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沢田太陽の2025年間ベストアルバム 50〜41位

どうも。

では、いよいよ参りましょう。毎年恒例、沢田太陽の年間ベストアルバム、今年は2025年になります。通算で9回目ですね。いつものように50位から41位から行ってみます。

こうなりました!

では、早速50位から行きましょう。

50.Man's Best Friend/Sabrina Carpenter

50位はサブリナ・カーペンター。今年を代表するビッグヒット・アルバムの一つですね。サブの場合は昨年「Short 'N' Sweet」という大ブレイクスルー作が出たばかりですけど、たった1年で早速、次のヒットです。僕自身「Short 'N' Sweet」での変身というか脱皮っぷりには本当に驚いて気がつけば昨年の年間ベストでいきなり16位にまであげてしまっていたのですが、今回も流石に前作ほどは驚きはしなかったものの、前作で築いた、方やエイミー・アレンを中心としたチーム、方やジャック・アントノフで、小粋なインディ・アイドル・ポップを今回もいかんなく披露してくれています。とりわけ、エイミー・アレンの畳み掛けるようなガーリー・テイストのサビメロの掴みは極上ですね。あれをサブ以上に胸キュンに活かせる人もたしかにいません。ある時期はリアーナ、さらにアリアナ・グランデといった「プロフェッショナルなアイドル・ポップ」の担い手が彼女になりそうな気がするんですけど、先人2人がそうであったように今後速いペースで量産してきそうな気がしますね。

49.((((ultraSOUND))))/The Neighbourhood

49位はザ・ネイバーフッド。Spotify関連の話題のときに頻繁に登場する、2010年代最大の謎バンドを、遂に新作タイミングで捉えることが出来ました。2013年に出てなんとなく覚えていた「Sweater Weather」はとうとう40億ストリームを突破。もうすぐ歴代3位の最多ストリーム楽曲になりそうで、他にもう2曲、10億ストリーム超の曲がある。今回のこのアルバムもチャート上には反映されてないんだけど、各局のストリーム状況はやはり良い。「なんでだ?」と思って聴いてみたんですけど、なんかやっと「あっ!」とハッとしました。なんか、メチャクチャ暗いわけではないんだけど、どこか心の奥底のなんとなくボンヤリとした不安感を掻き立てるジェシー・ラザフォードの囁き声と、ホワッとした浮遊感漂うメランコリックなメロディ。結構これがクセになるんですね。80sにおけるザ・スミスとかエコー&ザ・バニーメンみたいな、ある種の気合入った暗さではなくマイルドな「不安の予感」というか。これがもしかしたら今日の新しいダーク・カリスマなのかなと思ってみたりしてます。リード・トラックの「Private」辺りがその顕著な代表例です。


48.Brandy Senki/ブランデー戦記

48位はブランデー戦記。今回、唯一入った日本人アーティストが彼女たちでした!2025年という年は、たとばベビメタが全米アルバムのトップ10入ったとか藤井風が本格的に世界デビューしたとか、地球の裏側に住んでる僕にさえも届く話題が少なくなかったのでなんとか触れたいと思ってたんですけど、個人的に悪くはないんだけど、なかなかジャスト・フィットじゃない。星野源とか羊文学も「今作ではないな」という感じもしたりしてたんですが、その中で一番しっくり来たのが、彼女たちだったんですよね。人によっては「歌謡ロック」みたいな聞こえ方をするかもしれませんが、彼女たちが良いのは、歌謡ロックのようでいて、根っこの洋楽的テイストの良さが良い意味で隠せてないとこで。それはメロディもそうですけど、各メンバーの出す楽器の音色センスの類まれな良さですね。そこに惹かれます。これ、邦楽しか聴いてこなかったタイプのバンドには絶対出せないテイストなので。あと、「ラストライブ」などで垣間見れる、かつて「和製リバティーンズ」とも呼ばれたandymori のオマージュと言うか継承もあったりするセンスも他の日本のバンドじゃ聞かないなと思って。それでいて海外バンドまんまの趣味じゃないし、これからシーンが国際化していく際に面白がられるんじゃないかとも思ってですね。ちょっと今後も楽しみです。



47.Again/The Belair Lip Bombs

47位はザ・ブレア・リップ・ボムズ。 この人たちはオーストラリアはメルボルン近郊のバンドですね。かの国では2枚目のアルバムのようですが、僕は今作で初めて知りました。そのキッカケは、かのジャック・ホワイトのサードマン・レコードが、初めて契約するオーストラリアのバンドということで気になったからですけど、これは確かにあのレーベル、気にいるはずです。で、音の方なんですが、これがザ・ジャムとかプリテンダーズとか、ブリティッシュ・ビートをパンクの時代にブラッシュアップした、切れ味鋭いガレージ・ロック。もう、この音だけで「オマエがこれを推さないで誰が推す」感じなんですけど、これを率いているのがメイジー・エヴェレットという女性なのがまたポイント高いんですよね。近年、女性のインディのSSWに関しては同性、あるいはゲイ共感の強い存在になっているんですけど、まだバンド、とりわけギターバンドの女子に関してはまだまだ世間は冷たいというか。僕的には今後、ここを強化していきたいと願い、選んだところもありますね。


