「PDCAが回らない…」それなら、新しいサイクル”PDnR”を試してみよう!
1. はじめに
〜PDCA、うまく回せていますか?〜
「PDCAって、よく聞くけど結局うまく使いこなせてないんだよなあ…」
「やらないといけないことは分かってるんだけど、なんかうまくいかない…」
そう思ったこと、ありませんか?
ちなみに実は私はPDCAが嫌いです。(キッパリ!)
計画(Plan)を立てて、実行(Do)して、チェック(Check)して、改善(Act)する――
理屈はわかるけど、現場で本当にそれがスムーズに回っているかというと、なかなか難しいのが現実です。
計画を立てるのに時間がかかりすぎる。
一度実行して終わり、振り返りがされない。
CheckやActの段階で止まってしまう。
実行してから見直す頃には、もう状況が変わってる。
なんかサマリーの事業評価表を作って終わってる。
こうした「PDCAあるある」は、どんな職場にもあるものです。
理論としては優れていても、日々変化する現場にフィットさせるのは意外と大変なんですよね。
それに、業務って多種多様なのに、PDCAしかないのがおかしくないですか?そんなに万能なんでしょうか?もう少し違ったやり方があってもいいと思いませんか?
じゃあ、もっと動きやすい仕組みってないの?
「計画がしっかりしていないと動けない」じゃなくて、
「まず動いてみて、動きながら直していく」
そんな発想で、改善をもっと軽やかに・すばやく回せるようにならないかなぁ…
そんな想いから生まれたのが、今回ご紹介する「PDnR(ピーディーエヌアール)」です!
ちなみにこれは私のオリジナルです!
PDnRは、現場の“ちょうどよさ”を目指した改善サイクル
PDnRは、PDCAのようにガッチリした理論ではなく、
「とりあえずやってみる」「ちょっとずつ見直す」「動きながら進める」
という、現場で使いやすい考え方をベースにしています。
「失敗してもいい。動きながら直せばいい。」そんな“安心して試せる空気”をつくることが、改善の第一歩です。
このあと、そのPDnRの考え方や特徴、実際の使い方などを、わかりやすく順を追って紹介していきます。
「なんかいい感じのやり方、ないかな?」と感じているあなたの現場に、
ちょっとしたヒントになることを願って。
2. PDnRとは?
「PDnRってなに?」と思った方もいるかもしれません。
聞き慣れないこの言葉、実は現場から生まれた“ちょうどいい改善サイクル”の新しい言葉です。
まず、PDnRの構成はこんな感じです。
Plan(計画) → Do(実行) → n(小さな見直し”r”と実行"d"の繰り返し) → Review(最終的な振り返り)→次のステップのPlan(計画)…
ぱっと見、「PDCA」と似てるようにも見えますが、実は考え方がちょっと違います。
PDCAが「きっちり計画して、やって、チェックして、改善して…」と大きな一周を描くのに対して、PDnRはもっと小回りが利いて、止まらずに動き続けられるように作られています。
では、それぞれの要素を少し詳しく見ていきましょう。
Plan:計画と準備はセットで
まずは「Plan(計画)」です。
これはPDCAと同じく、どこに向かって進むか、どういうふうにやるかをざっくり決めるステップ。
でもPDnRでは、「計画」と「準備」をセットで考えるのがポイントです。
