日立で鉱物採集|パンニングで見つけた「苦土スピネル」の可能性
はじめに|どんな記事なの?
こんにちは、てるめぐるです💎
少しずつ気温も落ち着いてきたので、
今年最初の鉱物採集に行ってきました。
今回は、その中でも
とある鉱物をひとつ、ピックアップして紹介します。
ちなみに──
12月〜3月は採集を控え、
勉強や考察、創作に時間を使っていました。
鉱物が好きという気持ちが動力になっているので、
勉強 ↔ 考察 ↔ 採集
このサイクルを行き来しながら、
「好き」を消化しています。
どこで採集したの?|場所はどこ?
さて、今回の採集場所は──
茨城県・日立市。
阿武隈(あぶくま)変成帯を狙います。

そもそも茨城県は、
筑波の花崗岩ペグマタイト、
高取の高温熱水鉱脈鉱床(タングステン・錫・フッ素系鉱物など)、
北茨城の変成帯やリチウムペグマタイトなど、
さまざまな地質が重なった、
とてもおもしろいフィールドです。
ただし、その多くは採集禁止であったり、
環境保護の観点からも、
安易におすすめできる場所ではありません。
じゃあ──
どうすれば、
気持ちよく鉱物を楽しめるのか?
「瑠璃の宝石」で、
荒砥凪(あらとなぎ)さんが言っていた言葉があります。
「石は動く」
このセリフに、
すべてが詰まっています。
だから今回は、
変成帯由来の河口(海岸)で、
採集しました。
なにを採集したの?|今回の主役は?
今回は、
パンニングという採集方法で見つけた鉱物を紹介します。
パンニングで残るのは、
・比重が高い
・削られにくい
そんな特徴を持った鉱物たちです。
たとえば、
磁鉄鉱、チタン鉄鉱(いわゆる砂鉄)や、
ザクロ石(ガーネット)などが定番です。
その中で今回は──
さらにもう一歩踏み込んで、
ジルコンやコランダムもあり得るかもしれない。
そんな期待を持ちながら、
フィールドに立っていました。
そして、見つけたのがこちらです。

大きさは約1mm。
肉眼では灰色に見えましたが、
よく見ると


透明をベースに、
ほんのり淡い桃色を帯びています。
(微量の不純物の影響と考えられます)
そして──
形が、ごつい。
さらに、
今回いちばんゾワッときたのが
ブラックライトでの反応です。

はっきりとした赤ピンク色の蛍光。
(結晶構造と微量元素の影響が考えられます)
ここまでの情報だけでも、
候補はかなり絞り込めます。
たとえば、
貝殻やマンガンを含む方解石(カルサイト)も蛍光しますが、
・比重が軽い
・割れやすい
という点から、今回は除外できます。
さらに、
日立の地質環境や産出記録も踏まえると──
クロムを含むスピネルやコランダム(ルビー)
このあたりが、
有力な候補として見えてきます。
スピネルとコランダムの大きな違いは、
結晶形態にあります。
今回の個体は、
コロッとした印象を持っており、
等軸晶系に近い形をしています。
このことから、
あくまで肉眼観察による判断ではありますが、
クロムを含む「苦土スピネル」である可能性が高いと考えています。
次回にむけて!
今回見つけたのは、
たった一粒の「苦土スピネル」と思われる鉱物でした。
でもこれは、
ただのコレクションではありません。
次につながる、
キーアイテムです。
この一粒はどこから来たのか。
どんな環境でできたのか。
どの母岩に入っていたのか。
大まかな目星はついています。
だから──
近いうちに、もう一度行きます。
日立、第二弾です。
