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SLEと診断されたら知っておきたい制度と手続き | SLEの記録 #3

SLEと診断されたあなたへ

このnoteは、SLE(全身性エリテマトーデス)と診断された私自身の経験をもとに、「どんな制度が使えるのか」「どう備えればいいのか」をまとめた手引きです。

病気と向き合いながら生活を立て直すのは、決して簡単なことではありません。
特に診断直後は、体調の不安だけでなく、仕事やお金のことなど、悩みが尽きないと思います。

「あのときこうしておけばよかった」と私が感じたことが、少しでも誰かの助けになればという思いで書きました。

私は、傷病手当金が終わったあとに随分経ってから障害年金の存在を知り、申請が遅れてしまいました。
傷病手当金申請時に取得した診断書(申請書)のコピーも取っていなかったため、遡及分請求ができませんでした。

だからこそ、この記事を読んでいるあなたには、できるだけ早めの情報収集と準備をおすすめしたいのです。

制度は難しそうに感じるかもしれませんが、ひとつずつ整理していけば、確実に備えることができます。

■ 1.最初に確認したい「就業状況」と「健康保険」


制度を使えるかどうかは、あなたが
・どんな働き方をしているか(就業状況)
・どこの健康保険に入っているか(健康保険の種類)

によって変わります。

たとえば…
会社員・公務員の方は、「傷病手当金」や「障害年金」の対象になる可能性があります。

フリーランス・自営業・専業主婦の方は、健康保険の種類や加入期間によって受けられる制度が異なります。

まずは、
「私は今どんな働き方をしているのか?」
「どこの健康保険に入っているのか?」
を把握するところから始めましょう。


■ 2.傷病手当金とは?


会社員や公務員の方が、病気やけがで働けなくなったときの収入の代わりになる制度です。
会社を休んだ4日目から、給与のおおよそ3分の2が支給されます(最長1年6ヶ月)。

ー ポイント

・健康保険(社会保険)に入っていることが条件
・医師の証明が必要
・最初は傷病手当金、のちに障害年金へ切り替えるケースが多い

ー 必要書類と申請の流れ

申請には以下の書類が必要になります。
・傷病手当金支給申請書(健康保険組合や協会けんぽの様式)

1. 申請書の「医師の意見欄(診断書のようなもの)」への記入を主治医に依頼(障害年金の申請などでいかせる場合もあるので、すべてコピーをとっておく
2. 申請書の「事業主記入欄」への記入を会社に依頼
3. すべてそろった申請書を健康保険組合に提出
4. 後日、指定口座に支給(通常は1〜2か月後)

ー 注意点

・定期的な申請が必要
傷病手当金は1回申請すれば終わりではなく、1〜2か月ごとに申請が必要になります。
そのたびに診断書欄の記入を医師に依頼する必要があるため、通院が続いていることが前提となります。

・就労した場合、金額が減額されることがある
傷病手当金は「働けないこと」を前提とした制度であるため、少しでも働いた日があると支給対象外になったり、支給額が減ることがあります。
「在宅で少しだけ仕事した」なども影響を受ける可能性があるので要注意。

・自営業・フリーランスは対象外
国民健康保険に加入している人にはこの制度がありません。
その代わり、他の制度(障害年金など)を検討する必要があります。

ー 参考リンク

全国健康保険協会(協会けんぽ)公式ページ
健康保険組合連合会(健保連)
共済組合ポータル(国家公務員共済組合連合会)
船員保険 | 全国健康保険協会


■ 3.障害年金とは?


