参入障壁の経済学:なぜ総合商社法務は「キャリア最強ポジション」に近いのか ※業務終了後の投稿
総合商社の法務部。
これは、個人のキャリアという観点から見ると、どのような意味を持つのだろうか。
私は、総合商社法務は、日本に存在する会社員の職種のなかでも「最強」に近いポジションの一つだと考えている。
なぜなら、単に年収が高いからではない。
複数の「参入障壁」に守られており、短期間では代替されにくいからである。
キャリアにも「参入障壁」がある
参入障壁とは、本来は企業や業界の競争環境を分析するための経済用語である。
新しい企業が市場に参入しようとしても、巨額の設備投資、特許、ブランド、販売網、規制などが壁となり、簡単には既存企業と競争できない。
しかし、この考え方は個人のキャリアにも当てはまる。
最も分かりやすい例が医師である。
どれほど頭が良くても、医学部を卒業し、医師国家試験に合格しなければ、医師として診療することはできない。弁護士や公認会計士も同様である。
これらは、資格によって参入者を制限する「制度的な参入障壁」である。
一方、SAPコンサルタントのように、法律上の独占資格を必要としない専門職も存在する。
SAPコンサルタントには、理論上は誰でもなることができる。しかし、実際に市場価値の高い人材になるには、会計や生産管理などの業務知識、SAPの設定知識、大規模プロジェクトの経験、海外拠点との調整能力などを長期間蓄積しなければならない。
こちらは、資格ではなく「経験の蓄積」による参入障壁である。
重要なのは、キャリアの参入障壁には複数の種類があるということだ。
資格の壁
業界経験の壁
職種専門性の壁
語学の壁
海外経験の壁
人的ネットワークの壁
実績と信用の壁
これらの壁を複数組み合わせるほど、その人のキャリアは他人から模倣されにくくなる。
総合商社そのものが希少な業界である
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