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大阪にピラミッド?堺で見つけた「日本のボロブドゥール」

大阪の堺市といえば「大仙陵古墳(仁徳天皇陵)」が有名ですが、実はその近くに、奈良時代に造られた不思議な「ピラミッド」があるのをご存知でしょうか。

今回は、住宅街の中に突如現れる異空間、
**「土塔(どとう)」**をご紹介します。

目次

  1. 堺の住宅街に眠る階段ピラミッド「土塔」

  2. インドネシアの世界遺産「ボロブドゥール」との不思議な共通点

  3. 「動」と「静」が共存する、おつな修復

  4. 1300年前の民衆パワーを感じて


1. 堺の住宅街に眠る階段ピラミッド「土塔」

堺市中区、その名もズバリ**「土塔町(どとうちょう)」**。
ここに、東大寺の大仏建立でも知られる僧・行基(ぎょうき)によって、727年に築かれたと言われる巨大な塔があります。

それが、国指定史跡「土塔」です。

長い間、野ざらしの状態で小山のようになっていましたが、約20年前から再建整備が行われ、現在は当時の壮大な姿を間近で見ることができるようになっています。

土塔公園の入口
堺のピラミッド 土塔

2. インドネシアや奈良にも?「階段式ピラミッド」のミステリー

その姿を見ると「あそこみたいだ!」と直感します。そう、インドネシアにある世界遺産**「ボロブドゥール遺跡」**です。

インドネシアの世界遺産 ボロブドゥール遺跡

実は、この建築スタイルは当時のアジアにおける一つの「流行」だったそうです。これらには興味深い共通点があります。

  • 階段ピラミッド構造: 一般的な木造の塔ではなく、土や石を積み上げた「階段式」の形をしています。

  • 立体的な「曼荼羅(まんだら)」: 塔そのものが仏教の宇宙観を表現しており、ボロブドゥールも堺の土塔も、信仰の対象として構築されました。

  • 奈良にある兄弟分「頭塔(ずとう)」: 実は奈良の東大寺の近くにも、この土塔にそっくりな**「頭塔」**というピラミッドが存在します。土塔の約40年後に造られたと言われており、もともとは土塔と呼ばれていたのが頭塔に変わったそうです。

東大寺の頭塔

堺の「土塔」は行基、奈良の「頭塔」は東大寺の実忠という僧侶が関わっていますが、どちらもインド周辺の古い仏塔の形式をモデルにしていると考えられています。
海を越えて伝わったデザインが、同時期の日本とインドネシアで花開いたと思うと、歴史のロマンを感じずにはいられません。

3. 「動」と「静」が共存する、おつな修復

土塔を訪れて面白いと感じるのは、その復元の方法です。

4面あるうちの2面は瓦を葺いて当時の姿を再現し、残りの**2面はあえて昔の状態(土のまま)**で保存されています。

新しくも力強い往時の姿と、長い年月を経て土に還りかけた姿。その両方を同時に見比べられるのは、なんとも「おつ」な演出です。

左の斜面は整備済、右は未整備

4. 1300年前の民衆パワーを感じて

私は高いところに登りたがる傾向があるので、思わず頂上まで行きたくなりましたが、残念ながら登ることはできません。

しかし、周囲を一周歩くだけでも十分にその迫力に圧倒されます。
かつて、行基を慕う多くの人々が瓦を運び、一枚一枚に名前を刻んで積み上げたというこの塔。千人以上の名前が刻まれていたそうです。

日本の普通の住宅街のど真ん中にいながら、まるで海外の遺跡に迷い込んだような異質な感覚を味わえる、本当に興味深い場所です。

建立時の姿

大仙陵古墳を訪れる際は、ぜひ少し足を伸ばして、この「堺のボロブドゥール」を体感してみてください。1300年以上前の人々のエネルギーが、今もそこに息づいています。


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