中庸で在り、小さな声にも耳を澄ます。THE COACH ICP コースリード 本橋 竜太
THE COACH ICPでは、コーチングスキル(クライアントに気づきと行動を促すためのコミュニケーションスキル)や、コーチングマインド(人が持っている無限の可能性を信じ、自分や他者のありのままを受け止める考え方)などで構成される、独自に開発したコーチングの型を学習できます。
「『コーチングとはスキルだ』、『自己のあり方やコーチングマインドの方が重要である』と極に振らず、どちらもフラットに探究することを大事にしています」
そう話すのは、THE COACH ICPでコースリードを務めている、本橋 竜太(もとはし りょうた)さんです。
コーチングスキルとコーチングマインド、どちらも詰まったTHE COACH独自のインテグレーション・モデルを理解し、活用してもらうために、本橋さんは受講生に何を伝えているのか。話を聞きました。
▼本橋さんのこれまでの歩みはこちら
フラットであろうとし、すべての声を拾うコースリード
——本橋さんは2020年からTHE COACHに所属し、翌年からコースリードを担当しています。これまでの経験を振り返って、自身をどんなコースリードだと捉えていますか。
フラットな、中庸なコースリードだと思っています。
THE COACH ICPでは、インテグレーション・モデルというコーチングの型をお伝えしています。コーチングスキル、コーチとしてのスタンス、コーチとクライアントのパートナーシップ、コーチングマインド、そして自己の器、すべてが影響し合ってコーチングセッションが行われており、どれもが欠けてはならない重要なものです。

受講生の中には「コーチングをスキルとして活用したい」と考える方もいます。そういった方からは、「こんなときどういう問いを投げたら良いですか?」「どんな言い方だとクライアントから言葉を引き出せますか?」とDoingに関する問いが集中するんです。
もちろん大事なことではあるのですが、スキルにばかりとらわれていると、コーチングはうまく機能しません。僕からはその受講生に回答を渡さず、「問いやフィードバックのようなスキル以外にも、クライアントとの関係性や、コーチとしてのあり方も大事だと思いますが、その点に関してはどう思いますか?」「スキルを知りたい背景にはどんな思いがありますか?」と問い返しています。
またこういった偏りは、個人だけでなくクラス全体にも起きることがあります。授業の中では、レクチャーや実践練習の時間のほかに、クラス全員で学びや気づきを共有する全体対話という時間があります。その時間でスキルに関する話題が少なく、コーチングマインドや自己のあり方に目を向け、抽象度の高い言葉が飛び交っているクラスもあるんです。
——受講する期によって雰囲気は異なりますか。
まったく違います。たとえばスキルを大切にしたい人の声が小さく、あり方を重視したい人の声が大きいクラスであれば、僕は常に小さな声、声にならない声を捉えるようにしているんです。僕からは、声を出せていない受講生は光って見えて、その人は今どう思っているのか、大きな声に対して何を感じているかをすくいたい気持ちが湧いてくる。
その場の生きた雰囲気をつかみ、2人でファシリテートするのが、コースリードの役目だと思っています。
——ほかのコースリード陣からは、本橋さんはどんなコースリードだと思われていますか。
「端的に説明する」「言語として分かりやすい」「すべての声を拾う」「偏りがない」「バランス」…。あとは、まだ受け止めきれていないのですが「儚さ」と言われたことがあります。強さと繊細さがどちらもあるように見えるという意味なのでしょうか。
——今キーワードを思い出してみてどう感じましたか。
自分が体現したいコースリード像が、ほかの人に伝わっているのは嬉しいですね。特に「偏りがない」や「バランス」は大事にしたいキーワードです。
THE COACH ICPでは、コーチングスキルと自己のあり方、自分の中の光と影、自己と他者など、どちらにも偏らずに探究をする場面が何度もやってきます。その中庸を探究する胆力を磨いてほしい。そう考えて受講生と向き合っています。
自己のあり方とスキルを磨く5ヵ月間

——THE COACH ICPの中で、特にお気に入りのコースはありますか?
インテグレーション・コースでしょうか。このコースは言わば、自己のあり方とコーチングスキルを磨く旅です。
インテグレーション・コースは、基礎・応用ABコースで学んできたインテグレーション・コーチングを体得していくフェーズです。同期とセッションを行い、コースリードからフィードバックをもらう。自分で獲得したクライアントとセッションをし、それに関してもフィードバックを得る。そしてまたセッションに臨む。そんなサイクルを、5ヵ月間継続してもらいます。この5ヵ月間の中には、喜びもつらさもすべて詰まっているんです。
——どんな喜び、つらさが?
たとえば受講生には、受講生以外の3人にクライアントになってもらい、コーチングセッションをする宿題を課します。これまで学んできたコーチングスキルを実践してみて、「めちゃめちゃ良かったです」と嬉しいフィードバックをもらったり、クライアントがみるみる内に変化していく様子を見たりするのは大きな喜びになるでしょう。
また、インテグレーション・コースでは「未完了の完了」というワークがあります。家族との関係や、叶えたかった夢など、今まで保留にしていたけれど手をつけなければいつか後悔するものを、最初にリスト化します。そのリストを5ヵ月間で更新してもらうのですが、このプロセスにはつらさが伴うんです。特に、長年未完了にしていた人との関係性を改善しようとするなら、それ相応の重みがあります。
ただ、そのつらさと向き合うのには当然意味があります。自身の未完了に向き合うことは、コーチングセッションで、クライアントが抱えているつらさや願いに向き合うことと似ているんです。このプロセスを通過するか否かが、セッションの質を大きく左右すると考えています。

