  • 体調不良を会社へ伝えたメール

  • 診断書を提出したことが分かるやり取り

  • 退職についてのメール

  • 上司とのチャットやメッセージ

です。

口頭で言われたことは残りません。

しかしメールなら、

いつ、誰から、どんな内容が送られたか

が確認できます。

退職すると会社のメールアドレスへログインできなくなる場合があります。

もちろん、会社の機密情報や他人の個人情報を勝手に持ち出してはいけません。

それでも、自分自身の退職や労働条件に関係する記録については、必要な範囲を整理しておくことが大切です。

退職届は必ずコピーを残す

退職届についても、提出する前にコピーや写真を残しておけばよかった、という人は少なくないと思います。

特に重要なのは、退職理由をどう書いたかです。

「一身上の都合により退職します」

と書いたのか。

「会社から退職勧奨を受けたため退職します」

と書いたのか。

後から離職理由について確認するとき、内容が大きく違います。

鹿児島労働局が公開している実際のあっせん事例では、労働者が退職届を出すよう求められ、その場の雰囲気から「一身上の都合」とする退職届を書いたケースが紹介されています。会社側と退職に至った経緯について主張が食い違い、最終的には解決金を支払う形で和解しています。

私はこの事例を見ても、

退職届はただの紙ではない

と思います。

提出する前に、一度立ち止まることが大切です。

その場で退職届を書かない

うつで判断力や集中力が落ちているときに、

「ここへ名前を書いてください」

「今日中に決めてください」

と言われたら、断るのはとても難しいです。

でも、退職勧奨は解雇とは違います。

会社から退職を勧められたからといって、その場で必ず了承しなければならないわけではありません。

私は、突然退職の話をされたときほど、

「今日は判断できません」

「家族と相談します」

「書類を持ち帰って確認したいです」

と言ってよいと思います。

一度書いた退職届を後から覆すことは簡単ではありません。

人生を変える書類を、心が弱っているその日に決めなくてもいい。

これは、今なら強く思います。

診断書と通院記録も残しておく

うつ病で退職勧奨を受けた場合、医療関係の記録も大切です。

例えば、

  • 診断書

  • 診察券

  • お薬手帳

  • 医療費の領収書

  • 処方された薬の記録

  • 会社へ診断書を提出した記録

です。

これらは、

「いつから体調が悪かったのか」

「会社は体調不良を知っていたのか」

という経緯を後で振り返るときにも役立ちます。

会社へ診断書の原本を提出する場合でも、私はコピーや写真を残しておくことをおすすめします。

提出してしまえば、手元からなくなります。

業務指導の資料も捨てない

退職勧奨の前に、会社から仕事について指摘を受けている場合もあります。

そのときの、

  • 業務指導書

  • 指導メール

  • 人事評価

  • 研修記録

  • 面談記録

  • 自分が提出した回答書

なども残しておきます。

自分に不利な内容だからといって捨てる必要はありません。

会社が、

「何度も指導した」

と説明するなら、

何を指導されたのか。

どの程度改善を求められていたのか。

自分はどう対応したのか。

その全体を確認する必要があります。

都合のよい資料だけではなく、経緯全体を残しておく方が、後から状況を説明しやすくなります。

給与明細と勤怠記録も後から役立つ

給与明細や勤怠記録は、退職したらもう不要だと思うかもしれません。

でも、

  • 残業時間

  • 出勤日数

  • 欠勤日数

  • 有給休暇

  • 休日出勤

  • 給与や手当

を確認するときに役立ちます。

体調を崩す前にどのくらい働いていたのか。

本当に欠勤が多かったのか。

会社から言われた内容と記録が一致しているのか。

後になって確認したくても、退職後は社内システムへ入れなくなることがあります。

だから、必要な記録は在職中に確認しておいた方が安心です。

離職票は「自己都合」になっていないか確認する

退職後に届く離職票も、そのまま提出するのではなく内容を確認します。

特に見るのが、離職理由です。

自分では、

「会社から退職を勧められて辞めた」

と思っていても、会社側が自己都合退職として手続きをしている可能性もあります。

会社と自分の主張が違うとき、ハローワークで事情を説明することになります。

そのとき、

面談記録。

メール。

退職届。

診断書。

時系列。

などが事情を説明する材料になります。

鹿児島労働局の別の事例でも、労働者側と会社側で「解雇だったのか、退職勧奨だったのか」という説明が食い違っています。最終的には双方で話し合い、補償金を支払って解決しています。