たまに「Pは計画ではなく、準備(Prep)でしょ」という方がいますが、それは違います。計画なき準備などありえないのです!つまりどんな準備にも小さな計画性のもとにあるので、一番最初に来るべきは「計画」なんです。
ただし、必ずしも計画書は必要ありません。思想的計画でよいですし、今後のフローをメモ程度でまとめるだけでも立派な計画です。
重要なことは「すぐに取り掛かれるレベルにまで具体化するかコンパクトにすること」です。
要するに、「やろうと思えば明日から動ける」くらいに整えるってことです。
Do:やってみないと始まらない
次は「Do(実行)」です。
ここは言うまでもなく、実際に手を動かすフェーズ。
ただしPDnRでは、「完璧にやろう」と思いすぎないことが大切です。
むしろ、まず動いてみることに価値があります。
あとからいくらでも見直せるので、ちょっと荒削りでもとにかく前に進めることを優先します。
n:小さな見直しと再実行のループ
そしてPDnR最大の特徴がこの「n」の部分です。
これは「小さな見直し(Review)」と「実行(Do)」を何度も何度も繰り返す、小さなループを意味しています。
“n”は数学的に「何回でも繰り返せる」ことを表していてrdループのことです。(PDrdrdrdR)って書くとかっこわるいので、"n"にまとめました。
「ちょっとやってみて、ちょっとだけ直して、またやってみる」
そんなイメージです。ガチガチの評価や反省会ではなく、ちょい振り返り・ちょい修正の”r”と再実行の”d”をどんどん回していく感じです。
なお、同僚を誘って「このあと飲みながらプチrd回しにいくかぁ~」なんて使い方もOKです。
このおかげで、スピードを落とさず、柔軟に方向修正ができます。
大げさに言えば、「迷いながらでも前に進める」仕組みなんです。
Review:最後にしっかり振り返る
最後は「Review(レビュー)」です。
これは、rdループでの小さな見直しとは別に、ある程度まとまったタイミングやフェーズの区切りでしっかり振り返ることです。
「ここまでやってきた中で、何がよかったか・何を直すべきか・次にどう活かすか」などを整理します。
ここで得た学びは、次のステップのPlanに引き継がれていきます。
だからPDnRは、ぐるぐるとらせん状に進化し続ける仕組みになっているんですね。
3. PDnRの特徴
PDnRの特徴を一言でまとめると、「シンプルで小回りが利く、現場のための改善サイクル」です。
ここでは、PDnRがなぜ実践しやすいのか、どんな強みがあるのかを、3つのポイントで説明していきます。
1. 小さなrdループの重要性:動きながら考えるから止まらない
PDnRのいちばんの特徴は、小さな「rd(review→do)」のループを繰り返すところです。
一般的なPDCAによる改善手法では、「やってから振り返って、それを整理・改善してから計画を見直す」…という流れになりますよね。
でもこの方法だと、いちいち止まって考える必要があるし、計画の見直しという手戻りが付いて回ります。これは結構時間がかかるんです。
その点、PDnRでは「やりながら、ちょっとだけ見直す」ことを繰り返し、計画の見直しまでするのは稀です。流れを止めずに改善できるのが強みなのです。
いわば、走りながらハンドルを微調整していくような感覚です。
「あ、ここちょっとやりづらいな」→ 少し直して再開
「これ思ったより時間かかる」→ やり方を変えてみる
…というふうに、柔らかく何度も修正していけるから、現場の感覚にもぴったり合います。
というより、実際の現場ってこうやっていませんか?
