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フードデリバリー「menu」はなぜ終了するのか?――9月30日サービス終了、その背景にある“デリバリー我慢大会”を読み解く

フードデリバリー「menu」はなぜ終了するのか?

――9月30日サービス終了、その背景にある“デリバリー我慢大会”を読み解く

2026年8月19日、日本のフードデリバリー業界に大きなニュースが入りました。

KDDIは、子会社のmenu株式会社が運営するフードデリバリーサービス**「menu」について、2026年9月30日をもってサービスを終了する**と発表しました。

そして今回の発表で重要なのは、

「menuというサービスを終了する」だけではありません。

サービス終了後、運営会社であるmenu株式会社そのものも解散・清算される予定です。(KDDI ニュースルーム)

menuは日本発のフードデリバリーサービスとして成長し、一時は全国47都道府県へ展開。

KDDIとの資本業務提携後は、

au PAY

auスマートパスプレミアム、現在のPontaパス

などKDDI経済圏との連携を強め、「国内トップのデリバリーサービス」を目指していました。(KDDIニュース)

それだけに、

「なぜmenuは終わるのか?」

と疑問を持った人も多いのではないでしょうか。

今回のTHE MEDIAでは、2026年8月19日時点の公式発表や報道をファクトチェックしながら、

menuとはそもそも何だったのか。

どんなサービスを目指していたのか。

Uber Eatsや出前館、Rocket Nowとは何が違ったのか。

なぜサービス終了に至ったのか。

そして、

menu終了後、日本のフードデリバリー市場はどうなっていくのか。

ここまで深掘りしていきます。

🏡夢見ファミリー × プロラボ劇場🎭 🍱「フードデリバリー『menu』はなぜ終了するのか?――“デリバリー我慢大会”を読み解く」 ――2026年8月19日・夕方。 夢見家のリビング。


まず結論――menuは2026年9月30日で終了する

最初に、現在確認できている情報を整理しましょう。

KDDIは2026年8月19日、

フードデリバリーサービス「menu」の提供終了と、menu株式会社の解散・清算

を正式に発表しました。(KDDI ニュースルーム)

menu側が公表した案内によると、サービス終了日は、

2026年9月30日(水)

です。

通常注文については、

9月30日20時受付分まで

予約注文については、

9月23日20時受付分まで

とされています。

ただし、サービス終了に向けて配達員や加盟店の稼働状況が変化し、配達品質を維持できないと判断された場合には、一部地域で9月30日より前に注文受付を終了する可能性もあります。ITmediaもこの受付スケジュールを確認しています。(ITmedia)

つまり、

「9月30日の23時59分まで普通に注文できる」わけではない

点には注意が必要です。

【夢見ファミリー×プロラボ劇場】

menuは9月30日で終了――「その日いっぱい使える」ではない?博士知愛が終了スケジュールを徹底解説

2026年8月19日。

スクランブル研究所のホワイトボードに、ひとつのニュースが大きく映し出されていました。

「フードデリバリーサービス『menu』、2026年9月30日で終了」

夢見ファミリーのメンバーも、ニュースを見ながら集まってきます。


「9月30日終了」って、9月30日の夜まで使えるの?

【スクランブル研究所。中央のホワイトボードには「menu 9月30日サービス終了」と表示されている】

夢見がち学園長

「むむ……menuが終わってしまうのか……。

我々の食卓へ料理を召喚する、現代文明の魔法陣がひとつ消滅するということか……!」

夢見てる

「普通にフードデリバリーって言えばいいでしょ!」

黒羽みちる

「でも、これ結構大きいニュースッスよ。

KDDI系列のサービスッスよね?」

博士知愛

「そうだね。

しかも今回の発表は、

『menuのサービス終了』だけじゃないんだよ。

運営しているmenu株式会社についても、

解散・清算することが決まっているの。

2026年8月19日、KDDIは子会社のmenu株式会社が提供するフードデリバリーサービス「menu」を終了し、menu株式会社についても解散・清算すると正式発表しました。(KDDI ニュースルーム)

つまり今回のニュースは、

「一時的にサービスを休止する」

という話ではありません。

現在発表されている内容では、

menuというサービスそのものが終了する

という大きな決定です。


博士知愛のわかりやすく説明

「サービス終了日」と「注文できる時間」は別だよ!

博士知愛がホワイトボードに大きく、

9月30日(水)

と書きます。

博士知愛

「ここが今回、一番勘違いしやすいところだよ!」

プラちゃん

「9月30日に終わるんやったら、30日の23時59分まで注文できるんちゃうん?」

博士知愛

「実は違うの!」

menu側が公表したスケジュールでは、

通常注文は2026年9月30日20時受付分まで。

さらに、

予約注文は2026年9月23日20時受付分まで。

とされています。

ITmediaも同じスケジュールを確認しています。(ITmedia)

博士知愛が図を書きます。

9月23日 20:00

予約注文の受付終了

9月30日 20:00

通常注文の受付終了

9月30日

menuサービス終了

博士知愛

「だから、

『9月30日終了=9月30日ならいつでも注文できる』

ではないんだよ。」

夢見てる

「なるほど。

普通の注文も20時までなんだ。」

博士知愛

「そう。

たとえば9月30日の夜10時に、

『最後にmenuで何か頼もう!』

と思ってアプリを開いても、

現在の予定どおりなら、もう注文受付は終わっていることになるの。」


どうして予約注文だけ1週間早く終わるの?

黒羽みちる

「でも博士。

通常注文が30日までなのは分かるッスけど、

予約注文はなんで23日で終わるんスか?」

博士知愛

「そこもサービスを閉じるときには大事なんだよ。」

予約注文というのは、

「未来の日時に商品を届けてもらう注文」

です。

サービス終了直前まで予約注文を受け付けてしまうと、

たとえば、

9月30日以降の予約が入ったり、

サービス終了直前に大量の予約が残ったりする可能性があります。

そこで、

新しい予約を早めに止めて、残っている注文を整理しながら終了へ向かう

必要があります。

もちろん、menu側が「予約注文を9月23日で止める理由」を細部まで公表しているわけではありません。

しかしサービス終了時には、

注文、

配達、

決済、

問い合わせ、

加盟店との処理など、

さまざまな業務を段階的に閉じていかなければなりません。

つまり、

サービスはボタンひとつで突然消せるわけではない

ということです。


フードデリバリーは「注文アプリ」だけではない

夢見がち学園長

「アプリを停止すれば、それで終わりではないのか?」

博士知愛

「それが全然違うの!」

博士知愛がホワイトボードに三角形を描きます。

上に、

利用者

左下に、

加盟店

右下に、

配達員

と書きました。

博士知愛

「フードデリバリーってね、

この3つが同時に動いて初めて成立するサービスなの。」

利用者が料理を注文する。

加盟店が料理を作る。

配達員が料理を受け取り、利用者へ届ける。

さらに、その裏では、

決済システム、

注文管理、

地図、

配達員への通知、

位置情報、

カスタマーサポート、

返金処理、

クーポン、

ポイント、

加盟店への売上精算

などが同時に動いています。

博士知愛

「だからサービス終了も、

『アプリを削除します!』

だけでは終われないんだよ。」


なぜ「9月30日より前」に終わる地域が出る可能性がある?

今回の発表には、もうひとつ重要な注意書きがあります。

menuは、

配達品質の維持が困難になった場合、一部エリアでは9月30日より前に注文受付を終了する可能性がある

としています。ITmediaもこの内容を報じています。(ITmedia)

プラちゃん

「え?

ほんなら9月30日までやと思ってたのに、29日とかに終わる場所もあるかもしれへんってこと?」

博士知愛

「そういう可能性がある、ということだね。」

ここでポイントになる言葉が、

「配達品質」

です。


博士知愛のわかりやすく説明

配達員が減ると、何が起きる?

たとえば、ある地域で普段、

100人の配達員が活動していたとします。

サービス終了が発表されると、

「どうせあと少しで終了するなら、別のサービスで配達しよう」

と考える配達員が出てくる可能性があります。

仮に、

100人

50人

20人

と減っていけばどうなるでしょうか。

注文数が同じなら、

一人の配達員が担当しなければならない注文が増えます。

すると、

料理がなかなか届かない。

配達員が見つからない。

予定より大幅に遅れる。

といった問題が起きる可能性があります。

博士知愛

「料理って、普通の宅配便とは違うでしょ?」

夢見てる

「冷めちゃうもんね。」

博士知愛

「そう!

だからフードデリバリーでは、

『届けられればいい』だけじゃなく、『適切な時間で届けられるか』

がすごく大切なの。」

無理に注文を受け続けて、

「2時間待っても届かない」

という状態になれば、

利用者にも加盟店にも配達員にも負担がかかります。

そこで、

サービス品質を維持できないなら、その地域では早めに注文受付を停止する

可能性があるわけです。


「終了日まで営業する」こと自体が実は難しい

黒羽みちる

「普通の店なら、

『9月30日閉店です』

って言ったら、その日まで営業するイメージッスけど……。」

博士知愛

「デジタルサービスはちょっと事情が違うんだよ。」

特にフードデリバリーは、

一社だけでサービスを完結できません。

加盟店が必要。

配達員が必要。

利用者が必要。

さらに、それらを支えるサポート部門も必要です。

終了が近づくにつれて、

加盟店がmenuへの掲載を早めに終える。

配達員が別サービスへ移る。

利用者が別サービスへ移る。

ということが起これば、

ネットワークそのものが少しずつ縮小していきます。

つまり、

サービス終了日の数字だけ見ていてはいけない

ということです。


9月30日までに徐々に「閉店準備」が進む

博士知愛

「イメージとしては、

大きなお店が閉店するときに似ているよ。」

9月30日に店が完全閉店するとしても、

その前から、

新規予約を終了する。

在庫を減らす。

一部サービスを終了する。

会員サービスを停止する。

問い合わせ窓口を整理する。

という作業が進んでいきます。

menuでも同じように、

9月30日に突然すべてがゼロになるのではなく、段階的にサービス終了へ向かう

と考えたほうが分かりやすいでしょう。


KDDIはなぜ会社まで解散・清算するの?

夢見てる

「でもさ、

menuだけ止めて、会社は残して別のサービスを作るとかはしないの?」

博士知愛

「今回発表された内容では、そうではないんだ。」

KDDIは公式に、

menuのサービス提供終了

だけでなく、

menu株式会社の解散・清算

も決定したと発表しています。(KDDI ニュースルーム)

つまり、

menuというブランドだけ終了して、

会社を残して別事業へ転換する、

という発表ではありません。

黒羽みちる

「会社そのものを閉じる方向なんスね。」

博士知愛

「うん。

だから今回の決定の重さが分かるよね。」


そもそも「解散」と「清算」って何?

プラちゃん

「博士〜。

会社の『解散』と『清算』って何が違うん?」

博士知愛

「すっごく簡単に説明するね!」

会社が事業をやめる場合、

すぐに会社という存在が消えるわけではありません。

まず、

解散

します。

これは、

通常の事業活動を終了して、会社を閉じる手続きに入る

というイメージです。

そのあと行われるのが、

清算

です。

会社に残っている、

資産、

債務、

契約、

支払い、

さまざまな権利関係

などを整理します。

それらが完了して、最終的に法人として終了します。

博士知愛

「だから、

『menu株式会社は9月30日に一瞬で消滅します』

という意味ではないんだよ。」

KDDIも、サービス終了に伴う関係者への対応や各種手続きについて、影響を考慮しながら順次進めると説明しています。(KDDI ニュースルーム)


利用者だけの問題ではない

menu終了のニュースを見ると、

つい、

「自分がmenuを使えなくなる」

という利用者側の視点だけで考えてしまいます。

しかし実際には、

影響を受ける人はもっと多くいます。

利用者。

加盟飲食店。

配達員。

menuの従業員。

取引企業。

そして、

Pontaパスなどmenuと連携していたサービス。

終了までの約1か月強で、

それぞれの関係を整理していく必要があります。


博士知愛のわかりやすく説明

「サービス終了」は巨大なシステムを安全に停止させる作業

博士知愛が研究所のロボを指さします。

博士知愛

「たとえば、このロボを止めるとするよ。」

ロボ

「ピピッ?」

博士知愛

「いきなり電源コードを引っこ抜くのと、

保存中のデータを確認して、

動いている処理を終わらせて、

安全にシャットダウンするのでは、

全然違うよね。」

ロボ

「安全ナ停止ヲ推奨シマス。」

博士知愛

「menuの終了も、それに近いんだよ。」

フードデリバリーでは、

その瞬間にも、

注文中の人がいる。

料理を作っている店がある。

料理を運んでいる配達員がいる。

返金を待っている利用者がいる。

売上の入金を待っている加盟店がある。

そのため、

すべての処理を安全に終わらせていく必要があります。

これが、

サービス終了には時間が必要な理由

です。


利用者が今から確認しておいたほうがいいこと

menuを利用している場合、

9月30日だけを覚えておくのではなく、

いくつかの日付を分けて考えたほうがいいでしょう。

2026年9月23日20時

予約注文の受付終了予定。

2026年9月30日20時

通常注文の受付終了予定。

さらに、

一部エリアでは、それより前に注文受付を終了する可能性があります。 (ITmedia)

つまり、

「最後の日に使えばいいや」

ではなく、

利用予定があるなら、

アプリ内の最新案内をその都度確認する

ことが重要です。


夢見ファミリーが考える今回のポイント

夢見がち学園長

「なるほど……。

9月30日という数字だけを見てはいけない、ということだな。」

夢見てる

「予約は23日まで。

普通の注文も30日の20時まで。」

黒羽みちる

「しかも地域によっては早めに終わる可能性もあるッス。」

プラちゃん

「『9月30日までやから大丈夫やろ!』って思い込まんほうがええんやな。」

博士知愛

「そういうこと!」

そして博士知愛は、ホワイトボードに最後の一文を書きました。

「終了日」と「最後に使える時間」は同じとは限らない。


THE MEDIAとして注目したいこと

今回のmenu終了について、

第一報だけを見ると、

「9月30日にサービス終了」

という非常にシンプルなニュースに見えます。

しかし深掘りすると、

その裏では、

利用者、

加盟店、

配達員、

企業、

決済、

サブスクリプション、

問い合わせ対応など、

非常に多くの仕組みを整理しながらサービスを終了させる必要があります。

特にフードデリバリーは、

現実世界で人が料理を運ぶサービス

です。

動画配信サービスやゲームアプリとは違い、

デジタルの中だけでは完結しません。

そのため、

配達員が十分に確保できなくなれば、

予定していた終了日より早く、一部地域で受付終了となる可能性もあります。

この注意書きは小さく見えますが、

実はフードデリバリーというビジネスの特徴を非常によく表しています。


博士知愛のまとめ

博士知愛

「じゃあ、今回の内容をまとめるよ!」

  • menuは2026年9月30日にサービス終了する。

  • 通常注文は9月30日20時受付分まで

  • 予約注文は9月23日20時受付分まで

  • 配達品質を維持できない場合、一部地域ではさらに早く終了する可能性がある

  • KDDIはサービス終了だけでなく、menu株式会社の解散・清算も決定している。(KDDI ニュースルーム)

博士知愛

「だから一番大事なのは、

『9月30日終了』という見出しだけで判断しないこと。

公式のお知らせを確認して、

自分がいつまで利用できるのかをちゃんと確認することだよ。」


そして、次に出てくる疑問

夢見てる

「でも博士。

ここまで大きなサービスだったのに、

そもそもなんで終わることになったの?」

黒羽みちる

「そこが一番気になるッス。」

プラちゃん

「Uber Eatsとか出前館は残っとるもんな。」

博士知愛は、ホワイトボードの文字を消し、

新しくこう書きました。

「なぜmenuは終わるのか?」

博士知愛

「そこが今回のニュースの、本当の深掘りポイントだね。

次は、

menuがどういうサービスだったのか。

KDDIと何を目指していたのか。

そして、

Uber Eatsや出前館、Rocket Nowなどと競争する中で、

なぜ『持続的なサービス提供が困難』という判断になったのか。

そこを調べてみよう!」

サービス終了という一つのニュース。

しかし、その向こう側には、

日本のフードデリバリー市場そのものが大きく変わっている

という、さらに大きなテーマが見え始めています。

次章では、

「menuはなぜ終了することになったのか?」

その背景へ、さらに深く入っていきます。


【ファクトチェック】menu終了は本当?

――「赤字で潰れた」「Uber Eatsに負けた」はどこまで事実なのか

2026年8月19日、フードデリバリーサービス「menu」が2026年9月30日をもって終了すると発表されました。

さらに、運営会社であるmenu株式会社についても、サービス終了後に解散・清算される予定です。

SNSやニュースのコメント欄を見ると、こうした大きなサービス終了のニュースでは、

「やっぱり赤字だったんじゃない?」

「利用者がいなかったからでしょ?」

「Uber Eatsとの競争に負けたのでは?」

といった意見が出てきます。

では、それらはどこまで事実なのでしょうか。

今回のTHE MEDIAでは、KDDIの公式発表とmenu側の説明、主要報道をもとに、

確認できている事実

と、

そこから考えられる分析

を分けながら見ていきます。


まずファクトチェック

「menuが終了する」は本当?

結論から言えば、

本当です。

KDDIは2026年8月19日、子会社のmenu株式会社が提供するフードデリバリーサービス「menu」の提供を終了し、menu株式会社を解散・清算すると正式に発表しています。 (KDDI ニュースルーム)

したがって、

「menuが2026年9月30日にサービスを終了する」

という情報は、

✅ 事実

です。

さらに、

「menu株式会社そのものも解散・清算される」

という情報も、

✅ 事実

です。

これは単なる一時休止でも、ブランド変更でもありません。

現在発表されている内容では、

menu事業そのものを終了する判断

となっています。


では、なぜmenuは終了するのか?

ここからが今回のニュースで最も重要な部分です。

KDDIはサービス終了の理由について、

フードデリバリー市場を取り巻く競争環境の変化

そして、

今後の事業見通し

を総合的に検討した結果だと説明しています。

さらに、

経営資源の最適配分

という観点から撤退を決定したと報じられています。 (ITmedia)

menu側も、

昨今の事業環境の変化に伴い、今後の持続的なサービス提供が困難であると判断した

という趣旨の説明をしています。 (ITmedia)

ここで重要なのが、

公式発表は「赤字だから終了する」とは書いていない

ということです。


「赤字だったから潰れた」は事実?

これは現時点では、

⚠️ 断定できません。

もちろん企業が事業撤退を決断するときには、

収益、

コスト、

将来性、

成長率、

競争環境、

投資対効果

などが重要になります。

そのため、

収益性が判断材料に含まれている可能性

は十分考えられます。

しかし、

2026年8月19日時点でKDDIやmenuが、

「menuは年間○○億円の赤字だったためサービス終了します」

といった説明を公式に発表しているわけではありません。

したがって、

「赤字だったから潰れた」

と断定してしまうのは、ファクトチェックとしては一歩踏み込みすぎです。

より正確に言うなら、

「今後も持続的にサービスを提供できる事業性を確保することが難しいと判断された」

となります。


博士知愛のわかりやすく説明

「赤字」と「撤退」は同じ意味じゃないよ

【スクランブル研究所。博士知愛がホワイトボードに「赤字 ≠ 撤退」と書く】

博士知愛

「ここ、ニュースを見るときにすっごく大切だよ!」

夢見てる

「赤字だったら撤退するんじゃないの?」

博士知愛

「もちろん、その場合もあるよ。

でも、

赤字だから必ず撤退するわけでもないし、黒字だから必ず続けるわけでもないの。

たとえば新しいサービスを始めた企業は、最初の数年間、

広告費、

システム開発費、

人件費、

キャンペーン費

などを大量に使う場合があります。

その結果、一時的に赤字でも、

将来大きく成長すると判断すれば投資を続ける

ことがあります。

逆に、現在ある程度売上があったとしても、

今後の市場環境を考えて、

「ここへ追加投資するより、別の事業へ資金や人材を回したほうがいい」

と判断すれば、撤退する場合があります。

博士知愛

「だから今回KDDIが使っている、

『経営資源の最適配分』

って言葉が大事なんだよ。」


「経営資源の最適配分」とは?

少し難しい言葉ですが、

簡単に言えば、

会社が持っている人・お金・時間・技術を、どこへ使うのが最も効果的なのか考えること

です。

企業には無限のお金があるわけではありません。

たとえばKDDIであれば、

通信、

金融、

決済、

ポイント、

DX、

AI、

エネルギー、

ローソンとの連携など、

多くの事業を展開しています。

そのなかで、

menuへさらに資金や人材を投入し続けるのか。

それとも、

別の成長分野へ投資するのか。

企業は常に選択しなければなりません。

今回のKDDIの説明は、

単純に、

「menuがダメだった」

というより、

「現在の競争環境と将来性を考えたとき、menuへ経営資源を投入し続けることが最適ではないと判断した」

と読むほうが近いでしょう。 (ITmedia)


「利用者がほとんどいなかった」は本当?

これも、

⚠️ 現時点では確認できません。

今回の終了発表では、

現在の月間利用者数、

注文数、

アクティブユーザー数、

市場シェア

などの具体的な数値は示されていません。

したがって、

「誰も使っていなかった」

と断定することもできません。

実際、menuは過去に全国展開し、KDDIとの連携を進め、Pontaパスなどを通じた利用促進も行ってきました。

一定規模の利用者が存在していたことは明らかです。

しかし、

フードデリバリーという事業では、

「利用者がいる」だけでは足りません。

ここが非常に重要です。


利用者がいてもサービスは終了する

黒羽みちる

「利用者がいるなら、そのまま続ければいいんじゃないッスか?」

博士知愛

「そこがプラットフォームビジネスの難しいところなんだよ。」

たとえば、

100万人が利用しているサービスがあったとします。

数字だけを見ると、

「100万人もいるなら大成功!」

と思うかもしれません。

しかし、

1注文ごとに500円のコストがかかっているのに、

会社に入ってくる利益が200円しかなければ、

注文が増えるほど負担が増える可能性があります。

もちろん実際のmenuの収益構造をこの単純な数字で表せるわけではありません。

重要なのは、

ユーザー数だけでは事業の健全性は判断できない

ということです。

必要なのは、

注文数、

注文単価、

加盟店手数料、

配達コスト、

広告費、

クーポン費、

システム費、

サポート費

などを含めた全体の収益構造です。


「Uber Eatsに完全敗北した」は本当?

これも、

⚠️ 公式にはそのような説明はありません。

KDDIは、

「Uber Eatsとの競争に敗れたため終了する」

とは発表していません。

したがって、

「Uber Eatsに完全敗北した」

という表現は、

事実というより評価・解釈

になります。

ただし、

Uber Eatsを含む競争環境がmenuの事業判断に無関係だったとも考えにくいでしょう。

KDDI自身が終了理由として、

「フードデリバリー市場を取り巻く競争環境の変化」

を挙げています。 (ITmedia)

つまり、

競争が終了判断の重要な要素だったこと自体は事実

です。


「競争環境の変化」とは何なのか?

