再現性のあるマーケティングをするために。
きっかけ
手伝い先の自営業やスタートアップがより自走していけるように考え方をまとめた整理結果をシェアしようと思いました。
自分は、経営、オペレーション、開発、マーケの手伝いがあるんですが、「あなたが失敗しない仕事は?」と聞かれたら、「マーケティング」と回答すると思います。
それは、自分のスキルがマーケティングが1番安定するということ以上に、セオリーが成果に繋がりやすいからだと思います。
人間の科学が根底にあるため、オペレーションや経営よりも再現性が維持されやすい論点が多いんだと思います。
自分の考えでしかないですが、マーケについても根本的なことを言語化してみようと思いました。
このnoteの内容
この記事では「買い方」の設計について言語化しています。
致命的な論点である割に解像度の高い資料が少ないからです。
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マーケターの種類?について
マーケターには写実派と印象派がいる
マーケターには共通する根底的な素養の上に、
2種類の仕事人がいるイメージがあります。
物理的な世界を基軸とする人、
知覚されている顧客の脳内を基軸とする人。
どちらも成果が出ると思ってます。
というか両方やらざるを得ないと思います。
自分は、得意なのは完全に印象派です。
記載内容は、読みにくさがあったらすいません。

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マーケティングの再現性について
顧客の視界と思考
市場や製品が変わっても、
その人を基軸に確かな成果を生み出せる
再現性がある状態。
マーケターとして再現性がある状態は、
自分の考えは以下のような人物像です。
「買い方」・「買える状態へ至るプロセス」
その2つを具体的にデザインできるほどに、
顧客の視界と思考の解像度を獲得でき、
具体的な打ち出しやポジションの設計へ落とせる人
ここでいう視界は、
「どこに何があるか」「どれが手に入るか」「どうアクセスできるか」を生活者や購買担当者の立場でリアル目に入っている全体像のことです。
インタビューで言質を取った競合への意見だけではないです。
ここでいう思考は、
その商品・サービスを前にしたとき、「信頼」「関心」「ためらい」「誤解」「過去の体験との照合」「買う/やめる」を紐づける知識・気持ち・トリガーなどの全体像のことです。
「顧客解像度が高い」
こうした顧客の目に入っている事柄と
その上で起きている脳内について、
自分の思い込みなく、
顧客以上にトレースできている。
その状態を指すと考えています。
現実は絶え間なく変わっていきますが、
的確な把握をしている場合は、
その顧客解像度には一定の耐久性があります。
この記事で書いていく"買い方の設計"をするには、
顧客解像度があることが前提となります。
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"売り方"と買い方"
どうすれば顧客が買えるかを設計する
私見ですが、マーケティングは売り方の前に"買い方"によって売れるかどうかがかなり支配されると考えています。
買え方・出会え方と言っても良いと思います。
顧客目線での商品へのアクセシビリティ、商品が何に見えてどう手に取れるのかを整えてあげる行為です。
「売り方」をデザインするというのはは、売り手の行動を考え整える行為。
「買い方」は、買い手の視界・理解・比較・納得・決断が成立する構造を考える。