——本橋さんがインテグレーション・コースを担当する場合、受講生によくかける言葉はありますか。
自己探究にのめり込む受講生がいるときには、「コーチングやっている?」とよく声をかけますね。
受講生は、基礎コースからコーチングマインドや自己のあり方の重要性を知り、応用Aコースで自身のビジョンに気づき、応用Bコースで無意識下にある自我や願いなどに向き合っていきます。インテグレーション・コースに至るまで、良くも悪くも自己探究を通じてコーチングを学ぶのが習慣になってしまうのです。
そのため、僕のコースリードとしてのスタンスにも繋がりますが、自己探究だけに偏ってほしくない思いから「“学ぶ”だけではなくコーチングを“やる”をしてみてね」と声をかけていて。誰かにコーチングスキルを使い、パートナーシップを築くことで、より自己の器が磨かれていくはずだよと伝えています。
——自己探究のためだけにコーチングを使ってほしくはない?
そうとは言い切れません。コース中に「自分はコーチングではなく、純粋に自己探究がしたかったんだ」と気づく人もいますから、そういった方には「コーチングをやってね」と無理強いはしません。
ですが、THE COACHではコーチングを「気づきと行動が生まれるプロセス」と考えています。内で気づきを得られたら、ぜひ外に向けて行動してほしい。THE COACH ICPで何人もの受講生を見てきて、これまでにコーチとして数多くのクライアントを見てきましたが、変化が起きている人は共通して、気づきをアクションに変えています。
自身の願いに気づいたら、気づいただけで終わらない。その願いを実生活でどう実現するか、現実的なプランを考えて行動に移してみる。コーチングとはこういうものかも、と自分の中で気づきを得られたら、ぜひそれを使ってほしいと考えています。
コーチングスキルを体得し、自己の器を育みたい方に
——THE COACH ICPでは、クライアントが全体性を回復していくプロセスを伴走するためのコーチング「インテグレーション・コーチング」をお伝えしています。本橋さんにとって、インテグレーション・コーチングとは?
全体性の回復、という言葉に尽きます。生きている中で誰しも、自分の中に大きな声と小さな声が生まれてくると思います。その声に突き動かされる人もいる一方で、「こうやって演じた方が評価されやすいな」という思いが強くなり、自分の声を抑えて社会に適合しようと生きている人もいる。
そんな人たちに、自分には外に表出している部分とそうでない部分があるのだと受容してもらいたい。それらを今後どう生かしていくかを探究するプロセスが、インテグレーション・コーチングの醍醐味だと思っています。
——全体性の回復という言葉はTHE COACHでよく扱われています。本橋さんはどう解釈していますか。
自分らしい生き方を実現するために、自分の中で抑圧されているものと向き合っていくプロセスだと考えています。
僕個人としては、「こういう自分でいた方が生きやすいな」と自分の声に素直になっているときも、「仕事モードに切り替えよう」と社会的な立場を演じているときも、全部が本当の自分だと考えていて。ただ、演じすぎることでバランスを崩し、幸せを感じられていないのであれば、抑圧されている一面にも向き合っていく必要があると思います。
どんな場面の自分であっても、自分であると受容し、自分の中にどれだけの面があるかを把握する。それらをどう生かしていくかが、全体性の回復なのだと解釈しています。

——最後に、THE COACH ICPの受講を検討している方へメッセージをお願いします。
「自分の人生は今どうなっているのか?」「これから何がしたいか?」と問いが立っている人。お世話好きで人に介入するのが好きな人。私のように人自体というよりも、人の変容に強い関心がある人に、コーチングは向いていると思います。
THE COACH ICPは、コーチングスキルや他者とのパートナーシップ、自己のあり方などを全部大事にし、極に振らない考えを本気でカリキュラムに落とし込んでいます。どちらかではなく、どちらも真剣に磨きたい方はぜひ来てほしいです。
THE COACH ICPでは、体系的にコーチングを学べる4つのコースを開講しています。ご興味のある方は、ぜひ下記リンクからオンライン体験会にご参加ください。
