Myパーパス内製化②_Day2でのMyパーパスを作る時の注意
こんにちは。Think and Dialogueの鮫島です。
今まで50社以上、延べ15万人を超える皆さまにMyパーパス研修を提供してきたThink and Dialogueですが、今日はMyパーパスの作り方で弊社が特に意識していることについて書きたいと思います。
前回リンクはMyパーパス内製化①_Day1でマイパーパスを扱わない理由
前回のDay1では「Myパーパスを使わない」ということをお伝えしましたが、Day2ではいよいよMyパーパスを実際に作っていくことになりますので、今回は、Myパーパスを作ってもらう際にTDが工夫していることについてお話しできればと思います。
なお、ここに記載することはあくまでTDが行っていることであり、他の会社様や自社内で行っていることの良し悪しを論じるものではありません。その点をご承知の上、お読みいただければと思います。
TDが意識していること、大きく4つあります。
① 「Myパーパス」は重要ではない
② Myパーパスは一人で作らない
③ 嫌なことも悲しいことも振り返る
④ Myパーパスに良いも悪いもない、ただし…
① 「Myパーパス」は重要ではない
いきなり元も子もないことを言って申し訳ございません、本活動をされている方もご納得をいただけると思いますのでこのセンテンスの最後までお読みいただければ幸いです。
皆さん、そもそもMyパーパスってどういうものだと思いますか?
僕たちはMyパーパスを活用するとき、お客様からのご要望でさまざまな言葉に言い換えて表現することがあります。「私の志」「価値観」「大事にしている思い」、英語で言えば「Will」や「Mission」といった言葉がそれにあたります。
どれも、人生の指針、仕事をしていく上で重要となるような自分が大切にしている価値観というのが響きとして伝わってくるかと思います。
そういったその際に一番重要なのは、自分が作った言葉そのものに、自分自身が納得できるかどうかだと思っています。
最終的にMyパーパスは、一言のキャッチコピーのような、ひとつのセンテンスにまとまっていくわけですが、それにどう納得感を持たせるかというと自分の過去の体験を「抽象化」することによってです。
「過去の経験」から、「今の価値観」を見出す
今の自分の価値観は、自身が過去に経験したこと、感じたこと、考えたことから生まれています。だからこそ私たちは、Myパーパスの取り組みの大半の時間を過去の振り返りに使っています。
過去に自分がどんなことを感じ、考え、思っていたのか。そこから抽象化していった末に生まれるのが、Myパーパスです。
ですので、僕たちが重要視しているのは「Myパーパスの文言がどれだけキレイにできたか」ではなく、そのプロセスをいかにご自身が納得できるようにするか、という点です。
もう少し言うと、最後にMyパーパスの対話をする場面では、Myパーパスそのものだけでなく、「こんな体験・経験が自分のMyパーパスに影響を与えたと思います」ということも合わせて共有していただいています。自分だけでなく他の人から見ても、そのMyパーパスの背景が分かりやすくなるからです。
② Myパーパスは個人では作らない
そもそも、なぜMyパーパスを作るのでしょうか。
Myパーパスを作る目的は大きく二つあると思っていて、一つは「自分のため」、もう一つは「他者」、仲間やチームの方々と仕事をよりスムーズに力強くするためという視点です。
「自分」の視点では、自分のMyパーパスを認識し、それをチャレンジや挑戦につなげていく、日々の仕事につなげていくということがあります。
もう一方の「他者」の視点、実はMyパーパスを活用する場面では、こちらの視点がお客様から強く求められますし、結果として非常に重要になってきます。
会社として働きやすさを整備していくという視点で言うと、心理的安全性やダイバーシティ&インクルージョンの観点から、一緒に仕事をする人のことを理解しながら仕事を進めるために、自分のMyパーパスを共有し、他者のMyパーパスを知るという目的があります。
また最近の文脈でいくと、チームで挑戦していく際に、お互いの大切にしている価値観や、その価値観が生まれた背景を共有することで、上司が部下をマネジメントしやすくなったり、逆に部下も上司に対して「こういうことをしていきたい」「こういうことはしないでほしい」と伝えやすくなったりします。これも、Myパーパスを作る大きなコンテキストの一つだと思っています。
こうしたことを考えると、他者にMyパーパスを共有しながら働くということを実現するために、最初からMyパーパスの作成を個人だけで行うのではなく、他者と対話しながら行うことが理にかなっています。
また、個人だけでMyパーパスを作ろうとすると、どうしても行き詰まりが生じます。自分では気づかなかった視点、ジョハリの窓でいう「未知の窓」のようなものにアクセスできなくなるからです。他者に自分のMyパーパスを聞いてもらい、どう思ったかコメントをもらうことで、自分への納得感がより高まっていきます。
だからこそ私たちは、ワークショップの中でみんなと対話しながらMyパーパスを作っていくことを大切にしています。
※ただし、Myパーパスを作る過程で、人に言いたくない体験や経験は誰しもあるものです。共有したくないことについては、共有しなくて全く問題ありません。この点はわりと注意深くお伝えするようにしています。
③ 作る際は、嫌なことも悲しいことも振り返る