2. 現場に即している:とにかく実行しやすい
PDnRは「まず動こう!」という前提で成り立っているので、計画に時間をかけすぎることがありません。
「計画はできたけどど、着手することなくいつの間にか立ち消えた…」なんてことがよくありますよね。
その多くは、立派な計画を立てすぎたせいで、動く前にハードルが上がってしまったことが原因だったりします。
ちなみに私の職場では、オフィス機器の一括調達・一元管理の計画が採択されましたが、着手までに5年かかりました。理由を一言でいうと”役割の割り振りがなく、仕事が重すぎた”せいです。
PDnRでは、
計画は“すぐ動けるレベル”にとどめる
振り返りは“小さく・何度も”やる
とにかく“やってみる”を大事にする
という流れなので、現場のスピード感や柔軟性にフィットしやすいんです。
3. 柔軟性とスピード感:変化に強く、止まらず進める
もうひとつ大事な特徴が、「柔軟に変えられること」と「止まらずに進めること」の両立です。
PDCAのような一巡型のサイクルでは、「チェック」や「アクション」に入る時に立ち止まり、「計画の見直し」に戻る必要があるため、どうしてもスピードが落ちがちです。
一方PDnRは、改善を“やりながら”行える仕組みなので、変化に即対応できるのが魅力です。稀に計画を見直す必要が出てきたとしても軽微で済みますし、初めから重たい計画じゃないので、「前のやり方じゃうまくいかないな」と思ったら、すぐに方向転換できます。
それでも全体としては、次のゴールに向かって着実に進んでいける。
まさに「現場で使える改善サイクル」として、実践的な強さを持っているのがPDnRです。
4. PDnRの実践方法
「PDnRの考え方は分かった。でも、実際にどうやって使えばいいの?」
ここでは、そんな疑問にお答えするかたちで、PDnRを現場で回していくためのステップを紹介していきます。
ポイントは、「まずやってみる」ことと、「小さく見直す」ことの繰り返しです。
完璧を目指すより、動きながら整えていくほうが、結果的にうまくいく。そんな実践の仕方を見ていきましょう。
ステップ①:Plan(計画)〜無理なく始める準備をする〜
最初のステップは「Plan(計画)」ですが、ここでの計画は分厚い資料を作ることではありません。
目的やゴールを明確にして、そこに向かうための「最初の到達点」を決めるだけでOKです。かっこよくいうとマイルストーンですね。
たとえば、初回ならこんな話題で話し合うといいでしょう。
区切りよく、次のステップが見える進捗のポイントはどこか?
いま分かっている課題はなにか?
すぐに手を付けたり、チャレンジできることは何か?
まず初めに抑えておきたいポイントは何か?
全体的な目的や目標のチーム内での共有
このように、コンパクトに難しくなく到達点を決めていくとその後の仕事も進めやすいです。
「全部決めてから動く」のではなく、動きながら考える準備をする、そんなイメージです。
ステップ②:Do(実行)〜とりあえずやってみる〜
次は「Do(実行)」です。
ここでは、計画したことをとにかく実行してみます。
実行のコツは、あまり構えすぎないことです。
最初から完璧にやろうとせず、「まずはやってみよう」という気持ちで始めましょう。
もし実行中に「これ無理かも」「ちょっと違ったな」と感じたら、それは良いサインです。
その気づきを活かして、次のステップで見直していきます。もちろんすぐに修正できることなら、その場で修正してもOKです。
このステージでは、
実行した内容を簡単にメモしておく
感じたことや違和感をすぐメモする
実行したことや見直しが必要なことはできるだけリアルタイムで共有する。
など、振り返りの材料を残すことも意識しておくと、次のステップがスムーズになります。
ステップ③:review(小さな見直し)〜すぐ振り返って、すぐ直す〜
PDnRの肝とも言えるステップが「review(小さな見直し)」です。
ここでは、実行してみた結果をすぐに振り返って、必要な部分を調整していきます。
重要なのは、「大きく構えた反省会」ではなく、すぐ・小さく・何度も見直すことです。
たとえば、
「やってみたら意外と手間がかかった」→ やり方を簡略化して再実行
「説明が伝わってなかった」→ 説明文を短く分かりやすくしてみる
「データが足りなかった」→ すぐに情報が集められる調査方法を検討
といった具合に、気づいたことをすぐ修正することを繰り返します。
この小さなrdループ(Do→review→do→review...)が、PDnRの最大の特徴であり、継続的な改善の力になります。
ステップ④:繰り返すことで前に進む
PDnRは一度回して終わり、ではなく、何度も回すことで強くなっていく仕組みです。
最初は小さな一歩でも、それを何度も繰り返して見直していくうちに、大きな改善へとつながっていきます。
小さな変更→実行→見直し→また少し変更…
この繰り返しが、大きな変化や成果へとつながる
PDnRのポイントは、「計画を守る」ことではなく、目的に向かってブレずに進み続けること。
必要があれば、Plan(計画)も途中で変えてOKです。
その柔軟さこそが、PDnRの魅力なんです。
実践例:オフィス機器の一括調達と一元管理の導入プロジェクト
では、実際の例を簡単に紹介します。
背景:「各部署で物品をリース契約しているので事務の手間、スケールメリットがない」
目的:「契約事務の効率化と予算の削減」
【Plan】一括調達と一元管理の仕組みを導入する。
【Do】機器のリストとリース期間の調査と積算
【review】情報は集まったけど、これで全部?なんか少なくない?