ここは公式発表を一歩深掘りして考える必要があります。

フードデリバリー市場では、

単純に、

「どのアプリが使いやすいか」

だけを競争しているわけではありません。

現在は、

配達料金

サービス料金

商品価格

クーポン

加盟店舗数

配達員数

配達速度

ポイント還元

など、複数の軸で競争しています。

利用者からすると、

同じ料理なら、

少しでも安く、早く届けてくれるサービス

を選びやすくなります。

そのため各社は、

送料無料、

割引クーポン、

サブスクリプション、

店頭価格との価格差縮小

などを進めます。

しかし企業側から見ると、

それは、

利益を削りながらユーザーを獲得する競争

にもなります。


フードデリバリー最大の問題

「料理を運ぶコストは消せない」

博士知愛

「デジタルサービスなのに、フードデリバリーにはすごくアナログな部分があるんだよ。」

注文自体はスマートフォンで完了します。

しかし最後には必ず、

人や車両が実際に移動して料理を届ける

必要があります。

AIで注文管理を効率化できても、

アプリを改善しても、

配達そのものを完全にゼロコストにはできません。

つまり、

利用者へ、

「送料0円!」

と見せたとしても、

配達員へ支払う報酬まで本当にゼロになったわけではありません。

その費用は、

企業、

加盟店、

広告、

サブスクリプション、

その他の収益

のどこかから補填する必要があります。

ここにフードデリバリービジネスの難しさがあります。


menuだけが撤退しているわけではない

今回のmenu終了を考えるうえで、もう一つ重要なのが、

日本のフードデリバリー市場では撤退が珍しくない

ということです。

2026年にはWoltも日本市場から撤退しました。

そして現在、大手サービスとしては、

Uber Eats、

出前館、

Rocket Now

などが展開しています。 (Impress Watch)

つまり、

menuだけに特殊な問題が起きた、

と単純化するより、

日本のフードデリバリー市場そのものが非常に厳しい競争環境にある

と考える必要があります。


なぜ巨大企業が支援していても撤退するのか?

ここで一つ疑問が出てきます。

menuには、

KDDI

という巨大企業が関わっています。

「KDDIほどの会社なら、資金を投入し続ければいいのでは?」

と思う人もいるでしょう。

しかし、

大企業だからこそ、

投資先を厳しく選ぶ必要があります。

KDDIはこれまでレアゾン・ホールディングスと共同でmenuを運営してきました。

今回、終了手続きを円滑に進めるため、KDDIはレアゾンが保有するmenu株式を2026年8月31日に取得し、完全子会社化した上で解散・清算手続きを進める予定です。 (ITmedia)

これは、

事業をさらに成長させるための完全子会社化ではない

ところが重要です。

むしろ、

利用者、

加盟店、

配達員、

契約、

会社の資産・債務

などを整理し、

サービスを安全に終了させるための体制づくり

という意味合いが強い動きです。


博士知愛のファクトチェック講座

ニュースを見るときは3段階に分けよう

博士知愛がホワイトボードに、

①事実
②推測
③評価

と書きます。

博士知愛

「SNSのニュースを見るとき、この3つを分けるだけでかなり分かりやすくなるよ!」

① 事実

公式発表や資料によって確認できるもの。

今回なら、

menuが9月30日で終了する。

会社も解散・清算する。

競争環境や事業見通しを検討した結果、終了を決めた。

ここまでは事実です。 (KDDI ニュースルーム)

② 推測・分析

確認できた事実から考えられるもの。

たとえば、

価格競争が収益性を圧迫した可能性がある。

競合との規模の差が影響した可能性がある。

こうした内容です。

十分合理的な分析であっても、

会社自身がそう説明していなければ「可能性」

として扱います。

③ 評価

「勝った」「負けた」「失敗した」といった価値判断です。

「Uber Eatsに負けた」

などは、この領域です。

博士知愛

「②と③を①みたいに書いちゃうと、

ニュースがどんどん別の話になっちゃうんだよ。」


「持続的なサービス提供が困難」とは何を意味する?

menu側が使った、

「持続的なサービス提供が困難」

という表現にも注目したいところです。 (ITmedia)

これは、

「明日から運営できない」

という意味ではありません。

実際、サービスは9月末まで継続する予定です。

むしろ、

中長期的に事業を続けていくために必要な条件を確保することが難しい

と判断した、と考えるのが自然です。

持続性には、

収益だけではなく、

配達員の確保、

加盟店の確保、

利用者数、

システム運営、

競争力、

将来の投資額

など多くの要素があります。

企業は、

今日サービスを動かせるか

だけではなく、

3年後、5年後にも競争力を保てるか

を考えます。

そこまで含めて、

「持続的なサービス提供」

なのです。


THE MEDIAとしてのファクトチェック

ここまでを整理すると、

「menuは9月30日に終了する」

✅ 事実

「menu株式会社も解散・清算される」

✅ 事実

「市場の競争環境や将来の事業見通しが終了判断に影響した」

✅ 事実

「経営資源の最適配分という観点から撤退した」

✅ 確認できる説明

「menuは巨額赤字だったから潰れた」

⚠️ 現時点では断定できない

「利用者がほとんどいなかった」

⚠️ その根拠となる公式数値は今回示されていない

「Uber Eatsに完全敗北した」

⚠️ 評価・解釈であって公式発表ではない

という整理になります。


なぜこの区別が大切なのか

サービス終了のニュースでは、

人はどうしても、

「失敗した理由」

を一つに決めたくなります。

赤字だった。

人気がなかった。

競合に負けた。

経営判断を間違えた。

しかし実際の企業経営は、それほど単純ではありません。

市場の成長性。

競合。

ユーザー獲得コスト。

物流コスト。

人材。

技術。

投資額。

将来の収益。

そして、

別の事業へ投資した場合に得られる利益。

こうした要素を組み合わせて判断します。

今回KDDIが、

「競争環境」

「事業見通し」

「経営資源の最適配分」

という複数の言葉を使っていることからも、

単一の理由で決定したものではないことがうかがえます。 (ITmedia)


博士知愛のまとめ

博士知愛

「今回、一番覚えてほしいのは、

『分からないことまで事実にしない』

ってことだよ。」

menuが終わる。

これは事実。

会社も解散する。

これも事実。

競争環境や将来性を検討した。

これも公式説明があります。

でも、

『○○億円の赤字だったから』

『利用者がいなかったから』

『Uber Eatsに負けたから』

という部分は、

現時点で同じレベルの事実として確認できているわけではありません。

だからこそ、

ニュースを読む側も、

公式発表されたこと

と、

そこから考えられること

を分ける必要があります。


THE MEDIAとして考える

今回のmenu終了は、

単純な、

「一つのサービスが失敗したニュース」

として読むよりも、

日本のフードデリバリー市場で、

どれほど厳しい生存競争が起きているのか

を見るニュースとして読むほうが本質に近いでしょう。

KDDIという大企業が関わり、

Pontaやauとの連携を進め、

全国規模のサービスとして成長してきたmenuでも、

最終的には、

「持続的なサービス提供が難しい」

という判断に至りました。

それは、

フードデリバリーに需要がない、

という話とは違います。

むしろ、

需要があるからこそ巨大企業同士が競争し、勝ち残るために必要な規模と投資額が大きくなっている

とも考えられます。

では実際に、

menuはこれまでどんな歴史を歩み、

何を武器にUber Eatsや出前館などと戦おうとしてきたのでしょうか。

次に見ていくべきなのは、

「そもそもmenuは、どんなサービスだったのか?」

という部分です。

そこを振り返ると、

今回のサービス終了が突然起きた単独の出来事ではなく、

2019年から続いてきたmenuの挑戦の最終地点

として見えてきます。


そもそも「menu」とは何だったのか?

――テイクアウトから全国47都道府県へ、そして競争の最前線へ

2026年9月30日でサービスを終了することが発表された、フードデリバリーサービス「menu」。

現在では、

「menu=料理を届けてもらうアプリ」

という印象を持っている人も多いかもしれません。

しかし、menuの歴史を振り返ってみると、そのスタート地点はデリバリーではありませんでした。

menuの原点は、

「テイクアウト」

です。

そしてそこから、

テイクアウト。

フードデリバリー。

高級レストラン。

日用品・食料品。

Pontaパス。

オンラインクレーンゲーム。

と、サービスの領域を少しずつ広げていきました。

今回のTHE MEDIAでは、

そもそもmenuとは何を目指したサービスだったのか。

そして、

Uber Eats、出前館、Rocket Nowとは何が違ったのか。

夢見ファミリー×プロラボ劇場のみんなと一緒に、歴史を追いながら深掘りしていきます。


すべての始まりは「テイクアウト」だった

【スクランブル研究所。博士知愛がホワイトボードに「2019年4月」と書く】

博士知愛

「じゃあ、menuの歴史を最初から見てみよう!」

夢見てる

「menuって、最初からUber Eatsみたいなサービスじゃなかったの?」

博士知愛

「実は違うんだよ。

menuが最初に始めたのは、

テイクアウトサービスなの。

menuは2019年4月にテイクアウトサービスを開始しました。

つまり、最初の基本的な仕組みは、

スマートフォンで料理を注文して、自分でお店まで受け取りに行く

というものです。

今では珍しくありませんが、当時は、

店に電話して予約する。

店頭で注文して待つ。

という方法が一般的でした。

そこをアプリで簡単にする。

これがmenuのスタート地点でした。


テイクアウトとデリバリーは似ているようで違う

プラちゃん

「でも博士。

テイクアウトもデリバリーも、アプリで料理頼むんやろ?

そんなに違うん?」

博士知愛

「実はビジネスとしてはかなり違うよ!」

テイクアウトの場合、

注文する。

店舗が料理を作る。

利用者が店まで取りに行く。

という流れです。

一方、デリバリーになると、

注文する。

店舗が料理を作る。

配達員が店へ向かう。

商品を受け取る。

利用者の家へ届ける。

という工程が追加されます。

つまりデリバリーでは、

「配達する人を探して、適切な店舗と注文を結びつける」

仕組みが必要になります。

KDDIは2021年の発表で、menuについて、

利用者からの注文を飲食店へ伝達し、さらに飲食店と配達員をマッチングするフードデリバリー事業を展開していると説明しています。 (KDDIニュース)


博士知愛のわかりやすく説明

menuは「料理を売る会社」ではなかった

博士知愛

「ここ、すごく大事だよ!」

menu自身がレストランを経営していたわけではありません。

menuが作っていたのは、

料理を買いたい人

料理を売りたい店

料理を届けたい配達員

を結ぶ仕組みです。

つまりmenuは、

プラットフォーム

でした。

黒羽みちる

「フリマアプリが売り手と買い手をつなぐみたいなものッスか?」

博士知愛

「かなり近いね!

menuの場合は、そこに配達する人まで入るの。」

だからフードデリバリーでは、

利用者だけ増やしても成功しません。

加盟店も必要。

配達員も必要。

この3者を同時に増やす必要があります。

これが、フードデリバリーの非常に難しいところです。


2020年4月――menuがデリバリーへ

転機となったのが、

2020年4月。

menuはフードデリバリーサービスを本格的に開始します。 (KDDIニュース)

そして、この2020年という時期が極めて重要でした。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、

外出自粛。

飲食店の営業時間短縮。

在宅勤務。

外食機会の減少。

など、私たちの生活は大きく変わりました。

そこで急速に広がったのが、

「店へ行けないなら、家へ届けてもらう」

という選択肢です。

KDDI自身も2021年の発表で、新型コロナによる外出自粛の影響から、日本のフードデリバリー需要が高まっていると説明していました。 (KDDIニュース)


夢見ファミリー×プロラボ劇場

「外食」そのものが変わった2020年

【夢見てるがスマートフォンを操作している】

夢見てる

「お店に食べに行けない。

でも、お店の料理は食べたい。」

黒羽みちる

「そこにデリバリーがハマったわけッスね。」

博士知愛

「そう。

それまでデリバリーって、

ピザとかお寿司みたいなイメージが強かったよね。」

夢見がち学園長

「我が幼き頃、宅配といえば電話帳から番号を探し――」

プラちゃん

「学園長、それ話長くなるやつや!」

博士知愛

「でも本当に大きく変わったんだよ。

スマホを開いて、

いろんな飲食店から選んで、

そのまま決済して、

家まで届く。

この体験が一気に普通になったの。」

Uber Eatsなどの存在感が急速に高まったのも、この時期です。

menuも、その大きな市場変化の中で成長していきます。


わずか約1年で全国47都道府県へ

そしてmenuの拡大スピードはかなり速いものでした。

KDDIが2021年6月に公表した資本業務提携の資料によると、

menuは2020年4月のデリバリー開始から約1年間で、

47都道府県

へサービスを展開。

さらに、

国内6万店舗

という加盟店舗数を実現したとされています。 (KDDIニュース)

ただしここには注意点があります。

KDDI資料の注記では、この6万店舗は、

「menuに申し込みをした店舗数」

とされています。 (KDDIニュース)

そのため、

6万店舗すべてが常時注文可能だった

と読み替えるのは正確ではありません。

それでも、

開始からおよそ1年で全国47都道府県まで広げたという事実は、非常に大きな拡大だったと言えます。


博士知愛のわかりやすく説明

なぜ全国展開を急いだの?

黒羽みちる

「でも、なんでそんなに急いで全国へ広げたんスかね?」

博士知愛

「フードデリバリーって、

規模が大きくなるほど強くなりやすいサービス

だからだよ。」

たとえば利用できる店舗が多いと、

利用者はアプリを使いたくなります。

利用者が増えると、

注文が増えます。

注文が増えると、

配達員も仕事を得やすくなります。

配達員が増えれば、

短時間で配達できる可能性が高まります。

すると、

さらに利用者が増える。

この循環が生まれます。

逆に、

店が少ない。

利用者も少ない。

配達員も少ない。

となれば、

サービスが成長しにくくなります。

つまり、

「早く規模を取る」

ことは、フードデリバリー事業では非常に重要なのです。


では、menuにはどんな特徴があったのか?

ここから、

menuというサービスそのもの

を見ていきましょう。

menuは単純に、

「料理を家へ届ける」

だけのサービスではありませんでした。

2026年時点のmenu公式サイトを見ると、

大きくいくつかの特徴が確認できます。


特徴① 食事だけではなく日用品・食料品も届ける

menuでは、飲食店の料理だけではなく、

日用品・食料品のデリバリー

にも対応していました。

menu公式サイトには、グロサリーカテゴリーが用意されており、店舗から食料品や日用品を注文できる仕組みが提供されています。 (menu)

つまりmenuは、

「出前アプリ」

から、

「生活に必要なものを届けるアプリ」

へ広がろうとしていました。


博士知愛のわかりやすく説明

デリバリーから「ラストワンマイル」へ

博士知愛

「この考え方はね、

今のデリバリー業界全体で重要なんだよ。」

昔のデリバリーは、

料理を届ける

が中心でした。

しかし現在は、

食料品。

飲料。

日用品。

コンビニ商品。

医薬部外品など、

さまざまなものへ対象が広がっています。

最後に商品を利用者の家まで届ける部分を、

ラストワンマイル

と呼びます。

フードデリバリー企業が欲しいのは、

実は料理だけではありません。

「街の商品を短時間で家まで運べる配送網」

そのものが大きな価値になるのです。

Uber Eatsも現在は食事だけでなく、食料品や日用品へ対象を広げ、「Anything=何でも届ける」という方向を戦略の一つにしています。 (Uber)

menuも、同じ大きな流れの中にいました。


特徴② 商品単位で口コミを見られた

menuには、

商品単位の口コミ機能

もありました。

一般的な口コミサービスでは、

「この店は星4.2」

のように店舗全体を評価することが多いですよね。

menuでは、

料理そのものに対する口コミ

を確認できる仕組みを特徴としていました。 (menu)

夢見てる

「店は評価高いけど、

『この料理はどうなんだろう?』

ってことあるもんね。」

博士知愛

「そうなの。

店じゃなく、

『何を注文するか』を決めるための口コミ

なんだよ。」

これは、アプリ上で料理を選ぶというデリバリー特有の体験と相性がよい機能でした。


特徴③ 「至高の銘店」

menuには、

「至高の銘店」

という企画もありました。

これは、日本を代表する有名店・高級店などの料理を家庭へ届ける企画です。

公式サイトには、

鮨よしたけ、

NARISAWA、

中国飯店 富麗華、

天ぷら 元吉

など、多数の店舗が掲載されています。 (menu)

夢見がち学園長

「つまりmenuは、

家にいながら名店の味を召喚する禁断の魔術まで――」

プラちゃん

「また召喚言うてる!」

この企画は、特に外食が難しかった時期、

「普段は店へ行って食べる料理を家で楽しむ」

というデリバリーの新しい使い方を象徴していました。

つまりmenuは、

安くて早い食事だけを狙っていたわけではありません。

食の体験そのものを届ける

という方向も持っていたのです。


特徴④ Pontaパスとの連携

そして、menuを語るうえで非常に重要なのが、

KDDI経済圏との連携

です。

menuではPontaパス会員向けに、

何度でも配達料無料

という特典を提供していました。 (menu)

ここはUber Eatsや出前館と比較した際にも、menuらしい特徴の一つでした。

menu単独でユーザーを集めるだけではなく、

au。

Ponta。

決済。

通信サービス。

と結びつける。

つまり、

KDDIのサービスを使っている人の日常生活の中へmenuを入れる

という戦略です。


特徴⑤ 待っている時間までサービスにする

さらにmenuには少し変わった機能もありました。

オンラインクレーンゲーム、

「たこやきパーティー」

です。

menu公式サイトでは、注文するたびに無料でプレイできるオンラインクレーンゲームとして紹介されています。 (menu)

プラちゃん

「デリバリー頼んで、クレーンゲームってなかなか不思議やな。」

博士知愛

「でも考え方は面白いよ。

料理が届くまでって、

どうしても待ち時間があるでしょ?」

その待ち時間を、

ただ待つ時間ではなく、

遊ぶ時間へ変える。

menuは、単なる配送機能だけではなく、

アプリを使っている時間全体を体験にする

ことにも取り組んでいたと言えます。


ではUber Eatsとの違いは?

ここから競合と比べてみましょう。

まずUber Eats。

現在のUber Eats最大の強みは、

規模とネットワーク

です。

Uber Eatsは2026年3月の公式発表で、日本国内に、

12万の加盟店

全国10万人の配達パートナー

がいると説明しています。

また、日本事業は2023年から2025年まで3年連続で黒字、2026年1月には過去最高売上を記録したとしています。 (Uber)

さらに、

食事。

食料品。

日用品。

持ち帰り。

即時配送。

タクシー。

と、サービス領域を広げています。

Uber Eatsは、

「料理のデリバリーサービス」から、「生活の物流インフラ」へ

という方向を非常に強く進めています。 (Uber)


menuとUber Eatsの違いを文章で表すなら

非常に簡単に整理すると、

Uber Eatsの強さは、

世界規模で築いた巨大な配送ネットワーク

です。

一方menuは、

日本発のサービスとして、KDDIやPontaとの経済圏連携を武器に成長しようとした

という違いがあります。

menuは、

通信会社の会員基盤。

決済。

ポイント。

サブスクリプション。

こうした仕組みと結びつけることで、

「auやPontaを使っているならmenuも使う」

という生活圏を作ろうとしていたわけです。


出前館との違いは?

出前館は、menuやUber Eatsよりもさらに長い歴史を持つ、日本発のデリバリープラットフォームです。

menuが、

スマートフォン時代に生まれた新しいデリバリーサービス

だとすれば、

出前館には、

日本の「出前文化」をインターネットへ移したサービス

という系譜があります。

そして2026年現在も、

送料無料施策や、

店頭と同じ価格で注文できる「お店価格」対象店舗の拡充などを進めています。 (株式会社出前館)

つまり出前館も現在は、

価格の分かりやすさ

を強く意識するようになっています。


menuと出前館の違いを文章で表すなら

出前館は、

日本国内で長年培ってきたデリバリー事業の知名度と加盟店ネットワーク

を持っています。

一方menuは、

比較的新しいサービスとして、

アプリ体験やKDDI経済圏との連携

で差別化しようとしていました。

どちらも日本発ですが、

生まれた時代と成長の方法が違っていたわけです。


そしてRocket Now

2025年から日本市場へ登場し、急速に存在感を高めているのが、

Rocket Now

です。

Rocket Nowが現在最も強く打ち出しているのは、

非常に分かりやすいものです。

送料0円。

サービス料0円。

しかも、

サブスクリプション不要。

公式サイトでは、この仕組みを回数制限なしで提供すると説明しています。 (ロケットナウ)

さらに、

「お店と同価格」

対象店舗も拡大しています。

2026年時点の公式サイトでは、

1万1000以上の店舗が「お店と同価格」に対応するとしています。 (ロケットナウ)


menuとRocket Nowの違い

menuがPontaパスを通じて、

「会員なら配達料無料」

という仕組みを作っていたのに対し、

Rocket Nowは、

「会員にならなくても送料・サービス料0円」

を前面に出しています。 (ロケットナウ)

ここは非常に大きな違いです。

博士知愛

「menuの場合は、

KDDIの経済圏に入ってもらうことでお得になる仕組み。

Rocket Nowは、

アプリを使う人みんなに、最初から価格メリットを見せる仕組みだね。」

つまり現在の競争では、

機能だけではなく、

「利用者が最終的にいくら払うのか」

が非常に重要な戦いになっています。


Uber Eatsも価格競争へ

そして、この価格競争にUber Eatsも入っています。

Uber Eatsは2026年3月から、

全国約1万8000店舗で、

アプリ上の商品価格を実店舗と同じ価格にする取り組み

を開始しました。 (Uber)

Uber Eats自身が、

フードデリバリー普及の大きな障壁の一つは、

価格の高さ

だと認識しています。 (Uber)

つまり現在は、

「どのサービスなら届けられるか」

だけではありません。

どのサービスなら安く届けられるか

という戦いになっているのです。


博士知愛のわかりやすく説明

2019年と2026年では競争ルールが違う

【博士知愛がホワイトボードを二つに分ける】

左側に、

2019〜2020年

右側に、

2026年

と書きます。

博士知愛

「menuが成長し始めた頃は、

まず、

『デリバリーできること』

そのものに大きな価値があったんだよ。」

外出できない。

店へ行けない。

だから届けてもらう。

しかし2026年現在は違います。

Uber Eats。

出前館。

Rocket Now。

その他のサービス。

利用者には選択肢があります。

すると競争は、

届けられるか

から、

いくらで届けられるか。

何分で届けられるか。

何店舗から選べるか。

食事以外も届けられるか。

どんなポイントが付くか。

へ変わります。

博士知愛

「サービスが普及すると、

『あるだけですごい』

から、

『他より何が優れているの?』

へ競争が変わるんだよ。」


menuは何を目指していたのか

ここまで歴史を見てくると、

menuは単純に、

Uber Eatsの日本版を作ろうとしていた

だけではありません。

テイクアウトから始まり、

フードデリバリー。

高級店。

グロサリー。

Pontaパス。

商品口コミ。

アプリ内体験。

と広げていきました。

そしてKDDIとの提携後は、

通信・決済・ポイント・デリバリーをつなぐ

方向へ進んでいきます。

2021年のKDDIとの提携では、

au PAYアプリへのmenu追加、

menuでのau PAY決済、

ID・支払い機能の連携、

両社データを使ったマーケティング高度化

などが掲げられていました。 (KDDIニュース)

つまり目指していたのは、

単なる、

「料理注文アプリ」

ではありません。

生活の入口になるアプリ

だったのです。


夢見ファミリーが整理する「各社の個性」

【研究所のホワイトボード前】

夢見てる

「じゃあ、めちゃくちゃ簡単に言うとどうなる?」

博士知愛

「文章で表すなら、こんな感じかな。」

Uber Eatsは、

巨大な配達ネットワークを武器に、料理から日用品、配送、移動まで生活インフラ化を進めるサービス。

出前館は、

日本で長く続いてきた出前文化と加盟店基盤を背景にした国内型サービス。

Rocket Nowは、

送料0円・サービス料0円など、価格の分かりやすさを最大の武器として急成長するサービス。 (ロケットナウ)

そしてmenuは、

日本発の新しいデリバリーサービスとして、KDDI・au・Pontaとの連携を強みに独自経済圏を作ろうとしたサービス。

黒羽みちる

「同じフードデリバリーでも、狙ってる場所がちょっとずつ違うんスね。」

博士知愛

「そう!

