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北陸からグローバルへ。TeSHがアントレプレナーシップ教育事業のキックオフイベントを開催

Tech Startup HOKURIKU(TeSH:テッシュ)は、金沢大学および北陸先端科学技術大学院大学を主幹機関とし、北陸3県の11大学、3高専を共同機関とする北陸地域の大学・高専発スタートアップ創出プラットフォームです。

本事業の本格始動を告げるキックオフイベントを、2026年2月27日に開催しました。
当日は、産学官のキーパーソンによる事業説明に加え、グローバルな視点から北陸のポテンシャルを紐解く基盤講演やパネルディスカッションを実施。
北陸から世界へ羽ばたく次世代の起業家育成に向けたロードマップを共有しました。

イベントの一部始終をお届けします。


イベント概要

本事業の本格始動にあたり、北陸の産学官各界からキーパーソンが集結。
TeSHが目指す「地域発スタートアップ・エコシステム」の全容公開とともに、次世代の挑戦を後押しするための多角的な議論が展開されました。

  • 日時: 2026年2月27日(金) 14:30〜17:00

  • 会場: 金沢大学 BGIC棟1階 イベントスペース(バイオ・グリーンイノベーションセンター内)

  • 主催:金沢大学

  • 共催:北陸先端科学技術大学院大学

主催者挨拶

TeSHプログラム総括責任者を務める金沢大学学長・和田隆志氏が登壇。
石川、富山、福井の3県から15もの機関が結集したことへの謝辞を述べ、広域連携によるイノベーション創出への決意を表明しました。

和田:
「北陸はこれまでベンチャー後進地域と言われてきましたが、私たちはそれを『伸びしろが大きい』とポジティブに捉えています。この事業を通じて、地域から世界へ羽ばたく人材を力強く育成してまいります」

来賓挨拶

来賓挨拶には、文部科学省 科学技術・学術政策局 産業連携・地域振興課 産業連携推進室室長・溝田 岳氏が登壇しました。

溝田:
「優れた制度や資金があっても、新たな価値を創造する『人材』がいなければ持続的な発展は望めません。小中高生からアントレプレナーシップに触れられるTeSHの環境構築を、今後も一層推進していただきたいです。」

関係機関紹介

北陸のアントレプレナーシップ教育を推進する全18の参画機関が紹介されました。

  • 主幹機関: 金沢大学、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)

  • 共同機関: 富山大学、福井大学、富山県立大学、石川県立大学、金沢美術工芸大学、公立小松大学、金沢工業大学、金沢医科大学、福井工業大学、富山高等専門学校、石川工業高等専門学校、福井工業高等専門学校、株式会社ガイアックス

  • 幹事自治体: 富山県、石川県、福井県

事業概要説明

プログラム代表である金沢大学の中村慎一理事・副学長、および北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の永井由佳里理事・副学長より、TeSHが描く具体的な事業ロードマップが発表されました。

中村プログラム代表は「北陸地域が一丸となって取り組むビジョン」として、

  • 人材育成

  • 起業環境の整備

  • エコシステムの形成

の3つの支援区分を提示。
単なる教育プログラムに留まらない、多角的な支援体制の全容が明らかになりました。

人材育成:小中高から社会人までを網羅する「地域定着」の仕掛け

第一の柱である「人材育成」において特筆すべきは、大学生のみならず、小中高生から社会人のリスキリングまでを網羅した体系的な教育プログラムです。

中村:
「北陸には若者の域外流出という深刻な課題があります。
早い段階から大学や地域産業との接点を設けることで、学びの選択肢を広げ、地域定着にもつなげていきたい。興味の喚起から大学への接続、そしてビジネスモデルの構築まで、北陸の全ての大学・高専がそれぞれの特色を活かした開発を行っていきます」

単に起業のハウツーを教えるのではなく、地域の課題を自分事として捉え、解決策を導き出す「思考の基盤」を作ることに主眼が置かれています。

起業環境の整備:失敗を恐れない「学生チャレンジ」の拠点が誕生

第二の柱は、学生が孤立せずに挑戦し続けられるための強力なインフラ整備です。
専門家へ繋ぐ「ワンストップ起業相談窓口」の設置や、各大学が保有する高度な研究機器を相互利用できる環境の提供など、広域連携ならではのメリットが強調されました。