【do】社内アナウンス・漏れたら入れ替えしないぞ圧力・各課複数人での回答チェックの証跡が残る調査票を再配布
【review】リース期間がバラバラ過ぎてどうやって集約していいかわからない。
【do】表にまとめて、AIに喰わせて集約パターンを作ってもらう。数学が得意な人に協力してもらって一緒に考えてもらう。出来上がったらメーカーに参考見積を依頼する。
【review】集約が完了するまでの期間が長く、リース期間の異なる機器が複数あるため、リース料が複雑で管理できるか不安…
【do】サブスクを検討。再見積もりを依頼。
……以下ループ
こうして小さなPDnRサイクルを数回回した結果、実際には様々な課題がどんどん出てきますが立ち止まることなく仕事は進み、目標の時期にオフィス機器の改革を達成することができました。(実話ですよ!数千万円の削減効果です!)
5. 簡易ガイドライン:PDnRをチームで使いこなすために
PDnRはシンプルな仕組みですが、実際にチームで回していくとなると、ちょっとしたコツが必要です。
チームや現場でうまく活用していくために「簡易ガイドライン」を作成してみましたのでよかったら活用してください。
6. PDnRのメリット
~現場で“ちょうどいい”仕組みになる理由~
PDnRは「簡単だから良い」というより、「現場の動き方にフィットしているから強い」仕組みです。
このセクションでは、PDCAとの違いや、PDnRが特に力を発揮するポイントについて整理してみます。
とにかく早く回せる:スピード感が段違い
PDCAって、ちゃんとやろうと思うとけっこう重たいです。
計画に時間がかかるし、評価(Check)で止まってしまうことも多い。
一方、PDnRはこうです。
「とりあえずやってみて、途中で振り返る。それでまた進めばいい。」
この「軽やかさ」が現場にはちょうどいい。
特にスピードが求められる場面では、すぐ動けて、すぐ改善できるというのは大きな強みです。
現場で回しやすい:仕組みがシンプル
PDnRには専門用語も複雑な図もいりません。
「やって、見直して、もう一回やる」だけ。
そのため、誰でも参加しやすく、感覚的に理解できるのがメリット。
会議室より、むしろ現場の中で自然と使えるような作りです。
たとえば、
小売の店舗での接客改善
エンジニアチームのタスク処理の見直し
行政の窓口対応のちょっとしたフロー改善
など、業界を問わず、現場主導で実行できるのが特徴です。
柔軟に変えられる:途中で軌道修正しやすい
PDCAは一度Planを立てると、「計画通り進めよう」という意識が強くなります。
だから、途中での大幅な修正がしづらくなることも。
でもPDnRは、そもそも「ざっくりと進めて、こまめに見直す」考え方です。
最初のPlanに固執しないので、状況に合わせて柔軟に対応できます。
しかも、reviewの回数を増やすことで変化にも強くなります。
「うまくいかなかったらすぐ見直す」この姿勢は、特に予測が難しい業務や手探りで進めないといけない業務にとても効果的です。
成果が積み重なる:失敗が無駄にならない
小さな失敗でも、それをフェーズの終盤のReviewでちゃんと振り返れば、次の成功の材料になります。
この「失敗が次に生きる仕組み」がPDnRの良さです。
振り返りを繰り返していくうちに、チームの中にナレッジが蓄積されていき、気づいたときには成果が積み上がっている、そんな感覚が得られます。
7. PDnRとPDCAの併用
〜大きく回すPDCA、小さく回すPDnR〜
ここまで読んで「PDnRって便利そう!」と感じた方もいるかもしれません。
でも、だからといってPDCAが不要になるわけではありません。
実は、PDnRは小さい業務だけではなく、PDCAと組み合わせることで巨大プロジェクトでも強いマネジメントが期待できるんです!