だから、

『全部同じ出前アプリ』

って考えると、本当の競争が見えなくなるんだよ。」


では、なぜmenuは勝ち残れなかったのか?

2019年。

テイクアウトからスタート。

2020年。

フードデリバリーへ。

そして約1年で、

全国47都道府県。

申し込み加盟店約6万店舗。

KDDIとの資本業務提携では、menuと親会社を含むグループ全体で100億円超の資金調達が完了したことも発表されていました。 (KDDIニュース)

決して小さな挑戦ではありません。

むしろ、

日本発のフードデリバリーサービスとして、本気で大規模プラットフォームを目指した事業

だったと言えるでしょう。

しかし2026年。

menuはサービス終了を決定しました。

ここで考えなければならないのは、

「サービスが悪かったから終わった」

という単純な話ではありません。

menuが成長した2020年と、

終了を決めた2026年では、

市場そのものが変わっている

のです。


THE MEDIAとして考える

menuの歴史を見ると、

非常に興味深いことがあります。

menuが始まった頃、

デリバリーの競争は、

「どれだけ早く店舗とエリアを増やせるか」

でした。

だからmenuも猛烈な勢いで全国へ広がりました。

しかし現在の競争は、

それだけでは足りません。

利用者は、

店舗数だけではなく、

料金、

配達速度、

クーポン、

サブスクリプション、

ポイント、

店頭との価格差

まで比較します。

さらに企業側には、

配達員への報酬、

広告費、

システム費、

加盟店獲得費

が発生します。

つまり、

規模を取る競争

から、

規模を維持しながら利益を出す競争

へ変わったのです。


博士知愛のまとめ

博士知愛

「menuについて覚えてほしいのは、

『ただのデリバリーアプリじゃなかった』

ってことだよ。」

最初はテイクアウト。

そこからフードデリバリーへ。

わずか約1年で全国47都道府県へ。

そして、

高級店。

日用品。

食料品。

口コミ。

Pontaパス。

さまざまな仕組みを組み合わせながら、

生活に入り込むサービス

を目指しました。

しかし、

Uber Eatsは巨大なネットワークを持つ。

出前館は国内で長い歴史を持つ。

Rocket Nowは価格を武器に急成長している。

2026年のフードデリバリー市場では、

競争相手も、

競争ルールも、

menuが始まった頃とは大きく変わっています。

夢見てる

「menuが弱くなっただけじゃなくて、

周りが変わったってことか。」

博士知愛

「そう。

だから次に調べるべきなのは、

『menuは途中でどう戦い方を変えたのか』

だね。」

2019年のテイクアウトから始まったmenu。

2020年にはデリバリーへ。

2021年にはKDDIと提携。

そしてその先で、

menuは、

「国内トップのデリバリーサービス」

というさらに大きな目標を掲げることになります。

次に見ていくのは、

KDDIとmenuは、なぜ手を組んだのか。

そして、

au・Pontaという巨大経済圏を使って、何を実現しようとしていたのか。

menuの挑戦は、ここからさらに大きくなっていきます。


KDDIとmenuはなぜ続けられなかったのか?

――国内トップを目指した挑戦と、フードデリバリー市場の構造

2021年、menuに大きな転機が訪れました。

それが、

KDDIとの資本業務提携

です。

そして2023年には、さらに関係を強化。

menuは、

KDDI 50.6%

レアゾン・ホールディングス 49.4%

のジョイントベンチャーとなり、

はっきりと、

「国内市場トップのデリバリーサービス」

を目標に掲げました。 (KDDI ニュースルーム)

さらに目指していたのは、

単に料理を運ぶ会社ではありません。

料理。

食料品。

日用品。

さまざまな店舗やサービスと利用者を結び、

「ラストワンマイル・プラットフォーム」

へ進化する。

つまり、

欲しいものを、欲しいときに届ける生活インフラ

を目指していたのです。 (KDDI ニュースルーム)

それほど大きな構想があったmenuが、なぜ2026年に終了するのでしょうか。

今回のTHE MEDIAでは、

「menuが失敗したから終わった」

という単純な見方ではなく、

KDDIとmenuが何を目指し、

どんな武器を持ち、

それでもなぜ続けることが難しくなったのか。

そして、

「もし続けるなら、どんな戦い方があったのか?」

まで、夢見ファミリー×プロラボ劇場のみんなと考えていきます。


2021年――menuに「KDDI」という巨大な武器が加わる

【スクランブル研究所。博士知愛がホワイトボードに「2021」と書く】

博士知愛

「menuの歴史を考えるなら、ここは絶対に外せないよ。」

夢見てる

「KDDIと組んだ年だよね。」

博士知愛

「そう!」

KDDIとmenuは2021年6月、資本業務提携を開始しました。

その後、

au PAYアプリ内でmenuを利用できるようにする。

menuでau PAYを使えるようにする。

auスマートパスプレミアム会員へ配達料無料特典を提供する。

さらに配達員が報酬をau PAYで受け取れる仕組みまで作るなど、

単なる資本参加ではなく、

KDDIの経済圏とmenuをかなり深く結びつける

方向へ進みました。 (KDDI ニュースルーム)


KDDIが持っていた最大の武器は「利用者基盤」

KDDIは通信会社です。

au。

UQ mobile。

Ponta。

au PAY。

こうしたサービスを通じて、多くの利用者と日常的な接点を持っています。

menuから見れば、これは非常に大きな魅力でした。

新しいデリバリーサービスが一番苦労するのは、

「どうやって利用者に存在を知ってもらうか」

だからです。

広告を出す。

クーポンを配る。

初回割引をする。

SNSで宣伝する。

普通なら大量の広告費が必要になります。

しかしKDDIと連携すれば、

すでにauやPontaを使っている人へ直接menuを届けられる可能性があります。


博士知愛のわかりやすく説明

「0から100万人集める」のと「すでにいる人へ紹介する」のは違う

博士知愛

「たとえばね。

新しいお店を作ったとするよ。」

誰も知らない場所に店を作って、

一人ずつお客さんを呼ぶ。

これは大変です。

しかし、

すでに何万人も利用しているショッピングモールの中へ出店できれば、

最初から多くの人に見てもらえます。

博士知愛

「menuにとってKDDIは、

すっごく大きなショッピングモールみたいな存在だったとも考えられるね。」

プラちゃん

「au使ってる人に、

『menuもあるで!』

って紹介できるわけやな。」

博士知愛

「そういうこと!」


2022年――「配達料無料」という強力な武器

2022年には、

auスマートパスプレミアム会員向けに、

menuの配達料が何度でも無料

となる特典も始まりました。

これは非常に分かりやすいメリットでした。

フードデリバリーを使うとき、多くの人が気にするのが、

「結局いくら高くなるの?」

という問題です。

料理そのものの価格に加えて、

配達料。

サービス料。

少額注文手数料。

などが加わる場合があります。

その一つである配達料を、

会員なら何度でも無料

にする。

これはmenuを日常的に使ってもらうための強力な施策でした。


「menuを使うために会員になる」のではなく

「会員だからmenuを使う」

ここがKDDI連携の面白いところです。

通常のフードデリバリーサービスなら、

「Uber Eatsをよく使うからUber Oneに入る」

というように、

サービス利用を起点にサブスクリプションへ加入する流れがあります。

menuの場合は逆方向も狙えます。

すでに、

auスマートパスプレミアムを使っている。

配達料無料が付いている。

せっかくだからmenuを使う。

という流れです。

つまり、

menu単体でユーザーを囲い込むのではなく、KDDI経済圏全体から利用者を送客する

という戦略でした。


2023年――ついに「国内トップ」を掲げる

そして2023年。

KDDI、レアゾン・ホールディングス、menuは提携をさらに強化します。

menuは、

KDDI 50.6%、

レアゾン49.4%

の合弁会社となりました。

このとき公式発表で掲げられた目標が、

「国内市場トップのデリバリーサービス」

です。 (KDDI ニュースルーム)

かなり明確な目標です。


しかも「料理だけ」ではなかった

3社が考えていた未来は、

単なるフードデリバリーのシェア争いだけではありませんでした。

KDDIの発表では、

クイックコマース

を拡大し、

日用品や食料品などを短時間で届ける仕組みを強化。

最終的には、

さまざまな店舗やサービスと利用者をつなぐ、

ラストワンマイル・プラットフォーム

への進化を目指すとしていました。 (KDDI ニュースルーム)


博士知愛のわかりやすく説明

「ラストワンマイル」って何?

【博士知愛が家と店舗の絵を描く】

博士知愛

「ラストワンマイルって難しそうだけど、

考え方は簡単だよ。」

商品が作られます。

倉庫まで運ばれます。

店舗まで届きます。

そして最後に、

お客さんの手元まで届ける。

この最後の部分が、

ラストワンマイルです。

夢見てる

「つまりmenuが欲しかったのは、

料理を運ぶ仕組みそのもの?」

博士知愛

「もっと広く言うと、

『街のいろんなものを短時間で届けるネットワーク』

だね。」

これは現在、Uber Eatsが進めている方向とも重なります。

Uber Eatsも食事だけでなく、生活インフラ化を強く打ち出しています。2026年時点で日本では12万の加盟店、約10万人の配達パートナーを抱え、日本事業について2023~2025年の3年連続黒字、2026年1月には過去最高売上だったとしています。 (Uber)


menuにも独自のアイデアはあった

menuは、

単に「配達料を安くする」だけのサービスではありませんでした。

公式発表では、

レコメンデーション

商品別口コミ

ハッシュタグ

など、料理との出会いそのものを改善する機能を開発していたことが説明されています。 (KDDI ニュースルーム)

つまり、

「近い店を並べる」

だけではなく、

「あなたが食べたくなるものを見つける」

という体験を作ろうとしていたわけです。

さらに、

有名店や高級店の料理を届ける、

「至高の銘店」

といった企画もありました。

menuは、

配送プラットフォーム

であると同時に、

食を発見するサービス

にもなろうとしていました。


では、なぜそれでも続かなかったのか?

【研究所の空気が少し変わる】

夢見てる

「ここまで聞くとさ、

結構ちゃんと戦略あったよね。」

黒羽みちる

「KDDIもいる。

Pontaもある。

配達無料もある。

それでも終了ッスか……。」

プラちゃん

「何が足らへんかったんやろ?」

博士知愛がホワイトボードに、

「良いサービス ≠ 続くサービス」

と書きます。

博士知愛

「ここが今回、一番大事かもしれない。」


良いサービスでも「経済」が成立しなければ続かない

サービスを続けるためには、

便利であること。

人気があること。

利用者がいること。

だけでは足りません。

最終的には、

事業として持続できる仕組み

が必要です。

フードデリバリーでは、

1件の注文が入るたびに、

配達員が実際に移動します。

だから、

利用者が何万人増えても、

注文が増えれば配達コストも増えます。

動画配信サービスのように、

一つの動画を100万人が見ても配送人数は増えない、

というビジネスとは違います。


フードデリバリー最大の壁

「1注文ごとに現実世界が動く」

博士知愛

「デジタルサービスなのに、

フードデリバリーは物理世界のコストから逃げられないんだよ。」

注文システム。

サーバー。

決済。

サポート。

広告。

加盟店営業。

ここまではデジタル企業らしいコストです。

しかし最後には、

人が店へ行き、商品を受け取り、家まで届ける。

この工程があります。

だから、

送料0円。

配達料無料。

サービス料無料。

と表示しても、

配達そのものの費用が消えたわけではありません。

その費用を、

利用者。

加盟店。

プラットフォーム。

広告。

サブスクリプション。

他事業。

誰かが負担しなければなりません。


そして競争相手も「無料」を始めた

2026年現在、この価格競争はさらに激しくなっています。

Rocket Nowは、

送料0円

サービス料0円

サブスク不要

を前面に打ち出しています。さらに公式サイトでは700万ダウンロード突破、「お店と同価格」の店舗も1万1000以上としています。 (ロケットナウ)

一方Uber Eatsも、

「お店と同じ価格」の取り組みを導入。

Uber Oneでは配達手数料・サービス料を0円とする特典などを組み合わせ、価格面での改善を進めています。 (Uber)


プラちゃんの疑問

「無料同士で戦ったら、どうなるん?」

プラちゃん

「配達料無料!」

「サービス料無料!」

「店と同じ価格!」

ってみんな言うてたら、

誰が儲かるん?」

博士知愛

「そこなんだよ。」

利用者にとって、

価格競争はありがたいものです。

しかし企業同士が、

より安く、

より安く、

と競争すると、

一注文あたりの利益を確保するのが難しくなります。

それでも巨大な利用者数を持っていれば、

大量の注文によって経済を成立させられる可能性があります。

ここで重要になるのが、

規模

です。


Uber Eatsが強い理由は「有名だから」だけではない

Uber Eatsの大きな強みは、

知名度だけではありません。

加盟店が多い。

利用者が多い。

配達員が多い。

すると注文が入りやすい。

注文が多ければ配達員も集まりやすい。

配達員が多ければ短時間で配達できる可能性が高まる。

店舗から見ても、

利用者が多いプラットフォームへ出店するメリットがあります。

こうして、

規模がさらに規模を呼ぶ

構造が生まれます。

Uber Eatsは2026年時点で、日本で12万加盟店、約10万人の配達パートナーを抱えているとしています。 (Uber)


博士知愛のわかりやすく説明

デリバリーは「三者を同時に集めるゲーム」

【ホワイトボードに三角形】

上に、

利用者

左に、

加盟店

右に、

配達員

博士知愛

「どれか一つだけ多くてもダメなんだよ。」

利用者だけ多い。

でも配達員がいない。

届かない。

加盟店だけ多い。

でも利用者がいない。

注文が来ない。

配達員だけ多い。

でも注文がない。

仕事にならない。

だから、

利用者・加盟店・配達員を同時に巨大化させる必要がある。

この三角形を大きくし続けられる企業が強いのです。


そして「後から追いつく」のが難しい

黒羽みちる

「ならmenuも広告いっぱい出して、もっと利用者増やせばよかったんじゃないッスか?」

博士知愛

「それも一つの方法。

でも広告を出すにもお金が必要だよね。」

新規ユーザー向け、

3000円分クーポン。

配達料無料。

加盟店獲得キャンペーン。

配達員ボーナス。

こうした施策を使えば、

一時的に利用者や配達員を増やせるかもしれません。

しかし、

キャンペーンをやめたあとも使ってくれるか

が重要になります。

クーポン目的の利用者ばかりなら、

広告費だけが増えてしまいます。


2020年と2026年ではゲームのルールが違う

menuがデリバリーを始めた2020年は、

新型コロナの影響で、

「外食できないから届けてもらう」

需要が急増していました。

当時は、

デリバリー対応そのものが価値になりました。

しかし2026年は違います。

利用者は、

外食できる。

テイクアウトできる。

スーパーへ行ける。

ネットスーパーもある。

Uber Eatsもある。

出前館もある。

Rocket Nowもある。

つまり、

デリバリーを使う必然性

ではなく、

デリバリーを選ぶ理由

が必要になりました。


Woltも同じ壁にぶつかった

menuだけの特殊な問題なのでしょうか。

そうとは言い切れません。

Woltも2026年2月25日、日本市場からの撤退を発表しました。

Woltはその理由について、

持続的な規模拡大と長期的な優位性を実現できると判断した地域へ投資を集中する

という方針を示し、日本でのサービスを3月4日で終了しました。 (Wolt Newsroom)

さらに過去には、

foodpandaが2022年1月に撤退。

DiDi Foodも2022年5月に終了しています。

DiDi Foodは当時、

日本市場の変化を踏まえて事業継続を検討した結果

終了すると説明していました。 (ITmedia)

つまり、

世界規模の企業でも撤退する市場

なのです。


ここで夢見ファミリー緊急企画会議

「もしmenuを続けるなら、どうする?」

【博士知愛がホワイトボード中央に大きく書く】

menu再設計会議

夢見がち学園長

「ならば我々が、menu復活の秘策を考えようではないか!」

夢見てる

「復活させられるかは別として、

『どうしたら継続しやすかったか』を考えるのは面白そう。」

黒羽みちる

「反省会だけじゃなく、

次のビジネスにつながる話にするッスね。」

博士知愛

「じゃあ条件を決めよう。

Uber Eatsより資金力が少ないとする。

その状態でどう戦う?」


アイデア① 「全国トップ」を狙わない

最初に夢見てるが手を挙げます。

夢見てる

「全国でUber Eatsと正面から戦わない。」

プラちゃん

「いきなり目標下げた!」

夢見てる

「違うって。

全部で勝とうとすると、お金がいくらあっても足りないじゃん。」

これは重要な考え方です。

全国47都道府県という広域展開は、

ブランドとしては強力です。

一方で、

地域ごとに、

加盟店。

配達員。

営業。

サポート。

マーケティング。

が必要になります。

ならば、

東京なら東京。

都市部なら都市部。

あるいは、

特定の生活圏。

に集中して、

密度を高める戦略も考えられます。


博士知愛のポイント

「広さ」より「密度」

フードデリバリーでは、

広く展開していること以上に、

一つの地域にどれだけ注文・店舗・配達員が集中しているか

が重要です。

注文が集中すれば、

配達員は効率よく複数注文をこなせます。

移動距離も短くなる可能性があります。

すると、

1注文あたりの配送コストを下げやすくなります。

つまり、

全国制覇より、地域密度トップ

という戦い方もあり得ます。


アイデア② Pontaパスをもっと中心に置く

プラちゃん

「せっかくPontaあるんやから、

もっとPontaで囲ったらええんちゃう?」

博士知愛

「それも面白い。」

menuには、

他社にない大きな武器がありました。

それが、

KDDI・Ponta経済圏

です。

ならば、

単に、

「Pontaパスなら配達料無料」

だけではなく、

menuを使うほどPontaがたまる。

ローソンで買い物するとmenuクーポンが出る。

menu注文で通信料金特典がある。

menu利用履歴からおすすめ商品を提案する。

といった形で、

経済圏全体をつなぐ

ことも考えられます。


アイデア③ 「料理」ではなく「地域の即配」を取りにいく

黒羽みちる

「フードでUber Eatsと戦うから厳しいなら、

そもそもフードだけで戦わなければいいんじゃないッスか?」

これは、menu自身も目指していた方向です。

KDDIは2023年、

menuを、

ラストワンマイル・プラットフォーム

へ進化させる構想を発表していました。 (KDDI ニュースルーム)

ならばさらに、

ドラッグストア。

コンビニ。

スーパー。

花。

文房具。

家電小物。

クリーニング。

地域店舗。

と連携し、

「近所のものならmenuで届く」

という立ち位置を作る。

Uber Eatsのコピーではなく、

地域即配OS

のような存在を目指す考え方です。


アイデア④ 高級店・専門店へ振り切る

夢見てる

「私は『至高の銘店』をもっと強くするのもありだと思う。」

価格競争で勝てないなら、

そもそも、

安さで選ばれない市場

へ行く方法もあります。

有名店。

予約困難店。

老舗。

地方の名店。

限定メニュー。

こうした料理を、

「menuでしか注文できない」

状態にする。

すると利用者が、

送料の安さではなく、

商品そのものの価値

でサービスを選びます。


博士知愛

「価格競争から降りる」も戦略

博士知愛

「競争って、

相手より安くすることだけじゃないんだよ。」

Uber Eatsが強いなら、

Uber Eatsと同じことをする必要はありません。

価格。

店舗数。

配達員数。

全国エリア。

全部で勝つのは難しい。

なら、

ここだけはmenuが一番

という一点を作る。

これを、

差別化

と呼びます。


アイデア⑤ 配達員も「顧客」として考える

博士知愛が三角形をもう一度示します。

博士知愛

「忘れがちだけど、

配達員もすごく重要なんだよ。」

menuは過去に、

配達員報酬をau PAYへ出金手数料無料で即時受け取りできる仕組みなども提供していました。 (KDDI ニュースルーム)

