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今日も私は『夏への扉』を探している

猫のピート同様に、自分も数ある扉のうちのどれかは "夏" につながっているんじゃないかと。扉を探して、開いて開いて開いては休み、また開く。たまに "春" に通じていることもあるけど、"夏" にブレイクスルーしていくことがない。

これは単純に、冬の寒さがキライで、寒いより暑い派だからという直接的なコトでもあるし。人生の冬の時期では全くないけれども、かといって "夏" ではないから、ガンガンやっちまっているというワケでもある。

今日も今日とて『夏への扉』を探しているのだ。

俯瞰してみると、特に自分のがんばりの大半は意味のないことでもあり、努力が必ず報われる世の中とは決して言えないのが事実。
マクロ的な視点で見ると、そりゃあもう自分なんてちっぽけで取るに足りない未満の存在で、人類がどうあがこうったって、ナニカが変わるのかってハナシ。

それでも、夏への扉を探している。家にたくさんあるドアのどれかが夏に通じていると信じている、ピートそのものなのである。

皆さんご存じ、ハインラインの最高傑作と言っても差し支えないであろう『夏への扉』。300ページ余りの中で、起承転結のうちの "起" が3度もある。

現在・未来・現在。バック・トゥ・ザ・フューチャーよりも難解ではあるが、こんなにも "起" があるなんてのは大変なことだ。
最初だけがおもしろい作品は数多ある。加えて最後の締めが痛快な小説も、これまた数えきれないほど。しかし、この最初の面白さってヤツを一作品の中に3度も盛り込むなんてのは、豪快にもほどがありませんかね。一生飽きずに観られる工夫が凄まじすぎやしませんかね。

コールドスリープに万能ヒューマノイド型ロボット。挙句の果てにはタイムトラベル。こんなことを言ってはネタバレになるかもしれないとも思いつつ、タイムトラベルの話が舞い込んできた瞬間に、あの場面が伏線になっているのだなと気付ける箇所が多々ある。

それなのにおもしろいのか?と疑問に思うかもしれないがモーマンタイ。あの場面も伏線になってたのか!って驚きもたくさんあるし、なにより、気づけた伏線が気持ちよく回収されていくのが気持ちいい。

裏切りへの憤り・数多くの別れと出会いと再会・葛藤・感動
そして、おまちかね。理系大歓喜の理論的な議論。

そして、そう難しい理論は他のSF小説とは違って、説明されない。なんせ、主人公自身が技術者というところがおもしろく興味深い点なのだが、既存のものを組み合わせただけで大した頭脳を持っているわけじゃない。というスタンスなので、もちろんそれこそが天才なのだが、鼻につかない感じがイイ。

でもやっぱり一番は、タイムトラベルの矛盾を解決するために頻出する、"マルチバース" だった場合のホームシックさを出されてハッとさせられた次の瞬間。そんな小難しい話ではないと、読者に教えてくれたところ素晴らしかった。ほとんど誰もが不幸にならない物語をありがとう、といったところだ。

多くの人がおすすめする、昔ながらの名作。流行りでおすすめしてくるモノなんかは信用に足りないが、不朽の名作はどの作品も一読の価値アリ。
そういうのを吸収しまくる一年にしていきたいね。

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