46.The Crux/Djo

46位はDjo。ちょうど最終シーズンが始まったばかりの「ストレンジャー・シングス」のスティーヴ役を演じるジョー・キーリーのソロ・プロジェクト。もちろん俳優として有名なんですが、もともとロックバンドのメンバーで2019年にソロ・デビュー。2022年に出したアルバム「Decide」でちょっちとバズった後、2023年にその中の曲「End Of The Beginning」がtiktokで火がついて全米トップ10ヒット。それを受けての今作となります。「歌う俳優」というとどうしても軽く見られがちなんですが、彼の場合、かなりコアな音楽ファンでして、それがにじみ出てるのが好感持てるし、しっかり成長を続けているところに好感持てます。前作はちょっと「小型テイム・インパーラ」っぽいイメージも持ったんですが、今作はそうしたサイケデリック・ポップ感を残しながらも70sのクラシック・ロック感を強めていたりしてます。とりわけウイングスやELO、10ccやスパークスみたいなビートルズ・チルドレンやアート派後期グラムロックみたいなマニア性の強いテイスト繰り出してくるんですよね。加えて、人気シリーズのメイン・キャスト務めるほどの俳優でありながら、それこそ最近ここで話題にしたばかりのプロデューサーとのコライトに頼らず、曲を基本的に全部自分で書いているところでも好感が持てます。少なくともジャレッド・レトよりは圧倒的に音楽の才能あると思います。


45.Deadbeat/Tame Impala

45位はテイム・インパーラ。先程のDjoのところで、「以前は小型テイム・インパーラみたいだった」と書きましたが、本家を一つ上にしました。このアルバム、僕の10月のポッドキャストでも触れましたが、これまでのサイケ・ポップ路線から1990年前後のサマー・オブ・ラブを彷彿とさせるレイブなエレクトロをフィーチャーしたサウンドになり、旧来のファン、特に欧米で強い反感を買い、10sにあれだけ強い批評的評価を受けたのに今回はじめてディスられたアルバムになってます。だけどポッドキャストでも言ったように、僕はその批判に納得行ってません。そりゃ「Currents」「Lonerism」の域にこそ達してはいません。しかし、これらの名作の後にどこに行こうか、どこか迷って中途半端になってしまった前作「Slow Rush」よりは遥かに方向性が定まった気がしたし、その成果も僕はかなり満足だったんですけどね。「ポップにすり寄った」みたいな言い方するものも見ましたけど、別に外部ソングライターとコライトして売れ線に走ったわけでもない、他ならぬケヴィン・パーカーその人の今の素直な気持ちを表しただけなんですけどね。これまでのグルーヴ考えても、こっちの方向に行くの、そんなに違和感があるわけでもないし。ただ、評判がどうあれ、「End Of Summer」、そして現在ヒット中の「Dracula」の存在で忘れられない作品にはなると思いますけどね。


44.The Boy Who Played The Harp/Dave

44位はデイヴ。UKヒップホップ界における男性のナンバーワン・ラッパーですね。今年はアメリカで35年ぶりに全米トップ40からラップ・ナンバーが消える事態が発生するほど、アメリカのヒップホップにとっては逆風吹いた年だったわけですが、こういうときこそ「他国のヒップホップ」です。リトル・シムズ、ロイル・カーナー、そしてデイヴといった、音楽的な評価とセールスがしっかり結びついたラッパーがちゃんとチャートの上位で貫禄を示すことが出来た。こういうところから学ぶべきことがあると思うんですよね。デイヴに関しては「イギリスのケンドリック・ラマー」みたいなところが2019年のデビューの時からあって「黒人とは?」みたいなかなり真正面な哲学テーマから、フェミニズム的観点のラップ叙事詩みたいなものにも挑んだりしてて。あのデビューの時点でちょっと伝説化してますね。続くセカンド、そこからさらに4年のこのサードでは自らの音楽的な立ち位置をしっかり築いていて、今回なんかはジェイムズ・ブレイクとのコラボとか、テムズをはじめとしたナイジェリアのアフロビーツと絡んだり、音楽的な意識の高さを示してあるべき立場を貫禄持って示していると思います。全英1位だけでなく、UKラッパーがこれまで苦にしてした他の国でもチャートも欧州圏で大健闘など意味のあることも成し遂げてます。ただ、僕としては出てきた当時の生々しい切迫感。あれがあればさらに惹きつけるんですけどね。