これは非常に面白い発想です。

配達員を単なる労働力ではなく、

プラットフォームの利用者

として考える。

たとえば、

通信料金特典。

端末補償。

保険。

自転車整備。

バッテリー交換。

飲食割引。

確定申告支援。

など、

KDDIグループのサービスと組み合わせる余地があります。


アイデア⑥ AIで配達効率を徹底的に上げる

ロボ

「AI活用ヲ提案シマス。」

博士知愛

「いいね!」

フードデリバリーの大きなコストは、

移動です。

なら、

どの配達員へ注文を割り当てるか。

どの順番で店を回るか。

どの地域に配達員が不足するか。

天候で注文がどれだけ増えるか。

料理が完成する時間と配達員到着をどう合わせるか。

こうした予測精度を高めれば、

無駄な待ち時間や移動距離を減らせる可能性があります。

AIは、

「もっと広告を出す」

だけではなく、

1注文あたりのコストを下げる

方向でも活用できます。


アイデア⑦ 「デリバリーだけで儲ける」をやめる

夢見がち学園長

「ならば発想を逆転させよう。

menu単体で利益を出す必要はあるのか?」

博士知愛

「これはKDDIだからこそ考えられる発想だね。」

menuで直接大きな利益を出すのではなく、

menuを使うことで、

Pontaパスが継続される。

au PAYが使われる。

ローソン利用が増える。

KDDI経済圏から離れにくくなる。

という効果があるなら、

menuを、

単体サービス

ではなく、

経済圏への入口

として評価する方法もあります。

ただし当然、

どこまで赤字を許容するのか、

経済圏全体への貢献がどの程度あるのか、

という厳密な検証が必要になります。


「こうしておけば必ず成功した」わけではない

ここは重要です。

今回挙げたアイデアは、

menuがこうしていれば絶対に生き残れた

という意味ではありません。

市場には、

競合の動き。

景気。

人件費。

配達員確保。

消費者行動。

技術。

株主の判断。

など、自社だけでは制御できないものがあります。

だから、

「あの施策をやれば成功したはず」

と断言するのは簡単ですが、

実際の経営はもっと複雑です。


でも失敗から「次のモデル」を考えることはできる

博士知愛

「今回大切なのは、

menuを責めることじゃないと思う。」

menuは、

テイクアウトから始まり、

デリバリー。

全国展開。

KDDIとの連携。

Pontaパス。

クイックコマース。

ラストワンマイル。

商品口コミ。

有名店。

多くのアイデアへ挑戦しました。

その一方で、

市場では、

foodpanda。

DiDi Food。

Wolt。

そしてmenu。

と撤退が続いています。 (Wolt Newsroom)

これは、

個々の企業の失敗だけでは説明しにくい構造問題

があることを示しています。


THE MEDIAとして考える

デリバリー業界の本当の課題は「便利すぎること」かもしれない

フードデリバリーは、

利用者からすると驚くほど便利です。

スマホを押すだけ。

店へ行かなくていい。

待たなくていい。

家まで届く。

しかし、

その便利さの裏では、

料理を作る人。

配達する人。

アプリを運営する人。

問い合わせへ対応する人。

システムを作る人。

加盟店を開拓する人。

非常に多くの人が動いています。

それなのに利用者は、

できれば、

送料0円

を望みます。

サービス料0円

を望みます。

店頭と同じ価格

を望みます。

ここに巨大な矛盾があります。


「便利なのに安い」は、誰かが支えている

Rocket Nowは現在、

送料・サービス料0円を強く打ち出しています。 (ロケットナウ)

Uber Eatsも価格面の改善を進めています。 (Uber)

利用者にとっては非常に良い競争です。

しかし長期的には、

その便利さを支える経済構造が成立するのか

を見る必要があります。

価格だけで競争して、

企業が撤退。

加盟店の負担が増える。

配達員報酬が下がる。

となれば、

最終的には利用者の利便性まで失われる可能性があります。


未来のデリバリーは「三方良し」が必要

実は2023年のKDDI・レアゾン・menuの発表にも、

重要な言葉があります。

利用者

配達員

加盟店

の3者が、

「三方良し」

となるプラットフォームを目指す。

というものです。 (KDDI ニュースルーム)

これは今振り返ると、

非常に本質的な目標だったと言えるでしょう。

安さだけを追うと、

加盟店や配達員へしわ寄せが行く可能性があります。

配達員報酬だけを上げれば、

利用者料金が上がる可能性があります。

加盟店手数料を下げれば、

プラットフォーム側の収益が減ります。

だから、

全員が持続できる均衡点

を探さなければならない。

これがフードデリバリー最大の課題です。


夢見ファミリー×プロラボ劇場

最後のアイデア会議

【ホワイトボードには「次世代デリバリー」と書かれている】

夢見てる

「結局さ、

一番安いサービスを作るだけじゃダメなんだね。」

黒羽みちる

「利用者だけ満足しても続かない。

配達員だけでもダメ。

店だけでもダメッス。」

プラちゃん

「会社も利益出さんと続けられへんしな。」

ロボ

「四者良シ、必要。」

博士知愛

「そうだね。

実際にはプラットフォーム運営会社まで含めたら、

四者が続けられる仕組みが必要だね。」

夢見がち学園長

「ならば次世代のデリバリーとは、

最安値を競う者ではなく――

皆が生き残れる構造を作った者が勝者となる!」

夢見てる

「今日はまともなこと言った。」

学園長

「今日は!?」


博士知愛のまとめ

博士知愛

「menuが終了する理由を、

『Uber Eatsに負けたから』

だけで考えると、本質を見失うよ。」

KDDIという巨大企業。

Ponta。

au PAY。

全国規模の展開。

独自機能。

ラストワンマイル構想。

それだけの武器があっても、

フードデリバリーという事業を長期間成立させるのは難しかった。

そして同じ市場では、

foodpanda。

DiDi Food。

Wolt。

といったサービスも撤退しています。 (Wolt Newsroom)

一方、

Uber Eatsは規模を拡大しながら黒字化を公表し、

Rocket Nowは価格を武器に急成長しています。 (ロケットナウ)

だから、

今回のmenu終了から学べるのは、

「もっと広告を出せばよかった」

という単純な話ではありません。

重要なのは、

どの市場で戦うのか。

誰に選ばれるのか。

価格以外に何を武器にするのか。

一注文あたりの経済性をどう改善するのか。

そして、

利用者・加盟店・配達員・運営企業の全員が続けられる仕組みをどう作るのか。

ということです。


THE MEDIAとしての結論

2023年、

menuは、

「国内市場トップ」

を目指しました。

そして、

「ラストワンマイル・プラットフォーム」

という未来まで描いていました。 (KDDI ニュースルーム)

それは決して小さな構想ではありません。

むしろ、

現在のUber Eatsなどが目指している、

料理だけではなく、生活に必要なものを短時間で届けるインフラ

という未来を、menuも描いていたことになります。

しかし、

未来を描けることと、

その未来まで事業を続けられることは別です。

市場が変わる。

競合が変わる。

価格競争が激しくなる。

ユーザーの期待値が上がる。

そして企業は、

限られた経営資源をどこへ投じるか判断しなければなりません。

menu終了を、

「失敗したから終わった」

だけで終わらせるのではなく、

「次のサービスなら、どうすれば持続できるのか」

まで考える。

そこに、このニュースを深掘りする意味があります。

もしかすると次のデリバリーサービスで重要になるのは、

配達料0円

でも、

クーポン○千円

でもないのかもしれません。

地域を限定する。

商品を限定する。

経済圏と結びつける。

AIで配送効率を上げる。

配達員を支える。

地域店舗のインフラになる。

そうした複数の仕組みを組み合わせ、

「安いから使う」から「この仕組みだから使う」へ変えられるか。

それこそが、

menuの挑戦の先にある、

次世代デリバリーの答え

なのかもしれません。


なぜフードデリバリー市場はここまで厳しいのか?

――利用者の声から考える“便利なのに儲からない”市場の正体

フードデリバリーは、私たちの生活を大きく変えました。

スマートフォンを開く。

店を選ぶ。

料理を選ぶ。

数十分後には、自宅へ料理が届く。

とても便利です。

ところがその一方で、日本市場では撤退が相次いでいます。

foodpanda。

DiDi Food。

Wolt。

そして2026年9月には、menuもサービスを終了します。

では、なぜこれほど便利で、一定の需要も存在するサービスなのに、事業として続けることが難しいのでしょうか。

今回のTHE MEDIAでは、

価格

配達網

巨大プラットフォーム

新規参入

コロナ後の消費行動

という5つの視点に加えて、

主婦・子育て世帯。

高所得層。

経営者・ビジネスパーソン。

外国人・海外経験者。

など、異なる立場から見た「フードデリバリーの価値」も考えていきます。

なお、これから登場する利用者のセリフは、特定の個人へのインタビューではありません。

2026年の利用実態調査などを参考に、

それぞれの利用者像から想定される声を再構成したもの

です。

実際の2026年調査では、フードデリバリー経験者は30代・40代が中心で、ファミリー世帯が半数以上。利用頻度は「月に数回」、利用場面では「外出が面倒なとき」が最多となっています。別調査でも、利用上の大きな壁として店舗との価格差や料金の高さが挙げられています。 (iid)


夢見ファミリー×プロラボ劇場

「便利なのに、なんでみんな撤退するの?」

【スクランブル研究所。ホワイトボードには「フードデリバリー市場」と書かれている】

夢見てる

「Uber Eatsとか普通に使ってる人いるじゃん。

需要がないわけじゃないよね?」

黒羽みちる

「それなのにWoltも撤退して、menuも終了ッス。」

プラちゃん

「需要あるんやったら、儲かりそうやけどなあ。」

博士知愛がホワイトボードへ一言書きます。

「需要がある」≠「儲かる」

博士知愛

「ここが今日のポイントだよ。」

実際、宅配飲食サービス業全体の売上は消えているわけではありません。

東京商工リサーチによると、比較可能な127社の2025年売上高合計は約1兆1408億円で、4期連続増収でした。

しかし利益は前年から23%減少しています。

つまり市場には需要があっても、

売上が増えることと、利益が増えることは別問題

なのです。 (株式会社東京商工リサーチ)


理由1

「便利だけど高い」という最大の壁

フードデリバリーを利用すると、

料理そのものの料金だけでは済まない場合があります。

商品価格。

配達料。

サービス料。

少額注文手数料。

さらに店頭価格より商品価格が高く設定されているケースもあります。

すると、

店なら1000円程度で食べられる料理が、

最終的には1500円前後、場合によってはそれ以上になることもあります。

2026年6月の利用実態調査でも、フードデリバリー利用の障壁として店舗との価格差が大きく、利用経験者の約7割が料金の高さに不満を持つという結果が報告されています。 (インパクトフィールド)


主婦・子育て世帯から見たフードデリバリー

【研究所に「利用者の声」というボードが追加される】

想定される声

子育て中の利用者

「子どもが熱を出した日とか、買い物へ行けないときは本当に助かります。

でも4人家族で頼むと結構な金額になる。

便利だから毎日というより、

今日はどうしても無理という日に使う

感じですね。」

これは現在の利用実態とも重なります。

2026年の調査では、フードデリバリー経験者の居住形態でファミリー世帯が最多でした。

一方、利用頻度として多いのは「月に数回」。

つまり、

生活インフラとして必要な瞬間はあるが、毎日使うには価格が高い

という構造が見えてきます。 (iid)

夢見てる

「これ、すごく分かる。

便利だから使わないんじゃなくて、

便利だけど毎日は高いんだ。」

博士知愛

「そうなの。

ここが企業側には難しい問題なんだよ。」

利用頻度を増やそうとすれば、

配達料無料。

クーポン。

割引。

サブスク。

などが必要になります。

でも割引を増やせば、

当然ながら企業側の利益は減ります。


博士知愛のわかりやすく説明

「安くしないと使われない。でも安くすると儲からない」

博士知愛がホワイトボードへ書きます。

高い

利用頻度が下がる。

注文数が増えない。

そこで値下げ。

利用者が増える。

しかし、

利益率が下がる。

博士知愛

「これがフードデリバリーの難しいループなんだよ。」

Uber Eatsもこの問題を認識しており、2026年3月から全国約1万8000店舗でアプリ上の商品価格を実店舗と同じにする「お店と同じ価格」を開始しました。

Uber自身も、消費者が価格差へ敏感になっていることを説明しています。 (Uber)

つまり最大手でさえ、

「デリバリーは高い」というイメージ

と戦っているのです。


理由2

配達網は「規模」が大きいほど強くなる

フードデリバリーには、

ネットワーク効果

があります。

利用者が増える。

注文が増える。

配達員が仕事を得やすくなる。

配達員が増える。

配達時間が短くなる。

便利になる。

加盟店が増える。

さらに利用者が増える。

という循環です。

この逆も起こります。

利用者が少ない。

注文が少ない。

配達員が稼ぎにくい。

配達員が減る。

配達員が見つかりにくくなる。

到着時間が延びる。

利用者が使わなくなる。

こうなると、

規模が縮小するほどサービス品質まで悪化する

可能性があります。


経営者・ビジネスパーソンから見た価値

想定される声

会社経営者

「昼食に1時間使うより、仕事を続けながら届けてもらったほうがいい。

500円余計に払っても、

その30分で仕事が進むなら安いと思います。」

ここでは一般家庭とは少し違う考え方が登場します。

重要なのは、

料理の値段ではなく、時間の値段

です。

30分外出して、

店を探して、

注文して、

戻ってくる。

その時間を仕事や休息へ使えるなら、

追加料金を許容できる人もいます。


博士知愛

「同じ1500円でも、高い人と安い人がいる」

博士知愛

「経済ではね、

同じ商品の値段でも、人によって価値が違うんだよ。」

たとえば、

1000円の料理を1500円で届けてもらう。

ある人には、

「500円も高い」

と感じます。

しかし、

30分の時間を500円で買えるなら安い、

と考える人もいます。

つまり、

フードデリバリーの価格許容度は所得だけではなく、時間価値にも左右されます。

ここに市場を細かく分けて考えるヒントがあります。


富裕層から見たフードデリバリー

想定される声

高所得の利用者

「100円、200円の配達料より、

欲しい料理があるか、

きちんと時間通り届くか、

質が保たれているかのほうが重要ですね。」

この層では、

「最安値」が必ずしも第一条件ではありません。

むしろ、

品質。

限定性。

有名店。

予約困難店。

時間指定。

信頼性。

といった価値が重要になります。

ここは、かつてmenuが展開していた、

「至高の銘店」

のような企画とも相性がいい領域です。


夢見てるの疑問

「じゃあ高級路線にすればよかった?」

夢見てる

「値下げ競争がきついなら、

高い料理だけ運べばよくない?」

博士知愛

「戦略としてはありだよ。

でも別の問題が出てくる。」

高級料理を頼む利用者は、

単価が高くなる可能性があります。

しかし、

利用頻度や対象ユーザーは少なくなります。

つまり、

単価を取るか、注文量を取るか

という選択が必要になります。

ただし、

Uber Eatsと同じ市場で全部を取りに行くより、

「ここだけは強い」

という市場を作ることは重要です。


理由3

すでに巨大化したUber Eatsと戦う必要がある

2026年の日本市場で大きな壁になるのが、

Uber Eatsです。

Uber Eatsは日本事業について、

2023年から2025年まで3年連続黒字

2026年1月には過去最高売上だったと公表しています。

さらに価格面でも、「お店と同じ価格」を全国約1万8000店舗から開始しています。 (Uber)

これは非常に重要です。

以前なら、

「赤字を覚悟して大量投資している巨大企業」

との戦いだったかもしれません。

しかし現在は、

大規模なネットワークを作り、そのうえで黒字化していると公表する企業

と競争しなければなりません。


博士知愛のわかりやすく説明

「強い人がさらに強くなる市場」

博士知愛

「100人いるサービスと、1万人いるサービスなら、

ただ人数が100倍違うだけじゃないんだよ。」

利用者が多いから店が集まる。

店が多いから利用者が集まる。

利用者が多いから配達員も集まりやすい。

この循環によって、

規模そのものが競争力

になります。

後発企業は、追いつくために、

大量の広告。

クーポン。

配達員へのインセンティブ。

加盟店への営業。

が必要になります。

つまり、

追いつくためにもお金がかかる

のです。


理由4

Rocket Nowが「価格競争」をさらに進めた

さらに2025年、日本市場へRocket Nowが参入しました。

Rocket Nowは、

送料0円

サービス料0円

サブスク不要

という非常に分かりやすい料金戦略を打ち出しています。

こうした競争が進むと、

利用者の基準そのものが変わります。

以前なら、

「デリバリーだから多少高いのは仕方がない」

だったものが、

「送料って払う必要あるの?」

へ変わっていきます。

これは市場全体にとって非常に大きな変化です。


プラちゃん

「無料に慣れると、有料に戻れへん?」

プラちゃん

「一回送料無料に慣れたら、

『配達料500円です』

って言われたら高く感じるよな。」

博士知愛

「そう。

これを消費者の基準点が変わる、と考えることもできるね。」

つまり競合の無料戦略は、

そのサービスだけの問題ではありません。

市場全体の価格期待を下げる

ことになります。

その結果、

中堅サービスは、

価格を下げないと選ばれない。

でも下げると利益が出にくい。

という状況に追い込まれます。


理由5

コロナ特需が終わり、「必要」から「選択」へ

2020年前後は特殊な時代でした。

外出できない。

店で食事できない。

営業時間も短い。

そこで、

「食べるためにデリバリーが必要」

という人が増えました。

しかし現在は、

外食。

テイクアウト。

スーパー。

コンビニ。

ネットスーパー。

デリバリー。

など、多数の選択肢があります。

つまり、

「使わなければ困る」

から、

「便利なら使う」

へ戻ったわけです。

市場自体が消滅したわけではありません。

一部の推計では、日本のフードデリバリー市場は2023年にコロナ前の2019年比で2倍超の規模になった一方、2024年には縮小し、2025年は再び小幅成長だったとされています。つまり、爆発的成長期から成熟期へ移ったと見ることができます。 (Dining and Cooking)


海外層・外国人利用者から見たフードデリバリー

ここで少し違う視点も考えてみましょう。

想定される声

海外から日本へ来た利用者

「アプリだけで注文できるのは便利。

電話で日本語を話さなくていいし、

住所と決済情報を登録すれば注文できる。

でも、自分が使っている海外のアプリと日本で強いサービスが違うと迷います。」

フードデリバリーには、

言語の壁を下げる

という価値もあります。

飲食店へ電話する必要がない。

細かい日本語を話さなくても注文できる。

写真を見て選べる。

キャッシュレス決済できる。

観光客や外国人居住者にとって、

これは大きな利便性です。

一方で、

世界展開するUberのようなブランドは、

海外で使った経験をそのまま日本でも利用できる

という強みがあります。


黒羽みちる

「世界共通ブランドって、それだけで強いッスね」

黒羽みちる

「海外でUber使ってる人なら、

日本でもとりあえずUber開く可能性高いッスよね。」

博士知愛

「そう。

これもネットワーク効果とは別の、

ブランドの持ち運び

という強さなんだよ。」

日本だけで戦うサービスは、

日本の利用者には強くても、

訪日外国人などへの認知では世界ブランドに不利になる可能性があります。


では利用者は何を求めているのか?

ここまで見ると、

「利用者」という言葉で一括りにはできないことが分かります。

子育て世帯なら、

外出できないときの生活支援。

忙しい経営者なら、

時間短縮。

高所得者なら、

品質や選択肢。

外国人利用者なら、

言語を超えて注文できる分かりやすさ。

一人暮らしなら、

買い物や調理をしなくていい手軽さ。

同じデリバリーでも、

求めている価値が違うのです。


ここで夢見ファミリー緊急会議

「次のフードデリバリーなら、どう作る?」

【ホワイトボードに「NEXT DELIVERY」と表示される】

夢見がち学園長

「ならば我々で、次世代デリバリーを設計しようではないか!」

夢見てる

「また始まった。」

博士知愛

「でも今回は、

利用者別に考えてみよう。」


アイデア1

子育て家庭向け「生活レスキュー・デリバリー」

夢見てる

「主婦とか子育て家庭なら、

ご飯だけじゃなくて、

今日必要なもの全部

を届けられたら強くない?」

たとえば、

夕食。

牛乳。

紙おむつ。

離乳食。

風邪の日の飲料。

ティッシュ。

洗剤。

こうしたものを、

複数店舗をまたいで一回で届ける。

つまり、

フードデリバリーではなく、生活レスキューサービス

にする発想です。


アイデア2

富裕層向け「プレミアム配送」

黒羽みちる

「価格競争から降りるなら、

富裕層向けもありッス。」

予約困難店。

ホテル。

高級寿司。

ワインに合う料理。

専用配送。

時間指定。

温度管理。

食器レンタル。

まで含める。

「配達」ではなく、

自宅へレストラン体験を届ける

サービスです。


アイデア3

経営者向け「時間を買うデリバリー」

博士知愛

「経営者や忙しい人なら、

料理以外も時間短縮できるといいよね。」

ランチ。

コーヒー。

書類。

充電器。

文房具。

薬局商品。

クリーニング。

こうしたものをまとめて、

仕事を止めないための即配サービス

にする。

「料理を届ける」より、

30分を取り戻す

ことを売るわけです。


アイデア4

外国人向け「Japan Local Delivery」

プラちゃん

「外国の人なら、

日本のお店を探せるようにしたらええんちゃう?」

多言語対応。

料理の説明。

アレルギー情報。

ハラール・ベジタリアン表示。

日本独特のメニュー解説。

観光スポットへの配送。

ホテル受け取り。

これらを組み合わせる。

ただ届けるだけではなく、

日本の食文化へアクセスする入口

にするアイデアです。


アイデア5

AIが「何を食べる?」まで考える

ロボ

「AI推薦機能。」

博士知愛

「これはかなりありそう!」

今のデリバリーでは、

大量の店舗から自分で選びます。

でも、

仕事で疲れた。

何を食べたいか分からない。

昨日はラーメンだった。

予算は1500円。

20分以内がいい。

そんな条件をAIへ伝えると、

今日の候補を3つだけ提案する。

さらに、

健康志向。

家族人数。

過去注文。

天気。

気温。

時間。

などを考慮する。

つまり、

配送アプリから食事コンシェルジュへ

進化させるアイデアです。


アイデア6

「最安値」ではなく「納得価格」

夢見てる

「無料競争をやめる方法ってないの?」

博士知愛

「料金の理由を見せるのはどうかな。」

たとえば1500円の注文なら、

料理代。

店舗への支払い。

配達員報酬。

サービス運営費。

が分かる。

すべてを細かく公開する必要はありませんが、

なぜこの料金なのか

を見せる。

すると、

「謎の500円」

ではなく、

便利さへ支払っている500円

として理解してもらえる可能性があります。


アイデア7

地域で循環するデリバリー

プラちゃん

「地域限定もええと思うで。」

全国一律ではなく、

一つの市区町村へ集中する。

地域の飲食店。

八百屋。

スーパー。

書店。

薬局。

花屋。

クリーニング店。

と連携。

配達員も地域の中で稼働する。

注文密度が高まれば、

移動距離を短縮できる可能性があります。

これは、

全国トップではなく、地域密度トップ

を狙う考え方です。


博士知愛が考える最終案

次世代デリバリーは「全員に同じサービス」をやめる

【博士知愛がホワイトボードに大きく書く】

PERSONAL DELIVERY

博士知愛

「もしかすると、

これからのデリバリーって、

全員に同じサービスを売る必要がないのかもしれない。」

子育て世帯には、

生活支援。

経営者には、

時間短縮。

富裕層には、

プレミアム体験。

外国人には、

言語と文化のサポート。

高齢者には、

買い物支援。

一人暮らしには、

少量注文。

それぞれ違う価値を提供する。


「料理を届ける会社」から

「困りごとを届けて解決する会社」へ

これが今回の議論で出てきた、一つの方向性です。

フードデリバリー企業が、

「料理をいかに安く届けるか」

だけを競えば、

最終的には資本力勝負になりやすくなります。

しかし、

誰の、どんな困りごとを解決するのか

まで掘り下げれば、

新しい市場を作れる可能性があります。


THE MEDIAとして考える

フードデリバリー市場が厳しい本当の理由

この市場が厳しいのは、

需要がないからではありません。

むしろ需要があります。

だから競争が激しい。

そして、

利用者が求める水準がどんどん高くなっています。

早い。

安い。

店と同価格。

送料0円。

多くの店から選べる。

日用品も届く。

これだけのサービスを要求しながら、

その裏では、

配達員。

加盟店。

システム。

サポート。

広告。

決済。

物流。

という現実のコストが発生します。

東京商工リサーチの調査でも、宅配飲食サービス業は売上を伸ばしながら利益が大きく減少しています。 (株式会社東京商工リサーチ)

つまりこの市場の問題は、

売れないことではなく、便利さを利益へ変えることが難しい

ところにあります。


夢見ファミリー×プロラボ劇場

最後の話し合い

夢見てる

「最初は、

高いからみんな使わないのかなって思ってた。」

黒羽みちる

「でも使いたい理由は結構あるッス。」

プラちゃん

「子育て、仕事、病気、雨の日、外国から来た人。

いろんな人に便利やもんな。」

博士知愛

「そう。

だから問題は、

『必要か必要じゃないか』

だけじゃないんだよ。」

夢見がち学園長

「必要とされながら、事業として成立させる。

そこが真の試練ということか……。」

ロボ

「持続可能性、重要。」

博士知愛

「うん。

次の勝者は、

一番安い会社とは限らないと思う。」

利用者が納得できる。

加盟店が利益を残せる。

配達員が働き続けられる。

そして運営会社も利益を確保できる。

この4者が同時に続けられる仕組み。

それを作れる企業が、

本当の意味でフードデリバリーを、

生活インフラ

へ変えていくのかもしれません。


コラムまとめ

「デリバリーは高い」の向こう側を見る

利用者からすると、

フードデリバリーは高く感じます。

これは決して間違いではありません。

実際、2026年の調査でも料金の高さは大きな不満として現れています。 (インパクトフィールド)

しかし、

「なぜ高いのか」

まで見ると、

その裏には、

人が料理を運ぶという物理的なコストがあります。

だから未来のデリバリーに必要なのは、

単純な値下げだけではありません。

AIで効率化する。

地域を絞る。

利用者ごとに価値を変える。

食事以外も届ける。

高級体験を売る。

時間そのものを商品にする。

外国人の言語障壁をなくす。

子育て世帯の生活支援にする。

そうやって、

「安いデリバリー」ではなく、「払う理由があるデリバリー」

を作る。

menuの終了やWoltの撤退は、

フードデリバリーの時代が終わることを意味するのではありません。

むしろ、

「料理を届けるだけ」の時代が終わり始めている

というサインなのかもしれません。

次のデリバリー市場では、

誰に、何を、なぜ届けるのか。

そこまで設計できるサービスが求められていくのではないでしょうか。


menuは本当に赤字だったのか?