なかでも会場の注目を集めたのは、金沢大学内に整備される学生等がプロトタイプ制作にチャレンジできるスペースの「TeSHテックガレージ」です。

中村:
「ここは、他大学や高専の学生も集える場所です。いわば『カオス』の中からイノベーションが生まれる場所にしたい。
3Dプリンターやレーザーカッターを備え、アイデアを即座に形にできる環境を提供します。失敗を恐れずに試作と検証を繰り返せるこの空間から、次世代のテック系スタートアップを輩出していきます

エコシステムの形成:産学官の結束と「自走化」への布石

永井プログラム代表は、第三の柱として「持続可能なエコシステム」の構築について語りました。

TeSHは、NEXTグローバル拠点都市である「HOSTEC(ホステック)」とKPIを共有しており、TeSHで育った人材がスムーズに世界市場へと羽ばたく一貫した流れを構築しています。
さらに、令和10年度以降の「自走化」を見据え、個人から法人までが参画できる独自の協賛制度を導入することも発表されました。

永井:
「プログラムを継続させ、質を向上させるためには地域全体での支援が不可欠です。あらゆるステークホルダーが参画できる協賛の仕組みを整え、地域全体で次世代を育てる文化を醸成していきます。
3年間で延べ1万7,000人超の参加者、起業準備学生200名という意欲的な目標を掲げ、実際の『行動』に移す人材を増やしてまいります」

「北陸から世界へ」。地域に根ざしながらもグローバルな視野で挑戦し続ける人材の輩出に向け、TeSHの明確な意思が、緻密なロードマップとともに示されました。

基調講演およびトークセッション

基調講演には、FoundersNation株式会社 代表取締役CEO、CIC Tokyo Instituteディレクターの名倉勝氏が登壇しました。

基調講演のテーマは「地域グローバルの両立 北陸の強みを世界市場の問いに変換する」
主に以下の3つのテーマが語られました。

  1. 地域の技術・産業の世界展開(グローバルの視点)

  2. ディープテック分野の勝ち筋

  3. コミュニティやプラットフォームの価値

地域の技術・産業の世界展開:エストニアと北陸の共通点

名倉氏は「Think Global、Win Globally」という一貫したメッセージを投げかけました。

必ずしも最初から海外で売る必要はないものの、世界レベルで考え、世界で何が起きているかを知らなければ、国内の小さなビジネスに留まってしまうと警鐘を鳴らします。

特筆すべきは、海外の配車アプリ「Bolt」の事例です。
日本で成功しているユニコーン企業「GO」の企業価値が約1,500億円であるのに対し、エストニア発のBoltは1兆円規模の市場価値を誇ります。

 名倉:
「Boltはエストニア出身の企業です。エストニアと北陸の自治体を比べてみると、実は人口規模が非常に近い。首都タリンと金沢市の人口もほぼ同じです。

面積こそ違えど、北陸各県とさほど変わらない規模の国から、日本で成功している企業の10倍の価値を持つ企業が生まれているという事実を、皆さんに知ってほしいです。
なぜこれほど差がつくのか。まずは世界で何が起きているかを知ることから始めてください。」

名倉氏は、日本に足りないのは技術力ではなく「グローバルな情報の圧倒的な欠乏」であるとし、まずは世界を知ることからすべてが始まると語りました。

ディープテック分野の勝ち筋:強みの確立と「やらないこと」の決断

続いて語られたのは「地域の強みをどう確立するか」という戦略論です。
名倉氏は「何をやらないか」を明確に決めることの重要性を指摘しました。 

名倉:
日本の自治体や大学が最も苦手なのが『何をやらないか』を決めることです。
よく『うちの地域はライフサイエンスの研究者が多いから強みです』という声を聞きますが、実は日本全国どこでもライフサイエンスの先生が一番多い。
そこからさらに解像度を上げ、何に特化するかを決めなければ、リソースが分散してしまいます」

