3人暮らしをはじめます
人生には、予期せぬ「ピボット(方向転換)」が訪れる。
これまで積み上げてきたキャリア、守ってきた家庭、当たり前だと思っていた日常。それらの輪郭がふとした瞬間に揺らぎ、再構築を迫られるとき。
わたしは、コンサルタントとしてクライアントの事業再構築を支援する立場でありながら、自分自身の「人生の再構築」という壮大なプロジェクトの当事者となった。
結論から言えば、わたしは今、小学6年生の長女と小学4年生の長男との「3人暮らし」という新しいチャプターをスタートさせようとしている。
悲壮感はない。むしろ、これからの景色がどう変わっていくのかを、シビアなコンサルタントの目と、好奇心旺盛な一人の人間の目で見つめている自分がいる。

2025年夏、冷房の効いたリビングでの「問い」
「もし転勤になるかもって言ったら、どうする?」
2025年の夏、冷房の効いたリビングで、会社員(技術系営業職)の夫がふと口にした言葉。
それが、わが家の新しい物語のプロローグだった。 彼には選択肢があった。今のまま愛知の支店に残るか、他県の事業部へ異動するか。その可能性は、本人曰く「半々」だという。
「でも、行くのであれば家族を連れてではなく、単身赴任で行こうと思う。まどかちゃんは、どう思う?」
夫はいつだって家族ファーストだ。
独立コンサルタントとして、分刻みのスケジュールで動くわたしのキャリアを、彼は誰よりも尊重してくれている。
民間企業へのコンサルティング、公的機関の登録専門家、TAC中小企業診断士講座の講師、その他多岐にわたる講師活動、そして合格者コミュニティQCCの活動、などなど。多岐にわたるわたしの活動を、彼は一番近くで、一番の理解者として支えてきてくれた。
だからこそ、彼は自分のキャリアよりも「家族の今の平穏」を優先しようとしていたのだ。
けれど、わたしが彼に返した言葉は、コンサルタントとしての助言でも、妻としての甘えでもなかった。
「自分はどうしたいの?」
わたしが一番大切にしたいのは、彼のキャリアの「鮮度」だ。 経営資源において「ヒト」が最も重要であるように、人生という経営において、自分というリソースをどこに投入するかは最優先事項である。
仕事が占める時間は、人生において驚くほど長い。その時間を、ただ「不満がないから」「現状維持が楽だから」という理由で消費してほしくはない。
40代を迎え、これからさらに脂が乗っていく時期に、心の底からやりがいを感じる場所にいてほしい。それが、わたしが考えるパートナーへの最大の敬意である。
夫は少し考え、正直な胸の内を明かしてくれた。 「今の仕事は長くやってきたことだし、環境もいい。でも、事業部へ行けば企画部門になる。今までとは全く違う、新しい挑戦ができる。正直、そこには興味がある」
「だったら、行けばいいじゃない」
わたしの背中を押す一言で、すべてが決まった。 そして2026年の年明け。
「転勤が決まったよ」という彼の報告に、わたしは「そうか、分かった」と短く答えた。行き先は、熊本。名古屋からは決して近くはないけれど、海外赴任でもないし、会おうと思えば気軽に会える距離だ。

ワンオペではなく「スリーオペ」という戦略的組織運営
4月から、夫は熊本へ。わたしと子供たちは名古屋に残り、新しい生活が始まる。 世間ではこれを「ワンオペ育児の始まり」と呼ぶのかもしれない。けれど、わたしは、あえてその言葉を使わない。
この春、長女は中学1年生、長男は小学5年生になる。彼らはもう、単に「守られる存在」ではない。自分たちのことは自分でやり、時には家庭という組織の運営を担う立派な「戦力」だ。
わたしはこの新生活を、母一人が背負う苦行ではなく、3人で力を合わせて乗り切る「スリーオペ」のチームビルディングだと捉えている。