――完全子会社化、Pontaパス終了、そして9月30日までに何が起こるのか

2026年8月19日、KDDIはフードデリバリーサービス「menu」の終了と、運営会社であるmenu株式会社の解散・清算を正式に発表しました。

サービス終了日は、

2026年9月30日。

しかし、このニュースを見ていると、一つの疑問が浮かびます。

「結局、menuは赤字だったから終わるの?」

そしてもう一つ、不思議な動きがあります。

KDDIはサービス終了直前の2026年8月31日に、レアゾン・ホールディングスが持つmenu株式を取得し、

menuを完全子会社化する予定

です。

「終わる会社を、なぜわざわざ100%子会社にするのか?」

さらに、

Pontaパス。

menu pass。

menuスマートパス。

オンラインクレーンゲーム「たこやきパーティー」。

これら関連サービスも順次終了していきます。

今回は、

menuは本当に赤字だったのか。

なぜ完全子会社化してから終了するのか。

利用者は何を確認するべきなのか。

そして、

2026年9月30日まで、さらにその後に何が起こるのか。

事実と分析を分けながら深掘りしていきます。


「menuは赤字だったから終了した」は本当?

最初に結論です。

現時点では、

「menuが○○億円の赤字だったため終了した」

という公式説明は確認できません。

KDDIが正式に説明しているのは、

フードデリバリー市場を取り巻く競争環境の変化

と、

今後の事業見通し

を総合的に検討した結果、サービス終了を決定したということです。KDDIはmenuの終了に加え、会社自体を解散・清算する方針も正式に発表しています。 (KDDI ニュースルーム)

つまり、

「赤字だったから潰れた」

という言い方は、2026年8月19日時点では断定しすぎです。


では、利益が出ていた可能性もあるの?

ここも慎重に考える必要があります。

公式が具体的な最新損益を示していない以上、

「黒字だった」

とも、

「大赤字だった」

とも断定できません。

ただし、サービス終了という最終判断まで進んだ以上、

少なくともKDDIが、

今後さらにmenuへ資金・人材・時間を投入して成長させるだけの事業価値を見いだせなかった

と考えることはできます。

これは、

「今この瞬間に赤字か黒字か」

よりも、

将来の投資対効果

の問題です。


博士知愛のわかりやすく説明

赤字じゃなくても事業は終わることがある

【スクランブル研究所。博士知愛がホワイトボードに「現在」と「未来」と書く】

博士知愛

「会社ってね、

今年儲かったかだけで事業を判断してるわけじゃないんだよ。」

夢見てる

「黒字なら続ければよくない?」

博士知愛

「たとえばね。

今年1億円儲かるサービスがあるとするでしょ?」

でも、そのサービスを維持するために今後、

システム更新。

広告。

人材採用。

配達網強化。

価格競争。

で10億円の追加投資が必要になる。

一方、別の事業へその10億円を使えば、

もっと大きな成長が期待できる。

その場合、

今は利益が出ていたとしても撤退する

という判断はあり得ます。

博士知愛

「企業が見ているのは、

『今儲かってる?』

だけじゃなくて、

『これからここへ投資する価値がある?』

なんだよ。」


「経営資源の最適配分」とは何なのか

KDDIの今回の判断を理解するうえで重要になるのが、

経営資源

という考え方です。

経営資源とは、

お金だけではありません。

人。

技術。

時間。

ブランド。

顧客基盤。

システム。

経営陣の判断力。

これらもすべて有限です。

KDDIには、

通信。

金融。

決済。

Ponta。

ローソンとの連携。

DX。

AI。

データセンター。

エネルギー。

など、多数の事業があります。

つまり、

menuへ投資を続けるということは、

他の成長分野へ投資できたはずの資金や人材をmenuへ使う

ということでもあります。

だから企業は常に、

「どの事業へ資源を配分すると、企業全体が最も成長できるのか」

を考えます。


夢見ファミリー×プロラボ劇場

「赤字だった?」より重要な質問

黒羽みちる

「つまり、

『menu赤字だったんスか?』

だけ聞いても、答えの半分しか見えないってことッスね。」

博士知愛

「そう!

本当に聞きたいのは、

『これからmenuへ投資を続ける合理性があったのか』

なんだよ。」

プラちゃん

「未来に期待できるなら赤字でも続ける。

未来が厳しいなら黒字でもやめることある。

そういう話やな。」

博士知愛

「その理解が近いね。」


ではなぜ、終了するmenuを完全子会社化するのか?

ここが今回の発表でも特に興味深いところです。

KDDIとレアゾン・ホールディングスは、これまで共同でmenuを運営してきました。

しかしKDDIは、

2026年8月31日

にレアゾンが保有するmenu株式をすべて取得し、

menuを完全子会社化する予定です。

そして、

9月30日にサービス終了。

サービス終了後には、

menu株式会社を解散・清算。

という流れになります。 (Impress Watch)


「買収して育てる」のではない

一般的に完全子会社化というニュースを見ると、

「事業を強化するのかな?」

と思います。

しかし今回は逆です。

KDDI自身が説明しているように、

サービス終了に伴う各種対応を円滑に進めるため

の完全子会社化です。 (Impress Watch)

つまり、

終了作業の責任主体を一本化する

という意味合いが強いと考えられます。


博士知愛のわかりやすく説明

二人で閉店するより、一人の責任者を決める

【博士知愛がホワイトボードに「KDDI」「レアゾン」と書く】

博士知愛

「たとえば二つの会社で共同経営しているお店を閉めるとするよ。」

利用者への返金は誰が判断する?

店舗への支払いは?

配達員への連絡は?

契約書は?

会社に残った資産は?

問い合わせ窓口は?

夢見てる

「二社で毎回相談するの、大変そう。」

博士知愛

「そう。

だから最後の処理を担当する会社を一つにしておくと、

意思決定を整理しやすくなるんだよ。」

KDDIが完全子会社化した後は、

利用者。

加盟店。

配達員。

取引先。

契約。

資産・債務。

といった関係を整理し、解散・清算手続きを進めることになります。


「解散」と「清算」は同じではない

ここもニュースでは混同しやすいところです。

menu株式会社は、

9月30日にサービスが終わった瞬間、

会社そのものが消えるわけではありません。

まず、

事業を終了する。

その後、

会社を解散する。

さらに、

残っている資産や負債、契約関係などを整理する、

清算

という手続きへ進みます。

KDDIも、解散・清算はサービス終了後に行う予定としています。 (ケータイ Watch)

つまり2026年9月30日は、

menuというユーザー向けサービスの終了日

であって、

法人としてのすべての手続きがその日に終わるわけではありません。


Pontaパスのmenu特典はどうなる?

利用者にとって、ここは実務的に重要です。

menu終了と同時に、

Pontaパスのmenu関連特典

も終了します。

menu側の案内では、

2026年9月30日

をもって、

Pontaパスの、

配達料無料

クーポン

といったmenu向け特典を終了するとしています。

ここで注意したいのが、

クーポン自体の表示上の有効期限

です。


「10月まで有効」と書いてあっても使えない可能性

たとえば、

「2026年10月15日まで有効」

というmenuクーポンを持っていたとしても、

menu自体が9月30日に終了すれば、

それ以降は注文に利用できません。

つまり、

クーポンに書かれた期限より、サービス終了日が先に来る

場合があります。

menu側も、10月1日以降の期限が設定されている対象クーポンについて、サービス終了に合わせて利用終了になると案内しています。


プラちゃんのひとこと

プラちゃん

「クーポンあるから10月に使おう!

って置いといたらアカンってことやな。」

博士知愛

「そう。

menuを使う予定があるなら、

クーポンの期限だけじゃなく9月30日も見る

必要があるよ。」

さらに、地域によっては配達品質維持が難しくなった場合、9月30日より前に注文受付を終了する可能性もあります。

したがって、

「9月30日に使えばいい」

とギリギリまで待つより、

早めに確認しておいたほうが安全です。


menu pass・menuスマートパスはどうなる?

menu独自の定額サービスについても、

終了準備に入ります。

案内では、

2026年9月1日以降、自動更新を行いません。

8月31日までに開始した契約は、

契約した1か月間を満了した時点で順次終了します。

ここはサービス終了の仕組みとして非常に重要です。


なぜ自動更新を止めるのか?

もし9月10日に1か月契約を新しく更新してしまえば、

本来なら10月10日まで使えることになります。

しかしmenuは9月30日に終了します。

すると、

利用できない期間の契約が生まれてしまいます。

そこで、

新しい契約を増やさない。

既存契約だけ満了させる。

サービス終了へ向かう。

という形になります。

これは、

サービスを段階的に縮小していく、

典型的な終了プロセスです。


博士知愛

サービスは突然消えるのではなく「入口から閉じていく」

博士知愛

「サービス終了ってね、

いきなり全部の電源を切るんじゃないんだよ。」

新規契約を止める。

予約注文を止める。

通常注文を止める。

サポートだけ残す。

返金や支払いを処理する。

契約を整理する。

会社を清算する。

こうして、

外側から順番に閉じていく

イメージです。


オンラインクレーンゲーム「たこやきパーティー」も終了

menuには、

デリバリーサービスとしては少し珍しい、

オンラインクレーンゲーム「たこやきパーティー」

という関連コンテンツもありました。

menuでは、

注文とエンターテインメントを組み合わせる取り組みも続けており、2025年にもDAZNとのコラボなどを実施していました。 (プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES)

「たこやきパーティー」についても、

原則として、

9月30日終了予定

です。

ただしサービス品質の維持が難しい場合には、早めに終了する可能性も案内されています。


チケット・コインより重要なのが「景品発送」

もしゲーム内に、

コイン。

チケット。

獲得済み景品。

が残っている場合、

特に注意したいのが、

獲得景品の発送手続き

です。

遊び終わっていても、

発送申請をしていなければ、

景品が自動的に届くとは限りません。

そのため、

ゲームを利用している人は、

残高だけでなく、

未発送景品が残っていないか

も確認する必要があります。


では、これから9月30日まで何が起こる?

ここからは、

公式に発表されているスケジュールと、

サービス終了一般の動きから考えられることを分けて整理します。

まず確定している大きな流れは、

8月31日

KDDIによる完全子会社化予定。

9月1日以降

menu pass・menuスマートパスの自動更新停止。

9月23日20時

予約注文受付終了。

9月30日20時

通常注文受付終了。

9月30日

menuサービス、Pontaパス関連特典、原則「たこやきパーティー」終了。

そしてその後、

menu株式会社の解散・清算。

という流れです。 (Impress Watch)


ここから起こる可能性①

利用者が他社へ移動する

最も分かりやすい変化です。

menuを定期的に利用していた人は、

Uber Eats。

出前館。

Rocket Now。

などへ移る可能性があります。

これにより、

9月から10月にかけて、

競合各社がmenu利用者を取り込むため、

クーポン。

初回特典。

乗り換え施策。

広告。

などを強化する可能性があります。

ただし、2026年8月19日時点で各社から大規模な「menu利用者向け移行キャンペーン」が正式発表されたという確認はまだありません。

ここは、

これから注目すべき部分

です。


ここから起こる可能性②

配達員が他のプラットフォームへ移る

menuで働いていた配達員も、

サービス終了後はmenuでは仕事ができません。

そのため、

Uber Eats。

出前館。

Rocket Now。

などへ稼働先を移す人が出てくるでしょう。

すると他社では、

配達員数が増える可能性があります。

ただし、

配達員が増えれば必ず全員が稼ぎやすくなるわけではありません。

注文数が同じまま配達員だけ増えれば、

一人当たりの仕事量が減る

可能性もあります。


ここから起こる可能性③

加盟店も移行先を選ぶ

飲食店も同じです。

menuから注文を得ていた店舗は、

menu終了後、

Uber Eats。

出前館。

Rocket Now。

自社デリバリー。

テイクアウト。

などへ注文導線を移す必要があります。

複数サービスを併用している店舗なら影響は限定的かもしれません。

しかし、

menuに依存していた店舗では、

新しい販売チャネルを早めに確保する必要があります。


ここから起こる可能性④

終了直前にサービス品質が変化する

これは利用者側で特に注意したい部分です。

menu自身が、

配達品質を維持することが難しいと判断した場合、

一部エリアで9月30日より前に受付終了する可能性

を明記しています。

なぜなら、

終了が近づくほど、

配達員が別サービスへ移る。

加盟店が掲載を終了する。

注文数が減る。

といった変化が起こる可能性があるためです。


博士知愛

「終了まで営業」するのも簡単じゃない

夢見てる

「サービスを終えるだけでも大変なんだね。」

博士知愛

「フードデリバリーは特に大変だと思うよ。」

アプリだけなら、

サーバーを動かしていれば提供できます。

でもデリバリーでは、

店。

配達員。

利用者。

の三者が必要です。

どれか一つが急激に減ると、

サービス品質を維持できません。

だから最後まで、

注文量と配達能力のバランス

を見る必要があります。


ここから起こる可能性⑤

競争は「menuの顧客争奪戦」へ

menuが市場から消えるということは、

menuが持っていた、

利用者。

加盟店。

配達員。

注文。

が消滅するわけではありません。

その多くは、

別のサービスへ移動する

可能性があります。

つまり競合から見ると、

これは市場縮小であると同時に、

顧客獲得の機会

でもあります。

Uber Eats。

出前館。

Rocket Now。

どこがmenuのユーザーを最も獲得するのか。

これは今後の市場シェアにも影響する可能性があります。


そしてKDDIは何をする?

もう一つ大きなポイントが、

KDDIがmenuの終了後に何へ経営資源を振り向けるのか

です。

今回KDDIは、

競争環境と今後の事業見通しを踏まえてmenu終了を決定しました。 (Impress Watch)

ということは、

menuへ投入していた、

資本。

人員。

事業開発力。

顧客接点。

を、

別の領域へ配分することになります。

その行き先が、

AIなのか。

Ponta経済圏なのか。

ローソンとの連携なのか。

金融なのか。

物流の別モデルなのか。

2026年8月19日時点では、

「menuの代わりとしてこの新サービスを始める」

という発表は確認できません。

ここも今後の重要な観察ポイントです。


Pontaパスからmenuが消える意味

menu終了は、

menu利用者だけの話でもありません。

これまでPontaパスは、

menuの配達料無料など、

リアルな生活サービスとの連携

を一つの価値としていました。

menuがなくなることで、

Pontaパス側は、

その特典価値を何らかの形で補うのか。

別のデリバリーサービスと連携するのか。

ローソンや他の生活サービスへ特典を集中するのか。

という問題が出てきます。

2026年にはPontaパスでローソンやau PAYを使った還元施策なども展開されています。 (ケータイ Watch)

menuが抜けたあと、

KDDIがPonta経済圏の生活サービスをどう再設計するのか

も注目です。


夢見ファミリー×プロラボ劇場

「menu終了後」を予想してみる

【ホワイトボードに「10月1日から何が変わる?」】

夢見がち学園長

「menuが消えれば、その需要を巡る新たな争奪戦が始まるというわけか。」

黒羽みちる

「Uber Eats、出前館、Rocket Now。

どこが取るかッスね。」

夢見てる

「でもKDDIがデリバリー自体をもうやらないって決まったわけじゃないよね?」

博士知愛

「そこは大事。

今発表されているのは、

menuを終了する

ということ。

『KDDIは永久にラストワンマイル事業をやらない』

と発表したわけではないよ。」

もしかすると将来、

自前で配達網を持つのではなく、

他社との提携。

ローソン店舗網。

AI物流。

既存配送網。

などを活用した別モデルが出てくる可能性もあります。

ただし、

これは現時点ではあくまで可能性です。


「終了したから失敗」で終わらせてはいけない

menuは2019年にテイクアウトから始まり、

2020年にフードデリバリーへ。

KDDIと提携。

Ponta。

au PAY。

ローソン。

日用品。

高級店。

クイックコマース。

ラストワンマイル。

さまざまな取り組みに挑戦しました。

2026年1月にも、menuではローソンとのPontaポイント還元キャンペーンなどが行われていました。 (プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES)

つまり、

ほんの数年前から放置されていたサービスが静かに消える、

という話ではありません。

直近までキャンペーンやサービス強化が続いていた中で、

最終的に撤退判断が下された。

ここに今回のニュースの重さがあります。


THE MEDIAとして見るべき「これからの5つ」

これからmenuを追うなら、

特に見たいポイントは5つあります。

第一に、9月30日より前に終了する地域が出るか。

第二に、Uber Eats・出前館・Rocket Nowがmenu利用者向け施策を出すか。

第三に、menu加盟店・配達員がどこへ移るか。

第四に、Pontaパスがmenu特典の代替策を発表するか。

第五に、KDDIがmenu終了後のラストワンマイル戦略をどう再設計するか。

ここまでを見ると、

今回のニュースは9月30日で終わりではありません。

むしろ、

9月30日から次の競争が始まる

と考えたほうがいいでしょう。


博士知愛のまとめ

【博士知愛が最後にホワイトボードへ書く】

「分からない数字を作らない。でも、見えている経営判断は読む。」

博士知愛

「menuが赤字だったの?

って聞かれたら、

今の答えは、

『具体的な最新赤字額を理由とする公式説明は確認できない』

だよ。」

でも同時に、

KDDIが、

競争環境。

今後の事業見通し。

を検討して終了を決めたことは事実です。 (KDDI ニュースルーム)

だから、

『将来にわたって投資を続ける合理性が低いと判断された』

という分析はできます。

夢見てる

「事実と分析をちゃんと分けるってことだね。」

博士知愛

「そう!

ニュースでは、それがすっごく大事。」


THE MEDIAとしての結論

menuの終わりは「赤字だった?」だけでは説明できない

今回のmenu終了を、

「赤字だったから潰れた」

だけで終わらせるのは、少しもったいないと思います。

企業は、

過去にいくら使ったかではなく、

これからさらに投資する価値があるか

を考えます。

KDDIは、

menuを完全子会社化してまで、

利用者。

加盟店。

配達員。

契約。

会社清算。

という終了プロセスを自ら引き取ります。

これは事業拡大のための買収ではなく、

事業を最後まで責任を持って閉じるための完全子会社化

という、少し珍しい形です。 (Impress Watch)

そして利用者側では、

Pontaパス。

menu pass。

menuスマートパス。

予約注文。

通常注文。

オンラインクレーンゲーム。

が一斉に終わるのではなく、

順番に閉じられていきます。

だから、

2026年9月30日は単なる「アプリ終了日」ではありません。

一つの巨大なプラットフォームを段階的に停止していく最終地点

なのです。

そして、その翌日から、

menuが持っていた、

利用者。

加盟店。

配達員。

そしてデリバリー需要を巡って、

Uber Eats。

出前館。

Rocket Now。

などによる次の競争が始まります。

さらに、

KDDIがPonta・ローソン・au PAYなどを使って、

menuの次にどんな生活サービスを作るのか。

ここまで追って初めて、

menu終了というニュースの全体像が見えてくるのではないでしょうか。

menuの物語は9月30日で終わります。

しかし、

日本のデリバリー市場の物語は、そこからまた大きく動き始めます。


menu終了後、利用者・加盟店・配達員はどうなる?

