見出し画像

ポイ活で行くシドニー旅行➁ オペラハウスで観劇するまでの手順

ほぼポイ活だけで海外旅行へ行くシリーズ。
2025年8月26日と27日に、あの『シドニー・オペラハウス』で海外初のオペラ観劇をしてきました!

演目は『カルメン』と『フィガロの結婚』というオーソドックスなものでしたが、私的には興味のある歌手や演出でしたので欲張って2公演を見てみることにしました。

シドニー観光では『オペラハウス』を外から眺めたり、館内ツアーに参加する方は多いと思いますが、実際にオペラを見に行く方は少ないのではないでしょうか。
「興味はあるけどどうやって見に行ったらいいのかわからない」という方も多いと思います。(別日で参加した街歩きツアーでご一緒した家族の奥様もそうおっしゃっておられました。)
今回私も初めての海外観劇で何の情報も無いところから、何とか無事に観て来れましたので、その経験を皆さんと共有していこうと思います。

オペラの感想は最後の方なので目次からジャンプしていただいて結構ですよ。


『シドニー・オペラハウス』とは

シドニー・オペラハウスは特徴的なフォルムの建物として有名です。
オペラに興味の無い方でも「オペラハウスと言えば」という感じでご存じの方が多いでしょう。

実はこの建物は最も建築年が新しい『世界遺産』でもあります。
現役の世界遺産でオペラを楽しむことができるなんてとても贅沢な体験だと思いました。

建物完成までの道のり

シドニーにオペラハウスを建設する計画が持ち上がり、1957年にコンペが行われました。
そこで選ばれたのが当時無名だったデンマークの建築家ヨーン・ウツソンです。彼は『帆船の帆』や『貝の殻』をイメージさせる斬新なデザインでコンペに勝利しました。
ところが当初ウツソンが提出したのは下書きみたいなイメージ図のみ。実はその構造に対して技術的な問題を解決してはいませんでした。

建設が始まると計画はすぐに数々の問題に直面することになります。
この複雑な構造は木や石では造ることはできません。コンクリート造りなら可能でしょうが、その荷重と海辺の風の圧力にも耐えなければなりません。
それらの問題は着工時ですら未解決の状態でした。

ウツソンはこれらの問題に対しても数々のアイデアで応え続けましたが、工期は延び、予算は膨らんでいきました。
そして選挙後の新たな州政府と対立したウツソンは「設計者」を辞任するに至ります。
その後は数人の建築家によって設計者の地位は引き継がれ、当初の予定の10年遅れで『オペラハウス』は完成します。総工費は当初予算の14倍以上に達していました。

オーストラリアを去ったウツソンはその後2008年に亡くなるまで二度とシドニーに戻ることはありませんでした。
ちなみにこの『オペラハウス』が世界遺産に登録が決定したのはウツソン存命中の2007年です。

シドニーオペラハウスの現在

現在観光でシドニーを訪れる人の多くが『オペラハウス』を眺めるためにこの地にやって来ますので、周辺は一年中賑わっています。
そしてこの建物はオペラ・オーストラリア』『シドニー・シアター・カンパニー』『シドニー交響楽団の本拠地となっていて、シドニーの街の文化レベルを高めることに大きく貢献しています。

内部には収容人数2,679席の『コンサートホール』、同じく1,507席でオーストラリアが生んだ名ソプラノ歌手の名を冠した『ジョーン・サザーランド劇場』、その他いくつかの小劇場やスタジオ、レストランなどがあります。

内部に飾られたジョーン・サザーランドの肖像画

内部の構造は少し複雑で、一人で歩いていたら迷子になってしまいそうです。それは建物の外観を見たら何となく想像がつきますよね。
建築時の経緯からもわかるように、あの外観を作るだけでも難工事であり、内部は躯体とは切り離して造る必要がありました。
ですから木目調の内装は実はコンクリートの躯体とはほとんど接していないそうです。

オペラチケットの購入方法

オペラチケットの購入は『オペラ・オーストラリア』の公式サイトから行うとわかりやすいです。
日本語表記も選べますので英語ができない私でも簡単に購入できました。

SIGN INからcreate an accountに進んで
メールアドレス入力と任意のパスワードを
設定します。
演目や内容、キャストなどを確認する場合は
SYDNEYのプルダウンから見ることができます。
演目、公演日を決めたら「チケットを購入する」へ。
日程が限られている方はカレンダーから選んだ方が早いかも。
人数を選んだら、次に座席を選びます。
奥の2人席を「ADULT」で選ぶと席が赤い点に変りました。
この後「ADD TO CART」に進みます。
チケットがカートに入りました。(まだ確定ではない。)
私たちは1日目だけロビーでのディナーも予約しました。
詳しくは次の『カルメン』の章で説明します。
複数の公演を予約する場合は先に全てのチケットを
カートに入れてからチェックアウトに進みます。
クレジットカード情報を入力して決済すれば予約は完了です。