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"買い方"を設計するとは何をするのか。
何をどう知覚され、買われるのか?
その構図のデザインです。
買い方と聞いたときに、「サブスク?買い切り?」とかの思考で止まることなく、製品のポテンシャルを活かすための具体的な取り組みを産むことを目指し、そのためにマーケターが行う思考論点をまとめています。
10個ありますが、全部考えなくてもokです。
何故買われなかったのか?を突き止めるためにも使えると思います。
買い方?買い方??
買い方を検討や探索をしていく段階では様々な軸を使います。
製品のポテンシャルや法人のノリや歴史と合う買い方の設計(購入者の知覚の設計)があるはずです。
顧客は賢いです。
顧客というか人間の脳みそがとても高度です。
だから、顧客が何をどう買ってるのかを改めて理解していき、自分たちの製品はどんな買い方が収まり得るのかを突き止めます。
顧客自身に自認がなくとも、
以下の3つの思考がお買い物には常に存在しています。
A. ロール
顧客(わたし)は、どの文脈・誰のため・どの時間軸の価値として買うのか。
B. モノ
顧客(わたし)は、それをどの粒度・製造深度・選択単位・代替比較の中で買うのか。
C. 関係性
顧客(わたし)は、それをどの看板・どの関係・どの社会的存在として受け取るのか。
これらを整えていく行為が、
買い方を整えると言う行為です
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イメージ例
直球販売から買いやすい販売へ
健康に関してとても詳しくて、めっちゃ親身な医師免許もあるトレーナーがいました。
「専門医学でガッツリ!マンツーマンのパーソナルトレーナー」と打ち出しました。
顧客は痩せなきゃいけない自分を思い出し、ライザップみたいなやつかと思って怖くなり、誰も申し込みませんでした。
「平日いつでも8時にやってるみんなで朝ヨガ」と打ち出しました。
顧客は、ヨガくらいは続けたい私を思い出し、たまには家でやるよりいいかも?という、自分の習慣化を補完する仕組みとしてノリで参加できました。
そのヨガでは医学に沿ったひと工夫や、ヨガ後に適切な知識で判断されたスッキリした飲み物がありました。
顧客は「健康に関してとても詳しくて、めっちゃ親身な医師免許もあるトレーナー」だと感じ、パーソナルコースへ入会しました。
この例は買い方だけ変わっています。
よくある工夫にも見えますがとても的確です。
次は、もう少し全体的なピボットパターンをイメージするための論点リストを説明します。
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A. ロール:顧客は誰として買うのか

論点1. 買い手の文脈
顧客が、その価値をどの“課題の棚”に置いて検討し始めるか。顧客によっては一生関わらないと決めているカテゴリーがたくさんあります。
大カテゴリ:教育、DX、健康、業務改善など、大きめのテーマとして認識される。
個別カテゴリ:マーケティングスキル、AI評価、日程調整、CS改善など、具体的な用途カテゴリとして認識される。
別カテゴリ:本来の価値とは別の入り口、たとえばBBQ、経営合宿、イベント、研修、旅行などの中に目的価値が埋め込まれて認識される。
論点2. 想起する受益者
顧客が「誰にとって良いもの」として価値を思い浮かべるか。ズボラなお母さんもなぜか子供の健康リスクには敏感です。
決裁者便益:買う人・決める人自身に、直接のメリットがある。
関係者便益:子ども、社員、顧客、住民、現場など、決裁者以外にメリットがある。
論点3. 想起する時間軸
顧客が価値を、どの時間に対するものとして想起するか。
人は複数の時間軸を同時に想起できません。
過去:過去の蓄積、失敗、記録、後悔、使われていない資産を回収する価値。
現在:いま困っていること、いま楽になること、いま成果が出ることへの価値。
未来:備え、予防、成長、保険、投資、将来の選択肢を増やす価値。
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B. モノ:顧客は何を買うのか

論点4. ポジションの粒度
顧客が、それをどの粒度の存在として扱うか。
同じ結果に向かいたい人も、こんな部品さえあればなって人もいれば、既存製品の扱いにくさに困っているだけの人もいます。
ライブラリ:何かのプロダクトや業務に組み込んで使える要素。
プロダクト:特定の目的に向けて、そのまま使える完成された単位。
ハブ:さまざまなプロダクトや機能を横断して使われる中心的な存在。
論点5. 製造の深度
顧客から見て、こちらがどこまでを作っている存在として振る舞うか。
何をしている存在なのか?の認識が変わると、こちらからのメッセージが、自分を騙すセールストークなのか合理的なアドバイスなのか、受け取り方がガラッと変わってしまうのも人間の性です。
総合製造:全体を作っている主体として認識される。
組み合わせ製造:メーカー、機能、製品を中立的に組み合わせる主体として認識される。
付加価値創造:既存の製品、業務、場、カテゴリに対して、新しい意味や価値を加える主体として認識される。
論点6. 選択の単位
顧客が、どのような選びやすさ・納得感で買えるか。
結構いいなと思っても、買う単位やカスタム性の有無によって丸ごと棄却されてしまいます。
逆にその人にとって、またはポジションによってはマルッといい感じにしてもらえるほうが買いやすい場合もあります。
オプション:自分に合わせてカスタマイズしながら選べることが価値になる。
パッケージ:細かく考えず、まとまった単位で選べることが価値になる。
従量課金:使っていない分に無駄なお金がかからないことが価値になる。
論点7. 敵とする代替手段
顧客の脳内で、何と比較されながら検討されるか。
同じコップを売るにしてもオツな1人晩酌、家族の食卓、たまの来客歓迎用、どれとしてイメージするかで変わってしまいます。
顧客によって、スイッチングがしやすいアイテムとしにくいアイテムもかなり違います。
過去の製品:以前の道具、古いやり方、既存の運用からの置き換えとして比較される。
現在の同カテゴリ:同じカテゴリにある競合商品や類似サービスと比較される。
現在の別カテゴリ:同じ悩みや価値に対して、まったく別の解決策として比較される。たとえば「お腹が痛い」に対して、整腸剤ではなく枕を変える、のような比較。
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C. 関係性:何者として視界に入り、何者として受け取られるのか

