映画で聴ける謎の劇中歌とダンスシーン|邦画編 女体渦巻島 などの古き良き日本映画
前回、洋画『Night of the Juggler』の音楽について書きましたが、邦画にも長年気になっている劇中歌があります。
それが、新東宝の『女体渦巻島』(1960)のダンスシーンで、浅見比呂志が奇怪な歌を熱唱しているこの曲です。
🎬 女体渦巻島(1960 新東宝)
監督:石井輝男

中盤のサックスがめちゃめちゃかっこよくて、この映画を観た当初、この手の音楽に詳しそうなレコード店やコレクターに問い合わせたのですが、一切わからずじまいでした。
そして2019年、一枚のCDを発見しました。
◆ 渡辺宙明 新東宝映画作品集
このCDに「浅見比呂志『悪魔のキス(『女体渦巻島』劇中歌)』」として収録されているので、迷うことなく購入しました。ただ、収録されていたのは映画から抜き出したMEトラック版でした。
タイトルも判明して、なんとなくすっきりしたのですが、少しだけ心残りがあります。それは、やはりレコードでリリースされていそうな気がしていることです。
映画を細かく聴くとわかるのですが、曲が鳴る寸前に針を置くような音と、レコードノイズ的な音が聞こえます。
フィルムのMEノイズかもしれませんが、どこかに7インチが存在していそうな気がしています。
いずれにしても、泥酔して酩酊状態のダンスを表現したシーンですが、映像効果と薄暗いムードが一度見たら忘れられません。
ここまで書いていて思い出したのですが、映画のダンスシーンといえば、『女体渦巻島』(1960)で主演を務めた三原葉子が、悪役で登場する『0課の女 赤い手錠』(1974)を思いだします。
🎬 0課の女 赤い手錠(1974 東宝)
監督:野田幸男

このオープニングで、杉本美樹のやる気のなさそうなダンスが印象的でした。杉本美樹は出演映画のほとんどが東映ポルノですが、素敵な役者だと思います。
50~70年代の日本映画は、どれも魅力的です。
特に大映の若尾文子、勝新太郎、田宮二郎の映画が大好きです。
シリーズ作品では、『犬シリーズ』『悪名シリーズ』『座頭市シリーズ』も網羅しています。
若尾文子は、『赤線地帯(1955)』や『女経 第一話 耳を噛みたがる女(1960)』でのお金に執着する少しダーティな役がとても印象的でした。凄惨な『清作の妻(1965)』と『赤い天使(1966)』も凄かった。
そういえば、若尾文子の『しとやかな獣(1962)』にも強烈なダンスシーンがありました。
🎬 しとやかな獣(1962 大映)
監督:川島雄三

映画自体も名作ですが、物語の中ほどに家族でざるそばを食べている最中、川畑愛光と浜田ゆう子が、突如テレビから流れてくるゴーゴービートにつられて踊りだすシーンがあります。
夕焼けと団地の一室、ざるそばを淡々と食べる両親、踊り狂う姉弟の対比が強烈な名シーンです。
僕としては若尾文子のダンスシーンも観たいですが、彼女はそういう役柄では無いので、残念です。
若尾文子は、とにかく綺麗な方なので、その美貌を武器にしたダーティな役柄がとても印象的ですが、かわいらしい役柄の『青空娘』(1957)や『最高殊勲夫人』(1959)もとても素敵です。
他の俳優で言えば、渡瀬恒彦が昔から大好きで、初期の頃の荒々しい役柄から、テレビの旅情サスペンスドラマ『十津川警部シリーズ』まで、ほぼ追いかけるように観ています。
古い日本映画の話をし始めると、いろんな作品が浮かんできて、キリがないです。
『女体渦巻島』の石井輝男の他の「エログロ」路線作品も強烈で好きですし、70年代に量産された東映のヤクザ映画や任侠映画、そして今回の『0課の女 赤い手錠』のような、池玲子や杉本美樹のポルノ作品も大好きです。
梶芽衣子の『野良猫ロック』シリーズ(日活)、『女囚さそり』シリーズ、『修羅雪姫』シリーズ(東宝)も忘れられません。
また、映画に絡めた音楽のことを書いていけたらと思っています。
