【歌唱する歌】バンタンの歌声とその役割【語る歌】
「歌」って何なんだろう
私はホビ(J-HOPE)の歌声がすごく好きです。
しかし同時に、彼の歌声はバンタン(BTS)メンバーの中で一番「変わってる」とも感じます。
春から夏にかけてホビのソロツアーがあり、その際スミンミュスとチャント練習を兼ねてめっちゃ履修したんですよね。
私普段は熱中すると外界を認識しなくなるタイプなので、音楽をかけっぱなしにしていてもあまり意識に入って来ないのですが、さすがにチャント練習では集中して聞くため、100万回くらい「やっぱこの人の歌声は変わってるな」ってしみじみ思いました。
それは何故なのか考えてみたので、ちょっとその内容を喋らせてもらっていいですか?
ちなみに、私はクラシック畑で育ったK-POP&ヒップホップド素人で、最初「BTSにはラッパーがいる」ことにも気づいてなかったくらいなので(英語曲から入ったからラップが薄かった)、その認識でよろしくお願いします!
私は、多分平均よりは音楽に親しんで生きてきたのですが、基本クラシックがベースだったので、ヒップホップなどのストリート系にはほぼ触れたことがありませんでした。
そもそもホビの声ってどんな感じ?
ホビは音域が広く、バンタンの中ではテテに近いと思います。『Mic Drop』でも、テテパートは歌うけどジミンちゃんパートではパフォーマンスに入るなど、守備範囲の近さを感じました。
ベースの声質は高め。悲鳴や笑い声を思い出してもそうですし、EPISODEで『Sweet Dreams』のミゲルパートを軽々歌ってたとこからしても、かなり高いですよね。でもディズニー吹き替えとか聞くと低い声も出ます。
この曲は全体的にキーが高いので、ホビの高音が綺麗に響き、音域の広さに驚かされますね。
ホビの曲はリズムが自由だし、チャントも「そこに入るの!?」ってことがあってビビるのですが、これはシンプルでわかりやすいです。
彼の歌声には独特のノイジーな響きがあり、私はこれが凄く好きです。年を取って枯れたらどんな風に変化するだろうと、今からワクワクしています。
今回生で聞いて感心したのは、ホビの声音の多彩さです。
ホビって音域はテテに近くて、低音から高音まで出るんですよね。しかも、独特のだみ声やノイジーな響きも使い分けてくる。
これは、普通に歌う時とは声の使い方や出し方が違うのですが、コンサートで進行を把握しながらパフォーマンスし、客にアピールしながら曲ごとに声を切り替えていく鮮やかさが素晴らしいと思います。マルチすぎる!
それ以外にも、ホビには声音を使い分けるのがとても上手い、という特徴があるように思います。これは音域の広さも影響しています。他のラプラメンバーに比べると、ホビはかなり多彩な声を出せますから。
バンタンの曲聞いてて、「誰だこの人じゃないみたいな声は」って思うの、ほぼホビパートなんですよね。『Run BTS』のメンバー名呼ぶパートもそうですが、すごく印象的です。
私はクラシック的な「歌うための声(体で響かせて体幹で支え、ビブラートをかけ、旋律として紡ぎ上げる)」に慣れてるんですが、ホビはよくそのラインを越えてきて、声の使い方が自由だと感じます。
叩いたり振ったりの振動で音が出る、ヴィブラスラップやバリンビンといった体鳴楽器みたいだと感じる事すらあります。
何ならホビは、時々自分の声をパーカッションみたいに使ってると思います。
歌のメインストリームの裏で差し込まれてるホビの声、めっちゃ変わってるんですよね。低いブゥンとした響きから、闇をつんざく遠吠えまで、自由自在。
声をぎゅっと潰してひずませたり、吼えたりしていて、メロディを維持しようとする歌い手にはできない発想の自由さがあり、とてもユニークです。
私ホビの、ジャングルの夜をつんざくような高い吼え声大好きです。類人猿の警戒シャウトみたいで、耳をそばだてずにいられません。原始の血が騒ぐわ……!(そろそろホビペンさんに怒られそうな気がする)
そこにテテが地響きみたいな「Hello, Hello」で空気を震わせてきますからね、ほんとバンタン聞いてて飽きないわ。
こういった特性は、私が育った世界ではあまり見たことがないものだったので、私は「変わってる」と感じ、その魅力に惹きこまれます(*ノωノ)
自分の耳に聞こえるバンタンの歌声
前述したように、私はクラシック音楽に馴染んでいます。
このジャンルはメロディアスで流れるような旋律が特徴じゃないかと思うのですが、ボーカルラインの歌声はこれに当てはまります。
メロディ重視の歌い方
主役はメロディ
音程を維持した上で表現を足す