また、ディープテック分野における厳しい資金調達の現実についても言及がありました。 

名倉:
「同じ特許、同じ技術を持っていても、日本で調達するかアメリカで調達するかで、初期段階から10倍の資金力の差がついてしまう。さらに現在、世界的に投資は『厳選』される傾向にあり、VCの目も厳しくなっています。

一方で、政府やEUなどはディープテックを強力に後押ししており、追い風であることは間違いありません。
研究開発や知財獲得に多額の資金を要するディープテックだからこそ、世界の資金感覚やトレンドを正しく理解したうえで、初期段階から勝ち筋を描く必要があるのです。」

コミュニティやプラットフォームの価値:成功を呼び込む「ピアプレッシャー」

名倉氏は、創業者の数と成功のスピードの関係性にも触れました。

名倉:
「データ上、1人より2人での創業が最も成功へのスピードが速いです。
1人での創業は、周囲を共感させられなかったというメッセージになりかねず、意思決定の質も下がります。
信頼できるパートナーを見つけられる『場』があることは、極めて重要です」

個を支える基盤として、名倉氏はコミュニティの価値を以下の3つの要素で整理しました。

  • ピアサポート(起業家同士の支え合い)

  • ピアラーニング(起業家同士の生の情報交換)

  • ピアプレッシャー(仲間からの良い刺激)

なかでも、周囲の刺激が行動を変える「ピアプレッシャー」の価値を強調しました。

名倉:
周りの起業家が成功したら『自分もできる』と思える。この心理効果はものすごく大きいです。答えのないことに挑戦する人々にとって、この刺激こそが最大の価値になります」

トークセッション:地域課題は「地球規模の課題」である

基調講演後のトークセッションでは、FoundersNation株式会社 代表取締役社長の藤本あゆみ氏を交え、金沢大学 先端科学・社会共創推進機構TeSH スタートアップ・アントレプレナーシップ推進室室長・佐々木淑貴をモデレーターとした、クロストークを実施。

藤本氏は、自身が世界20カ国25都市を巡って調査した「小国のスタートアップ戦略」を披露しました。藤本氏が強調したのは、スピード感の重要性です。

藤本:
「例えばドバイでは、すでに中国の自動運転スタートアップが走り出しています。
日本で規制を考えながら2年かけて準備しているあいだに海外では実装が進み、取り返しがつかない差が開いてしまうのです。
グローバルを目指す理由は、市場の大きさだけでなく『成長のスピード』にあります

さらに藤本氏は、日本の地域課題こそが世界の商機であると指摘しました。 

藤本:
「日本の『人口減少』や『高齢化』は、世界共通の地球規模課題です。
北陸の課題解決モデルは、そのまま世界のインパクト投資の対象になり得ます。
地域の課題を世界の課題として捉え直す視点を持つことが重要です。」

支援者は「ドリームキラー」になってはいけない

議論の終盤、話題は「支援者側の姿勢」に発展。
藤本氏は、投資家や大学の支援担当者に対し、厳しいメッセージを送ります。

 藤本:
支援者はドリームキラーになってはいけません。
自分の経験にない新しい技術を『聞いたことがないからうまくいかない』と否定するのはおこがましい。支援者こそがグローバルの最新情報にキャッチアップし続ける努力が必要です。」

名倉氏もこれに同調し、支援者のクオリティがプラットフォームの価値を決めると語りました。

 名倉:
スタートアップには勉強を求めるのに、自分はアップデートしない支援者が多すぎると感じています。
支援者自らがグローバルレベルの知識を持ち、議論の質を高める気概を持たなければ、スタートアップにとってもありがた迷惑になってしまう恐れもありますよね。」

最後に名倉氏は、TeSHというプラットフォーム自体にこうエールを送りました。

 名倉:
「成功する起業家は、いい意味での『勘違い』をしています。『自分たちが世界で一番になれる』と信じている。そんなアントレプレナーシップ精神を持って、明るく失敗を恐れずに挑戦し続けてほしいです。」