このセクションでは、「どうやって組み合わせて使っていくのか?」を整理していきます。
PDCAは“全体を俯瞰する”ための大きな枠組み
PDCAは、計画から実行、検証、そして改善までを一通りやる「全体設計」のためのサイクルです。
特に次のような場面で活躍します:
中長期的な戦略を立てるとき
大きなプロジェクトの全体進行を管理するとき
新しい制度や仕組みを組織的に導入するとき
このように、方向性を定めるための“設計図”として、PDCAは今でもとても有効です。
PDnRは“今この瞬間”を改善するための小さなツール
一方でPDnRは、もっとスピード感を持って回したいときに向いています。
日々の業務改善
小さな施策のトライ&エラー
プロジェクトの中の個別タスクの運用
つまり、大きな枠の中で細かく動かすための“手先”のような役割ですね。
併用のイメージ:PDCAの中にPDnRがある
おすすめなのは、PDCAの「Check」や「Act」をPDnRと結合して回していくという方法です。
たとえばこんなイメージです。

「P=計画、D=実行、R=見直し」です。PDnRは通常黒の矢印のように回ります。
「C=チェック」です。PDCAを併用で回すときはオレンジ色の矢印となります。
この図には「A=改善」がありませんが、PDnRと併用でPDCAを回すとき、「A=rdループ」となります。
このように、PDCAを回しつつ、同時にPDnRでも柔軟に動くことで、マネジメントがより立体的になります。
他の改善サイクルと比べると、PDnRはどこが違う?
PDnRが他のフレームワークより優れているとは言い切れませんが、どの場面にどう向いているかを比較してみると、意外と強みと使い分けが見えてきます。
そこで、「PDCA」「OODA」「PDR」などとPDnRを比較した資料を作ってみました。
「これから導入を考える」「他の手法との違いを整理したい」といった方の参考になればうれしいです。
8. PDnRの未来と普及の可能性
〜「小さく、速く、柔軟に」は当たり前の時代へ〜
ここまで見てきたように、PDnRはシンプルで柔軟な改善サイクルです。
現場で「すぐに回せる」「すぐに変えられる」仕組みとして、いろいろな業種・組織で活用が進んでいく可能性があります。
このセクションでは、そんなPDnRの未来と、どうやって広げていけるかについて考えていきます。
なぜPDnRが「これから」に合っているのか?
今の時代、変化のスピードはとても早くなっています。
特に現場では、上からの大きな計画に合わせるよりも、現場で考えて、現場で素早く対応することが求められる場面が増えています。
たとえば…
行政サービスで突然のルール変更があった
店舗で急にお客さんの流れが変わった
ITプロジェクトの導入で仕様が突然変わった
こうしたとき、従来のPDCAだけしか道具がないと、動きが鈍くなってしまいます。
でもPDnRであれば、
小さな試行錯誤を回しながら
状況に合わせてすぐ調整しながら
現場主導で改善し続ける
ことが可能です。
「速さ」と「柔軟性」がセットになったPDnRの特性は、まさにこれからの時代にぴったりなのです。
PDnRを広げていくには?