「言った・言わない」の世界になったとき、記録がある意味は大きいと思います。

自分だけの「時系列表」を作った

私は、いろいろな証拠があっても、何がいつ起きたのか分からなければ説明しづらいと感じました。

そこでおすすめしたいのが、簡単な時系列表です。

例えば、

4月5日
上司から仕事内容について指摘される。

4月15日
再度面談。

4月20日
体調が悪化して病院へ行く。

4月22日
会社へ診断書を提出。

5月10日
退職について初めて話をされる。

5月15日
再度退職について面談。

という形です。

横に、

「メールあり」

「録音あり」

「診断書あり」

と書いておきます。

これだけでも第三者へ状況を説明しやすくなります。

そして何より、

自分自身が、何が起きたのか整理できます。

証拠は、会社と戦うためだけのものではなかった

私は以前、

「会社を訴えるつもりはないから、証拠なんて必要ない」

と思っていました。

でも今は違います。

記録は、裁判のためだけに残すものではありません。

ハローワークへ相談するとき。

労働局へ相談するとき。

家族へ説明するとき。

専門家へ相談するとき。

そして、自分自身が過去を整理するとき。

すべて役立ちます。

厚生労働省の総合労働相談コーナーでは、解雇や配置転換、いじめ・嫌がらせなど幅広い労働問題について、無料で相談できます。

相談するときも、

「会社がひどかったです」

だけより、

「○月○日に、このような話がありました」

「このメールが残っています」

と説明できる方が、相手にも状況が伝わります。

私が残しておいてよかったと思うもの

今なら、退職勧奨を受けたときに次のものを確認します。

  • 面談の音声や会話記録

  • 面談の日時、場所、参加者のメモ

  • 上司とのメールやメッセージ

  • 業務指導の資料

  • 人事評価や研修記録

  • 配置転換や降格などの通知

  • 診断書のコピー

  • 会社へ診断書を提出した証拠

  • お薬手帳や通院記録

  • 給与明細

  • 勤怠記録

  • 雇用契約書・労働条件通知書

  • 退職届のコピー

  • 離職票

  • 出来事を並べた時系列表

全部使うわけではありません。

使わずに終わるものもあると思います。

それでもいいのです。

**使わなかった証拠は後から捨てられます。

でも、残さなかった証拠を後から作ることはできません。**

まとめ

うつで体調が悪いときに退職勧奨を受けると、冷静な判断が難しくなります。

私も、

仕事。

生活。

家族。

これからの収入。

いろいろな不安で頭がいっぱいになります。

そんなときに、

会社との会話を一字一句覚えておくことなどできません。

だから私は、

記憶より、記録を残す。

これが大切だと思っています。

録音。

メール。

診断書。

退職届。

給与明細。

勤怠記録。

そして、自分で書いた時系列。

証拠という言葉を聞くと、

「会社と戦うための武器」

のように感じるかもしれません。

でも私にとっては違いました。

記録は、混乱していた過去の自分を、未来の自分が助けるためのものです。

退職勧奨を受けたその日に、会社と争うかどうかまで決める必要はありません。

退職するかどうかも、できれば一度持ち帰って考える。

でも記録だけは、できる範囲で残しておく。

もし今、

うつで弱っているところへ会社から退職の話をされ、

「自分が悪いのかもしれない」

と一人で悩んでいる人がいたら伝えたいです。

まず、今日起きたことを書いておいてください。

数行でも構いません。

その小さな記録が、後のあなたを守ってくれるかもしれません。

※この記事は私自身の体験と一般的な制度をもとに書いています。退職勧奨、退職意思の有効性、離職理由などは個別の事情によって判断が変わります。具体的なトラブルについては、労働局、ハローワーク、弁護士など専門機関へ相談してください。

参考URL

厚生労働省「総合労働相談コーナー」
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html

厚生労働省「個別労働紛争解決制度」
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/index.html

鹿児島労働局「あっせんの事例」
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/kobetsu_roudou_funsou/seido01_1.html

鹿児島労働局「助言・指導の事例」
https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/kobetsu_roudou_funsou/seido01_2.html

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