パネルディスカッション

後半のプログラムでは「北陸から世界へ TeSHアントレプレナーシップ教育の描く未来」と題したパネルディスカッションを開催。産・学・官それぞれの最前線でアントレプレナーシップ(起業家精神)教育を推進する4名が登壇し、北陸からいかにしてグローバル人材を輩出するか、具体的な道筋について議論を交わしました。

【パネリスト】

  • 下川俊成氏(100株式会社 代表取締役)

  • 吉川佳佑氏(株式会社ガイアックス 教育事業部 部長 / 金沢大学OB)

  • 藤見佳奈枝氏(小樽商科大学グローカル戦略推進センター 特任准教授)

  • 金澤奈央氏(文部科学省 科学技術・学術政策局 産業連携・地域振興課 産業連携推進室)

【モデレーター】

  • 佐々木淑貴(金沢大学 先端科学・社会共創推進機構 TeSH スタートアップ・アントレプレナーシップ推進室室長)

  • 中田泰子(北陸先端科学技術大学院大学准教授)

【ディスカッションテーマ】

  • 目指すべき人材像、成果

  • 世界に通じる学びを、実装する"体験設計”

  • 取り組みを継続的に強くするには

目指すべき人材像、成果:志を持ち「行動」に移せる人材を

冒頭、モデレーターの佐々木は、「単に会社を作る人を増やすだけでなく、不確実な世の中で課題を見つけ、新しい価値を創造する広義のアントレプレナーシップを持った若者を北陸から出したい」と本事業の志を語りました。

これを受け、文部科学省の金澤氏は、国が目指すべき人材像について次のように述べました。 

金澤:
「アントレプレナーシップは起業家だけに必要な教育だという誤解がありますが、本質は『持続的に主体的に学び続け、行動力を持った人材』を育むことにあります。行政や企業、すべての人にとって必要な、新たな価値を生み出す精神です。

子どもたちのワクワクや好奇心をベースにした取り組みが社会とつながり、生きがいになっていく。そんな姿を応援したいと考えています」

北海道のプラットフォーム「HSFC」で伴走支援の事務局長を務める藤見氏も、自身の経験から3つの柱を提示しました。

藤見:
「必要なのは、グローカル(※)視点・課題の自分事化・行動の3つです。
世界の潮流を見ながら地域の課題を考えること。そして、生成AIに頼るだけでなく、実際に現場へ行って五感で情報を得て、課題を自分事として捉えること。発表して終わりではなく『発表と実践の溝』を飛び越えて行動に移すこと。ここを徹底的に大事にしていただきたいですね」

(※)「グローバル(Global:地球規模)」と「ローカル(Local:地域的)」を組み合わせた造語で、地球規模の視点で考え、地域の特性や文化に根ざして行動する(Think globally, act locally)という考え方

金沢大学のOBであり、現在は全国で年間1万人以上の子供たちに教育プログラムを提供する吉川氏は、成果の指標として「圧倒的な数」の重要性を説きました。

吉川:
「サッカーやダンスで日本人が世界で活躍できるようになったのは、単純に競技人口が増えたからです。100万人がやっていれば、トップ層は必ず底上げされます。
現在、アントレ教育に触れる子供はまだ圧倒的に少ないです。まずは少しでも起業や課題解決に触れる子の『裾野』を広げることが、結果としてキラリと光る人材の輩出につながります

さらに吉川氏は、自身の会社だけでなく学校の先生が自ら教えられる体制(教材開発)の必要性に言及。100万人規模に教育を届けるための、持続可能なエコシステム構築の重要性を訴えました。

世界に通じる学びを、実装する"体験設計”:AI時代だからこその「リアル」

続いて、具体的にどのような学びの場を設計すべきかが議論されました。
小樽商科大学でフィールドワークを重視した教育を実践する藤見氏が、デジタル全盛期における”人との関わり”の重要性を説きます。

藤見:
「生成AIがどれだけ発達したとしても、最終的に熱を吹き込むのは人間です。現場へ行き、五感を使って得た情報はAIには決して真似できません。机上の空論で終わらせず、実際に行って、触れ合って学ぶ。このリアルな体験を何より大事にしたいと考えています」