声を溶け合わせる
歌声の裏に楽譜が見える、音符に言葉が乗って流れてくる、ただ歌うだけでなく独自の彩りがあり、倍音が響いて音が豊かである、など、彼らの歌には私に理解できる上手さがあります。
せっせと学習した結果ヒップホップというジャンルをかじり、ラップをカッコいいと思う価値観を身に着けた私ですが、ナムさんとユンギの歌声はその文脈である程度理解できます。
ラプラの歌は、言葉に音符を置いてるように聞こえます。
彼らは、音符の長さより言葉の響きやリズムを重視し、おそらく4分音符があるであろう場所でもサクッと切り上げて刻み、音階ではなく発音で旋律を作っているように感じるからです。
要するに、「音が乗ってるから歌っぽいけど、本質は喋り」な歌に聞こえています。
言葉重視の歌い方
主役は言葉
楽譜より、歌詞のリズムや響きが優先される
異質な音を重ねるのに躊躇がない
しかし、じゃあホビもそこに入るんじゃないのと言われると、それが難しい。彼の場合は、どっちの文脈でも理解できない瞬間があるからです。
ホビのコントロールの上手さが、メロディ重視でも言葉重視でもない第三の扉を開いてる時がある、気がする。
これは上手い下手じゃなくて、「この人今五線譜の上にいる?」って戸惑うんですよね。
ピアノの鍵盤では表せない場所で、声を使った表現をしているけどこれは「歌」……ではあるけど何?っていう、謎の困惑を覚えます。
この曲の途中のパート、凄い好きなんですよね。「나만의 Rule로 내 Bro와 같이 나란히 걸어(俺だけのルールで 俺の兄弟たちと 共に並び歩む)」から始まる部分。
めっちゃ独特だと思います。ラップでも歌でもない、マニとか経文みたいな祈りのような音の流れが、変わってて耳に残ります。
声を含めた表現の種類って、本当に多彩だと思います。
自分がバンタン曲を面白いと感じるのは、そういう「歌声の個性」が非常に幅広いからなのかもしれません。
彼らの楽曲は「メインで誰か歌ってるのにそんなに被せる!?」みたいなこともありますが、それが邪魔にならず、むしろ混声7重唱みたいな音の分厚さを感じさせて来るのは、ボカラの繰り出すメロディとラプラの刻む言葉が別の種類の「歌」を歌っているせいなのではないか、と思わされました。
PdoggPDが言ってた「ラッパーだけが表現できるボーカル領域」には、しみじみ納得させられます。
実際、ラッパーだけが表現できるボーカル領域というものがあり、それを非常に上手く表現して冗談交じりにボーカリストへの欲求を出すメンバーもいるようですね……(笑)
それぞれの歌声が持つ役割
ちなみに、バンタン曲におけるメンバーの歌声の役割分担は、私が分けるとこうなります。
🐹ジン君:インパクト
🐱ユンギ:サウンド
🐿️ホビ:意外性
🐨ナムさん:メッセージ
🐥ジミンちゃん:ドラマ
🐻テテ:雰囲気
🐰グク:メロディとビート
強力なグクの歌声が歌の世界を作り上げ、安定させます。
そこに「言葉」を操るナムさんが方向性を与え、ユンギがエンジンをかけ、テテの操るイメージが深みを、ジン君の揺るぎなさが強い印象を与え、ジミンちゃんのオラオラから甘美な誘惑までオールマイティな歌声が劇的に盛り上げます。
そしてそこに新しい要素――自由なリズムや予想外の展開を持ち込んで聞く人を驚かせ、飽きさせないのがホビじゃないでしょうか。
あ、何でユンギが「サウンド」なのか補足しますと、自分にはユンギの歌声は「高くて目立ち、光を浴びて輝く稜線のようにサウンドを際立たせ、人を引き込む」「自分の声の個性をよく知っており、楽曲に必要な情緒や鋭さを与えている」ものに聞こえているからです。
要するに、サウンドを完成させるパーツなんです。Prod.SUGAっぽい声の使い方だなと思っています。
バンタン楽曲の面白さ
ホビの歌声のユニークさを追いかけると、バンタン楽曲の豊かさに繋がっていきます。
クラシック発想の「歌」として見ると「変わっている」という感想になりますが、「歌」にも色々なジャンルがあるのだという視点から見れば、多様性に変わります。
それを許容し、異質な歌声同士を飲み込んで楽曲の厚みへ変換しているあたりが、私が興味を惹かれてやまない部分なのかもしれません。
あ、ナムギの二人は、歌う用の声の音域は狭めなのでよく面白扱いされるのですが、デモテープとかパフォーマンス中の発声聞いてると、声自体は出るんですよね。パフォーマンス用の声なんだなと思っています。
面白でも私は愛していますけどね!!
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