病気やけがによって日常生活や就労に支障が出る場合に受けられる公的な年金制度です。

SLEは、症状の程度によって障害基礎年金または障害厚生年金の対象となることがあります。
申請の際には、初診日や診断書の取り扱いが非常に重要です(取得した診断書は全てコピーを取っておく)

ー 申請のタイミングと流れ

1. 初診日を確定させる(どの病院で最初に診てもらったかが非常に重要)
2. 必要書類を集める(初診証明・診断書・病歴就労状況等申立書 など)
3. 必要書類一式を年金事務所に提出する
4. 提出後、2〜3か月で決定通知が届く

ー 経験談

診断書の取得や、病歴を時系列でまとめた書類なども必要になるため、準備に時間がかかることが多いと思います。
傷病手当金を受け取れる期間が終わる半年前くらいから準備を始めるのがおすすめです(実際に私は準備から受給まで半年程かかりました)

また、主治医に診断書の作成を依頼する際には、症状だけでなく、生活する中でどんなことに困っているか、どんなことができないか、働いている場合は職場にどんな配慮をしてもらっているか、どのくらい就労に制限があるかなどを伝えることも、スムーズな申請に役立ちます。

すべての準備や申請を一人で行うのは非常に難しいため、まずは近くの社労士事務所で無料相談を受けるることを強くおすすめします。

私も社労士事務所に依頼し、必要書類の準備から年金事務所への提出までサポートしていただきました。

ー 参考リンク

日本年金機構|障害年金について(公式)
障害年金の制度概要、受給要件、等級ごとの違い、申請手続きなど。
ねんきんネット(日本年金機構)
自分の年金記録や受給見込額などを確認できるサービス
教えて!公的年金制度 なぜ公的年金は必要なの?|厚生労働省
国民年金・厚生年金・障害年金など、公的年金制度全体の仕組みがまとめられている。
全国社会保険労務士会連合会|障害年金相談センター
障害年金の申請サポートを行う社労士を探せる。無料相談も可能。
障害年金の届書|日本年金機構
具体的に何を準備すればよいのかがすぐにわかる、申請者向けページ。


■ 4.難病医療費助成制度


SLEは、国が定める指定難病に含まれています。
医療費の負担を軽くする制度として「特定医療費(指定難病)受給者証」の交付を受けられる可能性があります。

ー この制度を使うと?

・月の医療費負担に上限が設定される(所得に応じて)
・病院・薬局での支払いが軽減される

ー 申請方法

医師から診断書をもらい、住んでいる地域の福祉課などで申請します。申請後、助成の結果が出るまで少し時間がかかることもありますので、早めに手続きを始めるのがおすすめです。

ー 参考リンク

指定難病患者への医療費助成制度のご案内難病情報センター
難病医療費助成の対象疾患、制度概要、自己負担上限額などが詳しく解説されています。
指定難病|厚生労働省
指定難病の概要、診断基準等、臨床調査個人票について。
難病ポータルサイト|東京都保健医療局
※お住まいの自治体によって手続き方法が異なるため、お住まいの自治体の公式サイトも併せてご確認ください。
難病相談支援センター全国一覧(都道府県別)
申請や更新について相談できる各都道府県の窓口が確認できます。


■ 5.高額療養費制度


SLEで入院や高額な治療を受けた場合、医療費が家計に大きな負担となることがあります。
そんなときに使えるのが「高額療養費制度」です。

ー この制度を使うと?

・同じ月にかかった医療費(保険適用分)の自己負担額に上限が設けられる
・上限を超えた分は、あとから払い戻される(上限額は年齢や所得に応じて異なる)

たとえば、70歳未満で年収約370万円〜770万円の人なら、1ヶ月あたりの上限は約80,100円+(総医療費−267,000円)×1%(※)
※上限額は年齢・所得・保険の種類などによって異なるため、詳しくは加入している保険者に確認するのがおすすめ。

また、後述する「限度額適用認定証」を事前に病院に提示しておけば、支払い時点で上限額までの支払いで済むため、窓口での負担を減らすことができます。

※「マイナンバーカード」を健康保険証として登録している場合は、限度額適用認定証の事前申請なしでも、高額療養費制度が自動的に適用されます。

ー 限度額適用認定証について

申請方法は加入している健康保険によって申請先が異なります。

会社員・扶養者の場合:全国健康保険協会(協会けんぽ)や勤務先の健康保険組合など
自営業・フリーランスの場合:市区町村の国民健康保険窓口

申請方法は郵送・Web・窓口などがあり、数日~1週間ほどで認定証が交付されます。
入院が決まったら、できるだけ早めの申請がおすすめです。

※認定証は有効期限付きなので、長期入院の場合は期間内かどうか確認が必要
※病院や薬局に提示しないと適用されないため、忘れずに持参すること
※退院後の医療費清算時にも影響があるため、受付で早めに提出するのが安心

