新規クリニック開業準備中の先生へ──薬局挨拶で「このクリニック、違うな」と思われる、たった一枚のお土産の話
皆さん、お疲れさまです。 東京ビジョンアイクリニック阿佐ヶ谷の井手と申します。眼科の開業医をしながら、NYAUWというプロジェクトで疑義照会アプリを細々と運営しております。
今日は特に、いまクリニック開業準備の真っ最中の先生方に読んでいただきたくて書いています。
物件が決まって、内装が動き出して、医療機器の選定して、保健所の書類書いて、銀行と話して、ホームページのドラフト見て、スタッフの面接して……。 睡眠時間、削れてますよね。私も6年前、同じことをやっていたのでわかります(笑)。 そんな先生に、1つだけ提案させてください。
なぜ「クリニック開業前の先生」にお話ししたいのか
実はこれまで、医師会・薬剤師会・既存のクリニックに向けて、疑義照会アプリのご案内をしてきました。 でも、なかなか入っていかないのです。
薬局は鼻息荒いくらいに前のめりなのですが、クリニック院長先生は後ろ向きなんです。
理由はシンプルで、既存のクリニックの先生方にとっては「電話の疑義照会が当たり前」になっているからです。
「もう10年このやり方でやってきたし」 「スタッフへの教育も面倒だし」 「だいたい薬局からの電話、そんなに多くないし」
こう言われると、ぐうの音も出ません。 そして実際、既存の運用フローを途中から変えるって、ものすごくエネルギーが要るんですよね。スタッフを再教育して、運用ルールを書き直して、誰が責任者かを決め直して……。
でも、クリニック開業前の先生は違うのです。
これからゼロからフローを作るところなので、最初からアプリを組み込んでしまえば、それが「当たり前」になる。教育コストはゼロ。スタッフ抵抗もゼロ。「うちはこのやり方です」と言うだけで済む。
これは、開業時にしか手に入らない優位性です。

ところで、薬局挨拶って何持っていきます?
開業前後の薬局挨拶って、地味に困りませんか。
タオル? お菓子? 名刺だけ? 診療案内?

開業コンサルの先輩からのアドバイスも、人によって違うんですよね。「タオルが無難」とか「いやいや、お菓子のほうが受け取りやすい」とか。
私が開業した頃も、これにかなり迷いました。 お菓子を持って近隣薬局に軒挨拶に回りましたが、薬局側の反応は「ありがとうございます……(机に積まれていく)」という感じで、正直、印象に残る挨拶にはなりませんでした。

そりゃそうなんです。 薬局側から見ると、新規開業挨拶のお菓子やタオルなんて珍しいわけでもない。 タオルでは差別化できないんですよ。
ここで提案です:QRコードを1枚、持っていきませんか?
挨拶のときに、こう言ってみてください。
「うちは疑義照会アプリを導入しています。これで電話の代わりにやりとりできるので、先生方のお仕事が楽になると思います。ご登録、よろしければこちらから」
そう言って疑義照会アプリの薬局をお誘いするQRコード入りのカードを渡す。(疑義照会アプリの設定画面にあります)
──薬局側の反応、想像できますか?
これまで何百回と「お忙しいところ申し訳ありません」と謝りながら電話してきた薬剤師さんが、目を丸くして、ちょっと前のめりになる瞬間です。
「え、本当ですか?ありがとうございます!」
タオルでは絶対に出ない反応です。
近隣の薬局同士、エリアマネージャー、調剤グループ内の連絡網、薬剤師会の研修会などで 「○○町に7月にできる××クリニックの先生、ちょっと違うぞ」 という噂が、開院前の段階で広がります。
これ、広告でも内覧会でも作れない種類の認知です。 「医療側から評価されるクリニック」というブランディングが、開業前から動き出すのです。

既存クリニックには真似できない、開業時の天才的なタイミング
もう一度言わせてください。
このやり方が成立するのは、開業前の先生だけなのです。
既存クリニックの先生が「うちも疑義照会アプリ入れました」って近隣薬局に言いに行っても、薬局側の反応は「あ、はい(なんで急に?)」になります。文脈がないからです。
でも、開業の薬局挨拶は何かを伝えに行く正当な接点です。 そこで「うちはこういうクリニックです」と価値観を伝えることが、自然に許される時間なのです。
この時間を「タオル」で使うか、「QRコード+価値観のメッセージ」で使うか。 差が出るのは、開業から3〜6ヶ月後です。 近隣薬局からの患者紹介、近隣クリニックからの逆紹介、薬剤師ネットワーク経由の認知。すべて、最初の一手で決まっていきます。
「で、その疑義照会アプリって何?」
最後に、肝心のアプリの話を少しだけ。
NYAUW疑義照会アプリは、ものすごくシンプルです。 薬局から医師へ、電話の代わりにスマホのLINEで疑義照会を送れる、それだけです。
①薬剤師さんは、電話前の深呼吸が要らない
②先生は、診察の合間や昼休みに見て返信できる
③やりとりは記録として残る
電子カルテとの連携も、複雑な機能も、意図的に入れていません。 理由は、先生方も薬剤師さんも、新しいツールに時間を割きたくないからです。「電話の代替」にだけ徹する。それが現場の負荷を一番下げる、というのがこれまでの運用でわかった答えです。
そして大事な点として、特定の調剤グループに属さないサードパーティです。 医師から見て、「A薬局はAアプリ、B薬局はBアプリ」というのが一番面倒なのです。だから中立であることに価値があります。

開業準備中の先生へ──具体的なご提案
もし、このアイデアに「ちょっと面白いかも」と思っていただけたら。
①開院前に登録手続きを完了させます
②薬局挨拶用のQRコードをお渡しします
③あとは挨拶に行くだけ

費用、プレッシャー、長期契約、何もありません。 私自身は眼科の開業医で、商売っ気のある営業マンではありません(笑)。
ただ、診察中に薬剤師さんが「お忙しいところ申し訳ありません」と謝りながら電話してこられる、あの構図をどうにかしたい。そして、開業準備中の先生方が、その構図を変える主役になれることを知ってほしい──それだけです。
最後に
開業って、孤独な作業ですよね。 コンサルはいる、業者はいる、家族もいる。 でも、本当に「同じ立場で話せる人」って、意外と少ない。
長文、最後までお読みいただきありがとうございました。 先生のクリニックが、開業初日から地域の薬剤師さんに「このクリニック、違うな」と思われる存在になりますように。
📩 ご連絡先:tokyoeyeasagaya@hotmail.com 井手 武(東京ビジョンアイクリニック阿佐ヶ谷 院長 / NYAUW代表)
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井手 武(東京ビジョンアイクリニック阿佐ヶ谷 院長 / NYAUW代表)
今日はここまで
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