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研究者のキャリアにおいて、いつ海外に行くのがベストか

研究者のキャリアの中で「いつ海外に行くか」は、多くの人が一度は悩む問いだと思う。

前に勤めていた大学で、日頃から相談に乗っていただいていた女性教授が、転職のお祝いにと食事に誘ってくださった。
せっかくの機会だったので、研究者としてのキャリアについていろいろと質問した1つを、備忘録として。

Q.「最終的には日本でPIになりたいです。その前に数年間は海外で研究経験も積みたい。どういう形で海外に行くのががいいと思いますか?」

A.「将来的に日本に帰るつもりなら、日本でパーマネントのポジションを得てから、大学の制度を使って海外に行くのをおすすめします」

これは、若いうちに海外経験を積むのが良い!と思い込んでいた私には、少し意外な答えだった。

先生自身は、博士のあと数年ポスドクをしてから海外に渡り、そのまま10年以上、海外の研究機関で働いていたそうだ。
その経験から、海外に長くいるほど日本とのつながりが薄くなり、帰国してからポジションを得るのが本当に大変になることを実感したとおっしゃった。

実際、先生は海外生活後半は日本に帰りたくて仕方なかったらしい。しかし、ご縁があった先生方はもう定年退職されていて、受け入れ先がなかなか見つからず、、、とても苦労したと。

「帰る場所がないって、想像以上に不安になりますよ」

だからこそ、帰る先を確保してから海外に行けるのが一番いい、と。


研究者のキャリアに「正解の順番」はないのだと思う。
若いうちに外に出るのか、拠点を固めてから挑戦するのか。どちらにもリスクとメリットがある。

私はこれまで、「海外に行くなら早いほうがいい」と思い込んでいて、
もう30代になってしまったと、どこかか焦りのようなものを感じていた。

でも今回、先生のお話を聞いて、自分が本当に優先すべきは、
「海外に行く」という目先のやりたいことなのか、「長期的な視点でどこで研究を続けていきたいのか」を考慮した戦略的計画なのか、
分からなくなってしまった。

将来のことを戦略的に考えすぎて、今挑戦できるチャンスを逃してしまったら、未来の自分が後悔するのではないかと思うし、
抽象的な表現だが、なんだか自分らしくないような気がする。

若手研究者の悩みは尽きない。
目の前のことを頑張って、来た船に乗り込んでいく生き方が、自分の性に合っているかもしれない。

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