GRAPEVINE(グレイプバイン)が好き。
さて。
バインの話をします。スピッツまでは行きませんが、結構な日本のベテランバンドですね。^^;
バインの概要
1993年に結成したロックバンド。1997年メジャーデビュー。
西原誠(ベース)、西川弘剛(ギター)、田中和将(ギター・ボーカル)、亀井亨(ドラム)が初期メンバーで、西原誠が2002年頃に病気で脱退、現在は田中、西川、亀井の3人が正式なメンバーとして活動しています。
西原脱退前に金戸覚(ベース)、高野勲(キーボード)が2001年からサポートメンバーに加わっており、2026年時点までずっとサポートをしていてこの5人でGRAPEVINEと認識しているファンも多いと思います。
少し古いデータかもしれませんが、彼らのアルバムで最もヒットしたのは1999年の2ndアルバム「Lifetime」だそうで。
https://pbs.twimg.com/media/Evyt7u6VgAMBY2u?format=png&name=large
「スロウ」、「光について」、「白日」、「望みの彼方」等の有名曲が収められていますが、この辺りの曲の印象を元にGRAPEVINEについて語っている人がほとんどと言いますか…。ほとんどじゃないかもしれないけど、実際かなり多いのじゃないかなと思う事が多いです。
2025年5月28日リリースのオリジナルアルバムが『あのみちから遠くはなれて』と言いまして、これがなんと19枚目のアルバムなんですよね。
デビューから29周年時点とは言え、19枚のオリジナルアルバムを出している日本のバンドは他を探しても数える程度かと思います。
先輩のスピッツでさえ17枚ですからね。。
なのでせめてここ10年位の2、3枚のアルバムはじっくり聴いて語ってほしいと思うバンドです。
それほどにここ最近のアルバムも名盤がひしめき合っているような、そんな充実したバンドだと思っているのです。
バインとの出会い
スピッツ等より少し遅れて聴き始めていると思いますが、「Lifetime」時点ではまだそんなにファンという程ではなかったと思います。何回もこの頃の曲をライブで聴いている割にはそんなに初期の曲に執着はしていないですね(この辺りはスピッツと少し違う温度感ですw)。
「Here」というアルバム位から「here」、「羽根」、「Reverb」辺りで暗いけどカッコいい曲だなと認識してました。その後の西原さんの脱退については小耳に挟みつつ、ちょっと気になるな位の距離感でしばらく遷移しています。
「Circulator」の「discord」、「イデアの水槽」の「豚の皿」辺りが気になりつつも、まだアルバム曲全部が好きという感じではなかった気がします。
「déraciné」辺りまでは気になっているけど、何だか全部が刺さるわけではないという感じで。
この時の自分が思っていた感覚は凄い失礼甚だしいのですけど、若干器用貧乏なバンドっていうイメージが正直少しありました。
演奏も歌も上手いんだけど、いいなって思う曲とイマイチかなぁという曲がアルバムの中で結構はっきり分かれているような感じが有りました。
色々出来るがゆえに何を本当に一番見せていきたいと思っているのか、ファンもそうだけど、本人達もまだ分かってない所も有ったのかも? と思います。
自分の中でバインのイメージが変わったと自覚しているのは「From a smalltown」という8枚目のアルバム(2007年リリース)を聞いた辺りの事です。
「スレドニ・ヴァシュター」やら「FLY」のカッコよさだけでなく、アルバムの曲全体に通底するムードが何だかバインにしか出せないものがあるなと感じ始めたのです。「ママ」という曲が物凄くスケールが大きい曲に聞こえました。