――フードデリバリー市場は「巨大3社時代」へ向かうのか

2026年9月30日。

フードデリバリーサービス「menu」は終了します。

利用者から見れば、

「使っていたアプリが一つなくなる」

というニュースです。

しかし、もう少し広い視点で見ると、今回の終了はそれだけではありません。

menuには、

利用者。

加盟店。

配達員。

KDDI・Pontaとの連携。

そして日々積み重なっていた注文があります。

サービスが終了しても、

「料理を届けてほしい」という需要そのものが消えるわけではありません。

利用者は別のサービスへ移ります。

加盟店も別の販売チャネルを探します。

配達員も別のプラットフォームへ移ります。

つまり、menu終了後には、

人・店・注文が市場の中で一斉に移動する

可能性があります。

今回のTHE MEDIAでは、

menuを使っていた人はこのあとどうすればいいのか。

加盟店は何を考える必要があるのか。

配達員にはどんな変化が起こるのか。

そして日本のフードデリバリー市場は、

少数の巨大サービスへ集中していくのか。

その先まで深掘りしていきます。


夢見ファミリー×プロラボ劇場

「menuが消えたら、みんなUber Eatsに行くの?」

【スクランブル研究所。博士知愛がホワイトボードに「2026年10月1日」と書く】

夢見てる

「menuが終わった次の日からさ。

使ってた人ってどうするんだろう?」

黒羽みちる

「Uber Eatsへ移る人も多そうッス。」

プラちゃん

「出前館もあるし、Rocket Nowもあるで。」

夢見がち学園長

「つまりmenuという領地を失った民たちが、新天地を求め――」

夢見てる

「利用者の乗り換えね。」

博士知愛

「でもね。

たぶんこれからは、

『私はこのアプリだけ使う』

って考え方自体が変わっていくかもしれないよ。」


利用者は「どのアプリが一番?」ではなく

「今回の注文はどこが一番?」で考える時代へ

menu終了後の代表的な選択肢としては、

Uber Eats

出前館

Rocket Now

などがあります。

それぞれ同じフードデリバリーに見えますが、

料金体系。

対象店舗。

クーポン。

配達エリア。

サブスクリプション。

キャンペーン。

が違います。

だから、

「Uber Eatsが一番安い」

「出前館が絶対得」

「Rocket Nowなら必ず無料」

と一律に決めることはできません。

注文する地域や店舗、金額によって結果が変わります。


博士知愛のわかりやすく説明

同じ1000円の料理でも「支払額」が違う

博士知愛がホワイトボードに、

料理1000円

と書きます。

博士知愛

「たとえば店頭1000円の料理があったとしても、

アプリで払うお金は1000円だけとは限らないよね。」

見る必要があるのは、

商品価格。

配達料。

サービス料。

最低注文額に伴う追加料金。

クーポン。

ポイント。

サブスクリプション特典。

です。

さらに、

そもそも商品価格が店頭と同じか

も重要です。

2026年3月からUber Eatsは、約1万8000店舗でアプリ上の商品価格を実店舗と同じにする取り組みを開始しました。Uber Eatsは日本事業について2023~2025年の3年連続黒字、12万加盟店、全国約10万人の配達パートナーを公表しています。

出前館も2026年2月時点で、「お店価格で出前館」の対象を全国6000店舗以上へ拡大しています。さらに3月からは料金体系を「商品代金+サービス料+送料」へ変更すると同時に、送料無料施策も開始しました。

Rocket Nowは、

送料0円

サービス料0円

サブスク不要

を公式に掲げ、「お店と同価格」の店舗も1万1000店以上としています。

夢見てる

「同じ店が3アプリにあったら、結構迷いそう。」

博士知愛

「だから、

最終確認画面の総額を見る

のがすごく大事になるんだよ。」


これから利用者に必要なのは「比較する習慣」

以前は、

お気に入りのアプリを開く。

店を探す。

注文する。

でもよかったかもしれません。

しかし価格競争が進むほど、

注文する前に2~3サービスを見る

意味が大きくなります。

たとえば、

今日はUber Eatsにクーポンがある。

明日は出前館の送料無料対象。

別の日はRocket Nowで店頭同価格。

ということもあり得ます。

つまり、

アプリへの忠誠心より、注文単位で選ぶ

という利用行動が増える可能性があります。


「安い」だけで選んでいいの?

ここでもう一つ考えたいところがあります。

料金が100円安いA社。

でも到着予定が50分。

料金が200円高いB社。

でも20分で届く。

あなたならどちらを選ぶでしょうか。

これは、

価格だけではなく時間も商品

だということです。

フードデリバリーでは、

料理代だけを比較するのではなく、

価格+時間+選択肢+安心

をまとめて比較することになります。


利用者の価値観は人によって違う

子育て中なら、

30分早く届くことに価値があるかもしれません。

仕事中なら、

外へ買いに行かなくて済むこと自体が価値になります。

価格を最優先する人なら、

到着が少し遅くても安いサービスを選ぶでしょう。

つまり、

万人にとって一番のデリバリーサービス

というものは存在しにくいのです。


加盟店には何が起こる?

【ホワイトボードに「加盟店」と書かれる】

黒羽みちる

「お客さんは別アプリ使えばいいッスけど、

店側はもっと大変じゃないッスか?」

博士知愛

「そうだね。」

menuに出店していた飲食店から見れば、

9月30日以降、

一つの販売チャネルが消える

ことになります。

店内飲食。

テイクアウト。

Uber Eats。

出前館。

Rocket Now。

自社サイト。

電話注文。

こうした販売経路の中から、

menuだけがなくなるわけです。


menu経由の売上が大きかった店ほど影響も大きい

たとえば、

ある店のデリバリー注文が、

Uber Eats 50%。

menu 5%。

出前館45%。

だったとします。

この店ならmenu終了の影響は比較的小さいかもしれません。

しかし、

menu 40%。

だった店舗なら、

その売上をどこかで補う必要があります。

つまり加盟店ごとに、

menu依存度

が違います。

だから影響も一律ではありません。


加盟店が今後考えるべきこと

「全部に出す」が正解とは限らない

夢見てる

「だったら全部のアプリに出店したほうが安全じゃない?」

博士知愛

「売上だけ考えればメリットはあるよ。

でも管理コストも増えるんだ。」

複数プラットフォームへ出店すると、

注文端末。

メニュー。

商品写真。

価格。

営業時間。

在庫。

キャンペーン。

売上管理。

問い合わせ。

などをそれぞれ管理する必要があります。

注文数が増えれば、

厨房オペレーションも複雑になります。

だから、

プラットフォームを増やせば増やすほど必ず利益が増える

とは限りません。


加盟店に必要なのは「売上」ではなく「利益」で比較すること

ここは非常に重要です。

A社から月100万円売れる。

B社から月70万円売れる。

これだけならA社が良く見えます。

しかし、

手数料。

広告費。

キャンペーン負担。

包材。

人件費。

注文処理の負荷。

まで引いたら、

B社のほうが利益が残る可能性があります。

だから飲食店にとって重要なのは、

どのサービスから一番売れるか

ではなく、

どのサービスから一番利益が残るか

です。


博士知愛

売上100万円と利益100万円はまったく違う

博士知愛

「これはデリバリーに限らないけど、

経営ではすごく大事!」

売上が増えていても、

そのために広告費や手数料を大量に使っていたら、

利益は増えません。

menu終了をきっかけに加盟店は、

各プラットフォームについて、

注文数。

客単価。

手数料。

リピート率。

調理負荷。

をもう一度見直す機会になるかもしれません。


プラットフォームが減ると

店舗の交渉力はどうなる?

ここは長期的にかなり重要です。

たくさんのデリバリー会社があれば、

店舗側は、

「A社の条件が悪いならB社へ行こう」

という選択ができます。

しかし市場が、

3社。

2社。

と集約されると、

店舗側の選択肢は減ります。

するとプラットフォーム側の影響力が強くなる可能性があります。


ただし「巨大企業=店舗に不利」とも限らない

一方で、

大規模なプラットフォームにはメリットもあります。

利用者が多い。

配達員が多い。

注文データが多い。

システム投資ができる。

配達効率を改善できる。

Uber Eatsでは2026年7月、店舗スタッフのピッキング負担を軽減する「ピック・パック・ペイ」の導入が3000店舗を突破したと発表しています。

つまり競争が集約されることで、

規模を使った技術投資

が進む側面もあります。

問題は、

その効率化による利益が、

利用者。

加盟店。

配達員。

プラットフォーム。

へどのように配分されるのかです。


配達員はどうなる?

次に配達員です。

menuで稼働していた配達員は、

サービス終了後、

別プラットフォームへ移ることになります。

代表的には、

Uber Eats。

出前館。

Rocket Now。

などです。


「配達員が増える=配達員に良い」とは限らない

プラちゃん

「Uber Eatsとかに人がいっぱい移ったら、

配達早くなるんちゃう?」

博士知愛

「利用者にはそうなる可能性があるね。

でも配達員側から見ると別問題なの。」

たとえば、

一時間に100件の注文がある地域で、

配達員が50人なら、

平均すると一人あたり2件分の需要があります。

そこへmenuから50人移ってきて、

配達員が100人になった。

でも注文が100件のままなら、

平均は一人1件です。

つまり、

仕事をする人が増えても、注文が同じなら一人あたりの仕事は減る可能性がある

のです。


一方で需要も一緒に移動する

ただし、これも単純ではありません。

menuの利用者も同じプラットフォームへ移れば、

注文数自体も増えます。

つまり、

menuの配達員だけが移るのではなく、

menuの利用者。

加盟店。

配達員。

がセットで動けば、

他社の市場規模そのものが大きくなる可能性があります。


どの会社が「三者」を一番多く吸収できるか

ここがmenu終了後の重要な戦いです。

利用者だけ獲得しても、

配達員が足りなければ遅くなる。

加盟店だけ増えても、

注文が来なければ意味がない。

配達員だけ集めても、

仕事がなければ離れてしまう。

だから各社が本当に欲しいのは、

利用者+加盟店+配達員

の三者です。


博士知愛のわかりやすく説明

フードデリバリーは「三面市場」

博士知愛が三角形を描きます。

上に、

利用者

左下に、

加盟店

右下に、

配達員

博士知愛

「フードデリバリーは、

この三者を同時につなぐビジネスなんだよ。」

利用者は、

たくさん店があるサービスへ行きたい。

加盟店は、

たくさん利用者がいるサービスへ入りたい。

配達員は、

たくさん注文があるサービスで働きたい。

すると、

大きなサービスほど、

さらに三者が集まりやすくなります。

これが、

ネットワーク効果

です。


では「勝者総取り」になるの?

ここは少し慎重に考える必要があります。

今回のmenu終了だけをもって、

「Uber Eats一強になる」

と断定することはできません。

なぜなら2026年現在、

出前館も価格施策を強化しています。

Rocket Nowも急成長しています。

Rocket Nowは公式サイトで700万ダウンロード突破を掲げ、送料・サービス料0円、サブスク不要、「お店と同価格」1万1000店舗以上をアピールしています。

出前館も「お店価格」を拡大しながら、送料無料施策を進めています。

つまり現時点では、

勝者総取りが完成した市場

ではありません。

ただ、

多数のプレイヤーが並立した時代から、

大規模な少数社で競う市場へ集約が進んでいる

と見ることはできます。

Woltも2026年、日本撤退の理由について、持続的な規模拡大と長期的優位性を実現できる地域へ投資を集中する方針だと説明しました。


なぜ少数企業へ集約されやすいのか?

理由は単純です。

このビジネスは、

大きくなるまでに非常にお金がかかる

からです。

広告。

クーポン。

配達員獲得。

加盟店営業。

システム。

決済。

カスタマーサポート。

不正対策。

保険。

地図。

AI。

物流最適化。

これらすべてへ継続的な投資が必要です。

しかも、

ある程度大きくなるまで、

ネットワーク効果の恩恵を十分に受けられません。


フードデリバリーは

「資本力」だけではなく「密度」が重要

たとえば全国に配達員1万人がいるとしても、

広い地域にバラバラにいるより、

注文が多い場所へ集中しているほうが効率的です。

店と配達員が近い。

配達先も近い。

次の注文も近い。

そうなれば、

一時間で処理できる注文数が増えます。

だからデリバリーでは、

人口密度

だけでなく、

注文密度

が重要になります。


「無料競争」は本当に無料なのか?

そして次の問題です。

現在のデリバリーでは、

送料0円。

サービス料0円。

店頭価格。

送料無料。

といった言葉が目立ちます。

利用者からすれば、

非常にありがたいことです。

しかし、

料理はワープして届くわけではありません。


博士知愛のわかりやすく説明

「0円」はコストが0円という意味じゃない

博士知愛

「ここ、すごく大事!」

利用者が支払う配達料が、

0円。

だったとしても、

配達員が無料で働くわけではありません。

誰かが報酬を支払っています。

サービス料0円でも、

アプリのサーバー代や人件費が0円になるわけではありません。

つまり、

『利用者負担0円』と『コスト0円』は全然違う

のです。


では誰が払っている?

可能性としては、

プラットフォーム。

加盟店。

広告主。

サブスクリプション会員。

他事業。

などがあります。

さらに、

一注文では利益が少なくても、

注文回数を大量に増やすことで利益を作る、

というモデルもあります。

だから無料競争を見るときには、

「今いくら?」

だけではなく、

「この料金体系は長期間成立するのか?」

を見る必要があります。


Rocket Nowの「無料」が市場全体へ与える影響

Rocket Nowの特徴は、

送料0円・サービス料0円を、

サブスクなし

で提供していることです。

これは単なる一社の価格施策ではありません。

消費者の基準を変える可能性があります。


「送料500円」が高く見えるようになる

以前なら、

「家まで届けるんだから配達料がかかるのは当然」

という感覚だったかもしれません。

しかし、

他社が0円になれば、

同じ500円でも、

以前より高く感じる

ようになります。

つまり無料競争とは、

価格を下げるだけではなく、

市場全体の「普通」を変える競争

なのです。


Uber Eatsも「安さ」を強化している

ここがさらに重要です。

Uber Eatsは規模が大きいから、

高くても使われる、

という戦略だけではありません。

2026年には、

アプリ上の商品価格を店舗と同一にする、

「お店と同じ価格」

を約1万8000店舗で開始。

さらにUber Oneでは特典拡充も進めています。

Uber Eatsは現在、

Anywhere。

Anything。

Affordability。

という「3A」を掲げ、

郊外への拡大、

食料品・日用品拡大、

価格面の改善、

を同時に進めています。

つまり最大手も、

規模だけではなく価格でも戦う

段階に入っています。


本当の競争は「料理」ではない

ここまで来ると、

フードデリバリーの本質が見えてきます。

各社が取り合っているものは、

ハンバーガーでも、

ラーメンでも、

寿司でもありません。

本当に取り合っているのは、

利用者の日常

です。


「夕食」だけを取るのではない

一週間の生活を考えてみましょう。

月曜日は夕食。

火曜日はスーパーの商品。

水曜日は飲み物。

木曜日はドラッグストア。

金曜日は夜食。

土曜日はパーティー料理。

日曜日は日用品。

これらすべてを一つのアプリで頼んでもらえれば、

利用頻度は大きく増えます。

だからUber Eatsも、

料理だけではなく食料品や日用品へ対象を広げています。

Uberは2026年7月にも、食料品領域の店舗負担を軽くする「ピック・パック・ペイ」の拡大を発表しています。


つまり競争相手はスーパーやコンビニにもなる

ここが面白いところです。

デリバリーが生活インフラ化すると、

競合は、

Uber Eats対出前館。

だけではありません。

コンビニへ歩いて行く。

スーパーへ買いに行く。

ネットスーパーで翌日に届けてもらう。

Amazonなどで注文する。

こうした行動とも競争することになります。

つまり最終的には、

「人が自分で買いに行く時間」

そのものを取り合っているのです。


夢見てる

「じゃあ時間を売ってるサービスなんだ」

夢見てる

「料理売ってると思ってたけど、

本当は、

『買い物へ行かなくていい時間』

を売ってる感じ?」

博士知愛

「その考え方、かなり近いと思う。」

利用者は配達料を払って、

数十分の自由時間を買っています。

つまり、

フードデリバリーの価値を、

料理の価格だけで評価すると、

少し見誤ります。


では次の勝者は誰になる?

単純に考えれば、

一番安い会社。

と思うかもしれません。

でも長期的には、

それだけでは足りないでしょう。

利用者には、

安い。

早い。

選べる。

加盟店には、

売上が増える。

利益が残る。

運営しやすい。

配達員には、

仕事がある。

報酬が納得できる。

働きやすい。

そしてプラットフォームには、

事業として利益が残る。

このすべてを成立させる必要があります。


四者すべてが続けられなければ市場は続かない

【博士知愛が四角形を描く】

利用者

加盟店

配達員

運営企業

博士知愛

「今まで三角形で説明してきたけど、

最終的には四者だと思う。」

利用者だけ得をする。

会社が赤字で撤退。

加盟店だけ得をする。

運営会社や配達員が続かない。

配達員だけ報酬が高い。

利用料金が高くなりすぎて注文が減る。

運営会社だけ利益を取る。

店舗や配達員が離れる。

つまり、

誰か一人だけが得するモデルでは長く続かない

可能性があります。


THE MEDIAとして考える

次の競争は「最安値」から「持続可能性」へ

2026年現在、

目立つのは価格競争です。

送料無料。

サービス料無料。

店頭価格。

クーポン。

しかし、

その次に必ず問われるのが、

それを続けられるのか

です。

1か月無料にする。

半年無料にする。

これは資本力でできます。

でも、

5年。

10年。

生活インフラとして続けるには、

事業として成立する必要があります。


menu終了は、その問いを突きつけている

menuは、

KDDIという大きな資本。

全国展開。

Ponta経済圏。

au PAY。

独自企画。

を持ちながら、

最終的にサービス終了を選びました。

Woltも日本市場から撤退しました。Wolt自身は、持続的な規模拡大と長期的な優位性を実現できる地域へ投資を集中すると説明しています。

これは、

「デリバリーに需要がない」

ことを意味するわけではありません。

むしろ、

需要がある市場で、持続可能な規模まで到達することが難しい

ということなのかもしれません。


夢見ファミリー×プロラボ劇場

じゃあ、利用者・店舗・配達員はどう動くべき?

【ホワイトボードに「NEXT ACTION」と書かれる】

夢見がち学園長

「議論だけでは終われぬ!

それぞれの次なる行動を決めよう!」

博士知愛

「じゃあ考えてみよう。」


利用者へのアイデア

「3アプリ比較」を習慣にする

夢見てる

「まずユーザーは、

Uber Eats、出前館、Rocket Nowを見比べる。」

見るのは、

商品価格。

配送料。

サービス料。

クーポン。

到着時間。

です。

博士知愛

「特に最後の決済画面を見ること。

表示されている商品価格だけで決めないことだね。」

さらに、

毎月何回使うのかを確認して、

サブスクリプションが得かどうかも判断する。

月1回しか使わない人と、

週3回使う人では、

最適な選択は変わります。


加盟店へのアイデア

「プラットフォーム別利益」を計算する

黒羽みちる

「店側は売上じゃなく、

利益を見るッス。」

Uber Eatsで一注文するといくら残る?

出前館では?

Rocket Nowでは?

自社テイクアウトなら?

これを比較する。

そして、

一番儲かるチャネルへ重点を置く。

すべてのサービスへ無条件で出すのではなく、

自店舗に合う組み合わせを選びます。


配達員へのアイデア

一社依存を減らす

プラちゃん

「配達員さんも、

一個のアプリだけに頼らんほうがええかもしれへんな。」

地域。

曜日。

時間帯。

天候。

キャンペーン。

によって、

注文量は変わります。

複数プラットフォームの条件を確認しながら、

どこで働くかを判断する。

ただし、同時稼働時には各サービスのルールや安全管理を守ることが前提です。


プラットフォームへのアイデア

「安い」以外の理由を作る

最後に運営会社です。

価格だけで戦えば、

資金力勝負になります。

だから、

地域密着。

高級店。

子育て支援。

高齢者の買い物支援。

外国人向け多言語サービス。

法人向け配送。

食料品。

医薬・日用品。

AIによる注文提案。

といった、

「ここを使う理由」

を作る必要があります。


博士知愛の最終アイデア

「最安値デリバリー」から「パーソナル物流」へ

博士知愛

「私なら、

一人ひとりに違うデリバリーを作りたいな。」

子育て世帯には、

夕食+日用品。

ビジネスパーソンには、

ランチ+仕事用品。

高齢者には、

食料品+生活必需品。

外国人観光客には、

多言語メニュー+ホテル配送。

その人が、

今必要なものをまとめて届ける。

するとデリバリーは、

「料理を運ぶサービス」

ではなく、

生活を補助する物流サービス

になります。


フードデリバリーの未来は

「何を届けるか」より「何を解決するか」

これが重要なのかもしれません。

お腹が空いた。

という問題だけを解決するなら、

競争相手は大量にいます。

でも、

買い物へ行く時間がない。

子どもから目を離せない。

外へ出られない。

仕事を止めたくない。

日本語で注文するのが難しい。

重い商品を持ち帰れない。

という問題まで解決すれば、

サービスの価値は大きくなります。


THE MEDIAとしての結論

menu終了後、

日本のフードデリバリー市場から需要が消えるわけではありません。

むしろ、

menuが持っていた、

利用者。

加盟店。

配達員。

注文。

が、

Uber Eats。

出前館。

Rocket Now。

などへ再配置されていきます。

そこで起こるのは、

単なる、

「次はどのアプリを使う?」

という話ではありません。

市場そのものが、

多数のサービスが参入する時代から、

規模を持った少数企業が競争する時代

へ移りつつあります。

ただし、

それがそのまま「一社総取り」になるとは限りません。

Uber Eatsは規模。

出前館は国内基盤と価格施策。

Rocket Nowは送料・サービス料0円という分かりやすさ。

それぞれが違う武器で競争しています。

そして、この先本当に問われるのは、

誰が一番安いのか

ではないでしょう。

誰がその価格を一番長く続けられるのか。

さらに、

利用者・加盟店・配達員・運営会社の4者が、無理なく参加し続けられる仕組みを作れるのか。

そこが重要になります。

送料0円。

サービス料0円。

店頭価格。

これらは利用者にとって魅力的です。

でも、その0円の裏側には、

人が動き、

システムが動き、

店舗が料理を作り、

企業がサービスを維持しているという現実があります。

menuの終了は、

フードデリバリーの終わりではありません。

むしろ、

「安さだけで勝つデリバリー」から、「持続できるデリバリー」へ移れるのか。

日本のフードデリバリー市場が、

次のステージへ進むための大きな分岐点なのかもしれません。


menu終了は「一つのアプリの撤退」ではない

――THE MEDIAが注目するフードデリバリー再編、KDDI・出前館・Uber Eats・Rocket Now、そして経済への影響

2026年8月19日、日本のフードデリバリー市場に大きなニュースが入りました。

KDDIは、子会社menuが提供するフードデリバリーサービス「menu」を2026年9月30日に終了し、その後menu株式会社を解散・清算すると正式に発表しました。