この藤見氏が提示した『五感』と『リアル』の視点に、東大などで10年以上にわたり学生支援に携わってきた下川氏が呼応します。『テクノロジーが進化する今こそ、物理的な場所の価値が逆説的に高まっている』と主張しました。

下川:
「今はAIに聞けば、世界への進出方法は教えてくれます。でも、人はそれだけでは動きません。
1番効果的なのは、昨日まで同じ教室でご飯を食べていた隣の仲間が、世界に羽ばたいていく姿を間近で見ることです。
AIやSNSを通した画面越しの他人の成功よりも、身近な仲間の熱量こそが最大の『メガトンパンチ』になります。」

一方、吉川氏は、学生の熱量を絶やさないための「伴走」の必要性を説きました。

吉川:
「プログラムは強制ではないので、忙しい子どもたちは理由をつけて離脱してしまいがちです。だからこそ、現役の起業家や実務を知る大人が1対1で壁打ち相手になる『伴走者』の存在が不可欠です。

例えば、私が関わっているプログラムでは、参加者全員の進捗が見えるSlack(チャットツール)グループを用意しています。そこで、高校1年生が起業したのを大学生が見て焦る……といった例もありました。

『ピアプレッシャーの設計』を体験に組み込むことも、最後までやり遂げる大きな動機付けになります。」

取り組みを継続的に強くするには:仲間づくりと「スーパーヒーロー」の創出

最後に、教育を一時的なイベントに終わらせず、地域に根付かせるための持続可能な戦略が語られました。

金澤氏は、子どもたちの挑戦を阻む「親ブロック」や「教員の理解不足」への対策の重要性を指摘します。

金澤:
「アントレ教育を受講したことがない保護者にとって『起業=危険』という不安は根強いです。
文科省としても、保護者を巻き込んだイベントや、先生方を応援する『教員アワード』の開催を通じて、教える側・支える側が自信を持って背中を押せる環境づくりに注力しています」

また、下川氏は「数を増やす」戦略とともに、圧倒的な成功事例の必要性を強調しました。

 下川:
「数を出せば大谷翔平のようなヒーローが出てくるのは事実です。一方で、彼のような『スーパーヒーロー』がいるからこそ、野球を始める子どもたちが増えるという側面もあります。
圧倒的な成功事例を意図的に作ることが、結果として全体の裾野を広げることにつながります。

こうした「個」の熱量を地域全体の力に変えていくために、藤見氏は、プラットフォームの連携の必要性を訴えました。

藤見:
「日本には現在9つのプラットフォームがありますが、それぞれが個別に動いていては解決できない問題もあります。
先行する地域の失敗や成功のノウハウを共有し、無駄を省きながら『オールジャパン』で連携していく。
資源は有限だからこそ、お互いに活用し合うアントレプレナーシップを、支援者側も発揮すべきです」

吉川氏もこれに同調し、支援の輪を広げるためのアクションを呼びかけました。

吉川:
「北陸の人は慎重な面もありますが、だからこそ、待つのではなくこちらから現場に足を運ぶ『泥臭い仲間づくり』が重要です。『集まってください』と呼びかけるだけでなく、学校の先生方『一緒にやりたいんです』と声を掛けることが大切です。」

下川氏は最後に「農業のように時間をかけて種をまきつつ、ヒーローという収穫を見せていく。この仕事に誇りを持って10年後も続けていきたい」と語り、パネルディスカッションを締めくくりました。

閉会挨拶

最後に、TeSH総括責任者であり、北陸先端科学技術大学院大学学長の寺野稔が登壇。イベントを総括し、支援期間終了後の自走化に向けたさらなる協力と、北陸のポテンシャル開放を呼びかけました。

寺野:
「地域から世界を見るのではなく、グローバルな視点から地域を捉え直すことが重要です。眠っていた北陸のシーズを掘り起こし、挑戦する姿を学生に見せる『ピアプレッシャー』を通じて、このプログラムを強力に継続させていきましょう。」


***

キックオフイベントを通じて示されたのは、北陸に眠る技術や情熱を、世界へと繋ぎ、具現化していくための道筋です。
産学官が一体となり、失敗を恐れず挑戦できる環境を構築することで、地域課題をグローバルな商機へと変えていきます。