ライブの映像とか見ても曲が終わった後に拍手さえ出てこない曲が結構有りました。照明も真っ暗で一人になりながら、観客皆、心の奥底で聴いているような、そんな楽曲が幾つかあるんですよね。
田中さんの歌ってはっきり聞きやすい、いかにもな名曲と、がなったり、何を言ってるのか分からない歌(※あえて分からない歌詞にしている)が分かれていて、多分後者にずっと自分は馴染めずにいたと思うのですが、この辺りのアルバムで何だかどちらも分かちがたく、どちらもカッコいいなぁと思い始めたような記憶があります。
9枚目の「Sing」というアルバムで「Sing」、「Two」、「フラニーと同意」等、しんみりした曲とロック曲の対比が凄くバランスよくアルバムの中で配置され、「スラップスティック」とかたまに出る田中さんの作詞作曲の曲もいいアクセントに感じられる様になってきました。
ここからの数枚もとても良いのですが、特にまためちゃくちゃいいなと思ったのが13枚目のアルバム「Burning tree」。
「Big tree song」で始まり、「サクリファイス」で終わるアルバム。最初の曲の明るさと子供の世代に歌っているような優しい詞世界。
最後の曲の詞も何をテーマにしているか分からないにしても、燃えていく森とその後に残っていく何かを感じられるような、これまでの田中さんの歌に無かった何か新しいものを感じられるような気がしていました。
ここ最近の数作に少し触れると、2019年16枚目「ALL THE LIGHT」の「Alright」、「すべてのありふれた光」等、やはり何か突き抜けたような明るさやメッセージが目立ちます。
2021年17枚目「新しい果実」。またここから田中さんの一筋縄ではいかない歌が沢山聞こえてくるようになりましたね(田中さん自身にも色々大変な事が有った時期かと思います)。「ねずみ浄土」と「Gifted」が特に好きです。
2023年18枚目「Almost there」は「雀の子」、「アマテラス」や最新作2025年19枚目「あのみちから遠くはなれて」では「天使ちゃん」のトーキングブルース、「ドスとF」等。
音楽的なチャレンジを毎回のアルバムで必ず繰り返して、ルーティン・王道にならない為の、あるいは自分たちが飽きずに歌い続ける為の天邪鬼な戦いをずっと真摯に続けている。それがGRAPEVINEというバンドなのかなと思います。
サウンドの話を少しだけ追記しますが、Wilcoというバンドの影響は結構大きいかなと思います。ブルースロックというベースは有ると思うものの、クラプトンとかとは全然違います(どうもサンキューとかMCでたまに言ったりはしますがw
勝手に感じてるだけだけど、Led Zeppelinからの影響も結構有りそうだなと思います。ハードロック・プログレっぽい。まぁそういう評価はあまりされてなさそうですが、プログレ好きなので展開が多い音楽が単純に好き(ツェッペリンは一般にはプログレ枠ではなくて私がそういう要素を感じ取ってるだけ^^;)なんですね。田中さんの好きなストーンズからの影響は詳しくないのであまり分からないかな。
バインのライブ遍歴
記録に残っている最初のライブは2005年の「déraciné」のツアーだったような気がしている。今は存在しない横浜BLITZ。
https://www.livefans.jp/events/456300
この時は「déraciné」というアルバム自体がもう一つハマれてなかったので、いいなと思う部分も有りつつも毎回ツアーに行くほどハマったのは多分もう少し先であったかなと思う。2009年の秋には2回ライブに行っている記録が有って、特に2009/11/28Zepp Tokyoのライブは最終日なのかな?
