大人になってから親友は作れるのか─健全な友情とは「境界線」を大切にできる関係
「大人になると親友はできない。」
そんな言葉を耳にすることがあります。
学生時代の友人は特別な存在になりやすく、一緒に過ごす時間も長かったため、「あの頃のような親友はもうできない」と感じる人も少なくありません。
けれど、私は少し違う経験をしてきました。
私にとって本当に長く続いている親友は、大人になってから出会った人たちです。
山形には子育てを頑張っている親友がいます。
三重県には、二十四年以上付き合いが続いている親友がいます。
どちらも、「親友を作ろう」と思って出会った相手ではありません。
気がつけば長い年月が流れ、「この人は私にとって大切な人だ」と思えるようになっていました。
一方で、中学校や高校の友人とは、自然と疎遠になりました。
私は進学校に通っていました。
中学校の友人には進学せず就職や結婚を選んだ人もいて、それぞれ生活が大きく変わりました。
子育てに忙しくなった友人もいました。
私は進学を目指していたため、その頃から少しずつ生活が離れていきました。
高校では、私以外の全ての友人が大学へ進学しました。
私は大学へは進学しませんでした。
それぞれ違う道を歩き始めると、話題も生活リズムも変わっていきます。
誰が悪いわけでもありません。
人生が違えば、交わる時間が減ることは自然なことです。
だから私は、「学生時代の友達が一生の親友でなければならない」とは思っていません。
人生には、その時期だからこそ出会える人がいる。
そして、大人だからこそ築ける友情もあるのだと思っています。
大人の友情は「安心感」を育てる関係
学生時代の友情は、一緒にいる時間が友情を育ててくれます。
毎日学校で顔を合わせます。
放課後も一緒です。
嫌でも相手を知る機会があります。
ところが、大人になるとそうはいきません。
会おうと思わなければ会えません。
予定を合わせなければ話すこともありません。
だからこそ、大人の友情は「時間の長さ」よりも「安心感」が重要になります。
心理的に考えても、人は安心できる相手に対して少しずつ自己開示をします。
ここで大切なのは、「少しずつ」という部分です。
安心できると感じるから、自分のことを話せる。
自分を受け入れてもらえた経験があるから、また話したくなる。
そうやって信頼は積み重なります。
ところが、この順番が逆になることがあります。
「深い話をした=親友」ではない
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