西賀茂車庫 2026 春
Season 1, 1 of 5
バスが車庫に入っては、出て行く。
楷書で書かれた車庫の看板は雨染みでグラデーションがかかっている。
黒ずんだブロック塀で囲まれた車庫。
錆びが浮く看板脇を走る細い道路。
車は少ない信号を減速しないで抜ける。
ガソリンの匂いが揺らいでは、消える。
濃い緑が目の端に映る。
小さな公園。
石碑に昭和五十二年十月吉日。
広い砂場の脇には藤棚とベンチ。
藤棚を通り過ぎた光は柔らかい。
ベンチは硬く、温かさを残す。
風が入れ替わる。
風が吹き上がる。
頬を撫でる。
風が落ちる。
