ノウハウだけじゃ足りない──「感じること」を取り戻すための心のリセット術
1. 心のスキルはなぜ魅力的なのか?
現代は「心のスキル」や「メンタルの整え方」があふれる時代です。
SNSを開けば、「嫌われない伝え方」「感情コントロールのコツ」「人間関係をラクにする心理術」など、魅力的なフレーズがずらりと並びます。
本屋のビジネス書や自己啓発コーナーには、ポジティブ思考、マインドフルネス、レジリエンス……と、心に効きそうな技術が山ほど紹介されています。
こうした情報は、実際に私たちの生活を支えてくれる場面も多くあります。
✔ 感情的にならず冷静に対応できた
✔ 言いたいことを角が立たずに伝えられた
✔ 落ち込んでも早く気持ちを切り替えられた
これらは確かに「スキルとしての心の扱い方」があってこそ。
だからこそ、私たちは心のノウハウを学びたくなるのです。少しでもうまく、傷つかず、前向きに生きられるなら──と。
2. ノウハウの落とし穴:感情の置き去り
けれど、心のノウハウに頼りすぎたとき、ある落とし穴が生まれます。
それは、「自分の感情がおざなりになる」ということ。
たとえば、こんな経験はないでしょうか?
本当はすごく腹が立っていたのに、「大人の対応をしよう」と自分を納得させた
すごく悲しかったのに、「考えても仕方ない」と思考で押さえ込んだ
辛いのに、「このくらいで弱音を吐いてはいけない」と気合で乗り切った
これらは一見、成熟した対応のように見えるかもしれません。
でも、その場をしのぐために「気持ちをなかったことにするクセ」が続くと、どうなるでしょう?
気づかないうちに、自分の感情が自分に伝わらなくなっていくのです。
喜怒哀楽の「哀」や「怒」の部分がうまく感じ取れず、
「何がつらいのかよくわからないけど、なんだかずっと疲れてる」
「表向きは笑ってるけど、どこか虚しい」
そんな曖昧な不調だけが、心に残るようになります。
3. 感情は、ただの反応ではなく「メッセージ」
私たちはよく「感情的になってはいけない」と言いますが、本来、感情とは悪いものではありません。
むしろ、感情は自分の内側からの“メッセージ”です。
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