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Myパーパス内製化①_Day1でマイパーパスを扱わない理由

こんにちは。Think and Dialogueの鮫島です。
今まで50社以上、延べ15万人を超える皆さまにMyパーパス研修を提供してきたThink and Dialogueですが、私はCOOとして、2023年より入社し多くの企業の皆様と取り組みをご一緒してきました。

Myパーパスへの関心の高まりとともに、大変ありがたいことにご相談をいただいている一方で、弊社の体制上、すべてのご依頼をお受けすることが難しく、ご期待に添えないこともあります。

そんな中でも、より良い形でMyパーパスという言葉が多くの働く人に届いてほしい、そんな気持ちでこのnoteを書いております。
質問があればコメントやDM、匿名でも大丈夫なので気軽にお送りいただければと思います。

今回は「自社でMyパーパス研修を行うならどう設計するか」を、できるだけ具体的にお伝えしてこうと思います。

鮫島です。なんだかんだでこの記事書くのに5時間かかりました。

Day1:Myパーパスを作らない

まず最初にお伝えしたいのは、Myパーパス研修のDay1では、実は「Myパーパス」という言葉をほとんど使わないということです。

私たちはMyパーパスの価値を理解しています。また、こうした取り組みを社内で推進しようと考えている人事の方や経営者の皆様は、ご自身でも勉強や研究を重ねながら、「人が自分らしく働くことの大切さ」や「人と人との対話の重要性」を感じていることが多いと思います。

しかし、日々企業の中で忙しく働く方からすると、
「ただでさえ忙しいのに、なぜ自分と向き合わなければいけないのか」
「そんなことを考えるより、目の前の仕事を進めたい」
という状態であることも少なくありません。

それは自然なことだと思います。多くの人にとってMyパーパスはまだ必要性を実感できていないテーマだからです。

だからこそDay1で最も重要なのは、「Myパーパスを考えること」ではなく、「なぜ今それをやるのか」という文脈を共有することです。

私はこれを「コンテキストマネジメント」と呼んでいます。
実際に、私がPMとしてご一緒させていただいた企業様の中にも、このコンテキストづくりが十分にできず、思うような成果につながらなかったケースがありました。

私の失敗

あるお客様で「Myパーパス」研修を実施しようとした際のことです。「うちの社員はすでにMyパーパスの重要性を理解していると思うので、Day 1からMyパーパスを作らせてなるべく時間をかけてほしい」というご依頼をいただきました。
実はこういったご依頼はよくあることです。皆様の貴重な時間をいただくわけですから、1分1秒でも多くの時間をMyパーパスの作成に当てたいということは当然だと思います。

当時はまだ入社したてで、それで大丈夫だろうと思っていたのですが、開始してからしばらくたっても、対話は思った以上に盛り上がりませんでした。ワークの内容はいつも通りでしたし、ファシリテーターも素晴らしかったです。

うまくいっていないことを確信したのは、全体への質疑応答の場面でした。「そもそもこの取り組み自体にどういう意味があるのか」といった、前提に関する質問や意見が出てしまったのです。

この「そもそも」という言葉を聞いた時にドキッとしました。この取り組みの重要性が伝わっておらず、このままだとMyパーパスを作るフェーズで前向きに取り組んでいただけないと感じたからです。
そこから、ファシリテーターが改めて丁寧にこの取り組みの背景について話したお陰でその後は持ち直したのですが、PMとして非常に反省する出来事でした。

これからコンテキストを作ろうとする方のご参考に

あくまで、Myパーパスは目的を実現するための手段であって、ゴールではありません。

お客様がMyパーパス研修をやりたいといっても、その背景と、お客様がMyパーパス研修をやろうと至った経緯についてお聞きしています。

これからMyパーパス研修を行おうとしている方に関してはこのコンテキストを考えようとしているところだとは思いますが、現場に立っているとお客様のお悩みも、業界問わず似通ってきていると感じております。

昨今よくお聞きするコンテキストについて、下記のようにまとめてみましたので是非ご参照いただければ幸いです。

お客様からのヒアリング中で聞いたものを「時代・社会」「顧客」「自社戦略」という3つの観点で分けて書いてみます。


①「時代・社会」AIの登場による自己効力感の低下

AIの登場により、多くのタスクが、瞬間的に終わるようになってきました。資料作成や情報収集、分析業務など、さまざまな仕事がAIによって代替・補完される中で、「自分の仕事の価値は何なのか」「自分でなくてもできるのではないか」と感じる人も増えています。

