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【時をかける少女】これからの人生を彩るSF入門書

こんなにも短編でわかりやすいSF小説も、まあないだろう。起承転結しっかりベターで、まさにSF入門書と言うべき一冊『時をかける少女』。

それもそのはず、巨匠“筒井康隆”が1960年代に世にドロップアウトして、その後重版を重ねまくり、70年代・80年代・90年代・2000年代と10年ごとに1本ないしは2本と映像化リバイバルされ、その度に好評を博す。

『時をかける少女』に収録されていた『果てしなき多元宇宙』のような話も含め、60年代にこんなにもわかりやすいストーリーを描いたからこそ、ベターな物語というよりむしろ、小説の書き方の基準になっている。ハインラインやアシモフのような、文学的素養や基本的な倫理観を必要とするSF時代で、筒井康隆は子どもも読みやすい王道のストーリー仕立てにしている。想像しやすい情景描写を採用している。

言うなれば、60年代でもあるし、日本SF小説のビートルズといったところか。
筒井康隆で読んだことがある小説が『最後の喫煙者』という、中学2年の自分には刺激が強すぎるエログロい描写であったためか。筒井康隆中毒を、邪道に受け止めてしまったため『時をかける少女』を敬遠し続けていたものだが、名作と言われてなにも不思議さを感じない作品だった。

衝撃的な『最後の喫煙者』を個人的には読んでほしいところだが、『時をかける少女』から得られるジュブナイルな王道をこそ、まずは読むべきだろう。

『時をかける少女』筒井康隆
これは、小学校もしくは中学校の国語の教科書に導入し、王道の物語に触れるもよし。SF入門書として、SFに抵抗のある人がキッカケにしてみるもよし。変に拗らせる前に読んでおくのが得策だろう。

難しいことは一切書かれていない。読んだままに、感じたままに生きていける。そういう一冊。

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