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生成AIを使ったUXリサーチのやり方

割引あり

リサーチに生成AIを使う人は多いと思いますが、それはデザインのリサーチ方法についても同様です。

デザインの知識や経験が薄い人でも、ある程度の専門的な視点は生成AIを使ったデザインリサーチで補うことができます。

今回は私が行っているUXデザインのリサーチ方法の一部を共有いたします。

1. AIはUXをどう変えたのか

わずか1年前まで、多くのUXチームは生成AIを業務で使うことをためらっていました。最大の理由はデータプライバシー問題です。
AIは学習のために入力データを保存・利用する可能性があるため、企業の機密情報やユーザーデータを扱うUXリサーチでは大きなリスクと見なされていました。その結果、2023〜2024年初頭にかけては、Samsungなど大企業がChatGPTの業務利用を禁止する事例が相次ぎました。

しかし2024年半ば、この状況を一変させる転機が訪れます。
OpenAIやAnthropicなど主要プロバイダーが「プライベートAI(Private AI)」を提供開始。これは大規模言語モデル(LLM)を外部ネットワークから壁で隔離し、入力データが外部に漏れない仕組みです。さらに企業ごとの契約でデータ利用ポリシーを明確化し、安全に業務利用できるAI環境が整いました。

この技術的ブレイクスルーにより、UX業界では一気にAI活用が加速します。
2025年初頭、Nielsen Norman Group(NNG)が実施した調査によると、UXプロフェッショナルの生成AI利用頻度は、他業種の平均の750倍に達しました。もはや生成AIは「面白いおもちゃ」ではなく、「日常業務の必須ツール」になったと言っても過言ではありません。

そして、2024年まで個人レベルの試用にとどまっていた生成AIは、2025年にはUXリサーチの全工程に入り込みつつあります。インタビューの要約、質的データのコード化、パターン抽出、報告書作成など、従来は人間が膨大な時間をかけて行っていた作業を、短時間かつ高い再現性でサポートするようになりました。

この変化は単なる「業務効率化」ではなく、UXリサーチの役割そのものにも影響を与えています。AIの登場により、リサーチャーはデータ整理の作業から解放され、より戦略的な洞察や意思決定の支援に時間を使えるようになったのです。

2. UXとAIの相性が良い理由

生成AIは万能ではありません。むしろ、ニュースやSNSでは「AIが変な回答をした」「著名アーティストの作風を真似て炎上した」といったネガティブな話題が目立ちます。ミュージシャンのニック・ケイヴが「AIには本物の人間経験はない」と語った例のように、AIの限界を指摘する声も多くあります。

しかし、ことUXリサーチに限って言えば、AIは“ハンマーと釘”のように相性が良い道具です。

1. テキスト要約能力 × UXリサーチの膨大なテキスト

UXリサーチは、ユーザーインタビュー、アンケート自由記述、フィードバックコメントなど、膨大なテキストデータを生み出します。生成AIは、このテキストを高速かつ構造的に要約するのが得意です。

2. 多少の曖昧さを許容できる領域

生成AIは「幻覚(hallucination)」と呼ばれる不正確な情報生成を避けられません。ですが、UXリサーチは必ずしも100%の事実精度を求める領域ではない場合が多いのです。探索的な質的分析では、ある程度の仮説形成や推測も許容されます。

3. 既存情報の再構成が得意

UXリサーチャーが作るアウトプットは、まったくのゼロから生み出すものではなく、既存データやインサイトの組み合わせであることが多いです。生成AIも同様に、既知情報を加工・再編集するのを得意とします。

この3つの理由から、生成AIはUXリサーチの現場で高い有用性を発揮します。
そして、2024年まで障害となっていたデータプライバシー問題が解決された今、現場での抵抗感はほぼ消えつつあります。重要なのは、「どう使うか」「どうチェックするか」という運用の設計です。

次章では、著者が2025年に実践しているChatGPT Deep Researchを使った最新のUXリサーチ手法を、具体的な手順とプロンプト設計例とともに解説します。

3. ステップで質的分析を加速する

2025年2月、OpenAIはChatGPT Enterpriseに新機能「Deep Research」を追加しました。これは、通常の生成AIとは異なり、大量かつ多様なデータを取り込み、長時間かけて高度な分析レポートを生成する専用エージェントです。

Deep Researchは特に質的調査データの分析に強く、従来のChatGPTよりも正確で、引用元も明示されます。しかも、PDFやJSONだけでなく、PNGスクリーンショットからのテキスト読み取りにも対応しており、UXリサーチの素材を幅広く投入できます。

ということで、Deep Researchを使ったUX分析の流れを3ステップに整理しています。

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