menuは2019年にテイクアウト事業を開始し、2020年4月からフードデリバリーへ進出。

2021年にはKDDIと資本業務提携し、2023年にはKDDIが50.6%、レアゾン・ホールディングスが49.4%を保有する合弁会社となりました。

当時掲げていた目標は、

「国内市場トップのデリバリーサービス」

でした。

ところが、その約3年後。

menuは市場から姿を消すことになります。

ここでTHE MEDIAが注目したいのは、

「menuが終了する」という結果だけではありません。

なぜ、KDDIという巨大企業と組み、通信・決済・ポイント経済圏まで活用できたサービスが終了することになったのか。

そして、

menuが持っていた利用者・加盟店・配達員・注文は、このあとどこへ行くのか。

ここに、2026年以降の日本のフードデリバリー市場を見る重要なヒントがあります。


THE MEDIA ファクトチェック

まず「事実」と「分析」を分ける

今回のニュースでは、SNSなどで、

「menuが倒産した」

「大赤字だから潰れた」

「Uber Eatsに負けた」

といった単純化された説明が出てくる可能性があります。

しかし、現時点で確認できる公式情報とは分けて考える必要があります。

✅ menuが2026年9月30日に終了する

事実です。

KDDIは2026年8月19日、menuのサービス提供終了を正式発表しました。

menu側の案内では通常注文は9月30日20時受付分まで、予約注文は9月23日20時受付分までとされています。

KDDI「menu」の提供終了および解散・清算について


✅ menu株式会社は解散・清算される

これも事実です。

KDDIはサービス終了後、menu株式会社を解散・清算する予定だと明記しています。

したがって今回は単なる、

「menuアプリの終了」

ではありません。

運営会社そのものについても整理が行われます。


✅ KDDIはmenuを完全子会社化する

事実です。

KDDIはレアゾン・ホールディングスが保有するmenu株式を取得し、2026年8月31日に完全子会社化する予定です。

ただし、

「完全子会社化=menu事業をさらに強化する」

という意味ではありません。

KDDI自身が、

お客さま、

加盟店、

配送員への対応、

その後の解散・清算手続き

を円滑に遂行するためだと説明しています。


⚠️ 「巨額赤字だったからmenuが潰れた」

これは現時点では断定できません。

KDDIが公式に説明しているのは、

「フードデリバリー市場を取り巻く競争環境の変化」

「今後の事業見通し」

を総合的に検討し、

「経営資源の最適配分」

という観点から終了を判断した、ということです。

したがって、

「年間○○億円の赤字だったから終了した」

などと具体的な数字をつけて説明するには、別の根拠が必要です。

THE MEDIAでは、

公式発表された事実

と、

そこから考えられる経済的分析

を分けて扱います。


THE MEDIAが最初に注目したポイント

「市場が縮小しているから撤退」ではない

ここが非常に重要です。

menu終了だけを見ると、

「もうフードデリバリーって使われなくなったの?」

と思うかもしれません。

しかし市場データを見ると、単純にそうとは言えません。

サカーナ・ジャパンの調査では、2025年のデリバリー市場規模は8240億円の見込みで、前年比2.0%増。

さらにコロナ前の2019年と比べると、

97.0%増

とされています。

つまり、

市場そのものが消滅しているわけではありません。

むしろコロナ前と比較すれば、デリバリーは大きな市場として定着しています。

ここから見えてくるのは、

「市場がないからmenuが撤退する」のではなく、「市場はあるが、その中で勝ち残ることが非常に難しい」

という構造です。


博士知愛のわかりやすく説明

「お客さんがいる」と「会社が儲かる」は違う

【スクランブル研究所。博士知愛がホワイトボードに大きく二つの言葉を書く】

市場規模

そして、

利益

博士知愛

「ここを同じだと思っちゃいけないんだよ!」

夢見てる

「市場が8000億円以上あるなら、みんな儲かりそうだけど。」

博士知愛

「そうとは限らないの。」

市場が大きくても、

その市場を取るために、

広告費。

クーポン。

配達員への報酬。

加盟店営業。

システム開発。

カスタマーサポート。

ポイント還元。

送料無料施策。

へ大量のお金を使っていたら、

売上が増えても利益が残らない可能性があります。

博士知愛

「だから、

『市場が成長している』

と、

『参加している会社が全部儲かる』

は別のお話なんだよ。」


THE MEDIAが注目する最大のポイント

「menuの需要は消えない」

menuという会社は終了します。

しかし、

menuを使っていた人が、

9月30日を境にデリバリーを一切使わなくなる

とは限りません。

ここが経済的には重要です。

menuで発生していた、

注文。

加盟店。

配達員。

利用時間。

消費額。

これらの一部は、

別のプラットフォームへ移動する可能性があります。

つまりmenu終了とは、

需要そのものの消滅というより、

市場シェアの再配分

という側面を持っています。


では、誰がmenuの「空いた席」を取るのか?

現在、有力な候補として考えられるのが、

Uber Eats

出前館

Rocket Now

です。

もちろん、menu利用者全員が同じサービスへ移るわけではありません。

しかし、

menu利用者を獲得する。

menu加盟店を獲得する。

menu配達員を獲得する。

この三つを同時に進められれば、その企業はネットワークをさらに強くできます。


Uber Eatsにはどんな影響がある?

Uber Eatsは2026年3月、自社発表として日本で、

12万加盟店

全国10万人の配達パートナー

を抱え、

2023年から2025年まで3年連続黒字

2026年1月には過去最高売上

を記録したと発表しています。

さらに2026年3月20日から、

約1万8000店舗で、

「お店と同じ価格」

の導入を開始しました。

Uber Eatsは、

「Anywhere」

「Anything」

「Affordability」

という3A戦略を掲げ、

地域、

商品カテゴリー、

価格

の三方向から生活インフラ化を狙っています。

ここへmenu利用者や加盟店、配達員の一部が移れば、

Uber Eatsのネットワーク効果がさらに強くなる可能性があります。

ただし、

「menu終了によってUber Eatsの利益が○○円増える」

といった数字は現時点では確認できません。

これは今後の利用者移動を見なければ分からない部分です。


Rocket Nowには追い風になるのか?

もう一つ非常に注目したいのがRocket Nowです。

Rocket Nowは現在、

送料0円

サービス料0円

サブスク不要

を大きく打ち出しています。

これはmenuから移ってくる利用者を獲得するうえで、非常に分かりやすい武器になります。

【プラちゃんがホワイトボードを見る】

プラちゃん

「新しいアプリ探してる時に、

『送料0円、サービス料0円やで!』

って言われたら、試してみたくなる人おるやろな。」

博士知愛

「そう。

サービスを乗り換える瞬間って、

新規ユーザーを獲得する大きなチャンスでもあるんだよ。」

menu終了によって、

利用者の「いつものアプリ」が一度リセットされる。

ここはRocket Nowにとって大きな顧客獲得機会になり得ます。

ただし、これも現段階では分析・可能性であって、menu利用者が大量にRocket Nowへ移ったという事実が確認されたわけではありません。


出前館にはどんな影響がある?

国内上場企業という意味では、特に注目されるのが出前館です。

menu撤退によって競合が一つ減るため、

一見すると、

「出前館には追い風では?」

と思えます。

確かに、

menu加盟店。

menuユーザー。

menu配達員。

を獲得できる可能性はあります。

しかし、

競争が楽になるとは限りません。

なぜならUber Eatsの価格戦略が強化され、Rocket Nowも0円戦略を展開しているからです。

さらに出前館自身も業績改善という課題を抱えています。

2026年7月発表の第3四半期決算についてYahoo!ファイナンスは、売上高が前年同期比6.2%減の282億円、営業損失63億円と要約しています。

つまりmenu撤退は、

競合減少というプラス要因

である一方、

残ったプレイヤー同士の競争がさらに激しくなる

可能性も意味します。


では株価はどう動いた?

ここは特に慎重に見なければなりません。

2026年8月19日のKDDI株について確認すると、Yahoo!ファイナンスでは前場時点で2830円、前日比23.5円安とされています。

しかし、

この下落を「menu終了が原因」と断定することはできません。

なぜなら8月19日の日本市場そのものが大きく下落する局面だったからです。

前日の米国市場では世界的な長期金利上昇への警戒から株価が続落し、シカゴ日経平均先物も大阪市場の日中終値比で約2800円安となっていました。

したがって、

KDDI株が下がった

menu終了が嫌気された

という説明をするのは危険です。


THE MEDIA ファクトチェック

「menu終了でKDDI株が暴落した」は?

❌ 現時点では確認できません。

KDDI株は当日下落していましたが、市場全体にも大きな下落圧力がありました。

menu終了ニュースだけを原因として株価変動を説明する根拠は、現時点では確認できません。


むしろ投資家が見るのは「KDDI全体への影響」

KDDIは巨大な通信企業です。

menuはKDDIグループの一事業ではありますが、

KDDI全体には、

通信。

金融。

決済。

DX。

データセンター。

AI。

法人事業。

など多数の事業があります。

実際、2027年3月期第1四半期では、売上高1兆4873億円、調整後営業利益3143億円とされ、モバイル収入やAI・データセンター関連などが利益拡大を牽引しています。

だから投資家が見るポイントは、

「menuがなくなる」

だけではありません。

より重要なのは、

menuへ投入していた経営資源を今後どこへ振り向けるのか

です。


「経営資源の最適配分」という言葉に注目

KDDI自身が今回使っている言葉があります。

それが、

「経営資源の最適配分」

です。

これは非常に重要です。

企業には、

人。

資金。

技術。

広告費。

経営陣の時間。

があります。

それらは無限ではありません。

menuへ100投入するということは、

別の事業へ使える100をmenuへ置く、

ということでもあります。

もし、

menuへ100投資して得られる将来利益より、

AI。

データセンター。

金融。

通信。

法人DX。

などへ100投資したほうが高い利益を期待できるのであれば、

企業としては後者を選ぶ合理性があります。


博士知愛

「赤字か黒字か」だけじゃなく「他に使ったら?」を考える

博士知愛

「経営ではね、

『利益が出るか』

だけじゃなくて、

『そのお金を別の場所に使ったら、もっと利益が出ない?』

って考えるんだよ。」

これを経済学では、

機会費用

という考え方で見ることができます。

menuが一定の売上を作れていたとしても、

同じ資金・人材・経営資源を別分野へ投入したほうが成長できるのであれば、

撤退という判断が合理的になる場合があります。

だから今回のmenu終了を、

単純に、

「失敗したから全部やめた」

だけで見るのではなく、

KDDIの事業ポートフォリオ再編

として見る視点も必要です。


2023年のmenuを見ると、今回の決定の重さが分かる

2023年、KDDI・レアゾン・menuは、

国内市場トップ

を目指していました。

そして、

料理だけではなく、

食料品。

日用品。

クイックコマース。

ラストワンマイル。

へ広げる構想を掲げていました。

さらにmenu側は、

レコメンデーション。

商品別口コミ。

ハッシュタグ。

リアルタイムマッチング。

など技術面にも力を入れていました。

つまり、

何も考えずにデリバリーへ参入したサービスではありません。


それでも撤退する

だからTHE MEDIAでは、

ここを今回のニュースで最も重く見ています。

大企業の資本があれば勝てるわけではない。

技術力があれば勝てるわけでもない。

全国展開すれば勝てるわけでもない。

ポイント経済圏を持っていれば勝てるわけでもない。

必要なのは、

利用者。

加盟店。

配達員。

注文密度。

価格競争力。

物流効率。

継続的な投資。

そして最終的な収益性。

これらを同時に成立させることです。


Wolt撤退と合わせると意味が変わる

2026年にはmenuだけでなく、Woltも日本市場から撤退しました。

Woltは2月25日に日本撤退を発表し、3月4日まででサービスを終了。

理由について、

持続的な規模拡大と長期的な優位性を実現できると判断した地域へ投資を集中する

という方針を説明しています。

menuとWoltでは企業も事情も違います。

したがって、

同じ理由で撤退した

と断定することはできません。

しかし共通しているのは、

「限られた資本を、どの市場へ投入するのか」

という判断です。


THE MEDIAが考える2026年の転換点

ここから一つの仮説が見えてきます。

日本のフードデリバリー市場は、

第1段階

大量参入の時代

から、

第2段階

規模獲得競争の時代

を経て、

現在は、

第3段階

持続可能性を競う時代

へ入り始めているのではないでしょうか。

市場そのものは2025年時点で8240億円規模。

需要はあります。

しかし、

需要があることと、何社でも生き残れることは違います。


経済的には「市場集中」が進む可能性

menuが撤退すれば、

残る企業の市場シェアが相対的に上昇する可能性があります。

これは経済学的には、

市場集中

が進む方向です。

市場集中には良い面と悪い面があります。

良い面では、

注文密度が高くなり、

配達効率が上がる。

加盟店と利用者のマッチングがしやすくなる。

AIによる配送最適化へ投資できる。

システム投資を大規模化できる。

といったメリットがあります。

一方、

競争企業が減りすぎれば、

加盟店の選択肢。

配達員の働き先。

利用者のサービス選択肢。

が減る可能性があります。

だから、

競合が減る=利用者にとって必ず良い

とも言えません。


そして最大の疑問

「0円競争」はいつまで続く?

