見出し画像

【豊かさとは?】娘が教えてくれた「今ここ」に集中すること





いつもより少しだけ早い時間。
学童に娘を迎えに行くと、

「今日はお迎え早いね!」


と、一輪車の練習をしていた娘が
満面の笑みで駆け寄ってきてくれました。


(そんなに早くママに会いたかったか…!)


なんて、嬉しい気持ちになったのも一瞬。

その満面の笑みは私ではなく、
美味しい美味しい飲みものに向けられていたことを知りました。




その日は日中、学童に「ヤクルトマン」なる人物が訪れたそうで。

ヤクルトについての歴史を語ったあと、
子供たちにヤクルトをプレゼントしてくれたとのことでした。


学童の先生から

「飲むのはお迎えが来てからね!」

と言われていた子供たちはみな、

「早くお迎えがこないかな〜。」

と首を長くして待っていたのです。


娘も例にもれず、

早くお迎えが来てヤクルトを飲みたい!


と、私が来るのを待っていました。


そんな娘に、
先生が冷蔵庫からひんやり冷えたヤクルトを持ってきてくれました。


目をキラキラさせ、大事そうに受け取る娘。

車までの道のりも、
「早くヤクルト飲みたい〜!」
と嬉しそうでした。


そんな嬉しそうな娘の姿をほっこりした気持ちでみる反面、
ちょっと悩ましいこともあって。


このヤクルト、当然のことながら1本しかない訳で…。


今から息子を保育園に迎えに行くというのに。
このままだと取り合いになって大喧嘩になること間違いなし。


恐ろしい事態をなんとしても回避したかった私は娘に、

「弟迎えに行くまでに、今から車の中で飲んじゃえばいいよ!」
と声をかけました。

娘は、一瞬ぱっと明るく笑いましたが、少し難しい顔になって、

「やっぱり家で飲みたい。」


と力強く言いました。



理由を聞くと、ずっと楽しみに待っていたヤクルトを、
車の中でパパッと飲んでしまうのが嫌だとのことでした。


「家でゆっくり味わって飲みたい」


その願いを聞いた時、思わずハッとしました。


自分が味わって食事をとったのはいつ以来だろうか、と…。



昔ラジオで聞いた言葉を思い出しました。

現代人は、複数の五感を使わないと「暇」だと感じる。

ご飯を食べながらテレビを見る。

家事をしながらラジオを聞く。

お風呂に入りながら本を読む…。


このように、
何かをしながら別の五感を刺激しないと物足りなさを感じるそうです。


私もそうです。
一人で食事を取るときは、YouTuberを掛けたり、noteを読んだり。

ただご飯を食べるだけでは時間が勿体ないと感じることさえあります。


世の中には刺激的で面白いことがたくさんあって。

あれもこれも!
見たい!読みたい!やってみたい!

と、本当に毎日が忙しいです。

そんな刺激的な毎日に、脳が麻痺してしまっているのだと思います。


もっと、もっと、刺激を。


そうして、ただご飯を食べるだけとか、料理をするだけとか。
シングルタスクだけでは「暇」だと感じてしまうのです。


こうしてたくさんの刺激を受け続けることって
幸せなことでしょうか。


本当は、もっとひとつひとつを丁寧に、
五感で感じ、味わうことが幸せではないかと思うのです。


今日食べるご飯の、一粒一粒の形。

口に広がる食感や温度。

甘さや塩気。


体に溶け込んでいく感覚を存分に味わえたら。

それだけでも十分、心も体も満足するのではないかと思います。


娘の「大事に味わって飲みたい」という気持ち。

この気持ちを大切にしたいと思いました。


私は途中にあるスーパーに寄り道し、5本入りのヤクルトを買いました。

夕ご飯を食べた後、
娘、息子、私の3人でヤクルトで乾杯。

優しい、ピンク色をしたその飲み物は、
他では味わえない独特の甘みとまろやかさに包まれていました。


とろりとした舌ざわり。

ほんのり酸味をまとったやさしい甘さ。

小さな容器から口いっぱいに広がる懐かしい味。


冷蔵庫から出したてのひんやり感が、
疲れた体にすっと染み込んでいきました。


ごくりと飲み込むたびに、
体の奥からホッとするような安心感が広がっていく。


ヤクルトのあの小さな一本には、
「ただの飲み物以上の何か」
が詰まっている気がします。



子どもにとっては特別なおやつであり、
大人にとっては幼い頃の思い出を呼び起こす小さな魔法。


たった数口なのに、心まで満たされるのを感じました。


娘が言った「大事に味わいたい」という言葉が胸に響きます。



私たちは、つい何かをしながら食べたり飲んだりしてしまう。


けれど、ひとつひとつ五感で感じながら味わうことこそ、
本当の豊かさなのかもしれません。


小さな一本のヤクルトが、忙しい日常の中で忘れかけていた
「感じる幸せ」を教えてくれました。


次のごはんは、
スマホもテレビも置いて、ただその味だけを感じてみませんか。


一粒のごはん、一口のお茶、一杯の味噌汁。


それを五感で味わうだけで、きっと心も体も満たされていくと思うから。



【ちょっと豆知識】

ヤクルトに入っている『乳酸菌 シロタ株』「シロタ株」
ヤクルトの父と言われている「代田稔しろたみのる」さんから名前が取られています。


代田さんの育った土地は、高い山々に囲まれ、
なかなか作物が取れなかったそうです。


まずしい家が多く、栄養さえ取れば治るような病気でも、
命を落としてしまう人が後を絶ちませんでした。


そんな人達を救える医者になりたい。


この思いから、代田さんは医者になることを目指しました。


生物の研究が好きだった代田さんは、
後に微生物の研究に励みます。


その頃の日本といえば、栄養状態も衛生状態も悪く、冷蔵庫もない。

せきりやチフスといった伝染病が流行する中で、


かかってしまってからでは、治す方法がない。
予防することが大切だ。


病気にかからないための
「予防医学」をすすめることの大切さを感じたのです。


より強い菌を培養する。

そうして生まれたのが、「乳酸菌 シロタ株」でした。


代田さんの
「栄養不足でなくなる人たちを救いたい」
という想いが込められたヤクルト。


背景を知ると、また味わいも違ったものになると感じます。

だんだん、寒くなってきましたよね。
あれもこれもと、刺激の多い毎日ですが、
どうぞ体をお大事に。

今日はゆっくり、五感で感じる豊かさを味わってみて下さい。



いいなと思ったら応援しよう!

つばき🌺@暮らしをととのえる あなたのチップでチョコチップを買います!! (無類のチョコ好き) 甘い時間をエネルギーに、また言葉を紡ぐ活力にしたいと思います。

この記事が参加している募集