予約が完了したら確認のメールが届きます。
その時点ではチケットは発行されておらず、公演日の3日前くらいに改めてメールが届き、そこにチケットが添付されています。
それをプリントして持参したり、チケット売り場で紙と交換する必要はありません。私はプリントする暇が無かったのでメールのチケットをスマホで入口の方に提示しました。

ちなみに当日券で良い席が取れるかはわかりませんので、必ず予約は取っておきましょう。(パリのオペラ座へ予約も無しで開演直前に突撃して玉砕したYouTuberがいましたが、ハッキリ言って恥ずかしいです。)

オペラハウスへの入り方

ホテルの目の前の駅『セント・ジェームズ』から1駅の『サーキュラー・キー』で下車。船着き場のある側に出て右側へ道なりに歩けば、5分くらいでオペラハウスに着きます。

入口はわかりにくいのですが、1階屋根の下で荷物検査場のところです。

入口っぽくない感じなので、ここでいいのか迷いました。
荷物検査場
来たときは無かったのに、いつの間にか設けられていました。

荷物検査の後、奥の階段を上がるとチケット売り場があります。
チケットを予約している方はここはスルーでOK。すぐ横にまた階段があり、そこでチケットのバーコードをスキャンして貰ったら入場できます。
スマホ画面でもバーコードが読めればOKです。

シドニー・オペラハウスに行くときの服装は?

クラシック音楽を始めて聴きに行く方が最初に感じるハードルは「服装はどういう感じで行けばいいの?」というものでしょう。

日本の場合あまり気にしなくてもいいと言われていますが、シドニーでもほとんど変わらない状況でした。
『オペラハウス』の公式サイトにも「オーストラリアではオペラ鑑賞時の服装については規則はありません。 ドレスアップすれば、よりいっそうの思い出の夜となることでしょう。でもカジュアルな服装でもいっこうに構いません。」と書かれています。

実際のロビーを眺めてもタキシードやドレスの方から、スーツの方、Tシャツの方までいろいろでした。
それでも全く気になりません。

外でもドレスアップした方がオペラハウスまで
普通に歩いて来られていました。

ちなみに二日間とも私は紺ブレにジーパン、妻は通販で買ったレースのワンピースを着ていきました。

オペラの観客専用のレストラン『オーバーチュア・ダイニング』

オペラを見るならディナーもゴージャスにいただきたいものです。
『オペラハウス』の手前には屋外式のカジュアルなオペラバー、館内には高級レストランのベネロングがありますが、私は1日目だけオペラハウスのロビーに隣接するレストランオーバーチュア・ダイニングを予約しました。

ここを予約するには公式サイトからオペラチケットを予約し、その時同時に、または後日再度サインインしてディナーの予約をする必要があります。

ロビーに上がると正面にバーカウンターがあり、その左の通路を進むと『オーバーチュア・ダイニング』があります。

階段を上がった正面にあるバーカウンター
その左手から奥に進みます。
チケットを提示して入店。
後ろ姿は妻です。

食事はコースの1種類のみ。特に何か選ぶ必要は無いのですが、食後の飲み物だけはコーヒーか紅茶かを選ぶ必要があるみたいです。
ウェイトレスさんが「ドリンクは?」と言われるので、私はオプションのお酒かと思い「要りません。お水でいいです。」と言ったらすごく困った顔をされてしまいました。(しばらく問答をしてやっと理解できたのですが…)

食事はとても美味しかったです。
3品のコースなので満腹にもなり過ぎず、ちょうどいい感じ。
これからオペラを観る人向けとしてよく考えられていますね。

フォカッチャと付け出し
(オリーブ、焼き野菜、ヨーグルト)
マグロとココナッツミルク
コースに含まれるワインも出ました。
塩コショウ味の焼きチキン
洋梨味のライスプディングに
シナモンが降りかけられたデザート

ウェイトレスさんの「お済ですか?」にすら答えられず、冷や汗をかきながらも大満足なディナーでした。
食事が終わると、ちょうど開演の時刻です。時計を気にする必要が無いのもリッチな気分をキープできていいですね。

思ったよりもコンパクトな劇場に感じました。
通路は両サイドにしかないので、座席選びは慎重に。

2025年8月26日『カルメン』

さあ、それでは一日目『カルメン』の感想から行きましょう。

主役のリハブ・チャイエブに注目

今回のカルメンは世界で活躍する歌手ダニエル・デ・ニースがカルメン役で初日を飾るプログラムでした。

ですが私はあえてデ・ニースの後の日程で登板する若手歌手のリハブ・チャイエブが舞台に立つ日を選ぶことにしました。
彼女はチュニジア系カナダ人とのことで、既に世界の舞台を踏んでいます。
とても印象的な美人なので、私もYouTubeで彼女が出るいくつかの舞台を覚えていました。

