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うつでしんどい日も歩いていける ― 数字を数えながら一歩ずつ進む科学と実践

外に出るのがつらい日があります。
体が重くて、息をするのも精一杯で、「今日はもう何もできないかもしれない」と思ってしまう日。
うつ病や心身の疲労が強いときには、そんな日は決して珍しくありません。

けれど、生活の中ではどうしても外出しなければならない用事があります。
役所の手続き、病院の予約、生活必需品の買い物。
頭では「行かなきゃ」とわかっていても、玄関から一歩を踏み出すまでに気力を使い果たしてしまう。
ようやく歩き出しても、途中で立ち止まりたくなってしまう……。

そんな「歩くのもつらい日」を少しでも楽にするヒントがあります。
それが、「数字を数えながら歩く」というシンプルな方法です。


歩き出せないとき、脳では何が起きているのか?

うつ病や強い疲労があるとき、外出が大変なのは気のせいではありません。
脳科学的にも裏付けがあります。

不安やストレスを感じると、脳の扁桃体(へんとうたい)が活性化します。
扁桃体は危険信号のセンサーで、恐怖や不安が強いときに心拍数を上げたり筋肉を緊張させたりして、体を「戦うか逃げるかモード」に切り替えます。
これは生存に必要な機能ですが、うつ状態ではその反応が過剰になり、外出や人混みといった通常の刺激にも過敏に反応してしまいます。

心理学者ジョセフ・ルドゥーの研究(1996年)によれば、扁桃体が過剰に活動すると、前頭前野(考える脳)の働きが一時的に低下し、冷静な判断がしづらくなります。
結果として「行きたくない」「危険かもしれない」という感覚が強まり、体は重く、歩みは止まりやすくなります。

つまり、外出がつらいのは「怠けている」のではなく、脳と体が本気であなたを守ろうとしている反応なのです。


数字を数えると扁桃体が静まる?

では、どうやってこの過剰な反応を落ち着ければいいのでしょうか。
ここで役立つのが、数字を数えるという単純な行動です。

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