現在、

Rocket Nowは送料0円・サービス料0円。

Uber Eatsは店頭同価格を約1万8000店舗で開始。

各社が価格のハードルを下げています。

しかし配達には、

人が必要です。

システムが必要です。

カスタマーサポートが必要です。

決済インフラも必要です。

つまり、

利用者の画面に「0円」と表示されても、社会的なコストが0円になったわけではありません。


THE MEDIAがこれから追いかけたい7つの数字

今回のニュースは9月30日で終わりではありません。

むしろ、

10月1日からが市場再編の本番

です。

THE MEDIAとして特に注目したいのは、

① Uber Eats・出前館・Rocket Nowの利用者数や注文数

menu利用者がどこへ移るのか。

② 加盟店数

menu加盟店をどこが獲得するのか。

③ 配達員数

menu配達員がどのプラットフォームへ移動するのか。

④ 配達料金・サービス料

競争激化でさらに安くなるのか。

それとも収益性確保のため値上げへ向かうのか。

⑤ 店頭同価格店舗数

Uber EatsやRocket Now、出前館などの価格戦略がどこまで広がるのか。

⑥ 出前館の業績

競合減少を成長につなげられるのか、それとも価格競争で収益改善が難しくなるのか。

⑦ KDDIの次の投資先

menuから解放された経営資源を、

AI。

データセンター。

金融。

通信。

DX。

などのどこへ振り向けるのか。

ここは投資家目線でも重要です。


夢見ファミリー×プロラボ劇場

「このニュース、結局どう見ればいい?」

【研究所のホワイトボードには、

「menu終了」

ではなく、

「市場再編?」

と書き直されている】

夢見てる

「最初は、

『menuなくなるんだ』

ってニュースだと思ってた。」

黒羽みちる

「でも調べると、

一社だけの問題じゃなさそうッスね。」

プラちゃん

「Woltも撤退して、

Uber Eatsは店頭価格、

Rocket Nowは送料0円。

みんな違う方向から戦っとる。」

夢見がち学園長

「つまりこれは……

デリバリー戦国時代、第二幕!」

夢見てる

「珍しくそんなに間違ってないかも。」

博士知愛

「私は、

『需要がある市場でも、勝ち続けられるとは限らない』

というところが一番大事だと思う。」


THE MEDIAとしての見方

menu終了を、

「menuがUber Eatsに負けた」

という一行で終わらせることは簡単です。

しかし、それでは今回のニュースから学べることの大半を捨ててしまいます。

市場規模は大きい。

需要もある。

KDDIという大企業も参加した。

ポイント経済圏もある。

決済サービスもある。

技術力もある。

それでも、

経営資源を投入し続ける価値がある事業なのか

という判断では、終了が選ばれました。

これはフードデリバリーだけの話ではありません。

サブスクリプション。

動画配信。

キャッシュレス決済。

EC。

AIサービス。

SNS。

あらゆるプラットフォームビジネスに共通する問題です。


「ユーザー数」より「持続可能性」

スタートアップやWebサービスでは、

ユーザーを増やす。

シェアを取る。

無料で提供する。

クーポンを配る。

という成長戦略がよく使われます。

しかし最終的には、

そのユーザーから生まれる価値が、サービス維持コストを上回る仕組み

が必要になります。

menuの歴史は、

この当たり前だけれど非常に難しい問題を、

改めて私たちに見せているのかもしれません。


THE MEDIA ファクトチェック最終整理

✅ menuは2026年9月30日に終了する

事実。KDDI公式発表で確認。

✅ menu株式会社は解散・清算される

事実。サービス終了後に予定されています。

✅ KDDIは8月31日にmenuを完全子会社化する予定

事実。清算などを円滑に進めるためです。

✅ 2023年には国内トップを目指していた

事実。KDDI・レアゾン・menuの公式発表に明記されています。

⚠️ 巨額赤字が直接の終了理由だった

現時点では確認できません。具体的なmenu単体の損失額を直接の終了理由とする公式説明は確認できていません。

✅ KDDIは競争環境・事業見通し・経営資源の最適配分を理由としている

事実です。

✅ 日本のデリバリー市場自体が消滅している

これは誤解です。2025年の市場規模は8240億円の見込みで、2019年比97%増とされています。

✅ Woltも2026年に日本撤退

事実。3月4日まででサービスを終了しました。

✅ Uber Eatsは約1万8000店舗で店頭同価格を開始

事実。ただし別途配達手数料・サービス料などが発生する場合があります。

✅ Rocket Nowは送料0円・サービス料0円を掲げている

事実。公式サイトで確認できます。

⚠️ menu終了が原因でKDDI株が下落した

現時点では断定できません。8月19日は市場全体にも大きな下落圧力があり、menu終了だけとの因果関係は確認できません。


最後に

menu終了は「終わり」ではなく、市場再編のスタートかもしれない

2026年9月30日。

menuというサービスは終了します。

しかし、

フードデリバリー市場そのものが9月30日に終わるわけではありません。

menuが持っていた利用者。

加盟店。

配達員。

注文。

そして消費者がデリバリーへ使っていたお金。

それらが、

別の場所へ移動します。

Uber Eatsが取るのか。

出前館が取るのか。

Rocket Nowが急成長するのか。

それとも、利用者自身がデリバリーからテイクアウトやスーパーへ戻るのか。

ここからが重要です。

さらに長期的には、

「送料0円・サービス料0円・店頭価格」という競争を、誰が持続可能なビジネスとして成立させられるのか。

という次の問題が待っています。

だからTHE MEDIAでは今回のニュースを、

「menuという一つのサービスの終了」

ではなく、

「日本のフードデリバリー市場が、成長競争から生存競争・再編競争へ移る象徴的な出来事」

として見ていきたいと思います。

そして9月30日。

さらに10月以降。

利用者。

加盟店。

配達員。

各社の料金。

注文数。

業績。

そして株式市場。

この数字が実際にどう動くのか。

menuが残した市場を誰が獲得するのか。

そこまで追いかけて初めて、

今回のニュースの本当の意味が見えてくるのではないでしょうか。


menu終了から見えてきたもの

――THE MEDIAが考える、日本のフードデリバリー市場の現在地とこれから

2026年8月19日。

KDDIは、子会社のmenu株式会社が運営するフードデリバリーサービス「menu」について、2026年9月30日をもってサービスを終了すると発表しました。

さらに、サービス終了後にはmenu株式会社そのものを解散・清算する予定です。

2019年にテイクアウトサービスから始まり、2020年にはフードデリバリーへ進出。

2021年にはKDDIと資本業務提携。

2023年にはKDDIとレアゾン・ホールディングスによるジョイントベンチャーとなり、

「国内市場トップのデリバリーサービス」

を目標に掲げました。

そして2026年。

その挑戦は終了することになります。

しかし、ここまでTHE MEDIAで調べてきて見えてきたのは、

「menuという一つのサービスが終わる」

だけではありませんでした。

利用者。

加盟店。

配達員。

プラットフォーム。

KDDI。

そしてUber Eats、出前館、Rocket Now。

さまざまな立場から見ると、今回のニュースは、

日本のフードデリバリー市場が一つの転換点を迎えているニュース

として見えてきます。

ここでは、これまでの記事で調べてきたことを振り返りながら、

THE MEDIAが今回のmenu終了から何を読み取ったのか。

そしてこれから何を追いかけていくべきなのか。

最後に整理していきます。


まず、menuの約7年間を振り返る

menuの歴史を簡単に振り返ってみましょう。

2019年。

menuはテイクアウトサービスとしてスタートしました。

2020年4月。

フードデリバリー事業を開始。

当時は新型コロナウイルス感染拡大によって外出や外食が制限され、

「店へ行く代わりに料理を届けてもらう」

という需要が急速に拡大した時期でした。

menuも急成長し、KDDIが2021年の提携時に公表した資料では、デリバリー開始から約1年間で全国47都道府県へ展開していたことが確認できます。

そして2021年。

KDDIと資本業務提携。

ここからmenuは、

単独のフードデリバリーアプリから、

KDDIの通信・決済・会員基盤と結びついたデリバリープラットフォーム

へ変わっていきます。

au PAY。

auスマートパスプレミアム。

Ponta。

配達員向けサービス。

こうしたKDDI経済圏との連携が進みました。

さらに2023年には、

KDDIが50.6%、

レアゾン・ホールディングスが49.4%

を保有するジョイントベンチャーとなります。

当時の目標は、

「国内市場トップ」

でした。


menuが目指していたのは「料理を届ける会社」ではなかった

2023年のKDDI、レアゾン、menuの発表を改めて読むと、

興味深いことがあります。

3社が目指していたのは、

単なる、

「Uber Eatsに対抗するフードデリバリーサービス」

ではありませんでした。

食事。

食料品。

日用品。

クイックコマース。

そして、

店舗やサービスから利用者の手元まで商品を届ける、

「ラストワンマイル・プラットフォーム」

への進化です。

つまりmenuは、

「欲しいものを、欲しいときに届ける生活インフラ」

になろうとしていました。

これは現在Uber Eatsが掲げている方向性とも非常によく似ています。

Uber Eatsも2026年には、

Anywhere。

Anything。

Affordability。

という「3A」を戦略として掲げています。

地域を広げる。

料理以外の商品を増やす。

そして価格を下げる。

つまり、

フードデリバリーから生活物流へ

という方向です。


ところが2026年

「国内トップ」から「サービス終了」へ

2023年には国内トップを目指していたmenu。

しかし2026年8月19日。

KDDIは、

「menu」のサービス提供終了

と、

menu株式会社の解散・清算

を決定しました。

その理由についてKDDIは、

フードデリバリー市場を取り巻く、

競争環境の変化

そして、

今後の事業見通し

を総合的に検討した結果、

「経営資源の最適配分」

という観点から終了を判断したと説明しています。

ここが今回のニュースを読む上で非常に重要です。


THE MEDIA ファクトチェック

「menuは赤字だったから潰れた」は断定できない

SNSなどでは、

「menuは赤字だったから終わった」

「Uber Eatsに負けた」

「利用者がいなかった」

という説明が出るかもしれません。

しかしTHE MEDIAでは、

そこを事実として扱うのは慎重であるべきだと考えます。

KDDIの公式発表では、

具体的に、

「menu単体が年間○○億円の赤字だったため終了した」

とは説明されていません。

したがって、

⚠️ 「巨額赤字が直接の理由だった」

これは現時点では確認できません。

一方で、

✅ 市場競争と今後の事業見通しを検討した

これは公式に確認できます。

✅ 経営資源の最適配分という観点から終了した

これも公式発表に明記されています。

つまり、

今後さらに資金や人材をmenuへ投入して事業を成長させることより、他の分野へ経営資源を振り向けるほうが合理的だと判断された

と考えることはできます。

ただし、これは公式発表から導く分析であり、

「具体的な赤字額」という事実とは区別しなければなりません。


ここで重要なのは

「フードデリバリー市場がなくなったわけではない」

menuの終了を聞くと、

「フードデリバリー自体がもう流行っていないのでは?」

と思うかもしれません。

しかし市場全体を見ると、そう単純ではありません。

サカーナ・ジャパンの推計では、

2025年の日本のデリバリー市場規模は、

8240億円。

前年比では2.0%増。

さらにコロナ前の2019年と比較すると、

97.0%増

とされています。

つまり、

コロナ特需のピークが終わったとしても、デリバリーそのものはコロナ前より大きな市場として残っている

わけです。

ここからTHE MEDIAが読み取ったのは、

需要がないから企業が撤退しているのではない

ということです。

むしろ、

需要がある巨大市場だからこそ、勝ち残るために必要な規模や投資額が非常に大きくなっている

という構造が見えてきます。


foodpanda、DiDi Food、Wolt、そしてmenu

日本のフードデリバリー市場では、

すでに複数のサービスが撤退しています。

foodpanda。

DiDi Food。

そして2026年にはWolt。

Woltは2026年2月25日に日本市場からの撤退を発表し、3月4日まででサービスを終了しました。

その理由としてWoltは、

「持続的な規模拡大と長期的な優位性を実現できると判断した地域へ投資を集中する」

という方針を示しています。

そしてmenuも9月30日に終了します。

もちろん、

Woltとmenuの撤退理由が完全に同じだと断定することはできません。

しかし両社の発表から共通して見えてくるのが、

「どの市場に経営資源を投入するか」

という考え方です。


THE MEDIAが今回もっとも注目したポイント

フードデリバリーは「規模を取る競争」から「持続する競争」へ

2020年前後。

フードデリバリー市場の競争は、

「どれだけ早くエリアを広げられるか」

「どれだけ加盟店を増やせるか」

「どれだけユーザーを獲得できるか」

という競争でした。

しかし2026年。

市場のルールは少し変わっています。

ただユーザーを増やすだけでは足りません。

ただ加盟店を増やすだけでも足りません。

重要なのは、

それを利益の出る形で長期間維持できるのか

です。


博士知愛のわかりやすく説明

「売上を増やす」と「利益を増やす」は違う

【スクランブル研究所。ホワイトボードに「売上」と「利益」が書かれている】

博士知愛

「たとえばね。

クーポンを1000円配れば、注文してくれる人は増えるかもしれないよね。」

夢見てる

「1000円引きなら頼んじゃうかも。」

博士知愛

「でも、その1000円を誰かが負担してるんだよ。」

広告費。

クーポン費。

配達料無料。

配達員へのインセンティブ。

こうした費用を大量投入すれば、

利用者を増やすことはできます。

しかし、

キャンペーンが終わったあとも使ってくれるのか。

一注文あたり利益が残るのか。

そこが重要です。

博士知愛

「だから、

ユーザーを集める競争の次には、ユーザーから利益を作れる仕組みの競争が来る

んだよ。」


Uber Eatsはすでに次の段階へ

現在のUber Eatsを見ると、

この市場がどの段階へ進んでいるかが分かります。

Uber Eatsは2026年3月、

日本事業について、

2023年から2025年まで3年連続黒字

2026年1月には過去最高売上

だったと発表しました。

また、

12万加盟店

全国約10万人の配達パートナー

を抱えているとしています。

つまり現在の競争は、

単純に、

「資金を大量投入している巨大企業と戦う」

だけではありません。

すでに大規模なネットワークを作り、黒字化したと公表している巨大企業と戦う

市場になっています。


しかもUber Eatsまで「安さ」を追求している

これまでデリバリーの弱点だったのが、

「店で買うより高い」

という問題です。

Uber Eats自身も、価格の手頃さをデリバリー普及の大きな障壁と認識しています。

そこで2026年3月20日から、

全国約1万8000店舗で、

「お店と同じ価格」

を開始しました。

ただし、別途配達手数料やサービス料などがかかる場合があるため、

「最終支払額まで完全に店と同じ」

という意味ではありません。

ここもファクトチェック上重要です。


さらにRocket Now

「送料0円・サービス料0円・サブスク不要」

そして2025年から日本市場へ参入したRocket Now。

2026年時点の公式サイトでは、

700万ダウンロード

お店と同価格の店舗1万1000以上

を掲げています。

さらに強力なのが、

送料0円

サービス料0円

サブスク不要

という料金戦略です。

これは利用者には非常に分かりやすいメリットです。

しかしTHE MEDIAが注目したいのは、

この0円をどこまで持続できるのか

という点です。


「無料」はコストが消えたことではない

配達料0円。

サービス料0円。

利用者の画面では、

0円です。

しかし、

料理が自動的に家までワープしてくるわけではありません。

配達員への報酬。

サーバー。

アプリ開発。

決済。

カスタマーサポート。

加盟店営業。

広告。

クーポン。

さまざまなコストがあります。

つまり、

利用者負担0円

と、

事業コスト0円

はまったく違います。


誰かが支払っている

その費用を、

運営企業が負担するのか。

加盟店が負担するのか。

広告主が負担するのか。

他のサービスの利益で補うのか。

あるいは大量の注文を処理することで一注文あたりコストを下げるのか。

ここがフードデリバリーの本当の経営競争になります。

だからTHE MEDIAでは、

これからの市場を見るとき、

「どこが一番安いか」

だけではなく、

「どこがその安さを5年、10年続けられる構造を持っているか」

に注目したいと思います。


menu終了で利用者はどうなる?

menuが終了しても、

利用者のお腹が空かなくなるわけではありません。

デリバリーを使いたい需要も残ります。

そのため利用者の一部は、

Uber Eats。

出前館。

Rocket Now。

などへ移ることになるでしょう。

ここで起こる可能性があるのが、

menu利用者の獲得競争

です。

ただし現時点では、

「menu利用者の○%がUber Eatsへ移った」

「○%がRocket Nowへ移った」

といったデータはまだ存在しません。

これはサービス終了後に追うべき数字です。


利用者側も「一つのアプリ固定」から変わるかもしれない

今後は、

「私はUber Eats派」

「私は出前館派」

という使い方だけではなく、

注文ごとに、

商品価格。

配達料。

サービス料。

クーポン。

ポイント。

到着予定時間。

店頭との価格差。

を比較する使い方が増える可能性があります。

つまり、

どのアプリを使うか

ではなく、

今回の注文はどのアプリが一番合理的か

という選択です。

これは、価格競争が進むほど重要になります。


加盟店には何が起こる?

加盟店にとっては、

販売経路が一つ減ります。

menu経由の売上が少なかった店舗なら影響は限定的かもしれません。

一方、

menu経由の注文比率が高かった店舗では、

別のプラットフォームへ移行する必要があります。

Uber Eats。

出前館。

Rocket Now。

自社サイト。

テイクアウト。

店舗ごとに、

どの販売チャネルへ重点を置くかを考えることになります。


店舗側が見るべきなのは「売上」より「利益」

これは重要です。

100万円売れるサービスと、

80万円売れるサービス。

単純に見ると100万円のほうが良さそうです。

しかし、

手数料。

広告。

値引き。

包材。

スタッフ負担。

を差し引くと、

80万円のサービスのほうが利益を残せる可能性があります。

だからmenu終了後、

加盟店が本当に見るべき数字は、

プラットフォーム別売上

だけではありません。

プラットフォーム別粗利・利益

です。


配達員には何が起こる?

menuで稼働していた配達員も、

別のプラットフォームへ移る可能性があります。

Uber Eats。

出前館。

Rocket Now。

などです。

配達員が増えれば、

利用者側では、

配達員が見つかりやすくなる。

配達時間が短縮される。

というメリットが起こる可能性があります。

しかし配達員側から見ると、

別の問題があります。


配達員が増えすぎれば仕事の取り合いにもなる

一つのエリアで、

注文100件。

配達員50人。

なら、一人あたりに回ってくる注文は多くなりやすいでしょう。

しかし、

注文100件のまま、

配達員が100人になれば、

一人あたりの仕事は減る可能性があります。

ただしmenu利用者も同じプラットフォームへ移れば、

注文自体も増える可能性があります。

つまり重要なのは、

menuの利用者・加盟店・配達員が、それぞれどのサービスへ移るのか

です。


THE MEDIAが注目する

「三者同時獲得競争」

フードデリバリーは、

利用者だけを集めれば完成するサービスではありません。

利用者

加盟店

配達員

の三者が必要です。

利用者が多い。

注文が増える。

配達員が集まる。

配達時間が短くなる。

加盟店が増える。

さらに利用者が増える。

この循環が生まれます。

逆に、

利用者が少ない。

注文が少ない。

配達員が離れる。

配達が遅くなる。

さらに利用者が減る。

という逆回転もあります。

これが、

ネットワーク効果

です。


menu終了は「市場シェアの再配分」

だから今回のmenu終了を、

「需要が消えた」

というニュースとして見るより、

「menuが持っていたネットワークが再配分される」

ニュースとして見ると分かりやすくなります。

誰が利用者を取るのか。

誰が加盟店を取るのか。

誰が配達員を取るのか。

この3つを最も多く獲得したサービスは、

さらに強いネットワーク効果を得る可能性があります。


では「Uber Eats一強」になる?

ここもまだ断定できません。

Uber Eatsが大きな規模を持っていることは事実です。

しかしRocket Nowは急成長。

出前館も日本市場で事業を続けています。

つまり、

勝者が完全に決まったわけではありません。

ただし、

foodpanda。

DiDi Food。

Wolt。

menu。

と撤退が続いている以上、

以前より、

少数の巨大サービスへ市場が集約されている

と考えることはできます。


市場が集約されることにはメリットもある

企業が少なくなることは、

悪いことだけではありません。

利用者が集中する。

加盟店が集中する。

配達員が集中する。

すると、

一つのエリアで注文密度が上がります。

配達員が店まで行く距離。

次の注文までの移動時間。

こうした無駄を減らせる可能性があります。

AIやデータを使った配送最適化への投資もしやすくなります。

つまり、

規模が大きくなることで物流効率を高められる

可能性があります。


しかし競争企業が減りすぎるリスクもある

一方で、

選択肢が減れば、

加盟店は、

「条件が合わないから別のアプリへ行く」

という選択をしにくくなる可能性があります。

配達員も、

働く場所の選択肢が減るかもしれません。

利用者も、

価格やサービスを比較できる競合が減る可能性があります。

つまり、

市場集約は効率性を上げる一方、競争圧力を弱める可能性もある

ということです。

ここは今後の重要な観察ポイントです。


KDDIにはどんな意味がある?

menu終了は、

KDDIにとっても、

「一つの事業を止める」

以上の意味があります。

KDDIは今回、

競争環境。

事業見通し。

経営資源の最適配分。

を理由にmenu終了を判断しました。

ここで注目したいのが、

menuへ投入していた経営資源が次にどこへ向かうのか

です。

AI。

通信。

法人DX。

金融。

Ponta。

ローソン。

データセンター。

さまざまな候補があります。

現時点で、

「menuを終了して、その資金をこの事業へ○○億円投入する」

という具体的な発表があるわけではありません。

だからこそ、

今後のKDDIの事業戦略を確認する必要があります。


株式市場を見るときの注意

今回、

「menu終了でKDDI株はどうなる?」

という視点もあります。

しかし株価は、

一つのニュースだけで動くわけではありません。

金利。

為替。

日経平均。

海外市場。

決算。

配当。

通信事業。

AI投資。

市場全体のリスク回避。

さまざまな要因が同時に影響します。

そのため、

KDDI株が下落したから、

「menu終了が原因だ」

とすぐ断定するのは危険です。

株価を見る場合は、

発表前後数日。

市場平均との比較。

出来高。

アナリストコメント。

会社側の業績影響説明。

まで見る必要があります。


THE MEDIAとして

「株価」よりまず見たいもの

今回のニュースでTHE MEDIAが株式市場以上に注目したいのは、

KDDIがmenu撤退によって何を得るのか

です。

撤退にはマイナスだけではありません。

継続投資を止める。

経営資源を解放する。

不採算・低成長事業への追加投資を抑える。

より成長性の高い領域へ資本を移す。

こうした効果がある可能性があります。

投資家目線では、

menu終了自体より、

終了後に経営効率が改善するのか

を見る必要があります。


THE MEDIA ファクトチェック

今回確認できたこと

ここまで調べてきた内容を改めて整理します。

✅ menuは2026年9月30日に終了する

KDDIが公式発表しています。

✅ menu株式会社は解散・清算される

サービス終了後に予定されています。

✅ KDDIはmenuを完全子会社化する

2026年8月31日に株式取得完了予定です。

目的は関係者対応や解散・清算手続きを円滑に行うためと説明されています。

✅ 2023年には国内トップを目標にしていた

公式発表で明記されています。

✅ ラストワンマイル・プラットフォームを目指していた

料理だけでなく食料品・日用品などへ広げる構想がありました。

⚠️ 「menuは巨額赤字だったから終了した」

具体的な最新menu単体損失額を直接の終了理由として示した公式説明は、今回確認した資料にはありません。

✅ 競争環境・事業見通し・経営資源の最適配分が判断理由

KDDIが明記しています。

✅ Woltも2026年に日本撤退

2026年3月4日までで終了しました。

✅ Uber Eatsは日本事業で3年連続黒字と公表

Uber Eats自身が2023~2025年について公表しています。

✅ Uber Eatsは約1万8000店舗で「お店と同じ価格」を開始

2026年3月20日から開始しています。

ただし配達手数料・サービス料などが別途発生する場合があります。

✅ Rocket Nowは送料0円・サービス料0円・サブスク不要

公式サイトで確認できます。

✅ Rocket Nowは700万ダウンロードを掲げている

2026年8月時点の公式サイト上で確認できます。

✅ 2025年の日本デリバリー市場は8240億円規模の見込み

前年比2%増、2019年比97%増という推計です。


THE MEDIAがこれから追うポイント

ここまで調べてきて、

menu終了後に見るべき数字も明確になってきました。

単に、

「Uber Eatsが伸びた」

では不十分です。

何が動いたのかを見る必要があります。


黒羽みちるのアナリティクスチェック

「ニュースの続きを数字で見るッス」

【スクランブル研究所。黒羽みちるがノートPCを開く】

黒羽みちる

「ここからはボクの担当ッスね。」

ニュースは発表された瞬間だけでは分かりません。

実際に市場で何が起きたかは、

その後の数字

で確認する必要があります。

ボクが注目したいのは、まず、

① menu利用者の移行先

Uber Eats。

出前館。

Rocket Now。

どこへ利用者が移るのか。

アプリダウンロード順位。

月間利用者数。

注文数。

検索トレンド。

SNS言及量。

このあたりを見るッス。


② Rocket Nowの成長速度

現在700万ダウンロードを掲げています。

menu終了後、

この数字がどれだけ増えるのか。

そして、

ダウンロードした人が継続利用しているのか

が重要ッス。

ダウンロード数だけ大きくても、

注文されなければ意味がありません。

見るべきなのは、

獲得 → 初回注文 → リピート

までッス。


③ Uber Eatsの「店頭同価格」対象店舗

現在約1万8000店舗からスタートしています。

これが、

2万。

3万。

5万。

と増えるのか。

価格差が小さくなれば、

デリバリーを日常利用する人が増える可能性があります。


④ 加盟店の動き

menu加盟店が、

どこへ移るのか。

Uber Eatsへ集中するのか。

出前館なのか。

Rocket Nowなのか。

複数サービスを併用するのか。

これによって、

ユーザーが選べる店舗数も変わるッス。


⑤ 配達員の移動

menu配達員がどこへ行くかも重要です。

配達員が増えれば、

配達時間。

報酬。

注文獲得競争。

に影響します。

だから、

ユーザー数だけではなく配達供給量

も見る必要があるッス。


⑥ 平均注文単価と実質負担額

一番重要なのは、

利用者が本当に安くなったのか。

商品価格。

送料。

サービス料。

クーポン。

ポイント。

全部含めた、

最終支払額

を見る必要があります。

「送料0円」だけ見ても、

商品価格が高ければ意味がないッス。


⑦ KDDIの次の投資先

menuをやめることで、

KDDIの資本や人員をどこへ振り向けるのか。

ここは、

menu終了そのものより長期的には重要かもしれないッス。

AI。

データセンター。

法人DX。

金融。

Ponta。

ローソン。

このあたりの投資額や業績を見ることで、

「menu撤退による経営資源再配分が成功したのか」

まで評価できるようになります。


黒羽みちる

「つまり、

9月30日に記事を閉じたらダメッス。

本当のアナリティクスは、

10月以降に数字がどう変わったか

を見るところから始まるッスよ。」


関連資料

今回の記事をさらに調べたい人へ

今回の記事では、公式発表を中心に確認しました。

一次資料から順番に読むと、menuの歴史と市場変化がかなり分かりやすくなります。

KDDI|menuのサービス終了・解散・清算について

2026年8月19日の公式発表です。

サービス終了理由、完全子会社化、9月30日の終了予定など、今回の記事の最重要一次資料です。

KDDI「menu」の提供終了およびmenu株式会社の解散・清算について

KDDI・レアゾン・menu|2023年の提携強化

「国内市場トップ」「三方良し」「ラストワンマイル・プラットフォーム」という、menuが当時描いていた未来を確認できます。

KDDI、レアゾン、menu、国内トップのデリバリーサービス実現に向け提携強化

KDDI|2021年のmenuとの資本業務提携

KDDIとmenuが最初に本格的に組んだ時期の資料です。

menuがデリバリー開始から急拡大していた時期の状況も確認できます。

フードデリバリー事業を展開するmenuとKDDI、資本業務提携契約を締結

Wolt|日本市場からの撤退について

2026年にmenuより先に日本撤退を決めたWoltの公式説明です。

「持続的な規模拡大」「長期的な優位性」「投資集中」という言葉は、現在のデリバリー市場を考える参考になります。

Woltの日本におけるサービスの終了について

Uber Eats|「お店と同じ価格」

2026年3月に約1万8000店舗から開始。

3年連続黒字、12万加盟店、約10万人の配達パートナーというUber Eats側の現状も確認できます。

Uber Eats、アプリ上の商品価格を「お店と同じ価格」に

Uber Eats|3A戦略

Anywhere、Anything、Affordabilityという現在の成長戦略が分かります。

Uber Eats「お店と同じ価格」発表会・3A戦略

Rocket Now公式

700万ダウンロード、送料0円、サービス料0円、お店と同価格店舗1万1000以上など、現在の価格戦略を確認できます。

Rocket Now公式サイト

サカーナ・ジャパン|日本のデリバリー市場規模

2025年のデリバリー市場規模8240億円、前年比2%増、2019年比97%増という市場全体の数字を確認できます。

2025年デリバリー市場規模レポート


THE MEDIAとしての最終まとめ

2019年。

menuはテイクアウトから始まりました。

2020年。

フードデリバリーへ進出。

2021年。

KDDIとの資本業務提携。

2023年。

国内市場トップを目標に、

ラストワンマイル・プラットフォームという未来を描きました。

そして2026年。

そのサービスは終了します。

しかし、今回ここまで調べてみると、

menu終了を、

「失敗したサービスの話」

だけで終わらせるべきではないことが分かります。

市場規模は残っている。

利用者もいる。

加盟店もいる。

配達員もいる。

需要もある。

それでも撤退企業が出る。

これは、

フードデリバリーというビジネスが「需要を作る段階」から、「需要を利益として持続させる段階」へ進んだ

ことを示しているのではないでしょうか。

そしてこれから、

Uber Eats。

出前館。

Rocket Now。

この残ったサービスが、

menuの利用者。

加盟店。

配達員。

注文。

をどう取り込むのか。

次の競争が始まります。

一番安い会社が勝つとは限りません。

一番大きな会社が必ず勝つとも限りません。

最終的に重要なのは、

利用者にとって便利であること。

加盟店に利益が残ること。

配達員が働き続けられること。

そして、

運営会社も事業として利益を出せること。

この4つを同時に成立させられるかです。


文責・博士知愛

「終わった理由」より、その先を調べる

【研究所。博士知愛が最後にホワイトボードへ向かう】

博士知愛

「ニュースって、

『○○が終了しました』

で終わっちゃうことが多いよね。」

でも、本当はそこからが面白い。

なぜ終了したのか。

市場そのものはどうなっているのか。

利用者はどこへ行くのか。

加盟店はどう動くのか。

配達員はどうなるのか。

競合企業は何をするのか。

そして、

その結果、

市場全体がどう変わったのか。

ここまで見て初めて、

一つのニュースを深く理解できるのだと思います。

今回のmenuについても、

「赤字だったから」

「Uber Eatsに負けたから」

と簡単な言葉だけで終わらせず、

確認できた事実と、

そこから導ける分析を分けて考えてきました。

menuが目指した、

「欲しいものを、欲しいときに届ける」

という未来が消えるわけではありません。

むしろ、

その未来を誰が実現するのか。

これからUber Eatsが作るのか。

出前館なのか。

Rocket Nowなのか。

あるいは、

まだ私たちが知らない新しいサービスなのか。

2026年9月30日は、

menuというサービスにとっては終着点です。

でも日本のフードデリバリー市場にとっては、

次の競争が始まるスタート地点

になるのかもしれません。

博士知愛

「だからTHE MEDIAでは、

9月30日で終わりにしないよ。

数字を見て、

続報を確認して、

またファクトチェックする。

ニュースは点じゃなくて、

時間の中で追いかけて初めて『何が起きたのか』が分かるからね。


文責:博士知愛
データ・アナリティクス監修:黒羽みちる
THE MEDIA/夢見ファミリー×プロラボ劇場

本記事は2026年8月19日時点で公開されているKDDI、各サービス運営企業、市場調査資料などをもとに構成しています。企業のサービス内容、料金、店舗数、利用状況などは今後変更される可能性があります。推測・分析については、公式発表として確認できる事実と区別して記載しています。

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