43.Don't Tap The Glass/Tyler, The Creator

43位はタイラー・ザ・クリエイター。タイラーと言えば、もう少なくともここ5年くらいは「ケンドリック・ラマーに次ぐアメリカの良識派ラッパー」のイメージですよね。2017年の「Flower Boy」から昨年の「Chromakopia」までの4枚は、出せばその年の年間ベストアルバム争うような感じで。そして、その「Chromakopia」の興奮から1年経たないうちに急遽出されたのがこのアルバム。ただ、本人的にはそうした批評的絶賛が続いて息苦しくなったからなのか、そういうの抜きに純粋に楽しめるダンス・アルバム出してきたら多くの人が拍子抜けしてしまった、というのが今回のアルバムですね。ただ、今作、僕、好きなんですよ。その狙いがなんか聴いててわかったし、ヒップホップでなくてダンス・トラック作らせてもセンスあるなと思って。ダンス・レコードらしくシームレスに進んで28分と短めなのもダンスもののアナログ片面みたいだし、さらにだからといって、普段とやってる音楽性そんなに変わらないのも良い。「Sugar On My Tongue」なんて単純にクセになるしね。ただ、もっとラップで意味のあるものを求めた人が多かったからなのか、今回はいつになくウケず、チャート下がるのも早かった。いみじくも同じタイミングでケンドリックのスーパーボウル後のブームも終わった。そこでさっきのトップ40のラップ・ナンバー不在の自体も引き起こされたおまけまでついてきたことでも忘れないでしょうね。

42.Midnight Sun/Zara Larsson

42位はザラ・ラーソン。これは僕自身も入れたの意外ですね。だって昔のこの人の印象、良くなかったですからね。2010sの後半くらいから本国スウェーデンを始め北欧で人気あると聞いたときの彼女って、90s前半の、まだ安っぽいハウスが流行ってたときの刹那的なフィーチャリング・シンガーみたいな感じだなと思って、それ以降意識してませんでした。ところが今作がリリースされた直後からエラく方々で絶賛されるんですよ。「ザラ・ラーソンって、あの?なんで?」と思って聴いてみたら、驚くほどに洗練されてて。昔みたいなチープでハスッパなところは鼻にかかった声くらいで、電子音の尖ったセンスも、ドラムンベース的なテンポよく畳み掛けるビートも凄くセンスよくなってるなと思って。しらべたらこれ、MNEKっていうイギリスの黒人の男性プロデューサーが手掛けてるんですけど、彼が昨年に、僕も去年に40位台でランクインさせたUKのR&BトリオのFLOのデビュー・アルバムも手掛けているのを知ってですね。この彼に、今後のヨーロッパのポップなダンス・ミュージック作りの良心を信じてみたくなりました。このアルバム、グラミーのダンス・アルバム部門にノミネートされていたり、ピンク・パンサレスとかLordeが気に入ってたりと保証もすごくされてるんですよね。ちょっとダークホース的に見逃せないアルバムです。

41.Addison/Addison Rae

そして41位にアディソン・レイです。ザラ・ラーソンと並べたのはハッキリ言って意図的で、似たような気に入り方しています。彼女、音楽始める前から美人ティクトカーとして有名だったんですが、その時代にトランプへの好奇心とか、BLMへの嫌悪感とか発言して叩かれたりしてるんですね。今、全て撤回したようですけど。で、あまりにラナ・デル・レイが好きすぎたか「Diet Pepsi」という、ラナの「Diet Mountain Dew」への当てつけ曲があって、ラナ・ファンにとってもなかなか香ばしくて(笑)、最初は嫌でした。ただ、ヘイリー・ウイリアムズやHAIM、Lordeが応援してると聞いて「そこまで言うなら」と思ってこのデビュー作、聴いてみたら、これが結構クセになる媚薬みたいなアルバムで。その理由はプロデュースに当たった、先日の記事でも紹介したエルヴィラ・アンデルフィエルドとルカ・クローザーの女性コンビの手腕が良いんですよ!すごく鋭角的で室内的な電子音使って、不況和音的に調子っぱずれで、良い意味で変なんですよ。それが、アディソンの悪辣さと合ってて。ラナも、シックでエレガントなストリングス主体のチェンバー・サウンドに悪辣な表現をあえて安っぽく品がなく表現するときがあるんですけど、それをエレクトロに置き換えたみたいな、そんな感触があります。まだ現時点では「エルヴィラたちのおかげ」な感じもするのでまだこのくらいの順位で様子見なんですが、この後はアディソン次第ですね。

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