論点8. 製品の看板
顧客が、どの看板なら身構えずに目に留め、検討に移行しやすいか。
新しいアイデアも新ブランド、新商品とすべきなのかオプションとして売り出すのかは常に一考の余地があります。
新しいということは、知らないモノになります。
それはメリットにもデメリットも働く大きな分岐点です。
他社看板:すでに信頼している他社の信用や販路の中で認識される。
自社看板:自社・自分・チームの信用によって認識される。
製品看板:会社名ではなく、製品名やサービス名そのものの信用で認識される。
オプション:独立した新商品ではなく、既存の看板に付属する追加要素として認識される。
論点9. 買い手との関係
顧客が、こちらをどんな立場の相手として受け取るか。
モノを売りに来る人は基本的に敵としてみなされます。同じ製品を届けるとしても、顧客にとって何者かとして真摯に向き合うべきなのかは重要です。
知らない人からモノを買うことはECがあろうとなかろうとハードルそのものは変わりません。
完成品販売:売りに来ている人、完成品を渡す人として受け取られる。
共同構築者:一緒に考え、一緒に作る人として受け取られる。
指導者:自分より詳しく、判断や実行の型を教えてくれる人として受け取られる。
論点10. 市場の存在形式
顧客が、その事業を社会の中でどんな存在として理解するか。
この論点はbtobの性質がある場合により影響があります。いいものがあってもレイヤーや位置付けによっては、お付き合いが出来ない場合があります。
プロダクト:ひとつの商品・サービスとして使うもの。
マーケット:出会い、比較、選択、取引が起きる場。
プロトコル:複数の人や組織が従える共通の作法・形式。
インフラ:意識せずとも前提として使われる基盤。
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売り方ではなく"買い方"を整備する
総合的なまとめ図です。

この10点を全部を決めたり変える必要はないです。
モノが売れない時、思うように売れない時、
製品なけではなく、買い方の調整余地を疑う。
この姿勢がマーケターの基本だと思います。
その次にプロダクトや伝え方やプロモーションを疑うと言う順番かなと思っています。
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あとがき
良いものが普通に売れればいいのになー。
と日々思います。
マーケはまだ現代では勝手にそうなってはくれない現実があるがための土方です。
良いモノを生み出せてしまう会社ほど、基本的には売り物に詳しすぎてしまう。
顧客にとっては必要な整理や、ドラマチックな体験にもできる様々なステップも買い方として飛ばしてしまっていたりもする。
ここまで知覚を整理していく必要がある理由としては、現代のお買い物が難しいからだと思っている。
それが故にモノが良くても売れない。
「うちの製品を使ってくれれば幸せになれるのに〜」
というお決まりのエンディングになってしまう。
プロダクトを作ることは売れるための半分、
もう半分は買い手の設計。
その成果が持続するために行うことがクリエイティブ運用やプロモーションだと考えている。
「買い手が現代でその製品を手に取れる」というためだけの数分のコミュニケーションで起きている見えない出来事について、わかった気にならずに研究していく姿勢があればどうにかなる。
