【徹する屋の此処路】ただ心地いいのだ⋯Nostalgic Notes #6-人情編
『ただ心地いいのだ⋯』
~Nostalgic Notes~
#6
人情編
✺
知らない人がドアを押さえて待っていてくれた朝
落とした手袋を
黙って拾って渡してくれた人
商店街のおばちゃんが
「今日は寒いね」と声をかけてくれる
八百屋のおじさんが少しだけおまけしてくれた夕方
銭湯の脱衣所で交わす
名前も知らない人との会話
道に迷っていたら
目的地まで一緒に歩いてくれた人
重たい荷物を持つ手を
何気なく代わってくれた友達
久しぶりに会った瞬間
昨日の続きみたいに話し始める二人
駅のホームで
帰ってくる人をずっと待っている誰か
玄関を開けたら
「おかえり」と聞こえる夜
何も言わずに
そっと置かれていた温かい食事
眠そうな顔で淹れてくれた朝の一杯
失敗した話を聞いて
一緒に笑ってくれる人
泣いていることに気づいても
何も聞かず隣にいてくれる人
帰り際に「気をつけて」と振られる手
遠くからでも見つけると
いつものように手を振ってくれる人
久しぶりの再会なのに
なぜか昨日まで会っていたような安心感
古い写真を囲んで
同じ思い出を何度も語る夜
食卓でくだらない話をして
みんなで笑う時間
誰かの笑い声につられて
こちらまで笑ってしまう瞬間
眠ってしまった子どもに
そっと毛布をかける手
帰りの遅い人のために
消さずに残してある玄関の灯り
「無理しなくていいよ」と言われたときの静けさ
何年経っても変わらない呼び方で呼ばれること
別れ際
何度も振り返って手を振る姿
誰かのために作った料理を
「おいしい」と食べてもらえる夜
久しぶりに帰った場所で
何も変わらず迎えてくれる人
言葉にしなくても
なんとなく気持ちが伝わる沈黙
誰かの幸せを
自分のことのように喜べた瞬間
何者でもない自分を
そのまま受け入れてくれる場所
ただ
人がいる
それだけで少し
世界があたたかく見えた
❦
あなたは
どんな情景を
思い浮かべましたか?
少しでも
「ただ心地いい⋯」と
感じてもらえたら
そっと
「スキ♡」
を
⋯
また次回の
「Nostalgic Notes」で
お会いしましょう
「ただ心地いいのだ⋯」
ただそれだけの為に
◐
「五感 × 時間帯 × 季節 × 場所 × 音 × 光 × 温度 × 記憶 × 感情=Nostalgic Notes」
Nostalgic Notes:
ここは
未だ意味を持たない言葉の景色たちに
あなたが
彩りを与える場所
徹する屋
