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キャリア選択に正解はない

進路やキャリアの話になると、多くの人が「どれが正解か(どの会社に行けば安泰か)」という視点で選びがちです。

ただ不確実性の高いこの現代において、万人に適用できる「正解のルート」なんてないわけで。。

そんな中で進路選択せよ、と言われてもどうしていいかわからない。
当然の悩みだと思うので、 今回は、キャリア心理学(SCCT:社会認知キャリア理論)の文献に残されている、高校生の実例(ケーススタディ)を解剖します。

Career Choice and Development Fourth Edition

やればできる、と言われるタイプ

文献に登場する「生徒K」のプロフィールは以下の通り。

  • 年齢: 17歳(男性)

  • 趣味: ドラム、スケボー、ゲーム

  • 能力: 学力は高い(特に数学)。ただしムラがあると自己認識。

  • 価値観: 「自立したい」と言いつつ、「誰かに決めてもらう方が楽」とも感じている。

  • 憧れ: 漠然と「芸術的な仕事」

憧れはあるっちゃあるけど、実際に行動しない。
なんとなく流れに身を任せてキャリア選択を進めそうな状況。
一見、能力あるけどやる気がない生徒。

実際のカウンセリング・アプローチ

この「K」に対し、研究事例ではどのようなアプローチが取られたのか。 SCCTの理論に基づき、以下のステップで思考の整理が行われました。

1. ノイズの除去
彼が言う「芸術的な仕事」は、本当に自分の内側から湧いた興味なのか?
それともメディアや他人の影響(外圧)なのか?
を整理しながら憧れの解像度を上げさせます。

2. 「得意 × 好き」の接点を探る
 彼は「数学(能力)」と「音楽・ドラム(興味)」を持っています。
単にバンドマンを目指すのではなく、例えば「音響工学」のように、自分の武器(数学)が活きる「好き」の領域がないか、接点を探らせます。

3. 「小さな一歩」を踏み出してもらう
頭で考えても答えは出ません。
インターンやワークショップなど、小さくてもいいから「体験」させます。 実際にやってみて「自分にもできそうだ(自己効力感)」と感じることが、キャリア形成の最強の燃料になるからです。

結論:自分の「仕様書」を理解せよ

結果として、Kはこのプロセスを経て、自分のキャリアを主体的に選び取っていきました。

職業選択において「この仕事に就くべき」という正解はありません。
しかし、「深い自己理解」から始めなければならないということだけは、理論的に間違いありません。

多くの人は、大人になってから「自分は何が得意だったっけ?」と悩み始めます。
それでは手遅れになることも多いです。

早いうちから「自分のスペック(得意・興味・価値観)」を理解する機会を作ること。
そして、それを客観的に整理してくれる「壁打ち相手(メンター)」を近くにおくこと。
ただ少なくとも日本には、あまりそういう環境ないんですよね。。


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