前回ライブの3倍良かったとか書いてるのでwかなりいい印象があったんだろうな。^◇^;
ここら辺からは辿れるだろうか。。
2011/4/8 SHIBUYA-AX(ここももうない)。
2012/12/13 SHIBUYA-AX GRAPEVINE×GREAT3のイベント。
2013/6/2 横浜BRITZ、8/31日本武道館831(やさい)食べ夜祭(POLYSICS、GRAPEVINE、フジファブリック、ユニコーン)の2回。
2015/5/6 横浜ベイホール、6/6 豊洲PIT、9/12 日比谷野外大音楽堂の3回。
2016/5/7 横浜ベイホール
2017/12/1 東京国際フォーラムホールA
2019/3/1 赤坂BLITZ GRAPEVINE&中村佳穂、6/28 Zepp Divercity Tokyo、8/12 ひたち海浜公園 ROCK IN JAPAN FES2019、9/26 中野サンプラザホールの4回。
2020/11/7 中野サンプラザ
2022/3/17 中野サンプラザ、7/1 人見記念講堂(昭和女子大学)の2回。
2023/3/18 SPEEDSTAR RECORDS 30th ANNIVERSARY、9/14 Zepp Shinjuku、10/26 LINE CUBE SHIBUYAの3回。
2024/3/28 Zepp Divercity TOKYO、7/13 日比谷野外音楽堂の2回。
2025/3/22 LINE CUBE SHIBUYA、8/30 日比谷野外音楽堂の2回。
2026/1/23 GRAPEVINE×柴田聡子(BAND SET) LIQUIDROOM(恵比寿)、4/29 LINE CUBE SHIBUYAの2回。
今年9月にも行く予定が有るので大体トータル30回位行ってる感じかもしれない。というか多いな。コロナ禍でも唯一大きなブランクが無く年平均2回位通ってきた、ライブという意味ではどうあっても満足できるという信頼感があるライブバンド。
大好きなアーティストは沢山いるけれど、スピッツと肩を並べる位大好きなロックバンドという意味でGRAPEVINEを上げないわけにはいかないですね。
田中和将の歌詞世界
最初の頃は正直馴染めなかったし、今でも全部がしっくりくるという感じとは程遠いですが、やはりこのバンドを振り返るなら田中さんの歌詞を取り上げない訳にはいかないかなと。
少し好きな歌詞を引用してみます。
初期って結構ロックだし、ちゃらちゃらしたw 韻を踏んだ表現も多いかなって思うのですが、やはりロックで猥雑な歌詞が多いなっていう感じがします。そんな中で時にストレートでメッセージ性のある曲もちょこちょこあるので、曲によって書き分けている感じはありますかね。
右脳 ダンシング さぞテイスティ
んでもう半身乗り出してる
右脳レーシング 無論勝つ気
あーyou know?
愛逃してるぞ
人波の中 ふいに聴こえたメロディー
君を失くすくらいなら 死んだほうがマシ
ぼくらは
ねえ 何が見たくて 全てを欲しがって きたんだっけ
意味などなくて ただそれだけでいいんだよなあ?
どうして涙流してる? ひとりじゃまるで見えないのが 日常で
ママ
俺は今 神様と肩並べた
本当なんだ
まだ
子供の頃の事を思い出せる
遠いよ 空の上
走馬灯まわらないや
氷の肌の上
罰を与えようね
ちょっと数曲上げただけでテイストが全然違い過ぎますね。
自分は彼が引用元にしている海外の文学とかも全然詳しくは有りませんが、宗教やら政治やら彼が皮肉を投げたい何かやら、色んなものを参照しつつ、決してそれをはっきりした表現では書かず、でも作品として何かしかのメッセージは託すようにしていると感じます。
もう少し最近のだとこんな感じです。
かなしみはこうやって
鳴らした手で飛んでった
子供達は踊り出す
またひとりふたりと
その楽隊に乗っかった
選りすぐりのコーラスラインだ
かなしみはこうやって
鳴らした手で飛んでった
大人達は舌を巻く
またひとりふたりと
その人生に乗っかった
武者震いのステージフライト
子供たちや次の世代に向けたと思われる歌詞がこの頃から少しずつ増えてきた気がします。
幾つもの夜を越えて
朝になればそれだけでも
特別なものはどれだ
何にも無くても意味が無くても
この身をくれてやろう
あしたはどっちだ
悪意が裟婆を乱れ飛んでる
世界なんか塗り替えてしまえ
ありふれた未来がまた
忘れるだけの 忘れるための
それは違う
何も要らない
何にも無くても 意味が無くても
特別なきみの声が
聞こえるのさ 届いたのさ
きみの味方なら
ここで待ってるよ
若い私が見えないか
若い幾千の感受性を封じ込めて
思えば
光など届かなかったんだ
そう思えば
私の声なんて聞こえないか
神様が匙投げた
華やかなふりをした世界で
去る者と縋る者と
ここでそれを嗤っている者
どれもこれももういい
すべてのありふれた光の「それは違う」がグッときます。
すべてのありふれた光とGiftedは何となく続き物のような歌詞だと思っていて、若い世代に光があると言ったかと思えばそんなものはないって言ってるような。
「ここでそれを嗤っている者」というのは自分の事を自虐的に歌っているのかもと思いましたが、彼は結局その立場に留まる事は無かったのかなぁと。
彼はいつも当事者として今の世の中の事を歌っているんだと思います。
カスタマーは発狂 今夜のおまんま
何かが解せないが 靄ってる
余計な声はマスキング
スポーツを流しておけ
ポジティブなコンテンツだけ
パワープレイ パワープレイ
米に何を混ぜた?