朝の慌ただしい時間、誰が洗濯機を回し、誰がゴミを出すか。仕事で遅くなる夜、どうやって夕食の時間をデザインするか。 これは、わたしが専門とするDX戦略にも通じるものがある。
リソース(家族の体力と時間)を最適化し、ツール(最新家電や生成AIを活用したタスク管理、外注サービス)を使い倒し、いかに「機嫌の良い家庭」というアウトプットを出し続けるか。
例えば、生成AIを使って1週間の献立を栄養バランスと在庫から爆速で作成し、ネットスーパーと連携させる。あるいは、子供たちとの連絡手段にビジネスチャットのロジックを取り入れ、報告・連絡・相談を仕組み化する。
子供たちが自立し、家庭のマネジメントに参画することは、彼らにとっても最高の「生きた教育」になるはずだ。彼らは、家庭という名のスモールビジネスを運営する共同経営者なのだ。
3LDKという「自分への投資」とコスト管理
もちろん、物理的な距離と同時に得る「痛み」もある。
最大の問題は、生活コストだ。名古屋と熊本。二重生活になれば、ざっと計算しても、生活コストはこれまでの1.5倍程度に跳ね上がる。(車も買わないと!)
けれど、わたしはこの状況に、ある一つの大きな「朗報」を見出していた。
わたしたちが住んでいるマンションは、3LDK。
夫の単身赴任によって、わが家は期せずして「一人一部屋」という贅沢なパーソナルスペースを手に入れることになったのだ。
実を言うと、わたしは結婚してから一度も、自宅に「自分の仕事部屋」を持ったことがない。 以前は外にオフィスを構えていた時期もあったが、コロナ禍を機に潔く引き払った。以来、自宅でのデスクワークにおいては、リビングのテーブルがわたしの主戦場だ。

子供たちもまた、自分だけの部屋を持てることに目を輝かせている。
環境が変われば、パフォーマンスが変わる。それはコンサルタントとして、わたし自身が一番よく知っている事実だ。
「稼ぐ」というプロフェッショナルの決意
だからこそ、わたしは2026年の目標を明確に定めた。
「今年は、とにかく稼ぐ」
当然、自分の役員報酬もきっちり上げる。
そのプレッシャーこそが、プロフェッショナルとしてのわたしをさらに高みへと押し上げてくれる。
パートナーのキャリアを大事だと思える理由
「パートナーのキャリアを優先できるのがすごい」という誤解をされることがある。 けれど、それは少し違う。
わたしが夫を応援できるのは、夫がいつだって、わたしのキャリアを「自分のこと」のように応援してくれているからだ。彼が家族ファーストでいてくれるから、わたしも同じように彼を思いやることができる。これは、人間性の問題ではなく、鏡のような「相互補完」の関係性の結果に過ぎない。
わたし自身、読書で知を磨き、大好きな旅行で感性を養い、好きな仕事を謳歌している。そんな姿を見せているからこそ、夫にも「自分の人生を最高に楽しんでほしい」と心から思えるのだ。
仲の良い友人にこの決意を話したところ、彼女は笑いながらこう言った。
「えー!それって、もう『遠距離恋愛』じゃん!」
その言葉を夫に伝えると、彼はなんだか少し照れくさそうに、でも嬉しそうに笑っていた。

名古屋と熊本。地図上では離れていても、私たちはこれまで以上に密なコミュニケーションを取り、お互いの挑戦を報告し合うだろう。
新しい環境を楽しもう!
4月から始まる、3人暮らしと、夫との「遠距離恋愛」笑
大変なこともあるだろうけれど、それを「noteのネタ」にできるくらいの強さとユーモアを持って、わたしはこの新しいステージを全力で楽しむつもりだ。
「スリーオペ」が崩壊して、リビングが戦場になる日もあるかもしれない。そんな失敗があっても、すべては経験値として積み重なっていく。
稼いで、輝いて、最高のチームを築いてみせようじゃないか!

熊本にいる夫が、名古屋のわたしたちの活躍を聞いて「負けていられないな」と奮起するような、そんな刺激的な関係であり続けたい。
「いいんじゃない?」って思ったら、“スキ”や“シェア”、お待ちしています!

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