カルメン役でもグラインドボーン音楽祭の大舞台を経験していて、大注目のメゾソプラノと言えるでしょう。

「これは見逃すわけにはいかない!」ということで、何なら今回の旅行はこの舞台を見たいがためにシドニーに行ったようなものでした。

やっぱり演出がネックに…

『カルメン』を見終えた感想ですが、チャイエブの歌唱はまずまずであったものの、演出がイマイチだったので音楽が活きなかったかなという印象でした。

私はオペラの演出にはかなりこだわります。演出に独自性を求めるわけではなく、音楽を一層活かすような演出を求めるのです。
その演出がまずければ、世界一流の歌手ですらつまらない歌に聞こえるとさえ思っています。

今回の『カルメン』は舞台が1970年代アメリカのヒッピーコミュニティのような世界観で描かれていました。ですが『カルメン』というオペラの、19世紀スペインの裏社会的な雰囲気は伝わってきませんでした。
ですから主役のチャイエブもカルメンの “ヤバい女” 感が十分に発揮できたとは言えないと感じたのです。

とは言えチャイエブの活躍には十分期待できるという印象でした。
またいつか彼女の舞台を見てみたいと思いながら、気持ちよく帰途に着きました。

舞台中央の部屋は闘牛士エスカミーリョの控室。
そこでカルメンは殺されるという斬新な設定。
現実の殺人事件という感じを強調した演出でした。

2025年8月27日『フィガロの結婚』

二日目のオペラは『フィガロの結婚』です。
こちらは最初から私の期待値は大きいものでした。

信頼できるマクヴィカーの演出

この舞台はロンドンの『コヴェント・ガーデン王立オペラハウス』で演出家デイヴィッド・マクヴィカーが演出したものをアレンジしたもの。
青を基調とした舞台で、本来の時代設定よりも前の17世紀(『三銃士』の時代)の衣装と髪型が印象的です。

オリジナルの演出はロンドンでも定番となっており、映像メディアも初演出と再演の二種類が発売されています。

世界で活躍する主役の2人に注目

この舞台でも私の注目はフィガロ役のマイケル・サミュエルと、フィガロの婚約者スザンナ役のシォバン・スタッグの2人でした。

2人とも世界的な舞台で活躍している歌手で、彼らもYouTubeで歌声を聴くことができます。

こうした歌手たちの歌を南半球シドニーで聞けるというのも貴重な経験ですし、しかも二夜続けて聴けるなんてなかなか無いことです。
海外歌劇場の引っ越し公演に有名歌手が連日立つということはありますが、超高額チケットになってしまいますし。
これが2公演二人で約8万円。オペラとしては破格の安さです。

南半球で味わえる本場のオペラ

舞台の内容には大満足でした。主要人物たちの歌唱はもちろんのこと、脇役から無言のエキストラさんたちまで生き生きとした演技をしてくれて、演劇の都ロンドンの本物の舞台を私たちに見せてくれました。

『フィガロの結婚』は喜劇とはいえ、もはや権威ある古典的作品として扱われます。ですがシドニーの聴衆は笑える場面ではゲラゲラ笑っていました。
そしてカーテンコールでは盛大な拍手と歓声が上がります。
シドニーではオペラが市民に愛されている印象を強く感じました。

リアルな舞台背と美しい衣装に生き生きとした演技、
そして音楽を活かすことを忘れない演出。

芸術と文化が生活と融和する街、シドニー

シドニーではオペラハウスが海に突き出た岬の先端に立っており、海辺に来れば常に目に入る位置にあります。
夜はライトアップされ、オペラや舞台を見に行く人たちの波は毎晩のように見ることができます。
街には大きな美術館や博物館、大聖堂、その他の石造りのクラシカルな建築がいくつもあり、市民生活にとって芸術と文化は嫌でも視野に入ってくるものだと感じました。

人は身近なものには苦手感を感じないものです。
シドニーの多くの人もオペラや絵画は見ないかもしれませんが、自分と完全に無縁なものとは考えないでしょう。きっと「大切なものだ」とくらいは認めてくれているでしょう。
私にはそれがとても羨ましく思えました。

すっかり気分も良くなってお腹もすいたので、サーキュラー・キー駅前のマクドナルドでビッグマックセットを買って帰りました。
日本と全く変わらない味なのに、なぜかとても美味しく感じました。


というわけでシドニーでのオペラ三昧報告は以上です。
ですがシドニーの魅力は音楽ばかりではありません。次回はシドニーの美術館で「寒気がした」お話をします。
シドニーは冬なのに冷房が入っていたのでしょうか?

その理由は次回を読めばわかりますよ。
それではまた!


いいなと思ったら応援しよう!

セレまさ『セレマ学院』 よろしければぜひサポートをお願いします! 皆様の応援を心の糧として、良い情報を発信していきます!