正常な判断が停止した
賛成の反対の賛成なのだ
勝てるわけがない
何でもかんでもコンプライアンスのせいにして何も言わない事にする世の中への痛切な皮肉だと思っています。
メンバー全員天邪鬼だと思っている
唐突ですが、田中さんは割と分かりやすくそうですがメンバーもそれぞれ結構一筋縄ではいかないと言いますか、音楽性というか、人間性なのかなと思ってます。
天邪鬼という言葉そのものではないんですが、一番わかりやすいと思うので2017年のインタビューを引用します。
Dr.StrangeLove長田進さんにプロデュースされてた頃の話ですね。長田さんと根岸さんは奥田民生さんのソロ初期のバンドのメンバーとしても
知ってる方が多いでしょうか。Wilcoも一回だけライブ観ましたが、まためっちゃ面白いバンドなんですよねー。
―それが形になったことによって、そのあとはセッションでの曲作りもバンドのひとつの方法論として確立されていった印象があります。さらに、いい意味での「バンドの壊し方」として、Wilcoの名前を影響源として挙げるようになったのもこの頃かなと。
西川:長田さんもオルタナティブな人というか、相当壊れてるので(笑)、長田さんとWilcoの両方から同じくらい影響を受けてると思います。
田中:そうやね。ある意味、種類が似ているのかもしれない。
西川:長田さんって、「これ大丈夫ですか?」ってこっちが言いたくなるくらいのものを選択する人で。常に「大丈夫かな?」って思いながらやってたんですけど、できあがったものを聴くとかっこいいんですよ。それと同時に、Wilcoの佇まいとかスタンスがうちのバンドの参考になるなって、ゆくゆく気付いていって。壊し方というか、茶化し方というか。
田中:茶化し方、重要やなあ。
西川:真面目に作ってると、正解って限られる気がする。でも、どんどん壊していけると、ずっと楽しんでいられる気がするんですよね。真面目にやると似たような曲ばっかりになっちゃうので、それだとずっとは楽しめない。
その上で、長田さんとか、新しい人に出会ったりすると、また違う要素を手に入れることができて、また違う風に曲を遊べるようになる。だから、知らない人とやるのはすごく刺激的ですね。
―それは近作のプロデューサーである河合誠一マイケルさんであり、高野寛さんにしても同様ということですよね。田中さんとしても、やはり「茶化し方」は重要?
田中:そもそも、わりと茶化し体質のバンドやと思っていて。たまたま“スロウ”とか“光について”とか、シリアスな部分が注目されたから、そのイメージが強いのかもしれないけど、B面集とか聴いたら茶化し要素ばっかりだったりしますからね(笑)。
亀井:初期の頃は特に、カップリングはそういう曲多いですね。
田中:そういう「真剣に悪ノリする」みたいなところは、このバンドにとってかなり重要な気がしています。それは未だにずっとそうで、その種類が増えてきてるというか、その上で、長田さんだったりWilcoだったり、それ以外の海外のバンドとかアーティストの影響も大きかったと思いますね。
ただ、重要なのは「あからさまではない」というか、下衆い笑いの取りにいき方ではないということ。それと、ちゃんとルーツミュージックがあるということ。それはずっと思ってることですね。
いい音楽を作ろうというのは多分ずっと変わってないけれど、何か一筋縄ではいかず何かを参照してもそのままやったりは絶対にしないで上記でいう所の上手く茶化して、ズレたり、はみ出したり。そういうのをオリジナリティとして確立していったバンドなんだろうなぁと思います。
真剣に悪ノリ。本当に真剣なんだろうなw
明日またフジロックでの配信があるみたいですけど、やっぱりライブがカッコいいバンドだと思っています。
観た事が無いという方は一度は観てみてくださいね。^^
LIVE | GRAPEVINE – ねずみ浄土/天使ちゃん/1977 -M bit Live x FUJI ROCK FESTIVAL'26 Special Live
それではー。