先ほども記載したように、Think and DialogueではMyパーパスを作る際は過去の経験を思い出しをそれを抽象化することで今の自分の大事にしている価値観を明確化します。
過去の経験を振り返る際に、TDでは「WANT / MUST / CAN」というフレームワークを使っています。
WANT:嬉しかったこと、楽しかったこと、わくわくしたこと
MUST:悲しかったこと、怒ったこと、嫌だったこと
CAN:その経験によってどんな能力が身についたか

私がこのフレームワークで一番特徴的だと思っているのは、MUSTの部分です。
私は個人的に自身のMyパーパスを作る時にこのMUSTの部分が
ただ作ってみると嫌なことや悲しいことにも向き合うというのは、とても大事だと気づきます。嬉しいことや楽しかったこと「WANT」と同じくらい自分の価値観を形作っていると思います。
例えば私は、以前経営していた会社で新規事業に失敗し、倒産寸前の状態になったことがあります。そして、その状況を家族やメンバーに伝えなければならない場面がありました。今でもその時のことを思い出すと胸が苦しくなります。
ただ、その経験を振り返り続ける中で、自分なりにたどり着いた反省があります。それは、自分自身が事業の可能性を最後まで信じ切れていなかったこと、そして事業の価値や魅力を一人ひとりに十分に伝え切れていなかったことです。
だからこそ、私のMyパーパスには「広める」「伝える」という言葉が入っています。今でも日々の行動の中で常に意識していますし、自分自身だけでなく、チームのメンバーにもそうした行動を大切にしてほしいと思っています。
これは創業者である富岡の考え方でもあるのですが、人が大切にしている価値観は、嬉しかった経験や楽しかった経験だけから生まれるものではありません。悔しかった経験、怒りが湧いた経験、悲しかった経験もまた、その人の価値観に大きな影響を与えています。
だからこそ、そうした経験を単なる過去の出来事として見過ごすのではなく、「自分が何を大切にしているからこそ、その感情が生まれたのか」という視点で捉え直すことが大切です。その積み重ねが、自分らしいMyパーパスにつながっていくのだと思います。
私たちは、このMyパーパスの取り組みにおいて、そうした過去の感情や経験も含めて、自分自身の価値観として丁寧に向き合うことをとても大切にしています。
④ Myパーパスには良いも悪いもない、ただし…
ここまでMyパーパスの作り方についてお話ししてきましたが、良いMyパーパス・悪いMyパーパスというものはないと思っています。
たとえ人から見た完成度が低くても、ご自身が納得できているのであれば、どんなMyパーパスでも全く問題ありません。
あえて一つ尺度を挙げるとすれば、過去の体験・経験がどれだけ出てきているかが、Myパーパスの納得度とある程度比例しているように感じています。自分の価値観を言語化することに慣れていない方ほど、体験・経験という「土台」をどれだけ積み上げられるかが、納得感につながっていきます。
実際にこの取り組みの中で、ある企業の社長にMyパーパスを作成していただいたことがあります。通常であれば10ページほどのワークシートなのですが、その方は「原体験を書いていたら全然足りなくて」ということで、最終的に50ページにも及ぶシートになりました。恐らく、それまでの人生を振り返りながら、自分自身と深く向き合われたのだと思います。
その後、その社長は経営チームとの対話の際にそのシートを活用されました。すると、「社長がいつも言っている言葉には、こういう背景があったのか」「社長の意外な一面を知ることができて、より親近感を感じた」といった声が上がったそうです。
そして、その会社では社長だけでなく社員の皆さんも「原体験をたくさん書く」ことが当たり前になっていきました。今でも、その会社では部門長やマネジメントの皆さんが業務の場でMyパーパスを活用しながら対話を重ねており、少しずつ組織への浸透が進んでいます。
まとめ
Day2のポイントをひと言でまとめると、「一人だけで作らず、人と一緒に過去の体験を振り返りながら、自分の大切な価値観を言葉にしていく」ということです。
なお、これはあくまでTDのやり方であり、さまざまなアプローチがあって然るべきだと思っています。
次回のDay3では、作ったMyパーパスをどのように共有し、運用していくかについて書いていきたいと思います。コメントやご質問があればぜひお気軽にどうぞ。よろしくお願いいたします。
参考になった方は、ぜひフォローやいいねをいただけると励みになります。DMや匿名でのご質問も歓迎です。
引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。
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Think and Dialogue COO鮫島佑介
明治大学法学部卒業後、アーキタイプ株式会社にて大手コーヒーチェーンのCRM業務に従事し、プロモーション戦略の立案から効果検証までを一貫して担当。
2017年には株式会社あわくろを創業し、徳島県産ブランド牛「阿波黒牛」のブランディングや飲食事業を展開。バーチャルレストラン事業では全国に400店舗以上を拡大。
2023年にThink and DialogueにCOOとして参画。導入責任者として50社以上の組織変革プロジェクトに携わり、経営層から現場まで幅広い対話を通じて、Myパーパスを起点とした組織変革・人材開発を推進している。