実際に、自分自身の仕事そのものがAIに代替されるのではないかという不安や、自分の存在価値を見出しづらくなっているという声も多く聞かれるようになりました。

だからこそ、これからの時代は単に仕事をこなすことだけではなく、「なぜその仕事をするのか」「何を実現したいのか」といった、一人ひとりの意志や意味づけがより重要になっています。仕事の成果だけでなく、主体性が問われる時代になってきていると考えます。

ここ最近の傾向として多くの経営者が社員に期待することとして、「主体性」という言葉のほとんど同じ意味で「当事者意識」「オーナーシップ」「自律」「意志」「挑戦」といった言葉を用いられることが増えていると感じています。


②「顧客」:顧客からの指示を実現するのではなく、積極的に提案活動を行う

こうした時代背景の中で、お客様との関係性にも変化が生まれています。

AIの活用によって、お客様自身が情報を集めたり、課題を整理したり、一定レベルの解決策を導き出したりすることが容易になりました。そのため、これまでのように「お客様から言われたことを正確に実現する」だけでは、十分な価値を提供できなくなりつつあります。

特にBtoB企業においては、お客様の要望を実現することに重点が置かれてきました。
しかしこれからは、お客様自身も気づいていない課題や可能性を捉え、相手の状況や背景を深く理解した上で、自ら提案していく姿勢が求められます。(Sier・IT業界ではではオファリング、製造業では提案型や共創型、などのワードはより強く意識されていると感じます。)

③「事業戦略」戦略を実行する時代から、自ら戦略を創る時代へ

企業経営においても、大きな変化が起こっています。
これまでは、経営層やトップマネジメントが描いた事業戦略を、組織全体で着実に実行していくことが重視されてきました。しかし、先行きが不透明で変化の激しい時代においては、あらかじめ描かれた計画だけでは対応できない場面が増えています。
市場環境や顧客ニーズ、技術革新が日々変化する中で、現場で起きている変化を最も近くで感じているのは、一人ひとりの社員です。
だからこそ、これからは「言われたことをやる」という受動的な姿勢ではなく、自らの意志を持ち、課題を発見し、挑戦していくことが求められます。
経営層が方向性を示しながらも、その実現に向けては社員一人ひとりが主体的に考え、行動し、新たな価値を生み出していく。そうした個人の意志と挑戦が、企業の競争力そのものを支える時代になってきているのです。

コンテキストは「誰が言うか」

ここまでコンテキストマネジメントについて、「何を言うか」という視点で話を進めてきましたが、究極的に言うと、僕たちは「そのコンテキストを誰が言うか」という点に、重きを置いています。

Myパーパス研修を一部の人事的な施策、ではなく今の時代背景、お客様の環境、自社戦略をふまえた上で経営としてこの施策が必要だということを受講者の皆様にきちんとお伝えするためです。そのため、多くの場合はその事業体のトップ、もしくはそれに近い方にこの取り組みについてお話ししてもらいます。

その言葉を聞くと、これから研修を受ける皆様も自分自身に対して前向きになります。「Myパーパスをただやればいい」というものではなく、自分の過去の原体験や経験を踏まえて「価値観をちゃんと書こう」という気になってくれるので、なるべくこうした形を実現するようにしています。

まとめ:Day1は「答える日」ではなく「問いを届ける日」

Day1の本質は、Myパーパスを作ることではありません。

「なぜ今、自分のパーパスと向き合う必要があるのか」

この問いに、受講者が自分なりの答えを持てるようにすること。それがDay1の唯一のゴールだと考えています。
企画されている方としては

「私たちは、なぜMyパーパス研修をやろうとしているのだろう?」

という問いに向き合うと、より良いMyパーパスの取り組みができるのではと考えます。

次回のDay2では、Myパーパスを実際に「作る」ことについて書きたいと思います。

どんなワークをどんな意図でどう設計するか、具体的な手順まで踏み込んでお伝えします。
参考になった方は、ぜひフォローやいいねをいただけると励みになります。DMや匿名でのご質問も歓迎です。

引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。

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Think and Dialogue COO鮫島佑介
明治大学法学部卒業後、アーキタイプ株式会社にて大手コーヒーチェーンのCRM業務に従事し、プロモーション戦略の立案から効果検証までを一貫して担当。
2017年には株式会社あわくろを創業し、徳島県産ブランド牛「阿波黒牛」のブランディングや飲食事業を展開。バーチャルレストラン事業では全国に400店舗以上を拡大。
2023年にThink and DialogueにCOOとして参画。導入責任者として50社以上の組織変革プロジェクトに携わり、経営層から現場まで幅広い対話を通じて、Myパーパスを起点とした組織変革・人材開発を推進している。

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