ー あとから医療費の払い戻しを受ける方法

加入している健康保険組合や協会けんぽ、市町村の国民健康保険窓口などで申請します。
入院の予定がある場合は、あらかじめ「限度額適用認定証」の交付を受けておくと安心。

※高額療養費制度は「ひと月ごと」「ひとつの医療機関ごと」の計算となる
※食事代や差額ベッド代などは対象外となる
※払い戻しを受けるには、手続きから2年以内である必要がある
※上限額は年齢・所得・保険の種類などによって異なるため、詳しくは加入している保険者に確認するのがおすすめ

ー マイナンバーカードを使えば申請不要に!

「マイナンバーカード」を健康保険証として登録していれば、限度額適用認定証の事前申請なしでも、高額療養費制度が自動的に適用されるため、カードを医療機関の受付で読み取ってもらうことで、上限額までの支払いに抑えられます。

「マイナポータル」や一部のコンビニATMなどで登録可能です(詳しくはデジタル庁のマイナ保険証ページを参照)

※マイナンバーカードを健康保険証として使うには、事前に登録が必要
※医療機関によっては、まだカード対応していない場合もある
※マイナンバーを使っても、食事代や差額ベッド代は対象外

ー 参考リンク

高額療養費制度を利用される皆さまへ|厚生労働省
医療費が高額になりそうなとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
高額な医療費を支払ったとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
マイナンバーカードの保険証利用について(被保険者証利用について)|厚生労働省
マイナンバーカードの健康保険証利用|マイナポータル


■ 6.病院のケースワーカーに相談しよう


入院や長期の治療が必要になったとき、医療費や生活費、制度の手続きなどに不安を感じることが多いと思います。
そんなときに頼れる存在が、病院にいる「ケースワーカー」です。

ケースワーカー(医療ソーシャルワーカー)は、患者やその家族の相談にのり、経済的・社会的なサポートにつながる制度や窓口を紹介してくれる専門職です。

ー こんなときに相談できる

・高額な医療費の支払いが心配
・障害年金や傷病手当金などの制度について知りたい
・自宅療養や在宅介護について相談したい
・退院後の生活が不安、福祉サービスを使いたい

ー どこにいるの?

ほとんどの総合病院や大学病院には、医療相談室や地域連携室といった部署があり、そこにケースワーカーが常駐しています。
診察や入院の際に、受付で「ケースワーカーさんに相談したい」と伝えれば、案内してもらえることが多いです。

ー 相談は無料

ケースワーカーへの相談は無料です。
制度のことがよく分からない、誰に聞けばいいか分からない…
そんなときは、遠慮せずに声をかけてみてください。
親身になって相談に乗ってくれますよ。


■ 7.支援制度チェックリスト


以下の項目をチェックして、自分に当てはまる制度を見つけましょう。

☑︎私の就業状況は?(会社員・自営業・専業主婦・無職)
☑︎健康保険はどこに加入している?(社会保険・国民健康保険)
☑︎傷病手当金は使える?
☑︎障害年金の準備はできている?(初診日の確認・診断書をコピーしておくなど)
☑︎難病医療費助成制度は申請した?
☑︎マイナ保険証の登録 or 限度額適用認定証の申請はした?
☑︎診断書や通院記録は整理できている?(診断書はすべてコピーを取って保管しておく)


おわりに


誰かの「知っていれば助かった」を減らしたいと思い、このnoteを書きました。

制度の仕組みはとても複雑で、私自身も最初は戸惑うことばかりでした。
けれど、SLEなどの長期に続く病気にこそ「自分に合った制度を知ること」は、自分自身と暮らしを守るための大切な一歩。

このnoteが、あなたにとってその一歩になりますように。

※制度の細かい部分は変わる可能性があるので、必要に応じて最新情報を確認してください。


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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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