PDnRは、とてもシンプルな考え方です。
だからこそ、「ちゃんと伝えて、ちゃんと試してもらう」ことが何より大切です。
広げるためのポイントをいくつか挙げてみましょう。
▼ ① まずは小さな現場で試す
いきなり全社導入、全庁展開を目指すとハードルが高くなります。
最初は「1つのチーム」「1つの現場」で、試験的に回してみるのがおすすめです。
たとえば…
広報課のチラシづくり
市民窓口の案内表示改善
小規模な開発プロジェクト
業務改善
小さな成功体験が積み上がることで、「これは使える!」という実感が広がっていきます。
▼ ② マニュアルより“感覚”を伝える
PDnRは、厳密な手順よりも「こういうノリで試して、見直す」という柔らかい運用が向いています。
なので、「正しいやり方」ではなく「使い方のコツ」を共有するほうが効果的です。
たとえば、
「完璧な計画じゃなくて、まず動くことが大事」
「振り返りは気軽に。失敗もOK」
「レビューは“反省会”じゃなくて“気づきの時間”」
といった“雰囲気”を大切にすると、導入もスムーズになります。
▼ ③ 言葉として定着させる
「PDnRって、あのやり方でしょ」と自然に会話に出てくるようになると、浸透は一気に進みます。
そのためには、
勉強会での紹介
小冊子やガイドの配布
成功事例の共有
研修や朝礼での活用推進
といった取り組みも有効です。
名前がついているからこそ、考え方が定着しやすくなる。
PDnRという名前は、それ自体が「社内文化の入り口」になるのです。
PDnRの“進化”の可能性
PDnRは、世界のどこにもない考え方です。(この記事が第1号のはずです。)
より多くの人に使っていただければ、どんどん改善されたり、バリエーションが増えたりしていきます。
たとえば、どんなバリエーションが考えられるかというと…
「Do-Review」だけで高速回転するDR型(緊急対応など)
「Plan-Do-Review-Act」へと拡張するPDnRA型(改善の深化)
AIやデータ分析と組み合わせた自動レビューのPDDX型(DXとの融合)
など、運用の中で自然に進化していく余地がたくさんあるのもPDnRの強みです。というよりも楽しさです。
小さな現場から、大きな文化へ
PDnRは、派手な理論ではありません。
でも、毎日の仕事をちょっとずつ良くしていく、地に足のついた仕組みです。
だからこそ、現場での実感が広がれば、自然と組織全体に浸透していくはずです。
「こうしたら、もっとよくなるかも」
「ちょっと見直してみよう」
「一回やってみる?」
そんな小さな言葉の裏には、すでにPDnRの精神が息づいています。
未来は、きっと現場から変わります。
その一歩を踏み出すきっかけとして、PDnRが役立てばうれしいです。
9. まとめ
〜小さく、すばやく、やさしく、改善をまわす〜
本記事では、新しい改善のアプローチとして「PDnR」という考え方をご紹介してきました。
Plan(ちょっと考えて)
Do(まずやってみて)
n(何度もrdを繰り返す)
Review(振り返る)
という、シンプルだけど奥深いサイクル。
これは「まず動く」「完璧じゃなくていい」「振り返って直せばいい」という、現場にやさしく、そして速い改善の文化を根づかせるための考え方です。
PDnRが向いている場面とは?
大がかりな計画より、まず動きたいとき
変化が多く、柔軟に対応したいとき
チームで「改善のクセ」をつけたいとき
自分たちの現場を、自分たちでよくしていきたいとき
大きなプロジェクトの足回りのサイクルで使いたいとき
そんなときに、PDnRはちょうどいいツールになります。
完璧じゃなくていいから、動いてみる
大きな変化を起こすには、小さな一歩の積み重ねが必要です。
PDnRは、その「一歩」を、だれでも・いつでも・なんどでも踏み出せるようにするための仕組みであり仕掛けです。
うまくいかなかったら、振り返って変えればいい。
むしろ、そうやって変えていくために「レビュー」がある。
そんな前向きな“試行錯誤の文化”を、現場に根づかせていくこと。
それが、PDnRが目指している未来です。
最後に
あなたの現場でも、なにか一つ、「これ、PDnRでやってみようか」
と話してみるところから始めてみませんか?
思ったよりも気軽に始められて、思った以上に、前に進めるかもしれません。
“ちょっとやってみる”から、自分の周りの世界は変わっていきます。
そんな小さなチャレンジの輪が、じわじわと、でも確かに広がっていくことを願って。
